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「MEET THE SONGS」 第26回 THIRD EAR BAND『ALCHEMY』

今日の「MEET THE SONGS」は、チェンバー・ロックの元祖と言われるTHIRD EAR BANDがハーヴェスト・レーベルより69年にリリースしたデビュー作『ALCHEMY 錬金術』をピックアップいたします。

ロンドン出身で、パーカッション奏者のGlen Sweeneyとオーボエ/リコーダー奏者のPaul Minnsを中心に結成。前身はサイケ/ヒッピー・バンドのHydrogen Jukeboxで、UFOクラブにも出演していたようです。

商業的なシーンから離れ、禅宗やドゥルイド教やエジプト神話などの非西洋的な思想にもとづき、インプロビゼーション主体の実験的&スピリチュアルなサウンドをめざし、THIRD EAR BANDを結成。

まず68年にロン・ギーシンの企画盤で録音した後、新興のハーヴェスト・レーベルと契約し、リリースしたのが本デビュー作です。

チェンバー・ロックの元祖と言われていますが、チェンバー・ミュージックについて簡単におさらいいたしましょう。

チェンバー・ミュージック=室内楽とは、各パート1人で複数人が行うアンサンブル=重奏のスタイルによる音楽のことで、ヴァイオリンとピアノの二重奏や、弦楽三重奏などが一般的。

チェンバー・ミュージックで用いられる管楽器、弦楽器をロックに取り入れ、さらにそれだけではなく、インド音楽など非西洋音楽とも結びついた呪術的/密教的な雰囲気も漂わせるサウンドをあらすのが「チェンバー・ロック」です。

クリムゾンがプログレの扉を開け、ツェッペリンがハード・ロックの扉を、ソフト・マシーンがジャズ・ロックの扉を開けた69年に、チェンバー・ロックの扉を開けたのが、このTHIRD EAR BANDと言えますね。

商業的な音楽ではないため、他のバンドと比べてかな~り地味ではありますが、「ロックの進化」という点ではかなりエポックメイキングといえる作品なのです。

早速、聴いてまいりましょう。

どうしても、普段プログレ中心にロックを聴いていると構造的に聴こうとしてしまいますが、耳のスイッチを切り替え(第三の耳に!)、奔放に奏でられる音に身をゆだねてみましょう。

試聴 Click!

70年にフランスで放送された映像がありましたので、ピックアップ。う~ん、グレイト。

試聴 Click!

この後、2ndをリリースし、ストーンズでお馴染みのハイド・パーク・フリー・コンサートに出演。

71年には、HIGH TIDEからヴァイオリンのサイモン・ハウスが参加するなど、ロンドンのコアなアンダーグラウンド・シーンのニッティンヒル・ゲイトの一派(ホークウィンドやピンク・フェアリーズなど)とも呼応し、英ロックを裏側から刺激していきます。

72年には、ロマン・ポランスキー監督の要請で映画『マクベス』のサントラを制作。なんとこの時、スタンリー・キューブリックのあの名作『時計じかけのオレンジ』のサントラも依頼されていて、思想にあわない、ということで断り、『マクベス』を選んだようです。

チェンバー・ロックは英国ではHENRY COWがよりロック的なダイナミズムを取り入れて進化させ、ベルギーのUNIVERS ZEROやフランスのART ZOYDが受け継いでいきます。


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毎日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、チェンバー・ロックを代表するバンドの一つ、ベルギーのUNIVERS ZEROの79年作『HERRESIE』をピックアップいたしましょう。

70年代末には、HENRY COWのメンバーを中心に、非商業に根ざしたスポンテイニアスなサウンドを指向するグループが集まり、「Rock in Opposition」というムーヴメントを形成していきます。

昨日、ユーロ・ロック探求日誌で紹介したSAMLA MAMMAS MANNAもその一員!


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スウェーデンが誇るプログレ/アヴァン・ロック・グループSAMLA MAMMAS MANNAの71年デビュー作『Samla Mammas Manna』をピックアップいたしましょう。

いかがでしたか?

今宵は、THIRD EAR BANDを大音量で流しながら一杯、なんてどうでしょう。

「MEET THE SONSG」は、月曜日から金曜日まで毎日、定番からニッチ盤まで僕らのロック・ミュージックを紹介しています。
また来週、お会いいたしましょう。

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  • THIRD EAR BAND / ELEMENTS 1970-1971

    チェンバー・ロックの始祖にも位置づけられる英国の名グループ、70年2nd『Third Ear Band』+同時期の未発表サントラ作『Abelard & Heloise』+未発表アルバム用音源集、18年リリース

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