【ユーロロック周遊日記】スウェーデンの名グループSAMLA MAMMAS MANNAのデビュー作『Samla Mammas Manna』

• ツイート

一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介していく「ユーロロック周遊日記」。

本日は、スウェーデンが誇るプログレ/アヴァン・ロック・グループSAMLA MAMMAS MANNAの71年デビュー作『Samla Mammas Manna』をピックアップいたしましょう。

サムラは、69年にスウェーデン第四の都市ウプサラで結成されました。
中心人物は、Key奏者のLars Hollmerで、Larsは08年にガンで死去するまで、サムラを中心に、ソロも多数リリースしてスウェーデン・ロック・シーンにその名を残します。カイパ～フラワー・キングスのロイネ・ストルトと双璧をなす名ミュージシャンと言えるでしょう。

今回ピックアップしたデビュー作は、71年リリースで、レーベルは、スウェーデン・プログレの名作を多数リリースしている名門SILENCE。（以前に取り上げたKEBNEKAJSEもSILENCEレーベルです。記事はこちら。）

本作後にジャズ/フュージョン系のギタリストが加入して、北欧民族音楽とジャズが融合したアヴァンギャルドかつ牧歌的で幻想的なサウンドを確立していきますが、デビュー作ではギター・レスで、キーボード中心なのが特徴。

後のアヴァン・ロックさは薄く、英国で言えばGREENSLADEに通じるようなファンタスティックなキーボード・プログレが楽しめます。
（といっても、GREENSLADEは73年デビューですが）

なんといっても、Larsのキーボードの音色が一番の特徴。
エレピが中心ですが、淡く幻想的でありつつ、ザッパの『HOT RATS』でのイアン・アンダーウッドに通じる瑞々しさや艶やかさも併せもったトーンが魅力的です。

同じスウェーデンのKAIPAや、フィンランドのWIGWAMのキーボードの音色にも共通しているので、特定の英米アーティストやバンドの影響ではなく、北欧の土地が生み出すトーンと言えるでしょう。
ジャズとともに、北欧ダンス・ミュージックが醸し出す空気。もしかすると、どのプレイヤーも、キーボード奏者である前に、ダンス・ミュージックのアコーディオン奏者であるのかもしれません。

さて、それでは早速聴いてまいりましょう。

オープニング・ナンバーをどうぞ。

スウェーデン語の牧歌的かつ狂気もはらんだヴォーカル＆メロディ、ダンス・ミュージックに根ざした早回しのようにユーモラスでめくるめくリズムが本当に北欧ならではです！

さて、アルバム後半はライヴ録音で、ドラムが荒くれ、ザッパのマザーズ的猥雑さも印象的。
歌詞もお下劣＆ユーモラスのようです（歌詞カードがなく残念）！

北欧プログレは、英プログレにも負けない名作ぞろいで、カケレコは大プッシュ中。

このユーロロック探求でもピックアップしておりますので、あわせて是非、ご覧ください。

SILENCEレーベルの探求ならこちらのジュークボックスで！