2022年12月26日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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2022年も残すところわずかとなりましたね。
ここで2022年のカケレコ年間ベストセラーを発表したいと思います!
今年は、新譜・リイシューともにヨーロッパ勢が傑作を多数送り込んできた印象。
ランキングにもそれが反映されていました。
もちろんリイシューを中心に英米ロック、そして我らが日本からは新鋭プログレも必聴レベルの作品がランクインしております。
年末年始のロック探求ガイドとしてお楽しみいただければ幸いです!
それではスタート!
分かってはいましたが、やはりこの書籍がダントツ1位でした。
世界のニッチなロックにフォーカスした膨大なディスク・レビュー、マニアック過ぎる特集、濃密なコラム。
質・量ともに過去最大の読み応えとなった「不思議音楽館 ORANGE POWER」第6弾!!
そこらのガイド本を軽く圧倒する情報量と読み応え、未読の方はこの年末年始に是非!
2位に輝いたのは、3か月連続カケレコ・ベストセラーの快挙を成し遂げたこの作品!
フランスの人気アヴァン・プログレ・トリオ、待望の22年作!
冒頭からかなり素晴らしいです。
この1曲目、例えるなら1stをレコーディング中のPICCHIO DAL POZZOに、KING CRIMSONがメロトロン担いで飛び入り参加したかのよう!?
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10月末の初入荷ながら、わずか2か月程度で第3位まで駆け上がったのがこの話題作☆
現代スペインが誇る新鋭プログレ・バンド、傑作『2038』から4年ぶりとなった22年作が到着!
往年のQUEENにHR/HM的ヘヴィネスを纏わせたような、最高に熱くて強烈にキャッチーなサウンドに終始虜にされます!
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00s~ポーランド・プログレの盟主と言えるこのグループも変わらぬ人気を誇っていますね。
現ポーランド・シンフォの雄、15作目となった22年作!
ラティマーばりに泣きまくる哀愁のギターと、フロイド譲りの深遠な音空間を作り上げるキーボード、そして新ヴォーカルの情緒豊かな歌唱。
どこを切り取ってもグッと来てしまうドラマ性に満ち満ちた会心作!
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ポーランドのみならず、現代のプログレ・シーン屈指と言えるグループMILLENIUM。デビュー20周年を迎え、活動を包括するボックスもリリースした彼らの、これまでの作品をピックアップしながら、その軌跡を追っていきます!
リイシューでトップに入ったのが、ユーロ・ロック・ファン待望のCD化となったこの傑作☆
MAGMAに連なるZEUHL系グループの中でも特に人気の高い一枚が22年初CD化!
MAGMA譲りの暗黒、MAHAVISHNU ORCHESTRAにも向こうを張る演奏強度、そして繊細に音を描く芸術的感性を兼ね備えたユーロ・ジャズ・ロックの傑作。
これは凄い作品ですよ…!
こちらの初CD化も話題になりましたよね~。
QUATERMASSの2人John Gustavson&Pete Robinsonが北欧の凄腕たちと組んだ超絶ジャズ・ロック作!
このテンションMAXで畳みかける凄まじい演奏、MAHAVISHNU ORCHESTRAファンなら「おおっ!」となるはず。
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マハヴィシュヌ・オーケストラの1st『内に秘めた炎』を起点に、マクラフリンばりの知的で狂暴なギターが聴けるアルバムを探求♪
オルガン好きには堪らないこの大名作も、さすがの人気っぷりだったなぁ。
プロコル・ハルムからブルージーさを除き、叙情性とクラシカルな要素だけを抽出してポップに聴きやすく仕上げた感じ?
初期プロコル・ハルムで活躍したオルガン奏者による美メロ満載1stソロ、プロコル・ハルム・ファンは勿論、ニッチ・ポップ・ファンにもオススメ!
我らが日本から飛び出した超一級シンフォニック・ロック作品がこちら!!
このサウンドが日本から生まれるとは…。フルートとギターを中心に紡がれるどこまでもファンタジックでエレガントなサウンドは、CAMELやスペインのGOTIC、豪SEBASTIAN HARDIEあたりがお好きなら激オススメ。というか、もう全美旋律プログレ・ファン必聴レベル!
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2022年に最新アルバム『Total Edge Effect』をリリース、当店でも月間ベストセラーNo.1に輝くなど注目が集まる日本のプログレ・バンドTEEを大特集いたします!
ベテランによる新作も負けていませんよ?仏PULSARのメンバーによるバンドが放った会心作!
仏プログレ名バンドPULSARのkey&gによって結成されたバンドの22年3rd。CAMELやPINK FLOYDのファン、そしてPULSAR『Halloween』が好きな方に是非体験して欲しい、叙情的にして夢想的な音世界が素晴らしい絶品シンフォ!
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続々登場する新鋭バンドに負けじとハイクオリティな作品を発表している、70年代に活躍したベテラン・バンド/アーティストたちの作品に注目してまいります☆
7位の1stと共にリイシューされた、単体では初CD化となった2ndも最高ですよ~~。
前作を受け継ぐ感動の美メロ曲をメインに、ごきげんスワンピーなナンバーも織り交ぜてロック色を強めた2nd。
キーボードのみならずギターやハーモニカ演奏も披露するマルチ・プレイヤーぶりにも注目!
ポスト・ロック的洗練性と音響感覚+フロイドをバックボーンに持つメランコリーと深い陰影。
残響が木霊する幻想のギターとひたすら切なく美しいピアノが織り上げる、暗闇の中から浮かび上がるように劇的なサウンドが素晴らしい待望2ndアルバム!
なななんと昨年の年間ベストセラー第2位だった作品が、今年も12位と大健闘!
カンタベリー・ロック彷彿の緻密かつ流麗な音使いと南米らしい芳醇なメロウネスが溶けあったジャズ・ロックは、今作でも絶品の一言。
アルゼンチンのみならず現南米で最も注目に値するジャズ・ロック・バンドによる待望4th!!
ミシシッピ出身のゴスペル・シンガーによる70年作。
プロデュースはアラン・トゥーサン、バックにアトランタ・リズム・セクション、メリー・クレイトン、クライディ・キング…ってもう間違いなしの米スワンプ名盤!
CAMELをニューエイジに寄せて、民族フレイヴァーを纏わせたようなサウンド!?
KARFAGENを率いる才人の22年作で、神秘的な音空間を作り上げるシンセ&ラティマーばりのプレイで天を駆けるギターが織りなす極上インスト・シンフォ!
才人Alan RossやATOMIC ROOSTER~IBISのドラマーRic Parnellらが組んだバンド。
本場米国顔負けのファンキーな粘り気と英バンドらしいソリッドさがバランスした極上の英ファンク・ロックを聴かせる唯一作!
GENESIS&CAMELを受け継ぐ、どこまでも瑞々しくファンタジックなメロディアス・シンフォニック・ロックに心躍ること間違いなし!
CAMELのキーボーディストに抜擢された才能が、持ち前の演奏技術とメロディセンスを惜しみなく注ぎ込んだ会心作!
60年代から活動したフォーク・ブルース・シンガーJudy Roderickの貫禄あるヴォーカルがかっこいい72年唯一作!
パワフルなだけじゃなくしっとりした曲での憂いある声も良いなぁ。
オザンナ好きに今一番オススメしたい作品!
アグレッシヴかつ祝祭感も香り立つ、これぞイタリア!と言うべきドラマチックなサウンド、もう素晴らし過ぎます…。
CAMELのリリカルな幻想性とTHE FLOWER KINGS的ダイナミズムを合体させたようなスケール大きなサウンドは、相変わらず文句のつけどころのない完成度。
アコーディオン系の楽器が軽快に踊り込む東欧ルーツを感じさせる民族エッセンスも見事な22年作!
ZEUHL系にも通じるテクニカルで緊張感あるジャズ・ロックを土台に、カンタベリー・ロックやケベックのMANEIGE彷彿の芳醇でドリーミーなタッチを絶妙に織り込んだスタイルが唯一無二。
ダブルベースのふくよかな響きが良いなぁ。
いかがでしたか?
気になる作品が見つかりましたら幸いです。
今年のこの充実ぶりを見ていると、早くも来年は一体どんな素晴らしい新譜&リイシューが登場してくるかワクワクしちゃいますよね!
ギターのCharles、キーボードのMichel、ドラムのPhilippe、Goubin3兄弟を中心とするフレンチ・ジャズ・ロック・グループの76年デビュー作。手数多くビシビシとタイトに刻む精緻なリズム・セクションに乗り、ハード・ロッキンに弾きまくるワイルドなギター、神秘的に音を散らすエレピ、Eddie Jobsonばりにキレのあるエレクトリック・ヴァイオリンが三つ巴でやり合うスリリング過ぎるアンサンブルに手に汗握ります。そこに美声ながらどこか不穏な女声スキャットが入ってくると、一気にMAGMA的な暗黒が垂れ込め始め、ZEUHL系バンドとしての本領を見せ始め思わず戦慄。そうかと思うと、不意に即興風の淡い幻想が滲むパートを挟み込んでくるフランスらしいアーティスティックなセンスにも唸らされます。MAGMA譲りの暗黒、MAHAVISHNU ORCHESTRAにも向こうを張れる演奏の強度、そして繊細に音を描く芸術的な感性を兼ね備えたユーロ・ジャズ・ロックの傑作。これは凄いです。
ご存知、初期PROCOL HARUMで活躍したオルガン奏者が73年にリリースした1stソロ作。全編がとんでもない美メロで埋め尽くされた珠玉の傑作ソロで、PROCOL HARUMからブルージーさを除き、叙情性とクラシカルな要素だけを抽出してポップに聴きやすく仕上げたような出来栄えです。楽しげに弾むオルガン、クラシカル・タッチの端正なピアノを中心に、優雅なストリングスも交えて展開される演奏は決して前に出過ぎず、メロディを印象的に聴かせるのにこれ以上ないバランスを保っていて本当に素晴らしい。哀愁漂う淡いヴォーカルもこれぞブリティッシュ。合間にはオルガンとストリングスのみで聴かせる悲哀のクラシカル・インストも登場し、PROCOL HARUM時代を偲ばせます。PROCOL HARUMファンには勿論、ニッチ・ポップ・ファンにも是非オススメ!カケレコメンド!
60年代から活動した米フォーク・ブルース・シンガーのJudy Roderickを擁する4人組の72年唯一作。なんといってもJudyのヴォーカルが特筆。ほんのややかすれた低めの貫禄あるヴォーカルはかっこいいの一言です。オープニングはピアノとギターとヴォーカルのみの静かなブルースで始まりますが、続く「Cocaine Shuffle」は、ずしずしと力強いドラム、ザクザクとしたギター演奏をバックにより力強いヴォーカルを聴かせます。力強いだけでなくしっとりした曲での憂いある歌声も良いです。Judyのヴォーカルがメインなので、SSW好きも楽しめるブルース・ロックの隠れた名作!
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