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2022年 カケレコ年間ベストセラー TOP20!

2022年も残すところわずかとなりましたね。

ここで2022年のカケレコ年間ベストセラーを発表したいと思います!

今年は、新譜・リイシューともにヨーロッパ勢が傑作を多数送り込んできた印象。
ランキングにもそれが反映されていました。

もちろんリイシューを中心に英米ロック、そして我らが日本からは新鋭プログレも必聴レベルの作品がランクインしております。

年末年始のロック探求ガイドとしてお楽しみいただければ幸いです!

それではスタート!


1位:不思議音楽館 / 不思議音楽館 ORANGE POWER VOL.6

分かってはいましたが、やはりこの書籍がダントツ1位でした。

世界のニッチなロックにフォーカスした膨大なディスク・レビュー、マニアック過ぎる特集、濃密なコラム。

質・量ともに過去最大の読み応えとなった「不思議音楽館 ORANGE POWER」第6弾!!

そこらのガイド本を軽く圧倒する情報量と読み応え、未読の方はこの年末年始に是非!


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2位に輝いたのは、3か月連続カケレコ・ベストセラーの快挙を成し遂げたこの作品!

2位:ALCO FRISBASS / LE MYSTERE DU GUE PUCELLE

フランスの人気アヴァン・プログレ・トリオ、待望の22年作!

冒頭からかなり素晴らしいです。

この1曲目、例えるなら1stをレコーディング中のPICCHIO DAL POZZOに、KING CRIMSONがメロトロン担いで飛び入り参加したかのよう!?


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10月末の初入荷ながら、わずか2か月程度で第3位まで駆け上がったのがこの話題作☆

3位:DRY RIVER / CUARTO CRECIENTE

現代スペインが誇る新鋭プログレ・バンド、傑作『2038』から4年ぶりとなった22年作が到着!

往年のQUEENにHR/HM的ヘヴィネスを纏わせたような、最高に熱くて強烈にキャッチーなサウンドに終始虜にされます!

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待望の4thアルバム『CUARTO CRECIENTE』をリリースした、痛快無比のスパニッシュ・プログレ新鋭DRY RIVERを大特集!

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00s~ポーランド・プログレの盟主と言えるこのグループも変わらぬ人気を誇っていますね。

4位:MILLENIUM / TALES FROM IMAGINARY MOVIES

現ポーランド・シンフォの雄、15作目となった22年作!

ラティマーばりに泣きまくる哀愁のギターと、フロイド譲りの深遠な音空間を作り上げるキーボード、そして新ヴォーカルの情緒豊かな歌唱。

どこを切り取ってもグッと来てしまうドラマ性に満ち満ちた会心作!

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リイシューでトップに入ったのが、ユーロ・ロック・ファン待望のCD化となったこの傑作☆

5位:POTEMKINE / FOETUS

MAGMAに連なるZEUHL系グループの中でも特に人気の高い一枚が22年初CD化!

MAGMA譲りの暗黒、MAHAVISHNU ORCHESTRAにも向こうを張る演奏強度、そして繊細に音を描く芸術的感性を兼ね備えたユーロ・ジャズ・ロックの傑作。

これは凄い作品ですよ…!

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こちらの初CD化も話題になりましたよね~。

6位:ABLUTION / ABLUTION

QUATERMASSの2人John Gustavson&Pete Robinsonが北欧の凄腕たちと組んだ超絶ジャズ・ロック作!

このテンションMAXで畳みかける凄まじい演奏、MAHAVISHNU ORCHESTRAファンなら「おおっ!」となるはず。

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オルガン好きには堪らないこの大名作も、さすがの人気っぷりだったなぁ。

7位:MATTHEW FISHER / JOURNEY’S END

プロコル・ハルムからブルージーさを除き、叙情性とクラシカルな要素だけを抽出してポップに聴きやすく仕上げた感じ?

初期プロコル・ハルムで活躍したオルガン奏者による美メロ満載1stソロ、プロコル・ハルム・ファンは勿論、ニッチ・ポップ・ファンにもオススメ!

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我らが日本から飛び出した超一級シンフォニック・ロック作品がこちら!!

8位:TEE / TOTAL EDGE EFFECT

このサウンドが日本から生まれるとは…。フルートとギターを中心に紡がれるどこまでもファンタジックでエレガントなサウンドは、CAMELやスペインのGOTIC、豪SEBASTIAN HARDIEあたりがお好きなら激オススメ。というか、もう全美旋律プログレ・ファン必聴レベル!

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ベテランによる新作も負けていませんよ?仏PULSARのメンバーによるバンドが放った会心作!

9位:SIIILK / EEMYNOR

仏プログレ名バンドPULSARのkey&gによって結成されたバンドの22年3rd。CAMELやPINK FLOYDのファン、そしてPULSAR『Halloween』が好きな方に是非体験して欲しい、叙情的にして夢想的な音世界が素晴らしい絶品シンフォ!

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続々登場する新鋭バンドに負けじとハイクオリティな作品を発表している、70年代に活躍したベテラン・バンド/アーティストたちの作品に注目してまいります☆


7位の1stと共にリイシューされた、単体では初CD化となった2ndも最高ですよ~~。

10位:MATTHEW FISHER / I’LL BE THERE

前作を受け継ぐ感動の美メロ曲をメインに、ごきげんスワンピーなナンバーも織り交ぜてロック色を強めた2nd。

キーボードのみならずギターやハーモニカ演奏も披露するマルチ・プレイヤーぶりにも注目!

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今回は、クラプトンの1stソロを起点に「英国メロウ・スワンプ」を探求してまいりたいと思います♪




11位:FREN / ALL THE PRETTY DAYS

ポスト・ロック的洗練性と音響感覚+フロイドをバックボーンに持つメランコリーと深い陰影。

残響が木霊する幻想のギターとひたすら切なく美しいピアノが織り上げる、暗闇の中から浮かび上がるように劇的なサウンドが素晴らしい待望2ndアルバム!

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12位:PASAJERO LUMINOSO / PUJOL

なななんと昨年の年間ベストセラー第2位だった作品が、今年も12位と大健闘!

カンタベリー・ロック彷彿の緻密かつ流麗な音使いと南米らしい芳醇なメロウネスが溶けあったジャズ・ロックは、今作でも絶品の一言。

アルゼンチンのみならず現南米で最も注目に値するジャズ・ロック・バンドによる待望4th!!

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13位:MYLON(MYLON LEFEVRE) / MYLON

ミシシッピ出身のゴスペル・シンガーによる70年作。

プロデュースはアラン・トゥーサン、バックにアトランタ・リズム・セクション、メリー・クレイトン、クライディ・キング…ってもう間違いなしの米スワンプ名盤!

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14位:ANTONY KALUGIN / REBIRTH

CAMELをニューエイジに寄せて、民族フレイヴァーを纏わせたようなサウンド!?

KARFAGENを率いる才人の22年作で、神秘的な音空間を作り上げるシンセ&ラティマーばりのプレイで天を駆けるギターが織りなす極上インスト・シンフォ!

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15位:STARS / STARS

才人Alan RossやATOMIC ROOSTER~IBISのドラマーRic Parnellらが組んだバンド。

本場米国顔負けのファンキーな粘り気と英バンドらしいソリッドさがバランスした極上の英ファンク・ロックを聴かせる唯一作!

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16位:TIGER MOTH TALES / A SONG OF SPRING

GENESIS&CAMELを受け継ぐ、どこまでも瑞々しくファンタジックなメロディアス・シンフォニック・ロックに心躍ること間違いなし!

CAMELのキーボーディストに抜擢された才能が、持ち前の演奏技術とメロディセンスを惜しみなく注ぎ込んだ会心作!

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17位:60000000 BUFFALO / NEVADA JUKEBOX

60年代から活動したフォーク・ブルース・シンガーJudy Roderickの貫禄あるヴォーカルがかっこいい72年唯一作!
パワフルなだけじゃなくしっとりした曲での憂いある声も良いなぁ。

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18位:ODESSA / L’ALBA DELLA CIVILTA

オザンナ好きに今一番オススメしたい作品!

アグレッシヴかつ祝祭感も香り立つ、これぞイタリア!と言うべきドラマチックなサウンド、もう素晴らし過ぎます…。

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19位:KARFAGEN / LAND OF GREEN AND GOLD

CAMELのリリカルな幻想性とTHE FLOWER KINGS的ダイナミズムを合体させたようなスケール大きなサウンドは、相変わらず文句のつけどころのない完成度。

アコーディオン系の楽器が軽快に踊り込む東欧ルーツを感じさせる民族エッセンスも見事な22年作!

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20位:ARNAUD QUEVEDO & FRIENDS / ELECTRIC TALES

ZEUHL系にも通じるテクニカルで緊張感あるジャズ・ロックを土台に、カンタベリー・ロックやケベックのMANEIGE彷彿の芳醇でドリーミーなタッチを絶妙に織り込んだスタイルが唯一無二。

ダブルベースのふくよかな響きが良いなぁ。

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いかがでしたか?
気になる作品が見つかりましたら幸いです。

今年のこの充実ぶりを見ていると、早くも来年は一体どんな素晴らしい新譜&リイシューが登場してくるかワクワクしちゃいますよね!

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  • ALCO FRISBASS / LE MYSTERE DU GUE PUCELLE

    要注目のフレンチ・プログレ新鋭、22年3rd、PICCHIO DAL POZZO+KING CRIMSONと言うべきアーティスティックなメロトロン・プログレ傑作!

    Patrick Dufour、Fabrice Chouette、Frederic Chaputの実力派マルチ・プレイヤー3人により結成、2015年と18年に完成度の高いアヴァン・プログレ作品をリリースしたことでプログレ・ファン注目の存在となっているフランス新鋭、待望の22年作3rd!あのMINIMUM VITALのJean-Luc Payssan(g)がゲスト・プレイヤーとして、Thierry Payssanがマスターなど制作にかかわっています。1曲目から早くもかなり素晴らしいです。このサウンド、例えるなら1stアルバムをレコーディング中のPICCHIO DAL POZZOに、KING CRIMSONがメロトロンを持って飛び入り参加したかのよう!メロトロンがジョワァ〜とファンタジックに高鳴る中を、フルート(おそらくメロトロン)とオルガンがリリカルに絡む美し過ぎるアンサンブル。それが突如鋭角的なリズムとともに緊張感を増し、クリムゾンが顔を出します。その間もミステリアスに浮遊するシンセのプレイがいかにもなフレンチ・プレグレっぽさを付与。不意に演奏が静まると、今度はエレピが淡く揺らめきオルガンがメロディアスに歌うPDPそのものな神秘的音空間へ。オルガンのプレイにはDave Stewartが感じられ、従来作と同じくNATIONAL HEALTHからの影響も見え隠れします。終盤はタイトでリズミカルな躍動感と共にスリリングに疾走するキーボード群が痛快。ここはまさしくMINIMUM VITALでしょう。10分余りの中で目まぐるしく変化する変幻自在すぎるサウンドにノックアウト必至です。よりカンタベリーな芳醇さを増していく以降の曲も勿論絶品。メロディアスな中にもアヴァンギャルドなタッチをまぶした演奏は、HATFIELD & THE NORTHファンなら堪らないでしょう。4曲目でのJean-Luc Payssanによる多彩なギター&マンドリンのプレイも聴き所です。さすが、見事に期待を上回ってくる傑作!

    試聴は下記ページで可能です!
    https://alcofrisbass.bandcamp.com/album/le-mystere-du-gue-pucelle

  • MATTHEW FISHER / JOURNEY’S END

    ご存知、初期PROCOL HARUMで活躍したオルガン奏者が73年にリリースした1stソロ作、全編がとんでもない美メロで埋め尽くされた珠玉の傑作!!

    ご存知、初期PROCOL HARUMで活躍したオルガン奏者が73年にリリースした1stソロ作。全編がとんでもない美メロで埋め尽くされた珠玉の傑作ソロで、PROCOL HARUMからブルージーさを除き、叙情性とクラシカルな要素だけを抽出してポップに聴きやすく仕上げたような出来栄えです。楽しげに弾むオルガン、クラシカル・タッチの端正なピアノを中心に、優雅なストリングスも交えて展開される演奏は決して前に出過ぎず、メロディを印象的に聴かせるのにこれ以上ないバランスを保っていて本当に素晴らしい。哀愁漂う淡いヴォーカルもこれぞブリティッシュ。合間にはオルガンとストリングスのみで聴かせる悲哀のクラシカル・インストも登場し、PROCOL HARUM時代を偲ばせます。PROCOL HARUMファンには勿論、ニッチ・ポップ・ファンにも是非オススメ!カケレコメンド!

  • ANTONY KALUGIN / REBIRTH

    KARFAGENを率いるウクライナ出身キーボーディスト/コンポーザー、CAMELをニューエイジに寄せて民族フレイヴァーを纏わせたような22年作!

    英国を拠点にKARFAGENやSUNCHILDなどのグループを率いて活動するウクライナ出身の才人キーボーディスト/コンポーザーによる2022年ソロ作。前作ではKARFAGENのメンバーを従えたバンドでの制作でしたが、本作ではギターを除く全パートを自身で演奏する以前のスタイルに回帰。それもあって、彼の原点であるニューエイジに由来する神秘的な幻想美が再び強く反映されています。そのサウンドは80-90sのCAMELをニューエイジに寄せて民族フレイヴァーを纏わせたような印象。美しくも慈愛に満ちた優しいトーンでゆったり広がるシンセをバックに、ギターがAndy Latimerばりにメロディアスに旋律を歌い、パーカッションがほのかに異国情緒を添えるサウンドのなんとロマンティックなこと。愛らしい音色でフワフワと鳴るシンセと煌びやかな音色のアコースティックが織りなす牧歌的で落ち着いたナンバーも素敵です。KALUGINはシンセによる空間的な音作りに徹し、主役はギターに譲りますが、KARFAGENのMax Velychkoによるまさにラティマー譲りの天を駆けるように壮大で美麗なギタープレイはCAMELファン必聴のパフォーマンスとなっています。従来通り、CAMELファンにはとにかく体験して欲しい音世界!

  • POTEMKINE / FOETUS

    Goubin3兄弟を中心とする仏ジャズ・ロック・グループ、76年1st、MAGMA譲りの暗黒とMAHAVISHNU ORCHESTRAばりの演奏強度で聴かせるユーロ・ジャズ・ロック傑作!

    ギターのCharles、キーボードのMichel、ドラムのPhilippe、Goubin3兄弟を中心とするフレンチ・ジャズ・ロック・グループの76年デビュー作。手数多くビシビシとタイトに刻む精緻なリズム・セクションに乗り、ハード・ロッキンに弾きまくるワイルドなギター、神秘的に音を散らすエレピ、Eddie Jobsonばりにキレのあるエレクトリック・ヴァイオリンが三つ巴でやり合うスリリング過ぎるアンサンブルに手に汗握ります。そこに美声ながらどこか不穏な女声スキャットが入ってくると、一気にMAGMA的な暗黒が垂れ込め始め、ZEUHL系バンドとしての本領を見せ始め思わず戦慄。そうかと思うと、不意に即興風の淡い幻想が滲むパートを挟み込んでくるフランスらしいアーティスティックなセンスにも唸らされます。MAGMA譲りの暗黒、MAHAVISHNU ORCHESTRAにも向こうを張れる演奏の強度、そして繊細に音を描く芸術的な感性を兼ね備えたユーロ・ジャズ・ロックの傑作。これは凄いです。

  • PASAJERO LUMINOSO / PUJOL

    アルゼンチン出身ジャズ・ロック/フュージョン・グループ、21年作4th、カンタベリー彷彿の流麗な音使いと南米らしい芳醇なメロウネスが溶けあったジャズ・ロックは今作でも絶品!

    2014年デビュー、アルゼンチンはブエノスアイレス出身の4人組ジャズ・ロック/フュージョン・グループによる21年作4thアルバム。カンタベリー・ロック彷彿の緻密かつ流麗な音使いと南米らしい芳醇なメロウネスが溶けあったジャズ・ロックは、今作でも絶品の一言。ジャジーなタッチにタンゴのリズミカルさを合わせたようなドラムと歌心を感じる豊かな鳴りのベースによるしなやかなリズムに乗って、リリカルで柔らかなタッチのピアノ、フィル・ミラー彷彿のシャープなトーンのギターが美しい音運びで躍動する、端正かつほのかにファンタジックなアンサンブルに終始耳を奪われます。南米らしいフレイヴァーもたっぷりで、バンドネオンを伴った哀愁のタンゴ・ジャズや、ピアノがリードするボサノヴァ調の軽やかでお洒落なナンバーなど、バンド本来のクールな佇まいはそのままにクルクルと豊かに表情を変化させていく演奏が見事です。一瞬も淀みなく紡がれていく美しく情感あふれるアンサンブルに心が躍る南米ジャズ・ロックの名品。カンタベリー・ロック・ファンには是非お勧めです。

  • DRY RIVER / CUARTO CRECIENTE

    スペインの要注目新鋭プログレ・バンド、前作から4年を経てついに届けられた22年4thアルバム!

    12年デビュー、メンバーほぼ全員がクイーンとドリーム・シアターをフェイバリットに挙げるスペインの要注目新鋭プログレ・バンド、前作から4年を経てついに届けられた4thアルバム!従来はQUEEN+DREAM THEATERを土台に豊富なアイデアが渦巻く奇想天外ロックを練り上げていた彼らですが、本作ではQUEEN+DTの土台と溢れんばかりのエネルギーはそのままに、よりストレートでドラマティックな表現で生き生きとロックするパフォーマンスが魅力的。80年代後半〜『Made In Heaven』あたりのQUEENにHR/HM的ヘヴィネスを纏わせたようなスタイルの、最高に熱くて強烈にキャッチーなサウンドに終始虜にされます。美しいピアノ独奏に続き、ソリッドに刻むギターリフと雄々しいヴォーカルが走り出す導入部から、もうDRY RIVERの世界に惹きこまれています。相変わらずとことん情熱的なスペイン語ヴォーカルと、まさにBrian MayのフレーズセンスとJohn Petrucciの畳みかける技巧を合わせたような超絶ギターが重量感たっぷりのリズムに乗って疾走する、パワフルかつ荘厳な1曲目で早くもノックアウト。そんな1曲目のテンションのままにスケール大きくパッション全開で展開してくサウンドは、従来のアルバムが気に入ったならまず間違いありません。QUEENファン、DTファン、そしてメロディアス・ハードが好きな方にも激オススメの一枚に仕上がってます。文句なしのカケレコメンド!!

  • TEE / TOTAL EDGE EFFECT

    22年作4th、ズバリすべての美旋律プログレ・ファンに聴いて欲しいジャパニーズ・シンフォの新たな傑作!

    05年の結成以来、関東を中心に活動する日本の5人組プログレ・バンド、22年4thアルバム。ドラムス/パーカッション、ベース/フレットレス・ベース、ギター、ピアノ/シンセ、フルート/ピッコロという編成で、ギタリスト米田克己は米老舗アヴァン・プログレ・バンドFRENCH TVのメンバーとしても活躍中。CAMELや、それを受け継ぐスペインのGOTIC、オーストラリアのSEBASTIAN HARDIEらが持つ、リリカルな軽やかさと溢れんばかりの叙情美を受け継いだ絶品インスト・プログレを楽しませてくれます。ズシっと重めに刻むタイトなリズム・セクションが持つ緊張感と、ひたすら美麗な旋律を紡ぐフルート、フルートに気品高い佇まいで寄り添うピアノ、A.Latimer+S.Hackettと言える優美さの中にエキセントリックなセンスを隠し持ったギターらのファンタジック&エレガントなプレイが一体となり、どこまでも流麗でありながら同時にアグレッシヴな強度の高さも感じさせる演奏がただただ素晴らしいです。上記したグループのファンのみならず、すべての美旋律プログレ・ファンに聴いて欲しいジャパニーズ・プログレの新たな傑作!

  • MATTHEW FISHER / I’LL BE THERE

    初期PROCOL HARUMで活躍したオルガン奏者、傑作1stソロ『JOURNEYS END』発表の翌74年にリリースした2ndソロ作!

    初期PROCOL HARUMで活躍したオルガン奏者が、傑作1stソロ『JOURNEY’S END』発表の翌74年にリリースした2ndソロ作。冒頭、旨味たっぷりのギターリフにスライドが絡む、ごきげんなスワンプ・ロックが飛び出してビックリ。そのサウンドの変化に驚いていると、2曲目はピアノとオーケストラをバックに美しいメロディを誠実に歌い上げる素晴らしいバラードを聴かせてくれます。その後も1stを引き継ぐ叙情的なナンバーとスワンプ調のノリの良いナンバーがバランス良く展開され、前作以上にメリハリの効いた構成で聴かせます。本作では彼自身がスライド・ギター、アコギ、ハーモニカもプレイしており、曲によってはキーボードは弾かずギターとハーモニカのみプレイしているナンバーがあったりと、オルガン・プレイヤーというイメージを覆す多彩なパフォーマンスが聴き所。キーボードで言うと、今回はエレピもフィーチャーしているのが印象的で、叙情ナンバーではエレピ特有の滲むようなトーンが優しげなヴォーカルにしっとりと寄り添っていてこれがまた堪りません。全体に前作のポップな仕上がりに比べロック色が増しており、こちらがフェイヴァリットという方も少なくないはず。ごきげんスワンピーな楽曲と対比され珠玉の美メロディがより一層光り輝く、やはり名盤!

  • ABLUTION / ABLUTION

    Bjorn J:son Lindh、Jan Schafferらスウェーデンの凄腕とQUATERMASSのJohn Gustavson&Peter Robinsonが結成したジャズ・ロック・バンド、テンションMAXで畳みかける痛快ジャズ・ロック74年唯一作!

    スウェーデンを代表するKey/管弦楽器奏者Bjorn J:son LindhやQUATERMASS〜HARD STUFFのJohn Gustavsonらによるプロジェクトで73年に唯一作を残したBALTIK。そのメンバーだったB.J.Lindh、John Gustafson、Jan Schaffer(g)らに、Gustafsonの盟友Peter Robinsonが合流して結成されたジャズ・ロック/フュージョン・グループ、74年唯一作。全楽器が圧倒的なテンションと音数でスリリングに疾走するド派手なジャズ・ロックは、かなり明白にMAHAVISHNU ORCHESTRAへの対抗心を感じさせるもの。ガンビア出身ドラマーMalando Gassamaがパーカションも多用し猛烈な手数で捲し立てると、Gustafsonも負けじとキレのあるベースで応じ、その上でSchafferの熱量高いテクニカル・ギターとRobinsonの目にもとまらぬエレピが火花を散らします。凄いのがそこに割って入るLindhのフルート。ギターの速弾きと難なくユニゾンするスーパープレイはさすがの一言です。Ian Andersonばりの唾吐きフルートも決まってます。数あるMAHAVISHNU ORCHESTRA直系ジャズ・ロックの中でも、このテンションMAXの畳みかけは屈指の凄まじさでしょう。英国とスウェーデンの凄腕たちが持ち前のテクニックを存分に披露したジャズ・ロック痛快作!

  • MILLENIUM / TALES FROM IMAGINARY MOVIES

    ポーランド・シンフォ・シーンの人気グループ、22年作、80s〜キャメルやフロイドを受け継ぐこれでもかとドラマティックなサウンドが溢れ出す会心作!

    現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担う人気グループ、スタジオ・アルバム15作目となる2022年作。本作より新ヴォーカルにキーボーディストRyszard KramarskiのバンドTRKPROJECTのDawid Lewandowskiが加入。80年代以降のキャメルを想起させる、どこか物悲しくもエモーションいっぱいに広がる雄大かつ重厚なインスト・パートと、従来のピンク・フロイドからの影響をモダンに昇華させたスタイリッシュでメロディアスなヴォーカル・パートがこれでもかとドラマチックに対比されるスタイルは、これぞMILLENIUM節としてさらに極まっています。タイトに刻む安定感抜群のリズム・セクションを土台に、まさにラティマーばりに泣きまくる哀愁ほとばしるギターと、シンセを軸にフロイド譲りの深遠な音空間を作り上げるキーボードによる、激情とメランコリーを揺れ動くアンサンブルはかつてない素晴らしさ。そんな演奏に渾身の歌を乗せる新ヴォーカルも特筆で、ハートフルな温かみも滲む、歴代でも屈指の情緒に富んだ歌唱がMILLENIUMサウンドの説得力をグッと引き上げます。どこを切り取ってもグッと来てしまうドラマ性に満ち満ちた、15作目にしてキャリア屈指の会心作!

  • ARNAUD QUEVEDO & FRIENDS / ELECTRIC TALES

    フランス出身、フルート・サックス・ダブルベースを含む新鋭ジャズ・ロック・グループによる2021年デビュー作。

    フランス出身、ギタリスト/ドラマーのArnaud Quevedoを中心に、フルート/サックス/ダブルベースを含む編成を持つ新鋭ジャズ・ロック・グループ、2021年デビュー作。ZEUHL系にも通じるテクニカルで緊張感あるジャズ・ロックを土台としつつ、そこに浮遊感あるドリーミーなタッチを絶妙に織り込んだサウンドがなんとも個性的。ケベックのMANEIGEに通じる技巧的ながらふんわりした手触りを持つアンサンブルから、管楽器のリードでメロディアスに疾走するカンタベリー・ロック彷彿の可憐な演奏までを、スムーズに行き来するサウンドが最高に心地いいです。加えてイタリアのFONDERIAを思わせるモダンな洗練味もたっぷりな、これは素晴らしいバンド。オススメ!

  • 60000000 BUFFALO / NEVADA JUKEBOX

    ブルージーな痺れる歌唱を聴かせる女性シンガーJudy Roderickを擁する米ロック・バンド、72年唯一作!

    60年代から活動した米フォーク・ブルース・シンガーのJudy Roderickを擁する4人組の72年唯一作。なんといってもJudyのヴォーカルが特筆。ほんのややかすれた低めの貫禄あるヴォーカルはかっこいいの一言です。オープニングはピアノとギターとヴォーカルのみの静かなブルースで始まりますが、続く「Cocaine Shuffle」は、ずしずしと力強いドラム、ザクザクとしたギター演奏をバックにより力強いヴォーカルを聴かせます。力強いだけでなくしっとりした曲での憂いある歌声も良いです。Judyのヴォーカルがメインなので、SSW好きも楽しめるブルース・ロックの隠れた名作!

  • MYLON(MYLON LEFEVRE) / MYLON

    クリスチャン・ロック・シンガーとして活躍するMylon LeFevreの70年作。アラン・トゥーサンがプロデュースした米スワンプ名盤!

    Mylon LeFevreはゴスペル・グループで活動をスタートしたミシシッピ出身のシンガーで73年にアルヴィン・リーとのアルバムをリリースしたことでも知られています。本作はバンド名義での70年デビュー作。アラン・トゥーサンがプロデュース、バックはアトランタ・リズム・セクション、コーラスにクライディ・キング、メリー・クレイトンら鉄板の面々が参加しています。グルーヴィーな演奏にソウルフルなヴォーカル、間違いなしの米スワンプ名盤!

  • SIIILK / EEMYNOR

    PULSARのキーボーディストとギタリストによって結成されたバンドの22年3rd、CAMELやPINK FLOYDのファン、PULSAR『Halloween』が好きな方に是非体験して欲しい音世界!

    70sフレンチ・シンフォの代表格PULSARのキーボーディストJacques RomanとギタリストGilbert Gandilによって結成されたバンドの22年3rdアルバム。PULSARやラティマー主導による80年代後半以降のCAMELに通じる叙情的ながらもシリアスな手触りを持つサウンドに、実にフレンチ・プログレらしいアーティスティックで夢想的なタッチを加えた、イマジネーション溢れるシンフォニック・ロックに心奪われること必至。「幽玄」というワードがぴったり来る霧の奥から響くように儚げなキーボード、そしてラティマーやS.ロザリーばりにエモーショナルな音運びのエレキ&物悲しいタッチのアコギを折り重ね幻想的に聴かせるギター。そこに温かく味わいある男性ヴォーカルと美声の女性ヴォーカルが繊細に歌を乗せていきます。シンセがメランコリックにたなびくヒンヤリとしたトーンのナンバーは往年のPINK FLOYDも彷彿。CAMELファン、PINK FLOYDファン、そしてPULSAR『Halloween』がお気に入りという方には是非体験して欲しい音世界です。

  • KARFAGEN / LAND OF GREEN AND GOLD

    ウクライナ出身の鬼才コンポーザー/key奏者Antony Kalugin率いるシンフォ・グループ、2022年作!

    ウクライナ出身、英国で活動するキーボーディスト/コンポーザーAntony Kalugin主宰のシンフォニック・ロック・バンド、2022年作。20年に前作にあたる『PRINCIPLES AND THEORY OF SPEKTRA』とKaluginのソロ『MARSHMALLOW MOONDUST』を、そして21年にはソロ2作品『STELLAR GARDENER』『CHAMELEON SHAPESHIFTER』を発表するという怒涛のリリースを続ける鬼才ですが、KARFAGENとして13作目となる本作も比類なき出来栄えのシンフォニック・ロックを提示します。CAMEL直系のリリカルな幻想性と憧れのバンドと語るTHE FLOWER KINGS的なダイナミズムを合体させたようなスケール大きなサウンドは、相変わらず文句のつけどころのない完成度。美しく躍動するシンセ&キラキラと眩い装飾を施すピアノ&ヴィンテージ・テイストなオルガンを駆使するキーボードと、Andy LatimerとRoine Stoltを足し合わせたようなエモーションを放つ極上ギターのコンビネーションはやはり至高です。そこにアコーディオン系の楽器が軽快に踊り込む展開も素晴らしく、彼の東欧ルーツを感じさせる民族音楽エッセンスにも注目です。改めて、とんでもない才能だなぁ・・・。ずばりシンフォ・ファン必聴作!

  • TIGER MOTH TALES / A SONG OF SPRING

    キャメルの鍵盤奏者としても活躍するPeter Jonesによるソロ・プロジェクト、GENESIS&CAMEL&MOON SAFARIファンに是非ともオススメしたい22年作!

    1980年英ノッティンガムシャー出身、生まれて間もなく病気で視力を失ったマルチ・ミュージシャン&コンポーザーで、現在はあのキャメルの鍵盤奏者としても活躍するPeter Jonesによるソロ・プロジェクト。タイトルのとおり「春」をコンセプトにした22年作!前作は弦楽クインテットとの共演によるバラード系アルバムでしたが、今作は元来のTMTらしさが抜群に発揮された、GENESIS&CAMELを受け継ぐどこまでも瑞々しくファンタジックなメロディアス・シンフォニック・ロックを展開します。シンセが柔らかに美旋律を描き、アコースティック・ギターが煌めき、フルートやサックスが色彩を加えるGENESIS譲りの英国的気品たっぷりのサウンドを土台に、エレキギターのプレイに象徴されるCAMELのメロウな叙情表現を合わせたような珠玉の音世界は、相変わらず感動的なまでにファンタスティック。そして何と言っても、MOON SAFARIばりに清涼感いっぱいでフックに富んだメロディを歌い上げる、Peter Gabrielを彷彿させつつどこまでもクリアな美声ヴォーカルがいつもながら絶品です。1曲目「Spring Fever」はそんなTMTの音楽性を凝縮したナンバーで、緑が豊かに芽吹いていくようなテーマ通りのイメージを喚起させる名曲。『Trick Of The Tail』に入ってそうな「Mad March Hare」やビリー・ジョエルばりのピアノ弾き語り「The Goddess And The Green Man」なんかも素晴らしい。そして15分に及ぶ最終曲ではバンドメイトである御大Andy Latimerが参加、天上に響くような極上ソロを提供していて聴きものです。改めて、GENESIS&CAMELファンにとっては奇跡のような逸材であることを見せつける傑作!

  • FREN / ALL THE PRETTY DAYS

    ポスト・ロックを通過した洗練性&音響感覚+フロイドをバックボーンとするポーランドらしいメランコリー&深い陰影、ポーランドの新鋭インスト・プログレ・バンドによる待望の22年2nd!

    ポーランドのクラクフを拠点に活動する新鋭プログレ・グループ、22年リリースの2ndアルバム。ポスト・ロックを通過した洗練性&音響感覚+ピンク・フロイドをバックボーンとするポーランドらしいメランコリー&深い陰影、と言える叙情派メロディアス・インスト・プログレは、20年の1stアルバムより変わらず健在。残響が木霊する幻想的なギターとひたすら切なく美しいピアノが織り上げる、暗闇の中から浮かび上がるような劇的なサウンドに惹きこまれます。ラストには24分を超える大作が待っており、前作でも印象的だったメロトロンも随所に散りばめながら気品高くもダイナミックに進行していく、ストーリー性に富んだ幻想シンフォ絵巻に圧倒されます。リズム隊+ギター+ピアノを基本とするシンプルなサウンドにもかかわらず、このイマジネーションが溢れんばかりのサウンドを創り上げる実力は本当に見事という一言です。傑作!

  • STARS / STARS

    Alan Rossを中心に結成されたバンド、痛快なブリティッシュ・ファンク・ロックを聴かせる75年唯一作!

    John Entwistleのソロ作への参加、そして英スワンプ名作を残したデュオRO ROの片割れとして活動したギタリスト/ヴォーカリストAlan Rossを中心に、KESTRELのキーボーディストだったJohn Cook、ATOMIC ROOSTERや伊バンドIBISのドラマーを務めたRic Parnell、キーボーディスト/サックス奏者Lance Dixon、ベーシストPeter Matthews、そしてヴォーカルのSimon Laitによって結成されたバンドの75年唯一作。本場アメリカ顔負けのファンキーな粘り気と英バンドらしいソリッドな音使いがバランスした極上のブリティッシュ・ファンク・ロックを聴かせてくれます。しなやかかつ技巧も見せる流石のドラミング&腰の入ったベースによってグルーヴ満点の気持ち良いリズムが刻まれる中を、ハード・ロック由来のキレのあるフレーズを弾き飛ばすギター&カラフルなキーボード群が快走。どうやらJohn Cookは演奏には関わっていないようですが、それを補って余りある元JAMES TAYLOR MOVEのLance Dixonの存在が光ります。ファンキーに跳ねるクラヴィネット、ギターとスリリングなソロ回しを演じるシンセのプレイ、そして要所では饒舌なサックスでアーバンな空気まで加えていて、八面六臂の活躍を見せていて素晴らしい。さらにSimon Laitの黒人かと思うほどにソウルフルで貫禄あるヴォーカルも、ファンク・ロックとしての本格感を付与していて見事です。ギターに専念したAlan Rossの痛快に弾きまくるギターワークももちろん最高。たった一枚に留まったのが惜しいと思わずにいられない快作!

  • ODESSA / L’ALBA DELLA CIVILTA

    「新世代のOSANNA」と言える現イタリアン・ヘヴィ・シンフォ屈指の実力派バンド、13年ぶりとなる22年作3rd!

    イタリアのヘヴィ・シンフォ・バンドによる22年3rdアルバム。99年にデビューを果たし、10年後の09年に2ndアルバムをリリース、そして今度は13年を経てリリースされたのが本作です。これはもうイタリアン・ロック・ファンは必聴ですよ。導入の短い1曲目を経て、いなたく刻む前のめりなリズムにオルガン&ギターがユニゾンで合わせフルートが奔放に舞う、アグレッシヴかつどこか祝祭感も香り立つアンサンブルに乗って、憂いの滲む伊語ヴォーカルで歌うこの2曲目。JETHRO TULL+OSANNAなんてフレーズが浮かんできます。ギターがこれでもかと哀愁ほとばしるソロで躍動する後半のドラマチックさは、OSANNAの叙情的なナンバーを想起させる素晴らしさ。伸びやかな美声で歌う男性ヴォーカルは時折Demetrio Stratos影響下の喉を使ったパフォーマンスも披露していて凄いです。この2曲目だけでもかなり熱くなれますが、同じくOSANNA好きには堪らない叙情バラードの3曲目、ヘヴィなギターを圧倒する熱量で爆走するハモンドのプレイが痛快無比な続く4曲目と各曲に込められたエネルギーが尋常ではありません。過去2作品が気に入っていた方なら、きっと13年待った甲斐があった…!と思える内容です。OSANNAファンは是非に!

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