2022年8月23日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
今日は、名実ともに英国ロックを代表するグループの一つ、プロコル・ハルムから探求に出掛けたいと思います。
『GRAND HOTEL』をはじめ中~後期も素晴らしい作品が多いですが、1st~3rd時に在籍したマシュー・フィッシャーが奏でるあの哀愁を帯びたオルガンの調べこそPROCOL HARUMのイメージだという方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、そんな彼らの記念すべき1stから出発して、初期プロコル・ハルムがお好きな方にぜひ聴いて欲しいヨーロッパ各国ロックを見ていきますよ~。
英国ロック史に残る傑作1stですね。
米盤LPやCD化以降は代表曲「青い影」が冒頭に収録されていますが、英国盤LPには未収録だったんですよね。
というわけで、ここではバンドの持つ美意識がこれでもかと発揮されたクラシカルで劇的な最終曲をお聞きください!
プロコル・ハルムの初期3作以外にもマシュー・フィッシャーのオルガンがもっと聴きたい!という方も多いはず。そんな方には22年に待望のリイシューを果たした彼の1stソロが激オススメ!
プロコル・ハルムからブルージーさを除き、叙情性とクラシカルな要素だけを抽出してポップに聴きやすく仕上げた感じ?
初期プロコル・ハルムで活躍したオルガン奏者による美メロ満載1stソロ、プロコル・ハルム・ファンは勿論、ニッチ・ポップ・ファンにもオススメ!
欧州第二のロック大国イタリア。もちろんプロコル・ハルムに通じる良いバンドがおります。
ダンテの新曲を題材にした次作2ndが名盤として高い評価を得る彼らですが、この1stも実はとってもナイスな一枚。
クラシカルな荘厳さに満ちたピアノとハモンド、手数多く前のめりに突っ走るドラム、音の奥行きを広げるギターとベースが織りなすキーボード・プログレに、切々とした「歌」が乗るサウンドがイタリアならでは。
バタバタとした「いなたい」プロコル・ハルムって感じでグッとくるんですよねぇ。
設立されたばかりのノルウェーの注目レーベルNORSKE ALBUMKLASSIKEREよりリイシューされたこの作品は素晴らしいですよ~。
PROCOL HARUMに影響を受けた、クラシカルなオルガンとR&Bフィーリングが調和したポップ・ロックが素晴らしい!
英ロック・ファン必聴レベルのこんなナイスなバンドがノルウェーにいたなんてっ!
ノルウェーならこの作品も外せません!
67年のノルウェーにこれほどまでのサイケ・ポップ/アート・ロック傑作が生まれていたとは…と思ったらあのテリエ・リピダル在籍バンドなのね!
グルーヴィーなオルガン、ブルース~ジャズを飲み込んだ表現力豊かなギター、ソウルフルなヴォーカル、渦巻くエコーや逆回転・・・というスタイルで、トラフィックやプロコル・ハルムに匹敵するアーシーなサイケ・ポップを楽しませてくれる一枚です。
「青い影」が大好き!という方にはフランスのこのアルバムをおすすめ♪
おお、このタイトル曲、プロコル・ハルム「青い影」にも劣らず胸に来る名曲だなあ。
アフロディーテズ・チャイルドやイ・プー、そして英国サイケ・ポップのファンは必聴と言える荘厳なフレンチ・サイケ名作!
続いてはハンガリーからこのニッチな一枚をご紹介☆
ハンガリーのプロコル・ハルム、はたまたブロッサム・トウズ!?
ファズ・ギターやオルガンによるサイケ・フレイヴァーと金管や弦楽器によるクラシカル・フレイヴァーとが合わさったサウンドは英サイケ・ポップ・ファンであれば必聴の出来栄え。
実は後にOMEGAに加入するドラマーFerenc Debreceni在籍のグループ!
ラストは秘境エストニアから、とっておきの作品をピックアップ!!
エストニア・ロックの立役者としてリスペクトされるドラマーGunnar Grapsが率いた65年結成のロック・バンド。
初期ゾンビーズやプロコル・ハルム彷彿のグルーヴィーな60年代のサイケ・ポップ期、パブロック的軽快さと辺境らしい「いなたさ」が同居したサウンドを聴かせる70年代のポップ・ロック期、どっちも素晴らしい。
プロコル・ハルムばりの哀愁が滲むオルガンのプレイが随所で聴けて堪りません。
いかがだったでしょうか。
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ご存知、初期PROCOL HARUMで活躍したオルガン奏者が73年にリリースした1stソロ作。全編がとんでもない美メロで埋め尽くされた珠玉の傑作ソロで、PROCOL HARUMからブルージーさを除き、叙情性とクラシカルな要素だけを抽出してポップに聴きやすく仕上げたような出来栄えです。楽しげに弾むオルガン、クラシカル・タッチの端正なピアノを中心に、優雅なストリングスも交えて展開される演奏は決して前に出過ぎず、メロディを印象的に聴かせるのにこれ以上ないバランスを保っていて本当に素晴らしい。哀愁漂う淡いヴォーカルもこれぞブリティッシュ。合間にはオルガンとストリングスのみで聴かせる悲哀のクラシカル・インストも登場し、PROCOL HARUM時代を偲ばせます。PROCOL HARUMファンには勿論、ニッチ・ポップ・ファンにも是非オススメ!カケレコメンド!
フランスのスタジオ・ミュージシャンによる71年リリースのプロジェクト作。内容は、PROCOL HARUMやAPHRODITE’S CHILD等を彷彿とさせる荘厳さと気品に満ち溢れた極上のサイケ・ポップ。甘美なメロディをゆったりと雄大に歌い上げる英詩ヴォーカル、郷愁を誘うオルガン、優雅な管弦楽器やマジカルなハープシコード、そして全てを包み込むかのように鳴らされる壮大なメロトロン・・・。多彩な楽器を用いたアンサンブルの完成度もさることながら、優しく哀愁溢れるメロディがどの曲も本当に素晴らしい。シングル・カットされたタイトル曲「Back In The Sun」をはじめ、「青い影」にも負けず劣らず涙腺を緩ませる感動の名曲揃いです。英国サイケ・ポップ・ファンは必聴と言える一枚。
後にOMEGAに加わるドラマーFerenc Debreceniが在籍していたハンガリーのサイケ/オルガン・ポップ・バンド、71年の唯一作。さすがはOMEGAに引き抜かれるだけあって、ジャズの素養もありそうな手数多くタイトなFerencのドラムは特筆もの。そんなドラムを土台に、エッジの立ったシャープなファズ・ギター、むせぶハモンド・オルガン、エコーに包まれたコーラス・ワークが醸すサイケデリック風味、きらびやかな金管やストリングスやハープによるクラシック・フレイヴァーなどがめくるめくサウンドは、英国で言えばブロッサム・トウズやプロコル・ハルムにも通じていて実に魅力的。歌詞はハンガリー語ですが、あまり違和感はなく、東欧らしいエキゾズムもないため、英サイケ・ポップのファンは文句なしに楽しめるでしょう。ベースがゴリゴリと疾走し、ハモンドがうねる楽曲などは、初期イエスも彷彿させます。ほとんど売れることなく、アフリカ・ツアー(!)の後に解散したそうですが、実力十分の好グループによる好盤です。
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