こんにちは、スタッフ佐藤です。
ジャーマン・ロックの重要バンド アモン・デュールの3rdアルバム『楽園へ向かうデュール』が紙ジャケット仕様でリイシューされましたね。
アモン・デュールと言えば、1stアルバムにおける耳をつんざくようなSEやトライバルに打ち付けるビート、脈絡などお構いなしに演奏の断片が継ぎ接ぎされていくサウンドが衝撃的で、アヴァンギャルドな作風のグループという印象があるかもしれません。
でもこの71年3rdは、英国のアングラ・フォーク・ロックにも通じるまどろみ感が漂うサイケ・フォークの逸品なんですよね。もっとも不意にクラウト・ロックらしい「おっかなさ」を見せる場面は随所にあるのですが…。
今回は本作からスタートして、各国のまどろみサイケ・フォーク作品をピックアップしたいと思います。
それでは出発!
アヴァンギャルドな音塊と言えた従来のサウンドから音楽的な進化を見せた3rd。
かつてなく明確に提示されたメロディをアコギ、打楽器、フルートらが彩るサイケ・フォークで、頼りなげにゆらゆら木霊するバンド演奏には聴く者を惹き付けるある種の中毒性が宿っています。
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ドイツと言えば、もう一枚サイケ・フォークの名盤が思い浮かびます。
アシュ・ラ・テンペルのメンバーを中心に結成されたジャーマンサイケプロジェクト=COSMIC JOKERS。
あの極上の音響を作り上げたエンジニアが手掛けたDieter Dierksの手腕も光るサイケ・フォーク名作がこちら。
英国のスパイロジャイラに近いトラディショナルでメランコリックなフォーク・ロックを土台として、そこに宗教的な格調高さやケルティックな優美さを溶け込ませたようなスタイル!
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英国はまどろみサイケ・フォークの宝庫ですね。厳選2タイトルをご紹介。
英アシッド・フォーク・シーンの重要コンビPeter Howell & John Ferdinandoの関連5作品を収録したボックスセット!
ITHACAやAGINCOURTは、アシッド・フォーク・ファン必聴の名作ですよ~。
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69年に自主制作でリリースされたサイケ・フォークの激レア盤。
まどろんだアコギ・アルペジオをバックに、ちょっとハスキーな歌声と繊細かつドリーミーな歌い回し、少しタイプは違いますが、Nick Drakeを引き合いに出さないわけにはいきません。
アメリカからは、超リリカルなこのマイナー・サイケ・フォーク盤&アラスカ産のとっておき盤をおすすめ!
マイナーながら驚くほどリリカルなメロディが溢れ出す米サイケ・フォーク。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのドリーミーでリリカルな曲やITHACAあたりが好きなら是非☆
アラスカ出身か・・・。
この男女ヴォーカルのコーラスの陰影は、メロウ・キャンドルやチューダー・ロッジのファンはイチコロでしょうね。
北欧にも絶品サイケ・フォークがあります。スウェーデンのバンドによる幻の発掘音源集!
宅録だからなのか、この程よ~くリラックスした気だるい演奏が北欧らしい幻想性をさらに強めてますね。
と思ったら突然ジャジーな展開が挿入されたりして、なかなかにプログレッシヴ。
この北欧アングラ・サイケ・フォーク、あなどれません。
お次はスペインはマヨルカ島から、極上の一枚をピックアップ!
ゴングのデヴィッド・アレンがプロデュースした、このマヨルカ島発サイケ・フォーク盤はご存知?
地中海風の陽気と美しさを内包したドリーミーなサウンドがもう絶品すぎる…。
ゴーキーズあたりが好きな90年代以降ロックのファンにも聴いてもらいたいです。
南米のサイケ・フォーク名産地と言えるのがチリ。中でも一押しの2枚をどうぞ☆
フォルクローレを下地に、夢見心地にたゆたうアコギ・アルペジオ、ゆらゆらと聴き手の意識を奪うリコーダーや鳥のさえずり、「心ここに在らず」の優美なメロディ、包み込むようにメロウなヴォーカル。
すべてが奇跡的にピースフル。
夢うつつを行き来する旅人に捧ぐ、南米サイケ・フォークの金字塔。
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愛の夏、サイケの夏!今回は夏休みという事で、ついつい昼寝をしたくなってしまう「けだるい夏の午後」にピッタリのサイケ・フォーク&サイケ・フォーク・ロックをセレクトいたしました。
チリを代表する名グループの71年作。
フォルクローレをベースにした柔らかく優美なメロディと、リコーダーや打楽器による民族色を取り入れた南米らしいたおやかなフォーク・ロック。
ただ、ところどころに持ち味であるアコースティック・チェンバー色を配しピシっと引き締めるなど、格調高さや緊張感もこのグループの魅力となっています。
いかがだったでしょうか。
気になる作品を見つけていただけましたら幸いです!
チリのグループ、72年の唯一作。フォルクローレを下地に、夢見心地にたゆたうアコギ・アルペジオ、ゆらゆらと聴き手の意識を奪うリコーダーや鳥のさえずり、「心ここに在らず」の優美なメロディ、包み込むようにメロウなヴォーカル。すべてが奇跡的にピースフル。白昼夢を断ち切るように時折いななくファズの好き嫌いは分かれそうですが(笑)、南米サイケ/アシッド・フォークを代表する傑作です。
アラスカ出身、男女7人のグループ。アコギとピアノを中心に、リコーダーやストリングスがしっとりと寄り添う奥ゆかしいアンサンブル。そして、男女ヴォーカルが歌うドリーミーなメロディ、端正なコーラス・ワーク。これは素晴らしいです。ジャズやアシッド・テイストも織り交ぜたピシッと緊張感溢れる雰囲気も印象的。たいへんセンス溢れるサイケ・フォークの逸品。
スペイン出身のサイケ・フォーク・グループ。78年作の唯一作。デヴィッド・アレンによるプロデュースで、ドリーミーなメロディー、美しいコーラス・ワーク、リコーダーやハーモニカによる黄昏のアンサンブルが印象的な名作。どの曲もメロディーが素晴らしく、佳曲揃いです。
チリを代表するグループ、71年作。80年代以降の作品はジャズ・ロックですが、本作は、フォルクローレをベースにした柔らかく優美なメロディと、リコーダーや打楽器による民族色を取り入れた南米らしいたおやかなフォーク・ロック。ただ、ところどころにアコースティック・チェンバー色を配しピシっと引き締めるなど、格調高さや緊張感もこのグループの持ち味。
英アシッド・フォーク・シーンの重要コンビ、Peter Howell & John Ferdinandoを中心に残された5作品を収めたボックスセット。『ALICE THROUGH THE LOOKING GLASS』『TOMORROW COME SOMEDAY』『AGINCOURT / FLY AWAY』『ITHACA / A GAME FOR ALL WHO KNOW』『FRIENDS / FRAGILE』を収録。
5枚組ボックス、各CDはペーパーケース仕様、ブックレット付仕様
レーベル管理上、ボックスに若干の圧痕や若干の汚れがある場合がございます。ご了承ください。
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