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ニック・ドレイクからめぐる繊細かつリリカルな世界のSSW探求

ニック・ドレイクの名作1st『ファイヴ・リーヴズ・レフト』を出発点に、繊細かつリリカルなSSWを世界中からピックアップしてまいります。

まずは、ニック・ドレイクの69年1stをあらためて聴いてみましょう。

NICK DRAKE/FIVE LEAVES LEFT

沈鬱さとリリシズムとが同居したメロディとヴォーカル。

絶妙にサポートする、リチャード・トンプソン、ダニー・トンプソンのバッキングと、ロバート・カービーの荘厳なストリングス。

なぜこれほどまでの作品が、リリース時に正当に評価されなかったのか・・・。

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いやあ、素晴らしいです…

さてさてそれでは、英国からピックアップしていきましょう。

KEITH CHRISTMAS/STIMULUS

エスペラント『死の舞踏』にヴォーカルで参加したことでプログレ・ファンにも知られるSSW、70年作。

サンディ・ロバートソンのプロデュースで録音され、69年にRCAからリリースされたデビュー作。

白昼夢なヴォーカル&メロディとマイティ・ベイビーがサポートした土臭いアンサンブルとのコントラストが絶妙です。

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MARK FRY/THE A.LORDS/I LIVED IN TREES

ポロポロこぼれるようなピアノの音、アコースティック・ギターの優しい響き。そして変わらぬ「心ここにあらず」なボーカル。別次元に連れていかれるようなアルバムです。

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次は、アメリカからピックアップいたします。

SID SELVIDGE/PORTRAIT

なんと優しく染み渡る歌声でしょうか…69年米メンフィスで産み落とされた、美しくコク深いSSW作品。

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RANDY RICE/TO ANYONE WHO’S EVER LAUGHED AT SOMEONE ELSE

シカゴ出身のシンガーソングライター。74年に、このアルバムのみリリースしています。

いきなりのファズ・ギター早弾きに驚いていると、静謐でリリカルなピアノとともに、胸に迫る繊細でドリーミーな歌声が立ち上がり・・・な、なんだこの美しさは!

ニック・ドレイクと同じぐらい崇められてもおかしくないかも!?

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それではアメリカを離れて、別の国にまいりましょう。

BULENT/BENIMLE OYNAR MISIN

トルコのシンガー、74年作。トルコにこんなに繊細で美しいフォークがあったんですね!

聞きなれないトルコ語も、不思議と心地よいです。

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お次はスペインです。

TOTI SOLER (JORDI SOLER)/LIEBESLIED

スパニッシュ・ジャズ・ロック黎明期のバンドOMの中心的ギタリスト、72年作。
バンドでは、ゴリゴリと弾き倒すアグレッシヴなギターを炸裂させていましたが、このソロでは、一転してニック・ドレイクばりの内省的なアコギ爪弾きが特筆。

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いかがでしたか?

ニック・ドレイクに通じる繊細かつリリカルなSSWはまだまだ世界中に眠ってそうですね。

みなさまにとってピッタリの一枚が見つかれば幸いです。


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ニック・ドレイクからめぐる繊細かつリリカルな世界のSSW

  • RANDY RICE / TO ANYONE WHO’S EVER LAUGHED AT SOMEONE ELSE

    ちょっと、これは凄い作品です、米SSWによる74年作で、マイナーながらニック・ドレイク級に崇められるべき名作

    シカゴのSSW、74年にリリースされた2枚組作。いきなりのファズ・ギター早弾きに驚いていると、静謐でリリカルなピアノとともに、胸に迫る繊細でドリーミーな歌声が立ち上がり、ハッとさせられます。な、なんだこの美しさは!間奏でまたファズ・ギターが入り、遠くでオブリガードを奏でますが、これがもう高尚といいますか、天上の美しさ!とにかく歌声は素晴らしいわ、メロディは素晴らしいわ、74年とは思えないオルタナ感覚もあるわ、90年代以降の『ペットサウンズ』憧憬の宅録アーティストもひれ伏す完成度!ちょっと、これは凄い作品です。ニック・ドレイクと同じぐらい崇められてもおかしくないかも!?

  • TOTI SOLER (JORDI SOLER) / LIEBESLIED

    スペインを代表するギタリストToti Soler、JORDI SOLER名義のソロ、内省的なSSW作

    スパニッシュ・ジャズ・ロックの名グループOMのギタリストでありスペインを代表するギタリストであるToti Solerが、JORDI SOLER名義でリリースした72年作ソロ。OMとはガラリと変わり、本作で聴けるのは、アコギ一本の繊細なSSW作。半音で下がっていくような陰影に富んだギターがちょっぴりNICK DRAKEを彷彿とさせます。内省的でジーンと染みてくるヴォーカルも特筆もの。哲学的な重みのあるじっくりと向き合って聴きたい作品。

  • KEITH CHRISTMAS / STIMULUS

    エスペラント『死の舞踏』にヴォーカルで参加したことでプログレ・ファンにも知られるSSW、69年のデビュー作

    エスペラント『死の舞踏』にヴォーカルで参加したことでプログレ・ファンにも知られるSSW。サンディ・ロバートソンのプロデュースで録音され、69年にRCAからリリースされたデビュー作。バックは、マイティ・ベイビーのメンバーに加え、後にマシューズ・サザン・コンフォートに加入するゴードン・ハントレー。オープニングから極上の英フォーク・ロックに悶絶必至。サンディ・デニーが歌い出しそうな雰囲気抜群のアコギのイントロから、サザン・コンフォートそのままのリリカルなスティール・ギターが流れ、イアン・マシューズから牧歌性を取ってアシッド臭や幻想性を加えたようなキース・クリスマスのヴォーカルが英国らしい陰影に富んだメロディをたゆたうように柔らかく歌い上げる。ジャケの世界そのままの英国の幻想風景が広がります。その他の曲も、キンクスのようなボードヴィル調の楽曲、巧みなフィンガーピッキングが冴え渡る格調高い楽曲、ピアノが低くたちこめるアシッド臭ぷんぷんの楽曲などハイレベル。同じくマイティ・ベイビーが参加したゲイリー・ファー『ストレンジ・フルート』といい、ほんっと、このグループ参加のSSW作は味わい深い。名作です。

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