2018年6月20日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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スタッフ佐藤です。
今回は新鋭プログレ・シーンより、メタルの要素を巧みに配してスケール感あふれる音世界を作り上げている作品をピックアップしてまいりたいと思います。
メタリックな重量感を取り入れることで生まれる、息を呑むようなダイナミズムとドラマ性をお楽しみください☆
メタリックなプログレを語る際に、この作品は避けては通れませんよね。90年代の北欧のみならず新世代プログレ・シーンの幕を開けた衝撃のデビュー作。初期クリムゾン直系の溢れんばかりのメロトロンと叙情美、そしてヘヴィメタルやグランジを通過した肉感的ヘヴィネス!幽玄にしてテンションみなぎる大傑作!
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ベテランとは思えない何という突き抜けたエナジー。70年代から活躍するメキシコのプログレ・バンドが2014年に放ったダイナミズムみなぎるモダン・シンフォ傑作!煌びやかなピアノが華麗に流れ、不穏なフレーズへと移行していくと、ザクザクとヘヴィ・メタリックなギターが炸裂し、アンサンブルが一気に躍動を始める導入部。何度聴いても興奮します。
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90年代以降のプログレ・バンドではフラワー・キングスと双璧と言っても過言ではないバンドへと成長した、プログレ辺境の地メキシコの雄、CASTを大特集!
スペインより現れた超強力な新鋭グループによる待望の18年作!クイーンのドラマ性や華麗さ+ドリーム・シアターのメタリックな重量感に、様式美HRからビッグバンドまでを取り入れる奇想天外センスとスペインらしい情熱を注入したサウンドは、とことんエネルギッシュで痛快。聴いていてこんな楽しくてワクワクするプログレって他にないかも!
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現ハンガリーが誇るテクニカル・フュージョン・プログレ・バンド。強度抜群に突き進むメタル由来の硬質さ、アコースティックなジャズのふくよかさ、そしてフュージョンの軽快さ。それらがまさに最強のバランスで融合した快作!
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プログレの魅力の一つと言えば、ビシバシ刻まれる変拍子リズムの中を息もつかせぬテンションと緻密さで疾走するテクニカルな演奏。今回は各国の新鋭よりそんなテクニカルなアンサンブルを特徴とするプログレ作品をピックアップしてまいりたいと思います!
叩きつけるようなヘヴィネスとポストロック由来の浮遊感、さらにハードコアも通過したような衝動も織り交ぜた個性派プログレを構築する英新鋭。テクニカルで厚みあるツインギターのプレイに圧倒されます。なるほどパイナップル・シーフのサポートメンバーによるバンドなのか。
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2人のギタリストを擁するポーランドの新鋭バンド17年作。DREAM THEATER影響下のプログレ・メタルとポーランドらしいメランコリックで奥深いメロディアス・ロックが融合、ヘヴィネスとメロウネスが絶妙に溶け合った力作!
現ロシアン・プログレの雄による、出世作として名高い名盤。キース・エマーソン譲りのテクニカルかつアグレッシヴなキーボードはそのままに、鋭角なフレーズで畳みかけるモダンでメタリックなギターが加わり、凄まじいスケールで展開していく演奏に圧倒されます…。
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インドネシアから突如現れ驚異的なテクニックと見事なアレンジ・センスで一躍辺境地プログレの代表格に躍り出たグループによる、衝撃の99年デビュー作。ロック、ジャズ、クラシック、フォーク、現代音楽、民族音楽、ヘヴィメタルなどの多様な音楽を吸収し、破壊的なパートから静謐なパートまで、構築的に描き出された音世界は、あまにも知的にして芳醇。20年近くを経てもその輝きは失われていませんね。
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12年デビュー、メンバーほぼ全員がクイーンとドリーム・シアターをフェイバリットに挙げるスペインの新鋭プログレ・バンド、前作より3年ぶりとなった18年作3rd。前2作も素晴らしいアルバムでしたが、この3rd、もうとことんエネルギッシュで痛快。聴いていてこんなに楽しくってワクワクするプログレって他にないかもしれませんっ!ベースとなるのは最も影響を受けているクイーンとドリーム・シアターの合わせ技。そこにシンフォ、ロックン・ロール、様式美ハード・ロック、ビッグ・バンド・ジャズ、フュージョンなどを自在に結合させて、スペイン産らしい情熱的かつダイナミックなプログレに仕立て上げた、エネルギーがぎっちり詰まったサウンドを構築しています。歌い回しにフレディ・マーキュリー愛を感じさせる声量みなぎるスペイン語ヴォーカルとオペラチックな分厚いコーラスがドラマチックに舞い上がるクイーン風のヴォーカル・パートから、ド派手に鳴らすヴィンテージ・トーンのオルガン&クラシカルで可憐なタッチのピアノを操るキーボードが溢れ出し、ギターがテクニカルかつハードエッジに疾走。ギターはメタリックにゴリゴリしてはいるのですが、同時にコシの強いグルーヴ感があり、ロックンロールのノリの良さが先立っているのが特徴。硬質ながら人間味たっぷりに熱く弾き飛ばすプレイ・スタイルがカッコいい!ギターが牽引する強度あるヘヴィ・プログレに突如ゴージャスなビッグ・バンドが絡んできたり、クラシカルな速弾きが炸裂する様式美系ハード・ロックがごく自然に南国風フュージョンに発展したりと、あまりに先の読めない奇想天外なサウンドには軽く目眩が起きそうなほど。その後には一転して美しいメロディが冴え渡る叙情バラードを持ってくるセンスも憎い限りです。前作が彼らの完成形かと思いきや、まだまだ進化するDRY RIVERサウンドを見せつける大傑作!おすすめです!
スウェーデン出身プログレッシヴ・ロック、93年デビュー作。90年代以降の北欧プログレを代表するグループであり、中期KING CRIMSONの影響を現代的なヘヴィネスと融合しています。メカニカルにリフをユニゾンするギター、ベース、ドラムによるヘヴィ・サウンドと、悲愴感を漂わせるメロトロンとチェロの旋律が溶け合う凶暴でありながら、アコースティックな質感も残したアンサンブル。憂いを含んだヴォーカルも魅力的。静と動の対比が鮮やかな楽曲構成も素晴らしくクリムゾン・フォロワーとしてのみならず、現在の北欧プログレ・シーンに大きな影響を与えたアルバムです。
インドネシア出身のプログレ・グループ。ヴァイオリン奏者、フルート&サックス奏者、透明感ある女性Voを含む8人組。99年作の1st。ロック、ジャズ、クラシック、フォーク、現代音楽、民族音楽、ヘヴィー・メタルなどの多様な音楽を吸収し、見事な構築力でもって、1音1音が瑞々しく躍動する真のプログレッシヴ・ミュージックへと昇華させています。破壊的なパートから静謐なパートまで、そのアレンジ・センスはただものではありません。テクニカルなフレーズを流れるように聴かせるギターを筆頭に、全メンバーとも驚くほどのハイ・テクニックとハイ・センス。恐るべしインドネシア。凄いグループです。
70年代から活躍するメキシコを代表するシンフォニック・ロック・グループ、2014年作。煌びやかなピアノが華麗に流れていくオープニング。ピアノが不穏なフレーズへと移行していくと、ザクザクとヘヴィ・メタリックなギターが炸裂し、一気に動き出すアンサンブル。ここぞでは視界が開けたように透き通った鋭角なトーンのギターやヴィンテージなハモンド・オルガンやフルートがファンタスティックなフレーズを高らかに奏でます。フルートとザクザク・ギターとのユニゾンあり、ピアノとギターによるクラシカルな高速フレーズが一閃したり、それを支えるリズム隊のキレ味も特筆だし、70年代的な幻想性と現代的な明瞭さやダイナミズムが見事に融合したアンサンブルは、まさに「鮮烈」という言葉がぴったり。それにしても、ベテランとは思えない突き抜けたエナジー。これはモダン・シンフォニック・ロックの傑作です!
ハンガリーのグループ、06年作2nd。名作1stの延長線上にあるテクニカル・プログレ。メタリックな硬質さ、アコースティック・ジャズのふくよかさ、フュージョンの軽快さが違和感なく融合したサウンドからは、一聴して聴き手を捉える明快なテンションとともに、豊潤な奥行きを感じます。各音の瑞々しさと躍動感は特筆もの。単にテクニックで押すだけではない、豊かな音楽性が感じられます。これは傑作です。
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