2018年8月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ新鋭
プログレの魅力の一つと言えば、ビシバシ刻まれる変拍子リズムの中を息もつかせぬテンションと緻密さで疾走するテクニカルな演奏。
今回は各国の新鋭よりそんな技巧派アンサンブルを特徴とするプログレ作品をピックアップしてまいりたいと思います!
ジャケは荘厳なシンフォっぽいですが、中身はポップさも織り交ぜた痛快テクニカル・プログレ!ザッパやジェントル・ジャイアントにも迫るアイデアとテクニックで快走するアンサンブルには聴いていてきっと笑いがこみ上げてくるはず。さらに超絶技巧の中に哀愁もつまってて、このジェノヴァ新鋭、凄いです!
【関連記事】
往年の名バンドへのリスペクトは確かに持ちつつも、より幅広く豊富なアイデアと予想を裏切る曲展開で独自に組み上げられた、痛快無比なプログレを聴かせてくれる新鋭グループたちをご紹介いたします!
アルティ・エ・メスティエリI『TILT』のテクニック&スピード感を受け継いだ伊新鋭だって!?超絶変拍子ジャズロックからヴィンテージ色豊かなシンフォへとダイナミックに展開していく演奏が圧巻。
サックス奏者、トランペット奏者、ヴァイオリン奏者、さらにハーモニカ奏者までを含む7人組アヴァン・ジャズ・ロック・バンドのライヴ作。『HOT RATS』あたりのザッパの影響も感じる、洒脱にしてどこまでも強靭なギラギラしたアヴァン・ジャズ・ロックはまさに痛快無比。このナポリのグループ、要注目です。
今話題のスペイン新鋭ですね!クイーン+ドリーム・シアターをベースに様式美HRからビッグバンドまでを取り入れる奇想天外なサウンドメイキングに耳が行きがちですが、その多彩さを可能とする各メンバーのテクニックにも要注目。特にギターはメタリックさとロックンロールのノリの良さを合わせ持った凄腕で、スペインらしい情熱溢れるプレイでアンサンブルを牽引します。
【関連記事】
待望の4thアルバム『CUARTO CRECIENTE』をリリースした注目のスペイン新鋭DRY RIVERを大特集!
現ハンガリーが誇るこのフュージョン・プログレはもう聴いた?メタリックな攻撃性、アコースティック・ジャズのふくよかさ、フュージョン的軽快さ、そして浮遊感あるエレクトロニクスまでを飲み込んで極上のテクニカル・プログレに仕上げた痛快作ですよ!
【関連記事】
新鋭プログレ・シーンより、メタルの要素を巧みに配してスケール感あふれる音世界を作り上げている作品をピックアップしてまいりたいと思います。メタリックな重量感を取り入れることで生まれる、息を呑むようなダイナミズムとドラマ性をお楽しみください☆
まるでロシアが生んだクラシック音楽の巨匠ストラヴィンスキーが蘇り、交響楽団とテクニカルなプログレ・バンドを従えた、といった感じ!?この壮大にして疾走感いっぱいのサウンド、何という完成度か・・・。
【関連記事】
キング・クリムゾンからの影響が感じられる硬質でアグレッシヴなサウンドをベースに、クラシカルなヴァイオリンやフルートが疾走するテクニカル・アンサンブルが痛快な、現在最も注目すべき新鋭の一つですLOST WORLDの魅力に迫るインタビュー!
05年にデビューしたロシア発の新鋭バンド。
【関連記事】
LITTLE TRAGEDIESとLOST WORLDを双頭に、豊かなクラシック音楽の土壌に根ざしたダイナミックかつ格調高いプログレ・グループが続々と登場しているロシアのプログレ新鋭シーンを特集!
ロシア新鋭IAMTHEMORNINGのkey奏者によるソロデビュー作。Gavin Harrison、Theo Travis、Steve Hogarth、Nick Beggsといった豪華過ぎるミュージシャン達を従え、目の覚めるようにシャープでテクニカルなキーボード・プログレを展開します。中でもクラシックの素養に満ち満ちた技巧的にして美麗な音運びのピアノは絶品。「鮮烈」という一言が相応しい逸品!
ジェネシス、ジェントル・ジャイアント、XTC、ラッシュ、そしてクラシック音楽や民族舞踏音楽のエッセンスをイマジネーションたっぷりにまとめあげるセンスが抜群!フィンランドを代表する新鋭プログレ・バンドによる渾身の2015年作!
【関連記事】
テクニカルで難解だけじゃない!アラン・パーソンズ・プロジェクトや80年代ネオアコに通ずる爽やかでポップな新鋭グループをご紹介。
現アルゼンチンきってのテクニカル・シンフォ・バンドと言えるかな。
猛烈な勢いで攻め立てるテクニカル・ギターを軸としたハイテンションのパートと、南米の爽やかな風が感じられそうなリリカルで映像喚起的なパート。振れ幅あるサウンドが楽しめる好盤です。
ジャズの確かな素養にプログレッシヴな精神性、強靭な演奏力、掟破りのフリーキーさ。ヘヴィーメタリック・フリージャズとても呼びたい凶暴かつ知的でテンションみなぎるサウンドに圧倒されます。さすが南米随一のプログレ国アルゼンチン…。
現インドネシアの最高峰ジャズ・ロック/フュージョン・グループSIMAK DIALOGのギタリストによる別働グループなんですが、変拍子の嵐の中、メタリックなトーンで高速リフを弾き倒し、ソロでも強烈にエネルギッシュなフレーズを炸裂。
こりゃまるで『太陽と戦慄』をマハヴィシュヌがカヴァーしたような、破格のテンション!
【関連記事】
NHK-FMの『プログレ三昧』でDISCUSが取り上げられ、プログレ・ファンにとって注目すべきエリアとなったインドネシア。DISCUSにも勝るとも劣らない硬派かつイマジネーション溢れるジャズ・ロック/プログレの名作が続々と届いておりますので、ピックアップ!
12年デビュー、メンバーほぼ全員がクイーンとドリーム・シアターをフェイバリットに挙げるスペインの新鋭プログレ・バンド、前作より3年ぶりとなった18年作3rd。前2作も素晴らしいアルバムでしたが、この3rd、もうとことんエネルギッシュで痛快。聴いていてこんなに楽しくってワクワクするプログレって他にないかもしれませんっ!ベースとなるのは最も影響を受けているクイーンとドリーム・シアターの合わせ技。そこにシンフォ、ロックン・ロール、様式美ハード・ロック、ビッグ・バンド・ジャズ、フュージョンなどを自在に結合させて、スペイン産らしい情熱的かつダイナミックなプログレに仕立て上げた、エネルギーがぎっちり詰まったサウンドを構築しています。歌い回しにフレディ・マーキュリー愛を感じさせる声量みなぎるスペイン語ヴォーカルとオペラチックな分厚いコーラスがドラマチックに舞い上がるクイーン風のヴォーカル・パートから、ド派手に鳴らすヴィンテージ・トーンのオルガン&クラシカルで可憐なタッチのピアノを操るキーボードが溢れ出し、ギターがテクニカルかつハードエッジに疾走。ギターはメタリックにゴリゴリしてはいるのですが、同時にコシの強いグルーヴ感があり、ロックンロールのノリの良さが先立っているのが特徴。硬質ながら人間味たっぷりに熱く弾き飛ばすプレイ・スタイルがカッコいい!ギターが牽引する強度あるヘヴィ・プログレに突如ゴージャスなビッグ・バンドが絡んできたり、クラシカルな速弾きが炸裂する様式美系ハード・ロックがごく自然に南国風フュージョンに発展したりと、あまりに先の読めない奇想天外なサウンドには軽く目眩が起きそうなほど。その後には一転して美しいメロディが冴え渡る叙情バラードを持ってくるセンスも憎い限りです。前作が彼らの完成形かと思いきや、まだまだ進化するDRY RIVERサウンドを見せつける大傑作!おすすめです!
アルゼンチン産テクニカル・プログレ・バンドの12年作。冒頭より炸裂する、嵐のようにアグレッシヴ&テクニカルな変拍子アンサンブルにまず度肝を抜かれます。かなりヘヴィな演奏ながらも、プログレ・メタルとはならないギリギリのラインで演奏をコントロールしている印象で、あくまでプログレッシヴ・ロックとして聴かせる優れたバランス感覚が素晴らしいです。情景描写的な表現力にも優れており、南米らしいおおらかさと涼風が吹き抜けるかのような清涼感を感じさせるパートも絶妙に挿入。しかし本領はやはり猛烈な勢いで攻め立てるテクニカル・ギターを軸としたハイテンションのアンサンブルでしょう。強烈なギターと渡り合いながらもシンセサイザーでシンフォニックな色合いを添えるキーボードも只者ではありません。これは大音量にして全身で浴びるように聴きたい一枚。力作です。
現代ロシアを代表するのみならず、ヴァイオリンをフィーチャーした新鋭プログレ・バンドとして屈指と言えるクオリティを持つトリオ、2016年作5thアルバム。オープニングから、舞踏音楽も取り込んだ躍動感いっぱいのリズム・セクションをバックに、ヴァイオリンが鮮やかなトーンでまるで天空を駆け抜けるかのように鳴り、エレキ・ギターが追随しながら疾走感を加える。イマジネーションいっぱいにめくるめく鳴り響く管楽器も凄いし、アコギとフルートによる静謐なパートの奥ゆかしさも特筆。ロシアが生んだクラシック音楽の巨匠ストラヴィンスキーが蘇り、交響楽団とテクニカルなプログレ・バンドを従えた、といった感じのまばゆすぎるアンサンブルにただただ心躍ります。何という完成度。2016年のプログレ作品の中で間違いなくトップ3に君臨することでしょう。ずばり傑作です。
ハンガリーのグループ、06年作2nd。名作1stの延長線上にあるテクニカル・プログレ。メタリックな硬質さ、アコースティック・ジャズのふくよかさ、フュージョンの軽快さが違和感なく融合したサウンドからは、一聴して聴き手を捉える明快なテンションとともに、豊潤な奥行きを感じます。各音の瑞々しさと躍動感は特筆もの。単にテクニックで押すだけではない、豊かな音楽性が感じられます。これは傑作です。
イタリアはジェノヴァ出身の新鋭バンド、2016年デビュー作。こ、これは、な、な、なんというテクニックとアイデア!次から次へと切り返す高速変拍子で突っ走るドラム、まるで早回しのように急旋回しまくるサックス、ふくよかで厚みのあるトーンの切れ味鋭いフレーズでかっ飛ばすギター、クラシックの確かな素養を感じさせるテクニカルかつ流麗なピアノ。なんという痛快なサウンド!これは、ザッパやジェントル・ジャイアントもびっくりなはず!暗さは微塵もなく、大道芸風というかオリエンタルな空気感といいますか、超絶技巧の中に人間味というか市井の哀愁も満ちている感じで、なんという個性。演奏だけでなく、ハイ・トーンのエモーショナルなヴォーカル、フックと気品たっぷりのメロディも良いしなぁ。これは激、激レコメンドです!
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!