2018年1月8日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ新鋭
2017年も新鋭バンドたちによる素晴らしい作品が届けられた一年でしたね。
ここでは2017年にリリースされた新鋭プログレ作品より、注目タイトルを国別で大特集!
世界各国の魅力溢れるプログレ作品との出会いをお楽しみいただければ嬉しく思います!
英国の天才マルチ奏者&コンポーザーによるプロジェクト、待望の17年作!まるで80年代頃のCAMELとBIG BIG TRAINが出会ったような、モダンでロマンティックで雄大なシンフォニーが眼前に広がるこの感じ…もう何というイマジネーション。
この透明感、熱量、スケール。もうフラワーキングスに肩を並べてると言って何の問題もないでしょう。ウクライナ出身の才人キーボーディスト率いるシンフォ・バンドの10作目、ずばりシンフォファン必聴作!!
デビュー時より、ジェネシス、フラワー・キングス、ビッグ・ビッグ・トレイン、スポックス・ビアード等に影響を受けたことを公言していたバンドですが、今作も、まさにそれらのバンドを一つに束ねてしまったかのようなグレイトなサウンドっ!
BJHとENGLANDの遺伝子を合わせ持ったような英国マルチ・ミュージシャンだと!薫り高き英国叙情をこれでもかと含んだサウンドが堪らない注目新鋭!
ゴングばりの強度と緩急自在さで聴かせるジャズロックをベースに、カンタベリー風の芳醇なホーンセクションとスラップハッピーあたりが浮かぶ浮遊感あるメロディをミステリアスに歌う女性ヴォーカル。カリフォルニア発ジャズ・ロック・バンド、2ndもさすがの快作です!
チェンバーロック、トラッド/舞曲、ジャズロック、クラシカルなシンフォなど目まぐるしく表情を変えていくアンサンブルには疾走感とキャッチーさが満載。現代アメリカの中では最もプログレッシヴなサウンドを聴かせているバンドでしょうね。この17年作、ずばり会心作!
この新鋭バンドのキーボーディスト、エマーソンばりにシンセやオルガンを弾きこなしていて凄い逸材だなぁ…。美声で歌の巧いヴォーカルも爽やかなサウンドに適任だし、これは70年代憧憬モダン・シンフォとして圧倒的にハイレベルな快作!
PFM、バンコといった自国の偉大なバンドに加え、ラッシュ、シャドウ・ギャラリーなどのプログレ/プログレ・メタルより影響を受けたというバンドで、音楽性もまさにという感じ。ラッシュ影響下のハード・プログレを土台にPFM的優美さを加えたような伊新鋭!
90年代を中心に活躍した伊シンフォ・バンドSITHONIAのメンバーが結成した新バンドなんだ。イタリア語の「歌」の魅力を最大限に引き出す味わいのあるサウンドが素晴らしいシンフォニック・ロック♪
ポスト・ロックとコンテンポラリー・ジャズとカンタベリー・ロックを融合させてしまったかのようなサウンドを鳴らす注目株が、フランスに登場!
まるでフランス伝統のシアトリカル・ロックをオルタナティヴ・ロック的ヘヴィ・サウンドで解釈したようなセンスみなぎるフレンチ・プログレ!なるほど、82年に作品を残したSTEP AHEADのメンバーによるバンドなのか。
シンフォニックなOZRIC TENTACLES!?コズミックな音響とうねるギターはスペースロックそのものだけど、フルートとシンセにはオリエンタルで柔らかなシンフォ・テイストがあって、なのに違和感はゼロ。このベルギー新鋭、只者じゃないです。
ブルガリアの天才ギタリスト/マルチ・プレイヤーが放った17年ソロ作。A.C.Tあたりが浮かぶ、目まぐるしく展開しながらも手工芸品のように精緻に組み上げられた一人多重録音プログレ・ハードが素晴らしすぎ!メインストリームでも活躍できそうな凄い才能だなぁ…。
元WHITE WILLOWの女性ヴォーカルを擁するバンドなのですが、エレクトロ要素とシンフォを組み合わせる近年の北欧の潮流を、巧みにポップスへと落とし込んだ、キャッチーかつドラマチックなサウンドを生み出していて素晴らしい!
アネクドテンやアングラガルドらレジェンドに最も近い存在として北欧では頭抜けたバンドでしたが、まさかここまで格段の進化を遂げてくるとは驚きました…。アネクドテンばりの強度あるヘヴィネスとイエスの雄大なファンタジーが調和する、至高の17年作!
再結成グリーンスレイドやストローブスに参加したキーボーディスト/コンポーザーによるバンドの2nd。
IONAのDave Bainbridge、近年のFOCUSでプレイするMenno Gootjes、FISH作品でおなじみのRobin Boultら豪華ゲスト・ギタリスト陣らと共に劇的に紡ぐ、ブリティッシュな香り高きサウンドメイクと美しいメロディに恵まれた感動作!
英在住フランス人key奏者を中心に結成されたシンフォ・バンドなのですが、ハケットのタッチに近いアグレッシヴながらも気品あるギター、荘厳に湧き上がるシンセ&オルガン、そしてガブリエル風の声質でダイナミックに歌い上げる存在感抜群のヴォーカル。メロディアスなモダン・プログレにジェネシス的叙情を絶妙に織り込んだ劇的な17年作!
80年代後半に活動しながらもアルバムを残さず解散、11年に再結成したグラスゴー出身のバンドなのですが、この17年作、初期ジェネシスを正統に受け継ぐ薫り高きファンタジーが素晴らしすぎる一枚!朝もやに包まれたような幻想的なサウンドメイクも絶品。
KARFAGEN、SUNCHILDなどのシンフォ・バンドを率いるウクライナ出身英国在住のコンポーザー&ミュージシャンAntony Kalugin。
彼のキャリア10周年を記念したライヴアルバムが登場!両バンドの楽曲を、確かなテクニックと溢れる叙情美を備えた素晴らしい演奏で綴った感動のステージを収録。
冒頭から人懐っこいトーンのギターとフルートが優しく彩る、キャラヴァン「GOLF GIRL」を想い起こさずにはいられないほのぼのカンタベリーサウンドが飛び出してきてビックリ!動画からもキャラヴァンや70年代英ロック・バンドへの憧憬が滲み出ていて素敵です☆
活動歴17年目というベテランバンドとは思えない英国叙情溢れるこの瑞々しいアンサンブル!ポップにもドラマチックにも自在なクリスティーナ・ブースの美声ヴォーカルも素晴らしいし、この17年作もMAGENTA以外にありえないサウンドがたっぷりと楽しめます☆
EDEN SHADOWのギタリストと現MAGENTAのドラマーらが結成したトリオなんですが、所属バンドからの予想を裏切るファンキーなジャズ・ロックが飛び出してきてビックリ!でもこれが凄まじいカッコよさで悶絶・・・。
PALLASでの活動で知られた名シンガーが放った17年作。
ピーター・ガブリエルに耽美な艶っぽさを加えたようなReedのヴォーカルは相変わらずの素晴らしさで、
存在感あるヴォーカルを存分に生かした抜けの良い歌ものシンフォニック・ロックを構築。
S.Hackett、MAGENTAのVo=Christina Booth、フランス新鋭LAZULIでオリジナル楽器LEODEを操るClaude Leonettiら強力メンツが参加!
ENIDやBIG BIG TRAINで活躍したドラマー/マルチ奏者による16年作3rd。
エレクトロ要素を全編に導入しながらも終始メロディアスかつハートウォーミングに紡がれていく珠玉のシンフォニック・ロックは思わず溜息の出る美しさ。
ずばりBBTファンにもお薦め!
トニー・バンクス風のファンタスティックに躍動するシンセと薫り高きオルガンが絡み合いながら駆け抜けるジェネシス憧憬滲む艶やかな「動」のパートと、ややうつむき加減の流麗なクラシカル・タッチのピアノがリードする粛々としながらも劇的な「静」のパートの対比によって聴かせるサウンドメイクの何と見事なこと!
もともと70年代のヴィンテージな質感を宿した伊バンドとしては頭一つ抜けた存在でしたが、本作によって遂にバンドの音が完成した印象すら受けます。
ずばり全盛期FINISTERREの完成度に匹敵する会心作3rd。これ最高です。
かつてFINISTERREのメンバーとして活動し、HOSTSONATENやLA COSCIENZA DI ZENOの作品にも参加する伊ドラマーによるソロデビュー作。
硬質にチューニングしたタイトでアグレッシヴなドラミングがアンサンブルを引っ張り、オルガンとシンセがダイナミックに躍動し、メロトロンと弦楽が鮮やかな色彩を加える。
これぞイタリアと言うべき熱く雄大なシンフォニック・ロック!文句なしの感動作です。
イタリアの若手男女ヴォーカリストによるプロジェクトで、Fabbio Zuffanti率いるZ BANDのメンバーやDELIRIUMのサックス奏者Martin Griceらが全面参加して制作された17年作。
天を駆けるようなメロトロンの調べと、竪琴のような煌めくアコギ、優美なクラシカルタッチのピアノ、エモーショナルに叙情を描くエレキギター、熱くうねりを上げるシンセなどが紡ぐ至高のシンフォニック・ロックは、ただ「劇的」の一言。ヘヴンリーなヴォーカルも美しいです…。
バンコに通じるバロック音楽的構築美を持つロマンティックなキーボードと、一音一音までハケット憧憬に満ちた気品漂うギターを軸とする、気高く劇的なシンフォニック・ロックは「典雅」という言葉がピッタリ。このイタリア新鋭、ベリーグッドです!!
ピンク・フロイドとキャメルが合わさったような浮遊感とまろやかな優美さが同居するサウンドをベースに、ひらひらと舞うような優雅なクラリネットが活躍するアンサンブルはイタリア新鋭の中で一際異彩を放ちます。ずばり一筋縄ではいかないナイスバンド!
ハード・ロックのエッジやジャズ・ロック的クールネスを合わせ持ちスリリングにフレーズを紡いでいくギターを軸とするギタートリオ編成のインスト・グループ。陰影のあるジャジーなタッチで格調高いヴァイオリンや清涼感ある女性ヴォカリーズとエモーショナルな交歓を見せるパートが特に見事!
現イタリアン・ヘヴィ・シンフォ・シーンを牽引する彼らの17年作ですが、なんと元ANGLAGARDのドラマーMattias Olsonが全面参加!伊ヘヴィ・シンフォ伝統のエネルギーみなぎる重厚なサウンドと、北欧的センスと言える洗練されたシャープな音像が一体となり、唯一無二のスタイリッシュなヘヴィ・シンフォ・サウンドを形成。名盤!
カンタベリー風味を感じさせた従来作から、中期クリムゾンばりのテンションみなぎるヘヴィ・ジャズ・ロックへと舵を切った衝撃の17年作。浮遊感あるアブストラクトなパートから一気に爆発的な疾走を始めるアンサンブルは、もはやハード・ロック的と言ってもいいギラギラとしたエネルギーを放出していて実に痛快!
レ・オルメの『フェローナとソローナ』が好き?ならとにかくこの新鋭。
翳のある70年代トーンのキーボード群が描き出す、スリリングかつアーティスティックなサウンドにやられます!
現アルティのヴォーカルが在籍したバンドで、彼の脱退後はインスト・グループとして活動する新鋭による17年作。
イタリアらしい哀愁と歌心ある叙情パートと『RED』ばりのテンションでなぎ倒す展開を行き来する、起伏に富んだシンフォニック・ロックの秀作!
イタリアの新鋭ジャズ・ロック・バンド17年作。
煌めくピアノと陰影ある可憐なエレピ、そしてメロウで艶のある饒舌なサックスのプレイが絡む、フュージョン・タッチの歌心溢れるジャズ・ロックが絶品。
陽光輝く地中海の景色が浮かび上がってくるような映像喚起力に満ちたアンサンブルに心奪われる堪らない逸品です!
イタリア新鋭による17年作なんですが、トラッドとクラシックをミックスしたような哀愁溢れるエレクトリック・ヴァイオリンは凄まじいわ、声量豊かな女性ヴォーカルも素晴らしいわで、これは現代イタリア版カーヴド・エアと呼びたい逸材!
ERIS PLUVIA在籍のマルチ・ミュージシャンと、現HOSTSONATENの管楽奏者によるデュオで実に22年ぶりとなる17年作2nd。アコースティックギターのまろやかで幻想的な響きを生かしたアンサンブルに、優美なシンセサイザーのカーテンを引いた、柔らかな陰影が耳に心地よく響くフォーキー・シンフォニック・ロックが絶品☆
鬼才Fabio Zuffantiプロデュースのミラノの新鋭17年デビュー作。ヘヴィな音はまったく現れない、一貫して初期ジェネシス愛に溢れたリリシズム溢れるシンフォを聴かせてくれます。多彩なキーボード群を操るkey奏者のセンスは一級品だし、徹底した70年代憧憬の音色にプロデューサーの手腕も発揮されてます!
地中海エッセンスをふんだんに漂わせるこの芳醇なジャズ・ロック/フュージョン・サウンド、手本となっているのはきっとアルティやペリジェオあたり。
彼らほどのテクニックや流麗さはないんですが、メロディ&フレーズをゆったりと聴かせてくれるアンサンブルがイタリアらしい歌心を際立たせているんですよね。
このジャズロック新鋭、いいですっ。
オランダのCHRISがドラマーとして在籍するテクニカル・バンド、17年作。ギターとシンセを軸にゴリゴリと熱量高く展開する変拍子アンサンブル演奏強度の高いモダン・プログレが痛快!CHRISも印象的なリズムパターンの構築などに才能を発揮。
ユーライア・ヒープ「7月の朝」を思い出さずにはいられない荘厳なオルガンと強烈なワウギターが炸裂するオープニング、70年代ロック・ファンならこの時点でノックアウトだろうなぁ。
70年代愛に溢れたドイツの新鋭プログレ・トリオ!
ダブルギター、メロトロン、オルガンによるクリムゾンタイプの70年代志向プログレかと思ったら、リズム隊がしなやかにジャズを刻み始めると途端に本格派ジャズ・アンサンブルに発展したりして変幻自在!これはユニークなドイツ新鋭です。
SAGA(カナダ)、HARVEST(スペイン)、UNITOPIA(オーストラリア)、STERN COMBO MEISSEN(ドイツ)のメンバーを集めるこのマルチプレイヤーOliver Rushingって何者!?
メンツの豪華さを見事反映した、圧巻のスケールで綴られるメロディアス・シンフォ力作!
70年代末に活動しながら作品を残さなかった幻のジャーマン・シンフォ・バンドによる14年デビュー作に続く16年作2nd。
「現代版サパーズ・レディ」と言いたくなる完成度の高い大作を始め、ジェネシス憧憬とエレクトロ要素を巧みに融合させたサウンドはセンス抜群です。
フランスの実力派新鋭シンフォ・バンドによる待望の17年作4thが登場!ずばりANGEにも比肩する圧倒的にドラマチックなシアトリカル・ロックを聴かせる傑作です!
現スペインで間違いなく最高峰と言える注目のシンフォバンド、待望の17年作!
本格的なクラシックの素養を持つ女性ピアニストを要とする、初期バンコを彷彿させる構築性、エキゾチックな旋律、そしてラテン気質の熱情が組み合わさったサウンドが極上!
アメリカ在住のロシア人コンポーザーが手がけるプロジェクトの17年デビュー作!
ゲストに、ハケット・バンドで歌うナッド・シルヴァンや、イングヴェイの作品で知られるジェフ・スコット・ソート、技巧派HR/フュージョン・ギタリストのジェフ・コールマンらが参加。
そのサウンドはずばり「ジェントルジャイアント+エニド」。管弦楽器群による本格クラシカル・サウンドと、GGを現代的にアップデートしたようなエッジの効いた目まぐるしいアンサンブルが融合、圧倒的な質量感を誇るシンフォ・ハードが迫ってきます。
このティーザーを観るだけでも凄さが分かるはず!
米ギタリスト/マルチ奏者なのですが、R.フリップの緊張感とT.リピダルの透明感を合わせてオリエンタルなエッセンスを振りかけたようなギターが素晴らしいなぁ。
『Rypdal/Vitous/DeJohnette』あたりを思い出す深遠な広がりを持つコンテンポラリー・ジャズ曲も完成度高し。
ジャズ/フュージョン・シーンの腕利きたちを従えて繰り広げる、心地よさとテンションがバランスしたジャズロック好盤!
バークリー音楽大学卒のメンバーによるボストン出身新鋭バンド17年作!独特のタイム感を持つリズムとシャープなギターを主軸とするトリッキーな変拍子アンサンブルと強烈な存在感を放つシアトリカルな女性Voがハイレベルに調和した孤高のアヴァンプログレ!
88年デビューの米ベテラン・シンフォ・バンドなのですが、本当に米バンド!?と思うほどに70年代英国ロックのエッセンスが匂い立ってくるようなサウンドを随所で聴かせていて堪りません。メロトロンを伴った14分の最終曲も素晴らしい構築美!
SAMURAI OF PROGのメンバーとしても活躍するギター/ヴァイオリン/フルート奏者Steve Unruhを中心とする米プログレッシヴ・ロック・バンド、17年作。アメリカ産らしい屈折感あるエキセントリックなプログレッシヴ・ロック・スタイルに、ジェスロ・タルをはじめとする70年代プログレへのリスペクトを織り交ぜたユニークな逸品。Steve Unruhのハイレベルなマルチプレイヤーぶりも必聴です!
米新鋭ながら、ジェネシス~英ネオプログレ影響下の端正なメロディメイクと瑞々しく躍動感溢れるアンサンブルで聴かせる、ハイレベルなシンフォ傑作!70sプログレへの憧れを秘めながらも淀みなく明快に展開するアンサンブルはBIG BIG TRAINファンにもオススメ!
80-90年代のマリリオン影響下にあるカナダ産シンフォ・バンド16年作。
スティーヴ・ロザリー直系のデリケートなタッチでフレーズを紡ぐギターを中心に、オルガンを中心とする多彩なキーボードがドラマチックに盛り上げていくサウンドが見事です。シアトリカルな要素を含んだ19分の大作も聴きモノ!
この1曲目、「スターレス」から「ピクチャーズ・オブ・ア・シティ」「イージー・マネー」までを持ち味のヴィンテージなヘヴィ・プログレへ絶妙に織り込んだ、クリムゾン・ファンならムフフとなるナンバー。ヒープ色濃厚なオルガン・ハードも炸裂するスウェーデン新鋭17年作!
こ、これはジャーマン・エレクトロ meets 北欧シンフォ!?ヤコブ・ホルム・ルポ、マティアス・オルセン、ラース・フレデリク・フロイスリーら現北欧シーンの重要人物たちが集結したOPIUM CARTELに続くプロジェクト、傑作デビュー盤!
スウェーデン出身、BEARDFISHとBIG BIG TRAINのメンバーとして活躍するマルチ奏者Rikard Sjoblomによるソロユニット17年作。キャッチーかつ北欧らしいメランコリックさが滲む珠玉のメロディーと、GG影響下の転調を繰り返す複雑なインストを組み合わせたメロディアス・プログレが極上ですねっ!
全楽器&ヴォーカル&コーラスの一人多重録音動画によってyoutube上で人気に火が点いたスウェーデンの気鋭ミュージシャン、待望の17年作!
全編アコースティック楽器で紡がれるどこまでも瑞々しく躍動感に溢れたシンフォニック・ロックに終始感動しっぱなし!
スウェーデン、荘厳なキーボードがそそり立つシンフォ然とした壮大なサウンドメイクと従来のジェネシス色を融合したハイクオリティな17年作!ピーガブそっくりのヴォーカルも見事に生かしているし、7年ぶりの新作という長らくの期待にしっかり応えてくれる力作です!
スウェーデン新鋭17年作。
アネクドテン/アングラガルドの系譜に連なる緊密なテンションと北欧の情景美を想起させる透明感が融合、唯一無二のサウンドを繰り広げます。
北欧らしい神秘的なイメージが次々と描き出されるアンサンブルは必聴!
スウェーデンの実力派プログレ・バンドによる待望の16年作!
「太陽と戦慄」クリムゾンあるいは同郷のトレッティオアリガ・クリゲット1stを彷彿させるテンションみなぎるヘヴィ・プログレ、圧倒的です!
ノルウェーの兄妹ユニットによる17年作なのですが、ヴィンテージなヘヴィ・プログレと瑞々しい北欧フォークが共存する幻想的かつドラマチックな一枚。
心地よくも聴き手の感情を強く揺さぶる、素朴な生命力に溢れたサウンドが素晴らしいです。これは激カケレコメンド!
ジェスロ・タル的トラッド感覚、ゴングに通じる壊れ具合、北欧プログレ本来のミステリアスさなどが渦巻く奇怪な音像は、一度ハマれば容易には耳から離れません。現ノルウェー随一の個性派プログレ・バンド、今作もキてます…!
今ノルウェーで最も勢いのあるプログレ・バンドと言えるAIRBAGのギタリストによる17年ソロ作。自身の幻想的でエモーショナルなギタープレイを軸とする、雪深い北欧の自然世界が眼前に映し出されるかのような、映像喚起的な魅力を持つ名品
現ポーランドを代表するグループによる待望の17年作が到着!
ピンク・フロイド憧憬のメランコリックかつ劇的なサウンドにジェネシス的な叙情溢れるキーボードプレイを加えた音楽性を持っていた彼らですが、今作では正式加入したサックス奏者のプレイを大きくフィーチャーしたアーバンな香り漂うメロディアス・プログレが新境地。そこに彼ららしくフロイドの『狂気』を思わせるドラマチックなサウンドメイクが被さってきて、感動を誘います。
ギルモアのブルース色を抑えたようなエモーション溢れるギターやスタイリッシュな中に憂いを秘めたヴォーカルも相変わらずの素晴らしさ。さすが期待を裏切らない傑作!
この荒涼とした物悲しい世界観にうっすらと幻想美が広がる感じ、いかにもポーランドって感じでいいなぁ。
新鋭トリオ・バンドによるエモーショナルかつ退廃感のあるモダン・プログレ力作。
このどうにも垢抜けないんだけど、一音一音を丹念に鳴らすような歌心あるロマンチックなアンサンブルにやられちゃいますね。
洗練されたスタイリッシュなサウンドが多い現ポーランドで異彩を放つハートフルな新鋭メロディアス・プログレ!
弱冠17歳のメンバー3人が結成したポーランドの新鋭プログレなのですが、フロイド影響下のダークな静謐感と哀愁のメロディが印象的なメランコリックかつエモーショナルなプログレッシヴ・ロック。
ティーンエイジャーらなではの心の揺れ動きが感じ取れる気がしなくもない、センチメンタルで歌心溢れるメロディが◎!
この荒涼とした物悲しい世界観にうっすらと幻想美が広がる感じ、いかにもポーランドって感じでいいなぁ。新鋭トリオ・バンドによるエモーショナルかつ退廃感のあるモダン・プログレ力作!
実力派マルチ・ミュージシャン2人とドラマーによるポーランドの新鋭トリオ17年作。現代バンドらしいポスト・ロック色とハモンドやローズピアノを用いた70年代憧憬いっぱいのヴィンテージ・トーンをセンスよく融合させたサウンドメイクが光ります!
2人のギタリストを擁するポーランドの新鋭バンド17年作。DT影響下のプログレ・メタルとポーランドらしいメランコリックで奥深いメロディアス・ロックが融合、ヘヴィネスとメロウネスが絶妙に溶け合った力作!
ポーランド産シンフォ・バンドMILLENNIUMのkey奏者による17年ソロ作。
「星の王子さま」をコンセプトに展開されるのは、『狂気』フロイドへの憧憬に満ちた深遠でドラマチックなシンフォニック・ロック。
フロイドファンなら必ずや目を細めるだろう逸品です。
こちらもポーランドの新鋭17年デビュー作。
フロイド憧憬のメランコリックなサウンドをモダンなヘヴィネスとポーランドらしい荒涼感で包み込んだ力作!
表現力豊かなヴォーカリストにも注目です。
現ポーランド屈指の注目株と言えるグループによる16年作3rdが登場。
ザクザクとヘヴィかつスピーディに刻むリフワーク&ハケット+ギルモアのような太く存在感あるトーンで叙情的に紡ぐソロプレイが魅力のギター、いかにもポーランドらしい深い陰影を湛えたクラシカル調のピアノ、力強く溢れ出すような輝かしいシンセ。スケール大きくメロディアスなサウンドがとにかく素晴らしいです!
ややハスキーながら伸びやかな声質で淀みなく歌い上げるスタイリッシュなヴォーカルも絶品☆
今最も注目すべきジャズ・ロック・グループと言える彼らの、待望の17年作が到着!
カンタベリー・ロックを受け継ぐしなやかなジャズ・ロックにユーロらしいダークな緊張感と気品、透明感を融合させた唯一無二のサウンドは揺らぎなし!
バンドのコンセプトは「70年代のプログレと現在の音楽シーンをリンクさせる」こと。
クリムゾン、PFM、カルメン・マキ&OZといった70年代バンドを受け継ぐサウンドと、現代のJ-POPにも通じる耳馴染みの良さを合わせ持った注目の新鋭が登場!
試聴は下記ページで可能です!
https://motion-gallery.net/projects/mizuki_da_fantasia
05年にデビューしたロシア発の新鋭バンド。
「YOU」ゴング影響下のサイケ・ジャズ・ロックをベースに民族色も加え熱量たっぷりに展開していくサウンドは、スペイシーでオリエンタルで底抜けにテクニカル。
こ、これは驚愕の新鋭!
要注目のメキシコ産アヴァン・ジャズ・ロック新鋭による3rd!重厚なサックスに痺れるブラス・ジャズ・ロックから、AREA1stばりのフリーキーで無国籍なアヴァン・ロック、70’sバルセロナ産ジャズ・ロックに通じる地中海エッセンスまでを飲み込みつつ、リズムには80’sクリムゾンが息づいていたりとこのいい意味での節操の無さは極めて魅力的。レコメン系ファン必聴の快作です!
NEXUSと共に現アルゼンチン・シンフォ・シーンをリードするバンドですね。
キース・エマーソン彷彿のアグレッシヴにうねるシンセ&オルガンのプレイ、流麗なタッチのクラシカルで美しいピアノ、そして青空へ突き抜けるようにダイナミックな飛翔感溢れるギターらが紡ぐ躍動感みなぎるアンサンブルと、アルゼンチンらしい切ない美メロディ。
ヘヴィなパートを極力抑え、格調高いオーケストラを全編で起用、70年代アルゼンチン・ロックが持っていた詩情を確かに宿した珠玉のシンフォニック・ロックを描き出します。
アルゼンチン出身、ギタートリオ編成の新鋭ハード・ロック・バンド、17年作。トニー・アイオミばりの引きずるような重いギターワークが強烈な、初期ブラック・サバスへのリスペクトを感じさせる重量級ブルース・ハード・ロック。2017年の録音とは思えないほどに、70年代特有のざらついた質感を見事に再現したヴィンテージ感覚に驚かされます!
アルゼンチンが誇るシンフォ・グループの5年ぶりとなる17年作が登場!エマーソン直系のアグレッシブなキーボードが唸りを上げ、哀愁と緊張感が絶妙に同居するギターがメロディアスに舞う!今作でも変わらずのNEXUS節が炸裂していてファンなら間違いなくガッツポーズ!
なんと、あのアルゼンチン・ロック史上の名盤を残したBUBUのヴァイオリニストが率いるグループだって!?一聴してクリムゾン色濃厚なヘヴィ・プログレ・サウンドが圧倒的ですが、その中に息づくBUBU譲りのヘヴィでダークな質量感と南米的リリシズムに感動。
アルゼンチンのグループによる2ndアルバムなのですが、下地とする80sシンセポップやネオアコを受け継ぐサウンドと南米らしい爽やかな叙情が一体となっていて、これは胸キュン必至の好盤!
SUI GENERIS、SERU GIRAN、PABLO EL ENTERRADOR、PASTORALなど往年の歌ものアルゼンチン・ロックがとにかく好き?
ならこの新鋭はきっと直撃間違い無し。
丸みあるマイルドなトーンで叙情美を描くギターと爽やかなアコースティックギターが絡むどこまでも優しげなアンサンブルに、鼻にかかった繊細なハイトーンで語りかけるように歌うスペイン語ヴォーカル。新鋭らしくモダンな音も散りばめられていてセンス抜群。これは南米ファンには悶絶モノでしょう!
コンスタントに良作を作り続ける、ブラジル産シンフォ・バンドAPOCALYPSEのkey奏者による17年作。
シンセサイザーを縦横無尽に駆使してファンタジー映画の一場面が浮かんでくるような壮大かつドラマチックなサウンドを作り上げる手腕は、『ヘンリー』や『アーサー』の頃のリック・ウェイクマンを彷彿させます。スケールの大きなキーボード・シンフォ秀作!
ジャケはヘヴィな雰囲気ですが、内容にヘヴィさは皆無で、フルートやアコースティックギターが織りなすリリカルなアンサンブルをメインとして、そこに粛々と叙情的に響くオルガン、少しボサノヴァ風の軽やかなタッチのピアノなどが加わって、ブラジルらしい清涼感と美しい陰影を感じさせるシンフォニック・ロックを作り上げています。キャメルファンは要注目ですよ~!
ペルーの新鋭グループによる16年作。
アンデスの伝統を感じさせる哀愁溢れるメロディを軸にメタリックで熱量みなぎるアンサンブルで展開していく、南米民族音楽/フォルクローレとヘヴィ・プログレを融合させた唯一無二のスタイルは本作でも揺らぎなし!
シンフォファン要注目のイタリア/フィンランド/アメリカのミュージシャンによる多国籍プログレ・バンド、17年作!HOSTSONATEN、WHITE WILLOW、ECHOLYNなど各国の実力派バンドのメンバーをゲストに迎え、スケール大きくどこまでもファンタスティックなシンフォニック・ロックを構築。作を重ねるごとに壮大になっていくサウンドに圧倒されますよ♪
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
カケレコは、これからもプログレ・シーンの最新動向を追い、世界の注目作をみなさまにお届けしてまいりますよ~。
2016年の新譜特集【新鋭プログレ編】はこちら。
2015年の新譜特集【新鋭プログレ編】はこちら。
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90年代以降にプログレ新鋭シーンが盛り上がり、00年代に入っても注目の作品が続々とリリースされています。その勢い衰えず、次々と優れたプログレ新譜が届く2015年。入荷した注目作をピックアップいたしましょう。
2014年の新譜特集【新鋭プログレ編】はこちら。
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90年代以降にプログレ新鋭シーンが盛り上がり、00年代に入っても注目の作品が続々とリリースされています。その勢い衰えず、次々と優れたプログレ新譜が届く2014年。入荷した注目作をピックアップいたしましょう。
現スペイン随一と言える名シンフォニック・ロック・バンドによる7作目となる17年作。前12年作『CONCERTO FOR PIANO AND ELECTRIC ENSEMBLE』は世界的な音楽アワード「INDEPENDENT MUSIC AWARDS」を受賞するなどバンドにとって転機となった作品でしたが、5年ぶりとなった今作も前作に匹敵する緻密にして壮大な音世界が待っています。クラシックの確かな素養を背景に持つテクニカルかつ端正な音運びに軽やかなジャズ風のタッチも織り交ぜたしなやかなピアノがまずもって絶品!前作でもサウンドの要を担った女性ピアニストAdriana Plazaの技巧が光ります。そこにスペインらしさを感じさせるエキゾチックな旋律を奏でるフルートと熱くエモーショナルなギターが絡み合って構築されていくサウンドは、初期BANCOを彷彿させる重みとロマンティックさが漂う風格溢れるもの。ここぞという場面で噴き出すアグレッシブなオルガンやメロトロンのプレイにも痺れるし、変拍子満載ながらも抜群の安定感を誇るリズム・セクションも素晴らしい。30分超の組曲をはじめどの曲も細部まで緻密に構築された楽曲と完璧にコントロールされたアンサンブルで隙なく聴かせますが、時にはラテン気質の熱情がたぎる劇的な展開も待っていて、その静的なパートと動的なパートを絶妙に組み合わせたサウンドが大変に魅力的です。今作も期待を裏切らない傑作!
2000年デビューのエストニア出身ジャズ・ロック・グループ、スタジオ・アルバムとしては2010年作『TALU』から7年ぶりとなった17年作。いやはや本作も凄いっ!圧巻の手数とともに疾走するテクニカルかつ硬質なリズム・セクションに乗り、サックスとヴァイオリンが繰り広げる、クリムゾンばりのダークなテンションとカンタベリー・ジャズ・ロックを受け継ぐ滑らかでメロディアスなフレーズが共存するサウンドの何と強烈なこと。1曲目から「これぞPHLOX!」と拳を握ること間違い無しです。それを支える、ジャズ・ロック然としたクールなエレピをメインとするキーボード、クリーントーン主体で情緒豊かに旋律を紡ぐギターも非常に美しいし、哀愁を誘うアコーディオンの調べも絶品。そして何より素晴らしいのが、カンタベリー・ロックを手本としつつも、メロディやアンサンブルの端々に垣間見れるヨーロピアンな深い陰影と透明感ある音色使い。北欧と東欧に接するバルト三国エストニアならではと言っていいサウンドが芳醇に広がります。アヴァンギャルドなパートも度々登場しますが、聴きづらさはなく持ち前の気品あるメロディアスなジャズ・ロックの中に違和感なく挿入されていて、そのセンスの良さにも唸らされます。今作も期待を裏切らない痺れる傑作!
試聴はこちら!
https://phloxmkdk.bandcamp.com/album/keri
ウクライナ出身、英国を拠点に活動する1981年生まれのキーボーディストAntony Kaluginによるソロ・プロジェクト。2017年作9thアルバム。冒頭から透明感溢れるシンセが美しく折り重なり桃源郷的サウンドを描き出していく展開に早くも耳を奪われます。ロイネ・ストルトと比べても遜色ない繊細かつ熱くフレーズを紡ぐギターも素晴らしすぎる。演奏の密度と熱量、スケールの大きさは間違いなくTHE FLOWER KINGSに匹敵します。エレクトロニクスも用いられていますが、バンド・アンサンブルの中に有機的に溶け込ませるセンスが抜群で、往年のプログレを意識しながらもスタイリッシュに聴かせるモダン・シンフォニックな音像を構築。また随所で聴ける東欧出身の彼らしい欧州トラッド的な荘厳な民族色を添えるプレイも感動的に響きます。ギターがエモーショナルなプレイで演奏を盛り上げ、キーボードが疾走感あるプレイで曲進行を牽引する、ユニークなスタイルも揺るぎない個性を生んでいて見事。前作までもリリースされるたびに完成度を上げてきましたが、9作目にしてかつてないステージへと進んだ感のある、シンフォファン必聴作に仕上がっています!
過去にはMUSEO ROSENBACHのヴォーカリストStefano LUPO Galifiが在籍したことでも知られる新鋭イタリアン・ヘヴィ・シンフォ・バンド、スタジオアルバムとしては3作目となる17年作。何と言っても本作では元ANGLAGARDで数々のプロジェクトを運営・参加するMattias Olssonが全面参加しているのが注目ポイント。ヴィンテージ・トーンのオルガンを軸に力強く鳴る輝かしいキーボード群、重厚にして華麗な伸びのあるギター、そして前作より加入し前任者に負けないどころか上回ってさえいる素晴らしい表現力のヴォーカル。イタリアン・ヘヴィ・シンフォ伝統の荒ぶるエネルギーをぶつけるような重みあるサウンドと、北欧プログレのセンスと言える洗練を感じさせるシャープな音像が一つになり、唯一無二のスタイリッシュなヘヴィ・シンフォ・サウンドが出来上がっています。音の質感自体はこれまで通り彼らのヘヴィ・シンフォニック・ロックでありながら一貫してモダンであり時にはキャッチーでもあるという凄い一枚。哀愁溢れるバラードナンバーも絶品です。これまでもハイクオリティな音を聴かせるいいバンドでしたが、ここに来て化けた印象があります。必聴!
1980年に英国はノッティンガムシャーに生まれ、1歳の頃に病気により視力を失った盲目のマルチ・ミュージシャン&コンポーザーPeter Jonesによるプロジェクト、待望の3rdアルバムとなる17年作!16年よりCAMELのメンバーとしてツアーにも参加する彼。前2作で聴かせたコンポーザー&プレイヤーとしてのレベルの高さはもはや揺るぎないものでしたが、いやはや今作も凄い完成度です。まるで80年代以降のシリアスなテーマ性を持ったキャメルを、ゴージャスなサウンドプロダクションで再現したかのような、モダンかつロマンティックで雄大なシンフォニック・ロックが眼前に広がるこの感じ…何というイマジネーション。BIG BIG TRAINあたりに通じるモダンでスタイリッシュな音像も活きていて、往年のプログレと現代のバンドらしいモダンなセンスがこれほど不可分に結びついたサウンドはそうそうないでしょう。これでもかとファンタジックなフレーズを紡ぎ出すキーボード、アンディ・ラティマーばりにドラマチックに泣くギター、芳醇に響くクラリネット&リコーダー、そして端正に歌い上げる美声のヴォーカル。彼一人で各楽器をこれだけ自在に操る才能にはただただ脱帽。各パートが次々と展開していく、映画を観ているような情報量の多い音像は前作からの持ち味ですが、それを複雑に感じさせない淀みなく流れるような緻密な構築性にも舌を巻きます。改めてとんでもない才能を見せつけられる思いのシンフォ傑作です。
05年デビュー、ロシア出身のインスト・サイケ/プログレ・バンドによる16年ライヴ作。のっけから17分の大曲で彼らの音世界へと引き込まれます。シンセやヴァイオリン、サックスが思い思いにフレーズを奏で交歓する浮遊感たっぷりの導入部に、リズムが切れ込み、スリリングにアンサンブルが立ち上がってくる展開は、GONG『YOU』を思い浮かべずにはいられない息をのむ素晴らしさ。パーカッションを交え猛烈な音数でまくし立てるトライバルなリズム・セクションは相変わらずの超絶度合いだし、不穏な旋律を紡ぐヴァイオリンと暴走するサイケデリックなワウギターが対比するアンサンブルは凄まじい熱量を放ってます。演奏を適度にクールダウンさせるスペイストーンのシンセもいい仕事です。ライヴでも演奏のクオリティは一切下がっていません。GONG影響下にありながらもフォロワーという域を大きく超え出た孤高のサウンドが炸裂している驚異のライヴ・パフォーマンス!
現ポーランドを代表するシンフォ・グループMILLENNIUMのキーボード奏者Ryszard Kramarskiによるソロ・プロジェクト17年作。タイトルが示すとおり『星の王子さま』をコンセプトに据えた作品となっており、そのサウンドはMILLENNIUMと同様ピンク・フロイド、特に『DARK SIDE OF THE MOON』を強く意識したメロディアスかつ劇的なシンフォニック・ロック。リック・ライトのプレイを思い出さずにはおれないセンシティヴな美しさと微かな陰鬱さが漂うシンセから、壮麗に流れゆくキーボード・ストリングスまで、音作りの要を担う自身のキーボードワークはさすがの素晴らしさ。ただ決して前には出過ぎずアンサンブルの中で有機的に音を紡いでいる姿勢がまた好印象です。一方メインでソロを取るMOONRISEのギタリストMarcin Kruczekによるギターも特筆で、ギルモアのプレイを忠実に再現したブルージーな泣きをたっぷり含んだ極上のソロを聴かせていて感動を禁じえません。女性ヴォーカルは清楚さよりは艶があってややアヴァンギャルドな表情も滲ませる実力派。フロイド憧憬のサウンドに深遠な奥深さを与えています。往年のフロイド憧憬を見せつつもそこに違和感なくエレクトロニクスを挿入してくるモダンなセンスも冴え渡ります。フロイド好きならこれはたまらないメロディアス・シンフォの好盤!
現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担うグループによる17年作。今作よりゲストプレイヤーだったサックス奏者が正式メンバーとして参加。ピンク・フロイド憧憬のメランコリックかつ劇的なサウンドにジェネシス的な叙情溢れるキーボードプレイを加えた音楽性を持っていた彼らですが、今作ではアーバンな香り漂うサックスのプレイも大きくフィーチャーし、従来作に比べ格段に洗練されたメロディアス・プログレを聴かせてくれます。全体的に見るとキーボードが担っていたシンフォ色は後退したものの、ここぞという場面ではシンセがスケール大きくうねり、存在感を発揮。サックスに活躍に加え、ギルモアのブルース色を抑えたようなエモーション溢れるギターや映画のワンシーンを思わせる話し声のSE、一部楽曲での女性ヴォーカルの起用など、『狂気』のフロイドを現代的な音像で再構成したような印象も強く受けます。さらに特筆なのがメロディの素晴らしさ。従来に増してシンプルゆえの力強さを宿す選び抜かれた美しいメロディが、聴き手の胸を強く揺さぶってきます。そのメロディを歌い上げる少し憂いのある男性ヴォーカルも相変わらずいい声です。シンフォニック・ロックという従来の立ち位置から大きく前進し、独自のサウンドを練り上げた意欲作!
キーボード兼ヴォーカルのEmanuele Tarasconiを中心に2010年に結成され、12年に自主制作したEPが鬼才Fabio Zuffantiの目に留まり、彼のプロデュースで2013年にデビューしたイタリアの新鋭プログレ・グループ。15年リリースの2ndに続く2017年作3rd。こ、これは素晴らしいです。トニー・バンクス風のファンタスティックに躍動するシンセと薫り高きオルガンが絡み合いながら駆け抜けるジェネシス憧憬滲む艶やかな「動」のパートと、ややうつむき加減の流麗なクラシカル・タッチのピアノがリードする粛々としながらも劇的な「静」のパートの対比によって聴かせるサウンドメイクの何と見事なこと!ハケットばりのデリケートなトーンで泣きの旋律を紡ぐギター、切ないヴァイオリンの調べもアンサンブルに彩りを加えます。そんな丹念なアンサンブルによって描き出される優美な音世界に命を吹き込む、品のある柔らかな歌い口のイタリア語ヴォーカルがまた絶品。さらに特筆なのが、現代のバンドらしいハードエッジな音を最小限に抑え、かと言って懐古的にもならないその圧倒的なバランス感覚の良さ。その両方の要素があるのは確かなのですが、出てくる音はどの時代風とも言えないUNREAL CITYというバンドならではの味わい深さを湛たっぷりと含んでおり、それが唯一無二のオリジナリティともなっています。もともと70年代のヴィンテージな質感を宿したバンドとしては頭一つ抜けた存在でしたが、本作によって遂にバンドの音が完成した印象すら受けます。全盛期FINISTERRE並の完成度と言っていいでしょう。傑作!
世界のチェンバー/アヴァン系の先鋭的なバンドを多く輩出しているAltrOckレーベルよりデビューした、カリフォルニア出身アヴァン・ジャズ・ロック・バンドによる待望の17年作2nd。前作『RAINBRO』では女性ヴォーカルを擁しカンタベリー・エッセンスをたっぷり含んだポップな音作りがたまらない個性派ジャズ・ロックを聴かせた彼らですが、本作でもその唯一無二のサウンドは健在です。全盛期ゴングばりの強度と緩急自在のしなやかさで聴かせるジャズ・ロックをベースに、カンタベリー風の芳醇かつ流麗なホーン・セクションとスラップ・ハッピーあたりを彷彿させる浮遊感あるメロディをちょっぴりミステリアスに歌う女性ヴォーカル。演奏自体は角の立った硬派なジャズ・ロック・テイストがあるのですが、一貫して軽やかなポップ・エッセンスが効いており、無骨な印象は一切与えないハイセンスなサウンドメイクが相変わらず素晴らしすぎます。前作を気に入った方は勿論、カンタベリー・ロック・ファン、ゴング・ファン、スラップ・ハッピーのファンも「これはっ!」となること間違い無しの一枚に仕上がっています。
アルゼンチンはブエノスアイレス出身、99年にデビューし今や南米シンフォを代表する存在となった彼らの17年作。キース・エマーソン直系と言うべきスケールの大きなシンセサイザーが次々にフレーズを畳み掛け、その合間を縫うように哀愁と緊張感が均衡した泣きのギターが歌う、従来と変わらずのNEXUS節が冒頭より炸裂していて、ファンならこの時点でガッツポーズ。デリケートな音運びで聴かせるクラシック・ピアノに始まり、味わい深いひなびたオルガンとメロトロン、クリーントーンを生かした情感溢れるプレイが素晴らしいギターらによる、南米らしい哀感を帯びた70年代的叙情ナンバーの2曲目も絶品。一転勇ましいリズム隊に支えられアグレッシヴにうねりまくるシンセ&ハモンドのプレイが問答無用でカッコいい3曲目と、全編でアルゼンチン・シンフォの雄NEXUSらしさが爆発しています。ダイナミックなシンフォ・チューンの間で物悲しい旋律を紡ぐアコースティック・ギターも実に良い味わい。これぞ貫禄の一枚!
ノルウェーの新鋭プログレ・グループAIRBAGのギタリストによる17年ソロ作。自身による幻想的に織り重なるギタープレイと切なく鳴らされるピアノ、淡く静謐に広がるシンセサイザーを軸に描き出されるこのあまりに繊細な音世界。これぞ北欧シンフォニック・ロックと言える透明感と哀感に溢れる音像はただただ溜息が出る美しさに満ちています。粛々と胸を打つ、フロイド憧憬の仄暗くメランコリックなメロディラインがこれ以上無いというほどサウンドにマッチ。そして持ち味と言っていいギルモア譲りのブルージーなタッチを交えエモーショナルに高まっていくギターソロも、寂寥感溢れるサウンドにドラマチックさを加えていて素晴らしい。一語一語を大切に情感を込めて歌うヴォーカルも実に感動的。雪深い北欧の自然世界が眼前に映し出されるかのような、映像喚起的な魅力を持つ作品です。これは傑作。
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