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2017年プログレ/シンフォ注目の新譜特集【新鋭編】

1993年にリリースされたアネクドテンによる衝撃のデビュー・アルバム『暗鬱』。キング・クリムゾンをはじめとする70年代プログレッシヴ・ロックのDNAを受け継ぎつつ、オルタナティヴ・ロックの粗野なヘヴィネスも加え、新たな感覚で新世代プログレッシヴ・ロックが轟音メロトロンとともに高らかに鳴らされました。

それ以降、アネクドテンを輩出したスウェーデンに負けてなるものか、とばかりにイタリアでも数多くの70年代イタリアン・ロックのDNAを継ぐバンドが生まれ、さらに、本場イギリス、ユーロ各国、南米や北米でも、往年と変わらぬ勢いで続々と新鋭プログレ・バンドが生まれました。

アネクドテンを率いるNicklas Barkerは1969年生まれ、イタリアで数多くのプログレ・バンドを率いる奇才Fabio Zuffantiは1968年生まれで、ともに60年代末に誕生しているのは偶然ではないはず。リアルタイムで70年代プログレを聴いていない後追い世代が、90年代ロックと並行して70年代プログレを再発見し、プログレのフォーマットに新鮮な驚きを感じ、そのフォーマットの中でリアルタイムのロックとして鳴らしたサウンドこそ新世代プログレッシヴ・ロックであると言えるでしょう。

00年代に入っても新鋭プログレ・シーンの勢いはおさまらず、70年代サウンドへのオマージュに満ちたバンドから、さらにポスト・ロックなども取り込みながら進化していくバンドまで、世界各国を舞台に音の幅を広げながら、次々と鮮烈なる作品を生み出しています。

はたして2017年にはどういった名作が誕生するのでしょうか。

本記事は、新たな作品が入荷するたびアップデートしていきます。

是非、ブックマークして最新のプログレッシヴ・ロック・シーンの動向をチェックいただければ幸いです。

それでは、世界の新鋭プログレ作品をめぐる探求の旅へといざ出発!


直近入荷の新譜

【イタリア】ANDREA ORLANDO/DALLA VITA AUTENTICA

かつてFINISTERREのメンバーとして活動し、HOSTSONATENやLA COSCIENZA DI ZENOの作品にも参加する伊ドラマーによるソロデビュー作。

硬質にチューニングしたタイトでアグレッシヴなドラミングがアンサンブルを引っ張り、オルガンとシンセがダイナミックに躍動し、メロトロンと弦楽が鮮やかな色彩を加える。
これぞイタリアと言うべき熱く雄大なシンフォニック・ロック!文句なしの感動作です。

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【イタリア】ISPROJECT/ARCHINAUTS

イタリアの若手男女ヴォーカリストによるプロジェクトで、Fabbio Zuffanti率いるZ BANDのメンバーやDELIRIUMのサックス奏者Martin Griceらが全面参加して制作された17年作。

天を駆けるようなメロトロンの調べと、竪琴のような煌めくアコギ、優美なクラシカルタッチのピアノ、エモーショナルに叙情を描くエレキギター、熱くうねりを上げるシンセなどが紡ぐ至高のシンフォニック・ロックは、ただ「劇的」の一言。ヘヴンリーなヴォーカルも美しいです…。

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【ノルウェー】PENDELIRIUM/ATLAS

ノルウェーの兄妹ユニットによる17年作なのですが、ヴィンテージなヘヴィ・プログレと瑞々しい北欧フォークが共存する幻想的かつドラマチックな一枚。

心地よくも聴き手の感情を強く揺さぶる、素朴な生命力に溢れたサウンドが素晴らしいです。これは激カケレコメンド!

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【ポーランド】MILLENIUM/44 MINUTES

現ポーランドを代表するグループによる待望の17年作が到着!

ピンク・フロイド憧憬のメランコリックかつ劇的なサウンドにジェネシス的な叙情溢れるキーボードプレイを加えた音楽性を持っていた彼らですが、今作では正式加入したサックス奏者のプレイを大きくフィーチャーしたアーバンな香り漂うメロディアス・プログレが新境地。そこに彼ららしくフロイドの『狂気』を思わせるドラマチックなサウンドメイクが被さってきて、感動を誘います。

ギルモアのブルース色を抑えたようなエモーション溢れるギターやスタイリッシュな中に憂いを秘めたヴォーカルも相変わらずの素晴らしさ。さすが期待を裏切らない傑作!

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現ポーランド・プログレ・シーンをリードするグループMILLENIUMを大特集!

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ポーランドのみならず、現代のプログレ・シーン屈指と言えるグループMILLENIUMの2017年作『44 MUNITES』がリリースされましたので、彼らのこれまでの作品をピックアップしながら、ストーリーを追ってまいります!

【ポーランド】YESTERNIGHT/FALSE AWEKENING

この荒涼とした物悲しい世界観にうっすらと幻想美が広がる感じ、いかにもポーランドって感じでいいなぁ。

新鋭トリオ・バンドによるエモーショナルかつ退廃感のあるモダン・プログレ力作。

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【ポーランド】ADEKAEM/SOUND COLORING

このどうにも垢抜けないんだけど、一音一音を丹念に鳴らすような歌心あるロマンチックなアンサンブルにやられちゃいますね。

洗練されたスタイリッシュなサウンドが多い現ポーランドで異彩を放つハートフルな新鋭メロディアス・プログレ!

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【ポーランド】FIZBERS/FIRST MIND

弱冠17歳のメンバー3人が結成したポーランドの新鋭プログレなのですが、フロイド影響下のダークな静謐感と哀愁のメロディが印象的なメランコリックかつエモーショナルなプログレッシヴ・ロック。

ティーンエイジャーらなではの心の揺れ動きが感じ取れる気がしなくもない、センチメンタルで歌心溢れるメロディが◎!

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【ドイツ】MOUTH/VORTEX

ユーライア・ヒープ「7月の朝」を思い出さずにはいられない荘厳なオルガンと強烈なワウギターが炸裂するオープニング、70年代ロック・ファンならこの時点でノックアウトだろうなぁ。

70年代愛に溢れたドイツの新鋭プログレ・トリオ!

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【アルゼンチン】JINETES NEGROS/DEFINITIVA MENTE

NEXUSと共に現アルゼンチン・シンフォ・シーンをリードするバンドですね。

キース・エマーソン彷彿のアグレッシヴにうねるシンセ&オルガンのプレイ、流麗なタッチのクラシカルで美しいピアノ、そして青空へ突き抜けるようにダイナミックな飛翔感溢れるギターらが紡ぐ躍動感みなぎるアンサンブルと、アルゼンチンらしい切ない美メロディ。

ヘヴィなパートを極力抑え、格調高いオーケストラを全編で起用、70年代アルゼンチン・ロックが持っていた詩情を確かに宿した珠玉のシンフォニック・ロックを描き出します。

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【ブラジル】ELOY FRITSCH/SAILING TO THE EDGE

コンスタントに良作を作り続ける、ブラジル産シンフォ・バンドAPOCALYPSEのkey奏者による17年作。

シンセサイザーを縦横無尽に駆使してファンタジー映画の一場面が浮かんでくるような壮大かつドラマチックなサウンドを作り上げる手腕は、『ヘンリー』や『アーサー』の頃のリック・ウェイクマンを彷彿させます。スケールの大きなキーボード・シンフォ秀作!

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【ブラジル】MAR ASSOMBRADO/CANSOES DO FAROL

ジャケはヘヴィな雰囲気ですが、内容にヘヴィさは皆無で、フルートやアコースティックギターが織りなすリリカルなアンサンブルをメインとして、そこに粛々と叙情的に響くオルガン、少しボサノヴァ風の軽やかなタッチのピアノなどが加わって、ブラジルらしい清涼感と美しい陰影を感じさせるシンフォニック・ロックを作り上げています。キャメルファンは要注目ですよ~!

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【17年リリース作品をピックアップ!】

イギリス

COMEDY OF ERRORS/HOUSE OF THE MIND

80年代後半に活動しながらもアルバムを残さず解散、11年に再結成したグラスゴー出身のバンドなのですが、この17年作、初期ジェネシスを正統に受け継ぐ薫り高きファンタジーが素晴らしすぎる一枚!朝もやに包まれたような幻想的なサウンドメイクも絶品。

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ANTONY KALUGIN PROJECTS/BREAKING FREE TOUR LIVE

KARFAGEN、SUNCHILDなどのシンフォ・バンドを率いるウクライナ出身英国在住のコンポーザー&ミュージシャンAntony Kalugin。
彼のキャリア10周年を記念したライヴアルバムが登場!両バンドの楽曲を、確かなテクニックと溢れる叙情美を備えた素晴らしい演奏で綴った感動のステージを収録。

MAGIC BUS/PHILLIP THE EGG

冒頭から人懐っこいトーンのギターとフルートが優しく彩る、キャラヴァン「GOLF GIRL」を想い起こさずにはいられないほのぼのカンタベリーサウンドが飛び出してきてビックリ!動画からもキャラヴァンや70年代英ロック・バンドへの憧憬が滲み出ていて素敵です☆

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MAGENTA/WE ARE LEGEND

活動歴17年目というベテランバンドとは思えない英国叙情溢れるこの瑞々しいアンサンブル!ポップにもドラマチックにも自在なクリスティーナ・ブースの美声ヴォーカルも素晴らしいし、この17年作もMAGENTA以外にありえないサウンドがたっぷりと楽しめます☆

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KINKY WIZZARDS/QUIRKY MUSINGS

EDEN SHADOWのギタリストと現MAGENTAのドラマーらが結成したトリオなんですが、所属バンドからの予想を裏切るファンキーなジャズ・ロックが飛び出してきてビックリ!でもこれが凄まじいカッコよさで悶絶・・・。

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ALAN REED/HONEY ON THE RAZORS EDGE

PALLASでの活動で知られた名シンガーが放った17年作。

ピーター・ガブリエルに耽美な艶っぽさを加えたようなReedのヴォーカルは相変わらずの素晴らしさで、
存在感あるヴォーカルを存分に生かした抜けの良い歌ものシンフォニック・ロックを構築。

S.Hackett、MAGENTAのVo=Christina Booth、フランス新鋭LAZULIでオリジナル楽器LEODEを操るClaude Leonettiら強力メンツが参加!

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STEVE HUGHES/ONCE WE WERE – PART TWO

ENIDやBIG BIG TRAINで活躍したドラマー/マルチ奏者による16年作3rd。

エレクトロ要素を全編に導入しながらも終始メロディアスかつハートウォーミングに紡がれていく珠玉のシンフォニック・ロックは思わず溜息の出る美しさ。

ずばりBBTファンにもお薦め!

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イタリア

PANTHER & C/IL GIUSTO EQUILIBRIO

バンコに通じるバロック音楽的構築美を持つロマンティックなキーボードと、一音一音までハケット憧憬に満ちた気品漂うギターを軸とする、気高く劇的なシンフォニック・ロックは「典雅」という言葉がピッタリ。このイタリア新鋭、ベリーグッドです!!

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MALUS ANTLER/OSIMANDIA

ピンク・フロイドとキャメルが合わさったような浮遊感とまろやかな優美さが同居するサウンドをベースに、ひらひらと舞うような優雅なクラリネットが活躍するアンサンブルはイタリア新鋭の中で一際異彩を放ちます。ずばり一筋縄ではいかないナイスバンド!

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GLINCOLTI/AD OCCHI APERTI

ハード・ロックのエッジやジャズ・ロック的クールネスを合わせ持ちスリリングにフレーズを紡いでいくギターを軸とするギタートリオ編成のインスト・グループ。陰影のあるジャジーなタッチで格調高いヴァイオリンや清涼感ある女性ヴォカリーズとエモーショナルな交歓を見せるパートが特に見事!

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IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE/IL-LUDERE

現イタリアン・ヘヴィ・シンフォ・シーンを牽引する彼らの17年作ですが、なんと元ANGLAGARDのドラマーMattias Olsonが全面参加!伊ヘヴィ・シンフォ伝統のエネルギーみなぎる重厚なサウンドと、北欧的センスと言える洗練されたシャープな音像が一体となり、唯一無二のスタイリッシュなヘヴィ・シンフォ・サウンドを形成。名盤!

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ACCORDO DEI CONTRARI/VIOLATO INTATTO

カンタベリー風味を感じさせた従来作から、中期クリムゾンばりのテンションみなぎるヘヴィ・ジャズ・ロックへと舵を切った衝撃の17年作。浮遊感あるアブストラクトなパートから一気に爆発的な疾走を始めるアンサンブルは、もはやハード・ロック的と言ってもいいギラギラとしたエネルギーを放出していて実に痛快!

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TAPROBAN/PER ASPERA AD ASTRA

レ・オルメの『フェローナとソローナ』が好き?ならとにかくこの新鋭。

翳のある70年代トーンのキーボード群が描き出す、スリリングかつアーティスティックなサウンドにやられます!

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CANTINA SOCIALE/CAOSFERA

現アルティのヴォーカルが在籍したバンドで、彼の脱退後はインスト・グループとして活動する新鋭による17年作。

イタリアらしい哀愁と歌心ある叙情パートと『RED』ばりのテンションでなぎ倒す展開を行き来する、起伏に富んだシンフォニック・ロックの秀作!

MOBIUS STRIP/MOBIUS STRIP

イタリアの新鋭ジャズ・ロック・バンド17年作。

煌めくピアノと陰影ある可憐なエレピ、そしてメロウで艶のある饒舌なサックスのプレイが絡む、フュージョン・タッチの歌心溢れるジャズ・ロックが絶品。

陽光輝く地中海の景色が浮かび上がってくるような映像喚起力に満ちたアンサンブルに心奪われる堪らない逸品です!

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PLURIMA MUNDI/PERCORSI

イタリア新鋭による17年作なんですが、トラッドとクラシックをミックスしたような哀愁溢れるエレクトリック・ヴァイオリンは凄まじいわ、声量豊かな女性ヴォーカルも素晴らしいわで、これは現代イタリア版カーヴド・エアと呼びたい逸材!

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ANCIENT VEIL/I’M CHANGING

ERIS PLUVIA在籍のマルチ・ミュージシャンと、現HOSTSONATENの管楽奏者によるデュオで実に22年ぶりとなる17年作2nd。アコースティックギターのまろやかで幻想的な響きを生かしたアンサンブルに、優美なシンセサイザーのカーテンを引いた、柔らかな陰影が耳に心地よく響くフォーキー・シンフォニック・ロックが絶品☆

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CELLAR NOISE/ALIGHT

鬼才Fabio Zuffantiプロデュースのミラノの新鋭17年デビュー作。ヘヴィな音はまったく現れない、一貫して初期ジェネシス愛に溢れたリリシズム溢れるシンフォを聴かせてくれます。多彩なキーボード群を操るkey奏者のセンスは一級品だし、徹底した70年代憧憬の音色にプロデューサーの手腕も発揮されてます!

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ACQUA LIBERA/ACQUA LIBERA

地中海エッセンスをふんだんに漂わせるこの芳醇なジャズ・ロック/フュージョン・サウンド、手本となっているのはきっとアルティやペリジェオあたり。

彼らほどのテクニックや流麗さはないんですが、メロディ&フレーズをゆったりと聴かせてくれるアンサンブルがイタリアらしい歌心を際立たせているんですよね。

このジャズロック新鋭、いいですっ。

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オランダ

SKY ARCHITECT/NOMAD

オランダのCHRISがドラマーとして在籍するテクニカル・バンド、17年作。ギターとシンセを軸にゴリゴリと熱量高く展開する変拍子アンサンブル演奏強度の高いモダン・プログレが痛快!CHRISも印象的なリズムパターンの構築などに才能を発揮。

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ドイツ

KARIBOW/FROM HERE TO THE IMPOSSIBLE

SAGA(カナダ)、HARVEST(スペイン)、UNITOPIA(オーストラリア)、STERN COMBO MEISSEN(ドイツ)のメンバーを集めるこのマルチプレイヤーOliver Rushingって何者!?

メンツの豪華さを見事反映した、圧巻のスケールで綴られるメロディアス・シンフォ力作!

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EYESBERG/MASQUERADE

70年代末に活動しながら作品を残さなかった幻のジャーマン・シンフォ・バンドによる14年デビュー作に続く16年作2nd。

「現代版サパーズ・レディ」と言いたくなる完成度の高い大作を始め、ジェネシス憧憬とエレクトロ要素を巧みに融合させたサウンドはセンス抜群です。

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フランス

EYE 2 EYE/LIGHT BEARER

フランスの実力派新鋭シンフォ・バンドによる待望の17年作4thが登場!ずばりANGEにも比肩する圧倒的にドラマチックなシアトリカル・ロックを聴かせる傑作です!

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スペイン

KOTEBEL/COSMOLOGY

現スペインで間違いなく最高峰と言える注目のシンフォバンド、待望の17年作!

本格的なクラシックの素養を持つ女性ピアニストを要とする、初期バンコを彷彿させる構築性、エキゾチックな旋律、そしてラテン気質の熱情が組み合わさったサウンドが極上!

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アメリカ

BENT KNEE/LAND ANIMAL

バークリー音楽大学卒のメンバーによるボストン出身新鋭バンド17年作!独特のタイム感を持つリズムとシャープなギターを主軸とするトリッキーな変拍子アンサンブルと強烈な存在感を放つシアトリカルな女性Voがハイレベルに調和した孤高のアヴァンプログレ!

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DISCIPLINE/CAPTIVES OF THE WINE DARK SEA

88年デビューの米ベテラン・シンフォ・バンドなのですが、本当に米バンド!?と思うほどに70年代英国ロックのエッセンスが匂い立ってくるようなサウンドを随所で聴かせていて堪りません。メロトロンを伴った14分の最終曲も素晴らしい構築美!

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RESISTOR/UNDERGROUND

SAMURAI OF PROGのメンバーとしても活躍するギター/ヴァイオリン/フルート奏者Steve Unruhを中心とする米プログレッシヴ・ロック・バンド、17年作。アメリカ産らしい屈折感あるエキセントリックなプログレッシヴ・ロック・スタイルに、ジェスロ・タルをはじめとする70年代プログレへのリスペクトを織り交ぜたユニークな逸品。Steve Unruhのハイレベルなマルチプレイヤーぶりも必聴です!

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ELEPHANTS OF SCOTLAND/PERFECT MAP

米新鋭ながら、ジェネシス~英ネオプログレ影響下の端正なメロディメイクと瑞々しく躍動感溢れるアンサンブルで聴かせる、ハイレベルなシンフォ傑作!70sプログレへの憧れを秘めながらも淀みなく明快に展開するアンサンブルはBIG BIG TRAINファンにもオススメ!

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カナダ

RED SAND/1759

80-90年代のマリリオン影響下にあるカナダ産シンフォ・バンド16年作。

スティーヴ・ロザリー直系のデリケートなタッチでフレーズを紡ぐギターを中心に、オルガンを中心とする多彩なキーボードがドラマチックに盛り上げていくサウンドが見事です。シアトリカルな要素を含んだ19分の大作も聴きモノ!

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スウェーデン

WESERBERGLAND/SEHR KOSMISCH GANZ PROGISCH

こ、これはジャーマン・エレクトロ meets 北欧シンフォ!?ヤコブ・ホルム・ルポ、マティアス・オルセン、ラース・フレデリク・フロイスリーら現北欧シーンの重要人物たちが集結したOPIUM CARTELに続くプロジェクト、傑作デビュー盤!

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GUNGFLY/ON HER JOURNEY TO THE SUN

スウェーデン出身、BEARDFISHとBIG BIG TRAINのメンバーとして活躍するマルチ奏者Rikard Sjoblomによるソロユニット17年作。キャッチーかつ北欧らしいメランコリックさが滲む珠玉のメロディーと、GG影響下の転調を繰り返す複雑なインストを組み合わせたメロディアス・プログレが極上ですねっ!

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FREDDE GREDDE/EYES ON THE EDGE

全楽器&ヴォーカル&コーラスの一人多重録音動画によってyoutube上で人気に火が点いたスウェーデンの気鋭ミュージシャン、待望の17年作!
全編アコースティック楽器で紡がれるどこまでも瑞々しく躍動感に溢れたシンフォニック・ロックに終始感動しっぱなし!

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CARPTREE/EMERGER

スウェーデン、荘厳なキーボードがそそり立つシンフォ然とした壮大なサウンドメイクと従来のジェネシス色を融合したハイクオリティな17年作!ピーガブそっくりのヴォーカルも見事に生かしているし、7年ぶりの新作という長らくの期待にしっかり応えてくれる力作です!

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HIDDEN LANDS/HALCYON

スウェーデン新鋭17年作。

アネクドテン/アングラガルドの系譜に連なる緊密なテンションと北欧の情景美を想起させる透明感が融合、唯一無二のサウンドを繰り広げます。

北欧らしい神秘的なイメージが次々と描き出されるアンサンブルは必聴!

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GOSTA BERLINGS SAGA/SERSOPHANE

スウェーデンの実力派プログレ・バンドによる待望の16年作!

「太陽と戦慄」クリムゾンあるいは同郷のトレッティオアリガ・クリゲット1stを彷彿させるテンションみなぎるヘヴィ・プログレ、圧倒的です!

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ノルウェー

TUSMORKE/HINSIDES

ジェスロ・タル的トラッド感覚、ゴングに通じる壊れ具合、北欧プログレ本来のミステリアスさなどが渦巻く奇怪な音像は、一度ハマれば容易には耳から離れません。現ノルウェー随一の個性派プログレ・バンド、今作もキてます…!

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BJORN RIIS/FOREVER COMES TO AN END

今ノルウェーで最も勢いのあるプログレ・バンドと言えるAIRBAGのギタリストによる17年ソロ作。自身の幻想的でエモーショナルなギタープレイを軸とする、雪深い北欧の自然世界が眼前に映し出されるかのような、映像喚起的な魅力を持つ名品

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ポーランド

【ポーランド】YESTERNIGHT/FALSE AWEKENING

この荒涼とした物悲しい世界観にうっすらと幻想美が広がる感じ、いかにもポーランドって感じでいいなぁ。新鋭トリオ・バンドによるエモーショナルかつ退廃感のあるモダン・プログレ力作!

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ALTERS/DAWN

実力派マルチ・ミュージシャン2人とドラマーによるポーランドの新鋭トリオ17年作。現代バンドらしいポスト・ロック色とハモンドやローズピアノを用いた70年代憧憬いっぱいのヴィンテージ・トーンをセンスよく融合させたサウンドメイクが光ります!

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KEEP ROCKIN’/SCREAMING OUT YOUR NAME

2人のギタリストを擁するポーランドの新鋭バンド17年作。DT影響下のプログレ・メタルとポーランドらしいメランコリックで奥深いメロディアス・ロックが融合、ヘヴィネスとメロウネスが絶妙に溶け合った力作!

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RYSZARD KRAMARSKI PROJECT/LITTLE PRINCE

ポーランド産シンフォ・バンドMILLENNIUMのkey奏者による17年ソロ作。

「星の王子さま」をコンセプトに展開されるのは、『狂気』フロイドへの憧憬に満ちた深遠でドラマチックなシンフォニック・ロック。

フロイドファンなら必ずや目を細めるだろう逸品です。

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PROAGE/DIFFERENT STATE OF REALITY

こちらもポーランドの新鋭17年デビュー作。

フロイド憧憬のメランコリックなサウンドをモダンなヘヴィネスとポーランドらしい荒涼感で包み込んだ力作!

表現力豊かなヴォーカリストにも注目です。

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WALFAD / MOMENTUM

現ポーランド屈指の注目株と言えるグループによる16年作3rdが登場。

ザクザクとヘヴィかつスピーディに刻むリフワーク&ハケット+ギルモアのような太く存在感あるトーンで叙情的に紡ぐソロプレイが魅力のギター、いかにもポーランドらしい深い陰影を湛えたクラシカル調のピアノ、力強く溢れ出すような輝かしいシンセ。スケール大きくメロディアスなサウンドがとにかく素晴らしいです!

ややハスキーながら伸びやかな声質で淀みなく歌い上げるスタイリッシュなヴォーカルも絶品☆

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エストニア

【エストニア】PHLOX/KERI

今最も注目すべきジャズ・ロック・グループと言える彼らの、待望の17年作が到着!
カンタベリー・ロックを受け継ぐしなやかなジャズ・ロックにユーロらしいダークな緊張感と気品、透明感を融合させた唯一無二のサウンドは揺らぎなし!

日本

MIZUKI DA FANTASIA/幻想の一夜 IN MEMORY OF FANTASY

バンドのコンセプトは「70年代のプログレと現在の音楽シーンをリンクさせる」こと。

クリムゾン、PFM、カルメン・マキ&OZといった70年代バンドを受け継ぐサウンドと、現代のJ-POPにも通じる耳馴染みの良さを合わせ持った注目の新鋭が登場!




試聴は下記ページで可能です!
https://motion-gallery.net/projects/mizuki_da_fantasia

ロシア

VESPERO/AZMARI: ABYSSINIAN LIVENTURE

05年にデビューしたロシア発の新鋭バンド。

「YOU」ゴング影響下のサイケ・ジャズ・ロックをベースに民族色も加え熱量たっぷりに展開していくサウンドは、スペイシーでオリエンタルで底抜けにテクニカル。

こ、これは驚愕の新鋭!

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メキシコ

LUZ DE RIADA/CUENTOS Y FABULAS VOL.3

要注目のメキシコ産アヴァン・ジャズ・ロック新鋭による3rd!重厚なサックスに痺れるブラス・ジャズ・ロックから、AREA1stばりのフリーキーで無国籍なアヴァン・ロック、70’sバルセロナ産ジャズ・ロックに通じる地中海エッセンスまでを飲み込みつつ、リズムには80’sクリムゾンが息づいていたりとこのいい意味での節操の無さは極めて魅力的。レコメン系ファン必聴の快作です!

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アルゼンチン

KNEI/JUVENTUD DE LA GRAN CIUDAD

アルゼンチン出身、ギタートリオ編成の新鋭ハード・ロック・バンド、17年作。トニー・アイオミばりの引きずるような重いギターワークが強烈な、初期ブラック・サバスへのリスペクトを感じさせる重量級ブルース・ハード・ロック。2017年の録音とは思えないほどに、70年代特有のざらついた質感を見事に再現したヴィンテージ感覚に驚かされます!

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NEXUS/EN EL COMIENZO DEL TOPOS URANOS

アルゼンチンが誇るシンフォ・グループの5年ぶりとなる17年作が登場!エマーソン直系のアグレッシブなキーボードが唸りを上げ、哀愁と緊張感が絶妙に同居するギターがメロディアスに舞う!今作でも変わらずのNEXUS節が炸裂していてファンなら間違いなくガッツポーズ!

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NAU ALETHEIA/LOS MISTERIOS DE ELEUSIS

なんと、あのアルゼンチン・ロック史上の名盤を残したBUBUのヴァイオリニストが率いるグループだって!?一聴してクリムゾン色濃厚なヘヴィ・プログレ・サウンドが圧倒的ですが、その中に息づくBUBU譲りのヘヴィでダークな質量感と南米的リリシズムに感動。

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POROTTA/ENTONCES

アルゼンチンのグループによる2ndアルバムなのですが、下地とする80sシンセポップやネオアコを受け継ぐサウンドと南米らしい爽やかな叙情が一体となっていて、これは胸キュン必至の好盤!

SIG RAGGA/LA PROMESA DE THAMAR

SUI GENERIS、SERU GIRAN、PABLO EL ENTERRADOR、PASTORALなど往年の歌ものアルゼンチン・ロックがとにかく好き?

ならこの新鋭はきっと直撃間違い無し。

丸みあるマイルドなトーンで叙情美を描くギターと爽やかなアコースティックギターが絡むどこまでも優しげなアンサンブルに、鼻にかかった繊細なハイトーンで語りかけるように歌うスペイン語ヴォーカル。新鋭らしくモダンな音も散りばめられていてセンス抜群。これは南米ファンには悶絶モノでしょう!

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ペルー

FLOR DE LOTO/ARBOL DE LA VIDA

ペルーの新鋭グループによる16年作。

アンデスの伝統を感じさせる哀愁溢れるメロディを軸にメタリックで熱量みなぎるアンサンブルで展開していく、南米民族音楽/フォルクローレとヘヴィ・プログレを融合させた唯一無二のスタイルは本作でも揺らぎなし!

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【フィンランド/イタリア/アメリカ】SAMURAI OF PROG/ON WE SAIL

シンフォファン要注目のイタリア/フィンランド/アメリカのミュージシャンによる多国籍プログレ・バンド、17年作!HOSTSONATEN、WHITE WILLOW、ECHOLYNなど各国の実力派バンドのメンバーをゲストに迎え、スケール大きくどこまでもファンタスティックなシンフォニック・ロックを構築。作を重ねるごとに壮大になっていくサウンドに圧倒されますよ♪

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いかがでしたか?

みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。

カケレコは、これからもプログレ・シーンの最新動向を追い、世界の注目作をみなさまにお届けしてまいりますよ~。

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90年代以降にプログレ新鋭シーンが盛り上がり、00年代に入っても注目の作品が続々とリリースされています。その勢い衰えず、次々と優れたプログレ新譜が届く2015年。入荷した注目作をピックアップいたしましょう。

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2017年注目のプログレ新譜【新鋭編】

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    カンタベリーのDNAを受け継ぐエストニアの新鋭ジャズ・ロック・バンド、緊張感あるダークな音像とカンタベリーなメロディアスさの見事な融合を聴かせる17年作!

    2000年デビューのエストニア出身ジャズ・ロック・グループ、スタジオ・アルバムとしては2010年作『TALU』から7年ぶりとなった17年作。いやはや本作も凄いっ!圧巻の手数とともに疾走するテクニカルかつ硬質なリズム・セクションに乗り、サックスとヴァイオリンが繰り広げる、クリムゾンばりのダークなテンションとカンタベリー・ジャズ・ロックを受け継ぐ滑らかでメロディアスなフレーズが共存するサウンドの何と強烈なこと。1曲目から「これぞPHLOX!」と拳を握ること間違い無しです。それを支える、ジャズ・ロック然としたクールなエレピをメインとするキーボード、クリーントーン主体で情緒豊かに旋律を紡ぐギターも非常に美しいし、哀愁を誘うアコーディオンの調べも絶品。そして何より素晴らしいのが、カンタベリー・ロックを手本としつつも、メロディやアンサンブルの端々に垣間見れるヨーロピアンな深い陰影と透明感ある音色使い。北欧と東欧に接するバルト三国エストニアならではと言っていいサウンドが芳醇に広がります。アヴァンギャルドなパートも度々登場しますが、聴きづらさはなく持ち前の気品あるメロディアスなジャズ・ロックの中に違和感なく挿入されていて、そのセンスの良さにも唸らされます。今作も期待を裏切らない痺れる傑作!




    試聴はこちら!
    https://phloxmkdk.bandcamp.com/album/keri

  • MIZUKI DA FANTASIA / 幻想の一夜 IN MEMORY OF FANTASY

    女性ヴォーカリストMizukiを中心とする、70年代ロックの遺伝子を受け継いだ日本のプログレ・バンド、2017年デビュー作!

    ストレンジ・デイズの岩本晃市郎氏がプロデュースのほか作詞・作曲・アレンジ等にも全面参加している新鋭で、沖縄出身の若手女性ヴォーカリストMizukiを中心とするプログレッシヴ・ロック・グループ、17年のデビュー作。バンドのコンセプトは、「70年代のプログレと現在の音楽シーンをリンクさせる」というもの。初期クリムゾンや初期P.F.Mといった往年のプログレから影響を受けた美しいメロトロンを伴った気品高くも重厚な音作りと、カルメン・マキ&OZや四人囃子など日本のバンドへのリスペクトに溢れた哀愁を帯びたメロディと日本語ヴォーカルが合わさった、70年代ロックのスピリットを正統に受け継ぎ練り上げた見事なプログレッシヴ・ロックを聴かせています。その原動力となっているのが、主役である女性シンガーMizuki。豊かな声量と繊細かつ奥深い表現力を合わせ持った実力派で、轟々たるメロトロンにも負けることのない存在感ある歌声に心奪われます。時に演奏を力強くリードし時に優しくヴォーカルを支える、クラシックの素養を持つピアノ/キーボードのプレイも紛れもなく一級品です。一方で、現代のJ-POPに通じる日本人にとって耳馴染みの良いメロディにもいたるところで出会うことができるのが特徴で、特にラブソングやバラードナンバーでは、一般的なプログレッシヴ・ロック作品では味わうことができないハートフルなドラマ性が強く心を揺さぶります。往年のプログレ/ロック・ファンから現代日本の音楽を中心に聴く若い世代までに訴えかけるポテンシャルを持ったサウンドであると言えるでしょう。感動溢れる新世代ジャパニーズ・プログレの傑作!


    試聴は下記ページで可能です!
    https://motion-gallery.net/projects/mizuki_da_fantasia

  • KOTEBEL / COSMOLOGY

    現スペイン随一のシンフォニック・ロック・グループ17年作7th、緻密に構築された楽曲と完璧にコントロールされた演奏で隙なく聴かせる、知性と熱情を合わせ持った傑作!

    現スペイン随一と言える名シンフォニック・ロック・バンドによる7作目となる17年作。前12年作『CONCERTO FOR PIANO AND ELECTRIC ENSEMBLE』は世界的な音楽アワード「INDEPENDENT MUSIC AWARDS」を受賞するなどバンドにとって転機となった作品でしたが、5年ぶりとなった今作も前作に匹敵する緻密にして壮大な音世界が待っています。クラシックの確かな素養を背景に持つテクニカルかつ端正な音運びに軽やかなジャズ風のタッチも織り交ぜたしなやかなピアノがまずもって絶品!前作でもサウンドの要を担った女性ピアニストAdriana Plazaの技巧が光ります。そこにスペインらしさを感じさせるエキゾチックな旋律を奏でるフルートと熱くエモーショナルなギターが絡み合って構築されていくサウンドは、初期BANCOを彷彿させる重みとロマンティックさが漂う風格溢れるもの。ここぞという場面で噴き出すアグレッシブなオルガンやメロトロンのプレイにも痺れるし、変拍子満載ながらも抜群の安定感を誇るリズム・セクションも素晴らしい。30分超の組曲をはじめどの曲も細部まで緻密に構築された楽曲と完璧にコントロールされたアンサンブルで隙なく聴かせますが、時にはラテン気質の熱情がたぎる劇的な展開も待っていて、その静的なパートと動的なパートを絶妙に組み合わせたサウンドが大変に魅力的です。今作も期待を裏切らない傑作!

  • PENDELIRIUM / ATLAS

    マルチ・ミュージシャンKristianとメイン・ヴォーカル/ピアノを担当するKatrineのAmlie兄妹によるノルウェー出身シンフォ・ユニット17年デビュー作、ヴィンテージなヘヴィ・プログレと瑞々しい北欧フォークが理想的に共存した幻想的かつドラマチックな傑作!

    08年結成、ギター/ベース/キーボードを操るマルチ・ミュージシャンKristianとメイン・ヴォーカル/ピアノを担当するKatrineのAmlie兄妹による、ノルウェー出身シンフォ・ユニット、17年デビュー作。冒頭より、変拍子の中をガリガリとヘヴィなリフを弾くギターとヴィンテージ・トーンのオルガンが疾走する、オルタナ風味も含んだスタイリッシュなヘヴィ・プログレが炸裂。Kristianのギターは、ソロパートではフュージョン・タッチの音数多く滑らかなプレイを披露するかなりのテクニシャン。この路線で突き進むのかと思いきや、2曲目からは空気が一転、一音一音に温かみが宿ったアコースティックギターの流麗なプレイが聴けるフォーク・ポップな作風が現れて驚かされます。ここでの特筆は、豊かな声量とキュートな歌いぶりが魅力的なKatrineのヴォーカル。北欧らしい木漏れ日感と透明感に彩られた、まばゆいばかりのポップネスが北欧の神秘的な森の中に木霊します。そうかと思うと終盤には32分に及ぶ大作が!1曲目のヘヴィなギターと薫り高きオルガンが再び登場し、鋭角的なヘヴィ・プログレとドリーミーなフォーキー・タッチが溶け合った、幻想的でドラマチックな感動の傑作に仕上がっていて、その作曲能力とアレンジセンスの冴えには脱帽です。心地よくも聴き手の感情を強く揺さぶる、素朴な生命力に溢れたサウンドがひたすら素晴らしい作品。おすすめです!

    PENDELIRIUMに簡単なインタビューを行いました!

    本作『ATLAS』であなた達が目指したのはどういったサウンドですか?

    -『ATLAS』を制作する前には僕らは2曲しか一緒に作ったことがなかったんだ。だからPENDELIRIUMは僕達にとって初めての正式なプロジェクトということになる。僕らが音楽活動で最も大切にしているのは、音楽を創るのを楽しむこと、アイデアで遊びそれを形にすること、そしてさまざまな音や雰囲気を試すことなんだ。だからアルバム全体として特定の音楽のタイプを目指したということはなかったね。収録されている幾つかの曲は『ATLAS』という作品の制作を決める前に作ったものだし、アルバムを意識したものではなく、曲を作った時の想いや人生のその時どきを反映していると言えるかな。

    僕らはアルバムの中に少なくとも1曲は、本当にクラシックなスタイルのプログレ・ナンバーを入れたいと思っていた。それが「AUDITION」という曲なんだ(33分の大作)。残りの曲については一つのスタイルに則ったものにはしたくなかったので、アイデアを出し合っていろんな異なるスタイルの曲を作って収録した。インストのプログレ曲、アップテンポのポップ・ソング、バラード、アコースティックなアンビエント曲、それにオーケストラの要素を取り入れたクラシックとロックがミックスした曲などだね。ジャンルがミックスされることで生まれるサウンドというのがとても好きなんだ!



    PENDELIRIUMの音楽に最も影響を与えているバンドを教えてください。

    -Kristian: 僕達の音楽の嗜好は本当にバラエティに富んでいて、共有しているインスピレーションもあればそうでないものも多くあるんだ。僕にとって大きな影響を受けた90年代と00年代のバンドは、The Flower Kings、Spock’s Beard、Dream Theaterあたりだね。また、TOTO、Andy McKee(日本ではとても有名らしいよね)、Coldplayのようなプログレ以外のアーティストからも影響を受けている。

    -Katrine: これはとっても難しい質問ね…。間違いなく重要と言えるアーティストは、Steven Wilson、The Dear Hunter(特に『Act IV』と『Act V』)、SusanneSundfør(特に『The Brothel』と『The Silicone Veil』)、Transatlantic、Griegあたりかしら。でも私は本当に様々な種類の音楽を聴いていて、そのどこにでも何かしらのインスピレーションを感じているから、ここですべてを挙げようとするととんでもない数になりそうだわ。



    これまで聴いた中で最もお気に入りのアルバムを教えてください。またそれを聴いたときどんなことを感じましたか?

    -Katrine: これも難しい質問ね…好きなアルバムって変わるから。でも私にとって特別重要な意味を持つ作品ということなら、Dream Theaterの 『Scene from a Memory』だと思うわ。私にとってプログレッシヴ・ロックとコンセプト・アルバムへの入り口になったのがこの作品なの。以前からプログレやコンセプト・アルバムを聴いてはいたけれど(例えば私たちはPink floydを聴いて育ったし)、その存在を明確に私に意識させたのがこのアルバムだった。ある休みの日、Kristianが車の中でこのアルバムをかけたことがあったんだけど、そのあと私だけが車中に残って、じっくりとこのアルバムの持つ物語や複雑な音楽性に聴き入っていたの。素晴らしい体験だったわ。

    -Kristian: ああ、これはよく覚えてるよ。Pain of Salvationの『The Perfect Element』だ。レコードショップで偶然このアルバムが流れてきて、1時間その場で聴き続けたよ。そのあとすぐにアルバムを買ってもちろん夢中になった!本当に素晴らしいアルバムだよ。初めて聴いた瞬間にはまるで背骨が震えるような衝撃が走ったね。

    -Katrine: ええ、Pain of Salvationは私にとってプログレッシヴ・ロックという音楽の中の2番目の重要な発見と言えるわ。『The Perfect Element』はいまだに驚くべき作品で、たとえ暗いものだとしても、音楽作品というものがどれだけの重さと感情を表現しうるかを私に示してくれた作品だったと思う。それと現時点での最もお気に入りのアルバムということなら、The Dear Hunterの『Act IV: Rebirth in Reprise』と『Act V: Hymns with the Devil in Confessional』ね。初めて聴いた時すっかりその音楽世界の中に迷い込んでしまって、それ以来ずっと聴き続けているの。



    音楽以外の趣味はありますか?

    -Kristian: 僕は自然の中でのハイキングが大好きなんだ!あとは時間があれば時々テレビゲームで遊んでるよ。特に好きなゲームタイトルの中には、「ゼルダの伝説」や「ファイナルファンタジー」のような日本のゲームも多いよ!

    -Katrine:私って本当に多趣味で、毎日素晴らしいことが沢山あるの。でも私は今学生だし、何をするにしてもお金がいるからアルバイトの日々を送ってるわ。だから音楽以外の趣味に費やす時間が今はあまりないの。いくつか挙げるなら、ゲーム、読書、旅行、写真が好きかな。



    日本でPENDELIRIUMの音楽が聴かれていることをどう思いますか?

    -とにかく驚くばかりだね!僕たちは、こんな小さな国の小さなバンドの音楽を日本の人たちが気にしてくれるなんて思いもしなかったから、畏れ多いって気持ちもあるし、一方で僕らの音楽が遠い日本で聴かれてるという事実に興奮もしているよ!



    日本のプログレッシブロックファンにメッセージをどうぞ。

    -僕らの音楽に興味を持ってくれて本当に嬉しく思います。あなたがアルバムを楽しんでくれることを心から願っています!

  • MILLENIUM / 44 MINUTES

    現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担うグループによる17年作、サックスを大きくフィーチャーし、アーバンな香り漂うメロディアス・プログレを聴かせる意欲作!

    現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担うグループによる17年作。今作よりゲストプレイヤーだったサックス奏者が正式メンバーとして参加。ピンク・フロイド憧憬のメランコリックかつ劇的なサウンドにジェネシス的な叙情溢れるキーボードプレイを加えた音楽性を持っていた彼らですが、今作ではアーバンな香り漂うサックスのプレイも大きくフィーチャーし、従来作に比べ格段に洗練されたメロディアス・プログレを聴かせてくれます。全体的に見るとキーボードが担っていたシンフォ色は後退したものの、ここぞという場面ではシンセがスケール大きくうねり、存在感を発揮。サックスに活躍に加え、ギルモアのブルース色を抑えたようなエモーション溢れるギターや映画のワンシーンを思わせる話し声のSE、一部楽曲での女性ヴォーカルの起用など、『狂気』のフロイドを現代的な音像で再構成したような印象も強く受けます。さらに特筆なのがメロディの素晴らしさ。従来に増してシンプルゆえの力強さを宿す選び抜かれた美しいメロディが、聴き手の胸を強く揺さぶってきます。そのメロディを歌い上げる少し憂いのある男性ヴォーカルも相変わらずいい声です。シンフォニック・ロックという従来の立ち位置から大きく前進し、独自のサウンドを練り上げた意欲作!

  • YESTERNIGHT / FALSE AWAKENING

    ポーランドの新鋭トリオ・プログレ・バンド17年作、エモーショナルかつ退廃感のあるモダン・プログレの力作

    ポーランド出身、ヴォーカル、ギター&キーボード、ドラムスのトリオ・プログレ・バンド、17年作。陰鬱ながらも透明度高く美しいトーンのギター、ここぞでシンフォニックに湧き上がるストリングス系のシンセ、派手さはないながらシャープな切れ味を持つ技巧的なドラミング、そして英詞で朗々と力強く歌う男性ヴォーカル。無駄なく組み上げられたスタイリッシュなアンサンブルと、荒涼とした物悲しい世界観にうっすらと幻想美が広がるポーランドらしい退廃感ある音作りでドラマチックに聴かせます。ギターはメランコリックなプレイが主ですが、速弾きも交えたテクニカルなプレイから、最終曲で聴ける激情ほとばしる熱くエモーショナルなプレイまで、ソロパートでもその実力を遺憾なく発揮します。非現実的な浮遊感を醸し出すプログラミングの用い方も見事なセンス。いかにもポーランド然とした仄暗くも感動的な力作です。

  • NEXUS / EN EL COMIENZO DEL TOPOS URANOS

    アルゼンチン・シンフォの雄、キース・エマーソン直系のアグレッシヴにうねるキーボード・プレイが痛快な、NEXUS節全開の17年作!

    アルゼンチンはブエノスアイレス出身、99年にデビューし今や南米シンフォを代表する存在となった彼らの17年作。キース・エマーソン直系と言うべきスケールの大きなシンセサイザーが次々にフレーズを畳み掛け、その合間を縫うように哀愁と緊張感が均衡した泣きのギターが歌う、従来と変わらずのNEXUS節が冒頭より炸裂していて、ファンならこの時点でガッツポーズ。デリケートな音運びで聴かせるクラシック・ピアノに始まり、味わい深いひなびたオルガンとメロトロン、クリーントーンを生かした情感溢れるプレイが素晴らしいギターらによる、南米らしい哀感を帯びた70年代的叙情ナンバーの2曲目も絶品。一転勇ましいリズム隊に支えられアグレッシヴにうねりまくるシンセ&ハモンドのプレイが問答無用でカッコいい3曲目と、全編でアルゼンチン・シンフォの雄NEXUSらしさが爆発しています。ダイナミックなシンフォ・チューンの間で物悲しい旋律を紡ぐアコースティック・ギターも実に良い味わい。これぞ貫禄の一枚!

  • BENT KNEE / LAND ANIMAL

    ボストン出身の新鋭プログレ・バンド17年作4th、先の読めない変拍子アンサンブルと存在感抜群のシアトリカルな女性ヴォーカルが織りなす孤高のアヴァン・プログレ、傑作!

    メンバーの多くがバークリー音楽大学卒というボストン出身の新鋭プログレ・バンド、17年作4th。独特のタイム感と間合いを持つリズム・セクション&切れのあるシャープなギターワークを主軸に組み立てられた、転調を繰り返すトリッキーで先の読めない変拍子アンサンブル。そして強烈な存在感を放つシアトリカルな女性ヴォーカル。両者がハイレベルに調和した孤高のアヴァン・プログレを展開します。ヴォーカルは、抜群の声量とともに、コケティッシュながら民謡歌手的なゆらぎの感覚も備え時にオペラチックにも変化するという圧倒的な表現力を誇っており、一貫して緊張感あるシアトリカルなパフォーマンスを披露する相当な実力者です。メンバーのヴァイオリン奏者の他にも複数の弦楽奏者をゲストに迎えていて、流麗なストリングスをフィーチャーしシンフォニックに盛り上がるパートも大変美しい。その音楽性はずばり「孤高」という表現がぴったりなのですが、あえて例えるならKate BushかSLAPP HAPPYかをプログレッシヴに先鋭化させたような音像と言い表せるかもしれません。これは凄いバンドです。

  • PANTHER & C / IL GIUSTO EQUILIBRIO

    イタリア新鋭17年作、「典雅」という表現が最も当てはまる、気品高く劇的に展開するシンフォニック・ロック、傑作!

    新鋭イタリアン・ロック・グループの17年作2nd。バンコを想起させるバロック音楽の構築美を持つ優美かつロマンティックなキーボードプレイと、一音一音のニュアンスまでスティーヴ・ハケットへの憧憬に満ちたデリケートな気品漂うギターを軸とする、気高く劇的なシンフォニック・ロック。低めの男性的な声質でエモーショナルに歌うイタリア語ヴォーカルも特筆です。フルートが切なくさえずる、さざ波が寄せては返すようなイメージを想起するリリカルで繊細な叙情パートもあまりに見事で、初期ジェネシス的な淡い情景美を描き出しており感涙。ヘヴィに展開することはなく、あくまで気品高くファンタジックに紡ぎあげていくアンサンブルの美しさには、70年代シンフォニック・ロックのファンもグッと来る間違い無し。近年のイタリア新鋭の中でも「典雅」という表現が最も当てはまる素晴らしいバンド。オススメです!

  • ADEKAEM / SOUND COLORING

    たポーランド出身の新鋭プログレ・バンド17年作2nd、丹念に一音一音を鳴らしていくような温かみあるアンサンブルに好感を抱く、ポンプ・ロック影響下のメロディアス・プログレの逸品

    15年にデビューしたポーランド出身の新鋭プログレ・バンド、17年作2nd。80年代のマリリオンを始めとするポンプ・バンドからの影響を感じさせる端正なメロディアス・ロックを紡ぎます。次々と泣きの叙情フレーズを繰り出すギター、艷やかなトーンで疾走するシンセ、アグレッシヴなオルガン、リリカルなタッチのピアノ。プレイは決してテクニカルではないのですが、丹念に一音一音を鳴らしていくような温かみあるアンサンブルに好感を持ちます。サウンド的でも演奏面でもどこか現代のバンドらしからぬ垢抜けなさがあり、まさに80年代〜90年代のシンフォニック・ロックを聴いている印象。もちろんそこが愛すべきポイントです。エレクトロ要素も積極的に取り入れたスタイリッシュなプログレが主流の現ポーランドにあって、マイルドなヴィンテージ感覚を持ったロマン溢れるサウンドを聴かせてくれるとても面白いバンドです。

  • JINETES NEGROS / DEFINITIVA MENTE

    現アルゼンチン・シンフォ・シーンをリードするバンドによる17年作5th、70年代から続くアルゼンチン・ロックの遺伝子を正統に受け継いだ傑作!

    NEXUSと共に現アルゼンチン・シンフォ・シーンをリードするバンドによる、第5作目となる17年作。輝かしく力強い響きを持つオーケストラをフィーチャーした、近年のエニドかリック・ウェイクマンかというエネルギッシュで格調高いシンフォニック・ロックを繰り広げる一曲目からとにかく素晴らしく、期待が高まります。二曲目は切なさを秘めた優しげなスペイン語ヴォーカルが歌う叙情ナンバーで、さすがアルゼンチンと言える歌心いっぱいのメロディにオーケストラが優美に絡んできて感涙。その後もとにかく南米ファンのツボを突きまくるたおやかで叙情的なメロディが次々と湧き上がってきて、感動が途切れません。キース・エマーソン彷彿のアグレッシヴにうねるシンセ&オルガンのプレイ、流麗なタッチのクラシカルで美しいピアノ、そして青空へ突き抜けるようにダイナミックな飛翔感溢れるギターらが紡ぐ躍動感みなぎるアンサンブルも、珠玉のメロディを彩っており見事。ヘヴィなパートを極力抑え、ドラマチックなオーケストラを全編で起用、SERU GIRANなどに通じるメロディの美しさを効果的に聴かせるアプローチがとにかく光っています。これぞ70年代から続くアルゼンチン・ロックの遺伝子を正統に受け継いだ傑作!

  • FREDDE GREDDE / EYES ON THE EDGE

    スウェーデンのマルチ・ミュージシャン/コンポーザーFredrik Larssonによるソロ・プロジェクト17年作3rd、全編アコースティック楽器で紡がれるどこまでも瑞々しく躍動感に溢れた絶品シンフォニック・ロック、傑作!

    スウェーデン出身、ヴォーカル・コーラス・楽器群を一人で演奏、多重録音して制作された「キラークイーン」を始めとするyoutube動画の数々が驚異的な再生数を記録し、一躍人気アーティストとなったマルチ・ミュージシャン/コンポーザーFredrik Larssonによるソロ・プロジェクト、17年作3rd。本作でももちろん全ての演奏を自身が担当。1曲目-2曲目の時点で、早くも彼ならではの爽やかな感動をもたらすサウンドメイクが光りまくっていて、幸福感に満たされること間違い無し!瑞々しくかき鳴らすアコースティックギター、煌めくようなピアノ、湧き上がるストリングシンセらが織りなす躍動感いっぱいのサウンド、そこにギターポップを歌っても似合いそうな人懐っこくハートフルなヴォーカルが乗って、多声コーラスが清涼感を運ぶ。FREDDE GREDDEここにあり!というシンフォニック・ロックが冒頭から聴けて思わずガッツポーズ。とは言え現代のプログレらしいヘヴィかつテクニカルな疾走パートも多かった前作までに比べ、本作はほぼアコースティック楽器のみを用いたスタイルとなっていて、新境地を見せているのが特徴。比較的シンプルな音作りが、彼の持つ豊かなメロディセンスと柔らかな叙情性をより際立たせている印象。ベン・フォールズあたりのセンスを思わせるリリカルで流れるようなピアノ曲もまた絶品です。かねてより「一人ムーン・サファリ」としてカケレコでも紹介してきたアーティストですが、音楽性では完全に肩を並べていると言っていいでしょう。現代のソロ・プログレ・ミュージシャンとして最高峰と断言できる素晴らしい作品!

  • ALTERS / DAWN

    マルチ奏者2人とドラマーによるポーランド出身プログレ・トリオ、17年作、ギター主体のスタイリッシュなポスト・ロックに70年代憧憬のヴィンテージサウンドをセンス良く散りばめた力作

    06年結成、マルチ・ミュージシャン2人とドラマーによるトリオ編成のポーランド出身プログレ・バンド、17年作。マルチ・ミュージシャンの2人はそれぞれギター/ヴォーカルとベース/ヴォーカルをメインに、シンセ/ハモンド/ローズピアノなどのヴィンテージな鍵盤、プログラミング、そして中世〜近世に使われたチェロに近い擦弦楽器ヴィオラ・ダ・ガンバなどを操る実力者です。クリーントーン主体で淡く幻想的に紡がれる美しいギターワークを主役とする、独特の浮遊感覚が心地よいポスト・ロック色のあるスタイリッシュなプログレを展開。17分の大作では、ハモンドやシンセなどキーボード群も躍動し、構築的なシンフォニック・プログレを聴かせます。ギターがメロディアスにたゆたう桃源郷的パートから、リッケンバッカーと思われるゴリゴリとテクニカルに疾走するベースが印象的な怒涛のインストパートまで、緩急自在な演奏でイマジネーション豊かに描き出していくサウンドが見事です。エレクトロニクスも全編で導入していますが刺激的な音ではなく、ギターが紡ぐ幻想美を柔らかく彩っていて、そのセンスも特筆もの。ポスト・ロックを基調とする現代の視点を持つと同時に、70年代への限りない憧憬を滲ませるヴィンテージな音色をセンス良く散りばめたサウンドメイクが光る力作。これは素晴らしいバンド!

  • GOSTA BERLINGS SAGA / SERSOPHANE

    00年結成のスウェーデン産プログレ・グループ16年作、クリムゾンやトレッティオアリガ・クリゲットを彷彿させるヘヴィ・プログレ、多彩なギターワークを要に展開するテンションみなぎる傑作!

    00年結成、近年は元ANGLAGARDのMattias Olsson(本作にも2曲で参加)とのユニットNECROMONKEYでも活動するkey奏者David Lundbergを中心とするスウェーデンのプログレ・グループ、16年作。従来通り、クリムゾン系統のヘヴィかつシリアスな音像に北欧らしいダークな質感を加えた、TRETTIOARIGA KRIGETの1stあたりを彷彿させる硬質なヘヴィ・プログレを展開します。圧巻はアンサンブルの要を担うギター。トレモロを効かせたミステリアスな反復フレーズ、ヘヴィなトーンで鋭角的に切れ込むリフレイン、フリップ調のミニマルタッチ、ロングトーンを多用しながらドラマチックな高まっていくソロと、あまりに多彩なギタープレイが次々に折り重なっていき、巨大な音塊のごとく迫ってくるサウンドは快感すら覚える素晴らしさ。八面六臂の活躍を見せるギターに応じる、手数多くダイナミックにうねるリズム隊も抜群のカッコよさです。キーボードは前面には出てこないものの音響的なプレイを主としていて、ヴィンテージ質感のアンサンブルに現代のバンドらしいエレクトロニックな要素をセンス良く付与します。白眉の15分に及ぶ大作は、まるで「太陽と旋律」クリムゾンが現代に蘇ったかのような凄まじいテンションと技巧が渦巻く一曲。これは00年代以降の北欧プログレとしては屈指と言うべき傑作!

  • IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE / IL-LUDERE

    新鋭イタリアン・ヘヴィ・シンフォ・バンド、17年作3rd、モダンでキャッチーでスタイリッシュなヘヴィ・シンフォを構築した傑作、Mattias Olssonが全面参加!

    過去にはMUSEO ROSENBACHのヴォーカリストStefano LUPO Galifiが在籍したことでも知られる新鋭イタリアン・ヘヴィ・シンフォ・バンド、スタジオアルバムとしては3作目となる17年作。何と言っても本作では元ANGLAGARDで数々のプロジェクトを運営・参加するMattias Olssonが全面参加しているのが注目ポイント。ヴィンテージ・トーンのオルガンを軸に力強く鳴る輝かしいキーボード群、重厚にして華麗な伸びのあるギター、そして前作より加入し前任者に負けないどころか上回ってさえいる素晴らしい表現力のヴォーカル。イタリアン・ヘヴィ・シンフォ伝統の荒ぶるエネルギーをぶつけるような重みあるサウンドと、北欧プログレのセンスと言える洗練を感じさせるシャープな音像が一つになり、唯一無二のスタイリッシュなヘヴィ・シンフォ・サウンドが出来上がっています。音の質感自体はこれまで通り彼らのヘヴィ・シンフォニック・ロックでありながら一貫してモダンであり時にはキャッチーでもあるという凄い一枚。哀愁溢れるバラードナンバーも絶品です。これまでもハイクオリティな音を聴かせるいいバンドでしたが、ここに来て化けた印象があります。必聴!

  • BJORN RIIS / FOREVER COMES TO AN END

    ノルウェー、AIRBAGのギタリストによる17年ソロ作、北欧の雪深い自然風景がありありと広がるかのような、息を飲むほどの繊細な音世界が繰り広げられる傑作

    ノルウェーの新鋭プログレ・グループAIRBAGのギタリストによる17年ソロ作。自身による幻想的に織り重なるギタープレイと切なく鳴らされるピアノ、淡く静謐に広がるシンセサイザーを軸に描き出されるこのあまりに繊細な音世界。これぞ北欧シンフォニック・ロックと言える透明感と哀感に溢れる音像はただただ溜息が出る美しさに満ちています。粛々と胸を打つ、フロイド憧憬の仄暗くメランコリックなメロディラインがこれ以上無いというほどサウンドにマッチ。そして持ち味と言っていいギルモア譲りのブルージーなタッチを交えエモーショナルに高まっていくギターソロも、寂寥感溢れるサウンドにドラマチックさを加えていて素晴らしい。一語一語を大切に情感を込めて歌うヴォーカルも実に感動的。雪深い北欧の自然世界が眼前に映し出されるかのような、映像喚起的な魅力を持つ作品です。これは傑作。

  • GLINCOLTI / AD OCCHI APERTI

    イタリア出身のトリオ・プログレ・バンドによる17年作3rd、ハード・ロック/ジャズ・ロックの要素を併せ持つスリリングなギタープレイが出色のインスト・プログレ

    2010年デビュー、イタリア出身のトリオ・プログレ・バンドによる17年作3rd。ギタートリオ編成のインスト・グループで、ハード・ロックのエッジやジャズ・ロック的クールネスを合わせ持ちスリリングにフレーズを紡いでいくギターと、緩急自在のダイナミズム溢れるプレイでギターに追従するリズム・セクションによる一体感抜群のアンサンブルが聴きどころ。ギターは陰影のある抑えたジャジーな表現も巧みで、格調高いヴァイオリンや清涼感ある女性ヴォカリーズを交えてエモーショナルな交歓を見せます。随所で聴かせるオリエンタルなフレージングや哀愁たっぷりのスパニッシュギターをさり気なく織り込むセンスの良さも特筆。全体的にイタリアらしさはさほど感じないものの、ハードロック寄りのプレイで熱量高く畳み掛けるシーンにはイタリアン・ロック的な激しさが垣間見れます。

  • RYSZARD KRAMARSKI PROJECT / LITTLE PRINCE

    ポーランド、MILLENNIUMのキーボード奏者によるソロ・プロジェクト、「星の王子さま」をコンセプトに据えフロイド直系のドラマチックなシンフォを聴かせる秀作!

    現ポーランドを代表するシンフォ・グループMILLENNIUMのキーボード奏者Ryszard Kramarskiによるソロ・プロジェクト17年作。タイトルが示すとおり『星の王子さま』をコンセプトに据えた作品となっており、そのサウンドはMILLENNIUMと同様ピンク・フロイド、特に『DARK SIDE OF THE MOON』を強く意識したメロディアスかつ劇的なシンフォニック・ロック。リック・ライトのプレイを思い出さずにはおれないセンシティヴな美しさと微かな陰鬱さが漂うシンセから、壮麗に流れゆくキーボード・ストリングスまで、音作りの要を担う自身のキーボードワークはさすがの素晴らしさ。ただ決して前には出過ぎずアンサンブルの中で有機的に音を紡いでいる姿勢がまた好印象です。一方メインでソロを取るMOONRISEのギタリストMarcin Kruczekによるギターも特筆で、ギルモアのプレイを忠実に再現したブルージーな泣きをたっぷり含んだ極上のソロを聴かせていて感動を禁じえません。女性ヴォーカルは清楚さよりは艶があってややアヴァンギャルドな表情も滲ませる実力派。フロイド憧憬のサウンドに深遠な奥深さを与えています。往年のフロイド憧憬を見せつつもそこに違和感なくエレクトロニクスを挿入してくるモダンなセンスも冴え渡ります。フロイド好きならこれはたまらないメロディアス・シンフォの好盤!

  • ISPROJECT / ARCHINAUTS

    イタリアの若手男女ヴォーカリストが、Fabbio Zuffanti率いるZ BANDのメンバーやサックス奏者Martin Griceら参加のもと制作した17年作、尋常ではないスケールで繰り広げられる圧倒的シンフォニック・ロック名品!

    イタリアの若手男女ヴォーカリストが、Fabbio Zuffanti率いるZ BANDのメンバーやDELIRIUMのサックス奏者Martin Griceら参加のもと制作した17年作。一曲目から圧倒的で、天を駆けるようなメロトロンの調べと、竪琴のような煌めくアコギ、優美なクラシカルタッチのピアノ、エモーショナルに叙情を描くエレキギター、熱くうねりを上げるシンセなどが紡ぎ上げる神々しいまでのシンフォニック・ロックは、ただ「劇的」の一言。そんな分厚く荘厳に鳴り響くサウンドの中で、少しハイトーン寄りのよく通る男性ヴォーカルとヘヴンリーな美声女性ヴォーカルがデュエット風に歌声を聴かせます。全編にわたって天上世界をイメージさせるような非現実感が漂っていて本作独自のロマン溢れる世界観を生み出しています。エネルギッシュなサックスのプレイで終盤をドラマチックに彩るMartin Griceもさすがの好演を披露。とにかく尋常ではないスケールで繰り広げられるシンフォニック・ロックに、ただただ身を委ねるように聴き入るべき名品と言えるでしょう。

  • MOUTH / VORTEX

    ドイツ出身トリオ・バンド17年作、ユーライア・ヒープを始めとする往年の名バンドへの憧れをストレートにサウンドに込めたヘヴィ・プログレの好盤!

    ドイツ出身、ギター/キーボード/ヴォーカルを兼任するマルチ・ミュージシャンとリズム隊の2人によるトリオ・プログレ・バンドの17年作。冒頭の組曲から必殺。分厚く立ち込めるメロトロンにケン・ヘンズレーを彷彿させるオルガンが響き、ワウギターが炸裂する、ユーライア・ヒープ「7月の朝」を思い出さずにはいられないサウンドが広がるオープニング、70年代ロック・ファンならこの時点でノックアウトされるはず。そんなオープンニングが過ぎると突如として叩きつけるようにアグレッシヴなヘヴィ・プログレへとなだれ込みその振れ幅に圧倒されます。終盤には冷ややかなトーンのオルガンが鳴り響きアコースティックギターが柔らく響く幻想パートも美しく聴かせ、変化自在の演奏が見事です。この一曲目がハイライトですが、モコモコしたヴィンテージな音質で演奏される70年代への憧れに溢れたロック・ナンバーが揃っておりカッコいいです。好盤!

  • WALFAD / MOMENTUM

    12年デビュー、ポーランドの新鋭プログレ・グループによる16年作3rd、往年のプログレ的叙情美を下地に持ちつつモダンなセンスにも恵まれた、スタイリッシュなプログレ快作!

    12年デビュー、ポーランド出身の新鋭プログレ・グループによる16年作3rd。ザクザクとヘヴィかつスピーディに刻むリフワークとハケットとギルモアを合わせたような太く存在感あるトーンで叙情的に紡ぐソロプレイが魅力のギター、いかにもポーランドらしい深い陰影を湛えたクラシカル調のピアノ、力強く溢れ出すような輝かしいシンセらが配された、スケール大きくメロディアスなサウンドがとにかく素晴らしいです。ヴォーカルも絶品で、ややハスキーながら伸びやかな声質で淀みなく歌い上げるスタイリッシュな歌声に心奪われます。英詞が主ですが、母国語のナンバーも収録されていて、切々としたポーランド語特有の響きもまた堪りません。往年のプログレ的叙情美を下地に持ちつつモダンなセンスにも恵まれた、現在進行形のプログレとして非常に完成度の高い快作に仕上がっています!

  • SAMURAI OF PROG / ON WE SAIL

    イタリア/フィンランド/アメリカのミュージシャンによる多国籍プログレ・バンド、17年作、HOSTSONATEN/ECHOLYN/WHITE WILLOW/LATTE E MIELEなどから豪華メンバーが参加!

    フィンランドのプログレ・ファンジン『COLOSSUS』の編集者であり、雑誌主催のトリビュート盤などでも活躍するフィンランド在住のイタリア人Marco Bernard(B)を中心に、MIST SEASONでも活躍するフィンランド人ドラマーKimmo Porsti、RESISTORでも活躍する米国人ギター/ヴァイオリン/フルート/ヴォーカルのSteve Unruhによるトリオの17年作。特筆はゲスト陣で、HOSTSONATENのkey奏者Luca Scherani/オーストラリアUNITOPIAのヴォーカルMark Trueack/LATTE E MIELEのOliviero Lacagnina/WHITE WILLOWのJacob Holm-Lupo/ECHOLYNのBrett Kullほか多数の実力派が各曲で参加。シンセ&オルガンを主体に瑞々しくスケールの大きなプレイを聴かせるキーボード、泣きの叙情に溢れる丹念なプレイが印象的なギターらが織り上げる珠玉のシンフォニック・ロックをベースに、各ゲストの味もしっかり出されていて、演奏の素晴らしさはもちろんゲストによる提供ナンバーも含む曲作りの巧みさ、全体的な構成の美しさも特筆です。ひたすら優美かつファンタジックに紡がれるこの心地よい音世界にずっと浸っていたいと思わせるような作品です。

  • TAPROBAN / PER ASPERA AD ASTRA

    キーボーディスト率いるトリオ・シンフォ・バンド17年作、レ・オルメからの影響が大きいスリリングかつアーティスティックなキーボード・シンフォの逸品

    キーボーディストが率いるイタリアのトリオ・シンフォ・グループ、17年作。レ・オルメ『フェローナとソローナ』を想起させるスリリングかつアーティスティックなシンセサイザーのプレイが印象的な、ユーロロック然とした翳りを感じさせるキーボード・プログレ。まるで70年代に録音されたキーボードと現代のリズム・セクションを合わせたかのような、ヴィンテージ度100%のキーボードサウンドにはきっと驚きます。メロトロン溢れ出す叙情パートも泣かせるし、イル・バレット・ディ・ブロンゾ的な緊張感ある展開も挿入され、ダイナミズム溢れる楽曲展開も見事。これはレオルメ・ファンなら絶対たまらない一枚!

  • KINKY WIZZARDS / QUIRKY MUSINGS

    EDEN SHADOWのギタリスト/キーボーディストRyan ElliottとMAGENTAの現ドラマーJonathan Griffithsを中心とするイギリス出身の新鋭トリオ・バンド、17年作、ファンキーでテクニカルでユニークな痛快ジャズ・ロック!

    EDEN SHADOWのギタリスト/キーボーディストRyan ElliottとMAGENTAの現ドラマーJonathan Griffithsを中心とするイギリス出身の新鋭トリオ・バンド、17年作。一曲の中でも自在に変化する凝ったリズムワークを土台に展開する変拍子満載のインストゥルメンタル・ジャズ・ロックがとにかく痛快!ファンクの要素を取り入れた跳ねるリズムに乗って、フュージョンタッチで雄弁に紡ぐメロディアスなプレイからクランチなトーンで畳み掛けるヘヴィなプレイまで、息もつかせぬスーパープレイを連発するギターはただただカッコいいです。とは言えファンク特有の暑苦しさはなく、あくまでスマートでクールに超絶プレイを繰り出すアンサンブルは実に英国的。テクニカル・フュージョンと一言で片付けてしまうわけにはいかない、あまりに多彩な表情と一筋縄ではいかない仕掛けにきっと翻弄されること間違い無し。スリリングかつユニークな傑作!

  • EYE 2 EYE / LIGHT BEARER

    フランスの実力派新鋭シンフォ・バンドによる17年作4th、ANGEにも比肩する圧倒的にドラマチックなシアトリカル・ロックを聴かせる傑作!

    フランスの実力派新鋭シンフォ・バンドによる17年作4th。重厚な生ストリングス、虚空に響くピアノ、とめどない哀愁を放つギターらが織りなすフランスのバンドらしい仄暗い幻想美を持つ劇的な演奏をバックに、一語一語に情感を込めるように歌い上げるヴォーカル。英詞ながら、絶対にフランスのバンドだとわかる耽美なドラマチシズムが全編を支配していて、ただただ圧巻。シアトリカル・ロックとしての完成度は間違いなくANGEにも匹敵するでしょう。各曲が切れ目なく進行していく、まるで映画を観ているような重厚にして密度の高い作品世界に引き込まれる傑作に仕上がっています。

  • KARIBOW / FROM HERE TO THE IMPOSSIBLE

    マルチプレイヤーのOliver Rushingを中心に、SAGA(カナダ)、HARVEST(スペイン)、UNITOPIA(オーストラリア)、元STERN COMBO MEISSENなどのメンバーが参加した多国籍シンフォ・プロジェクト17年作!

    2011年より始動、マルチプレイヤーのOliver Rushingを中心に、SAGA(カナダ)のキーボーディストJim Gilmour、STERN COMBO MEISSENに参加したサックス/キーボーディストMarek Arnold、HARVEST(スペイン)の女性ヴォーカリストMonique Van Der Kolk、UNITOPIA(オーストラリア)のキーボーディストSean Timmsほか、各国のミュージシャンが参加した多国籍シンフォ・プロジェクトの17年作。清涼感と抜群のキレをもつ流れるようなギターワークと幻想的にたなびくシンセサイザーをメインとする透明度の高いアンサンブルに、スケール大きくドラマチックなメロディを乗せた壮麗なメロディアス・シンフォニック・ロックを奏でます。リズムワークに留まらない独特のタイム感でアンサンブルにダイナミックな躍動感を生むドラミングも特筆。テクニックを駆使してハードに畳み掛けるパートはありますが、メタリックにはならないバランス感覚も好印象です。祈るように切々と歌うMonique Van Der Kolkのヴォーカルをフィーチャーした男女ヴォーカルのナンバーも素晴らしい。キャッチーで爽やかなサウンドでありながらもアルバムとしてはとても重厚な聴き応えを持つ、モダン・シンフォ・プログレの力作に仕上がっています。

  • VESPERO / AZMARI: ABYSSINIAN LIVENTURE

    ロシアの新鋭インスト・サイケ/プログレ・バンドによる16年ライヴ作、GONG影響下にありながらもフォロワーという域を大きく超え出た孤高のサウンドが炸裂する驚異のライヴ・パフォーマンス!

    05年デビュー、ロシア出身のインスト・サイケ/プログレ・バンドによる16年ライヴ作。のっけから17分の大曲で彼らの音世界へと引き込まれます。シンセやヴァイオリン、サックスが思い思いにフレーズを奏で交歓する浮遊感たっぷりの導入部に、リズムが切れ込み、スリリングにアンサンブルが立ち上がってくる展開は、GONG『YOU』を思い浮かべずにはいられない息をのむ素晴らしさ。パーカッションを交え猛烈な音数でまくし立てるトライバルなリズム・セクションは相変わらずの超絶度合いだし、不穏な旋律を紡ぐヴァイオリンと暴走するサイケデリックなワウギターが対比するアンサンブルは凄まじい熱量を放ってます。演奏を適度にクールダウンさせるスペイストーンのシンセもいい仕事です。ライヴでも演奏のクオリティは一切下がっていません。GONG影響下にありながらもフォロワーという域を大きく超え出た孤高のサウンドが炸裂している驚異のライヴ・パフォーマンス!

  • PLURIMA MUNDI / PERCORSI

    イタリア新鋭による17年作、トラッドとクラシックをミックスしたような哀愁溢れるエレクトリック・ヴァイオリン&声量豊かな女性ヴォーカル、これはずばり現代イタリア版カーヴド・エア!

    04年結成、09年にデビューした新鋭イタリアン・ロック・バンドによる17年作。中心メンバーであるヴァイオリニストが奏でるトラッドとクラシックをミックスしたような独特の哀愁溢れるエレクトリック・ヴァイオリンがリードを取る個性派クラシカル・プログレ。ギターばりの熱量でアグレッシヴに弾きまくるヴァイオリンのプレイに圧倒されますが、同じくクラシックの素養ある格調高いピアノ、そして声量を生かしたパワフルな歌唱から繊細な歌唱まで自在な美声女性ヴォーカルも素晴らしいです。さらにリードプレイをヴァイオリンに譲るギターは、リフやリズムワークの合間にメロディアスなフレーズやヴァイオリンとのユニゾンを聴かせていてさり気なくもいい仕事をしています。ヴァイオリンと女性ヴォーカルと言ったら思い浮かぶのはカーヴド・エアですが、ずばり彼らこそ現代イタリアのカーヴド・エアと言ってしまいたい逸材。これは傑作です!

  • ACQUA LIBERA / ACQUA LIBERA

    イタリアの新鋭ジャズ・ロック・バンド、地中海エッセンス漂う歌心溢れる叙情派ジャズ・ロックの秀作!

    イタリアのエクスペリエンス系バンドVICOLO MARGANAのギタリストFabio Bizzarriと、伊シンフォ新鋭PROFUSIONのkey奏者Jonathan Caradonnaを中心とする新鋭バンドによる17年デビュー作。冒頭より、ダイナミックさの中でジャジーな小技も効かせる痛快なドラミングに導かれ、伸びやかにメロディを歌うギターと弾むようなオルガン、スピーディーなプレイも織り交ぜつつたおやかに広がるシンセらのプレイが心地よく躍動する、地中海エッセンスを纏ったジャズ・ロック/フュージョン・サウンドを聴かせます。時にアンサンブルを牽引するメロディアスなベースの動きにも注目です。手本としているのはきっとARITI E MESTIERIやPERIGEOあたりのサウンド。テクニックや流麗さはその2バンドほどではありませんが、イタリアならではの芳醇な「歌心」という点では負けず劣らずの素晴らしさです。少し陰影のかかったジャズ寄りのパートでの、ギターの叙情的な表現力の高さも聴き所。テクニックよりも一音一音に情感が滲む丹念な演奏とメロディ/フレーズの良さで勝負する、味わい深い叙情派ジャズ・ロックの秀作です。

  • ANDREA ORLANDO / DALLA VITA AUTENTICA

    FINISTERREのメンバーとして活動、HOSTSONATEN、LA COSCIENZA DI ZENOの作品にも参加するドラマーによる17年ソロデビュー作、「静」と「動」のあまりに劇的な対比が素晴らしいシンフォ傑作、70年代イタリアン・プログレ・ファンにもオススメ!

    イタリア出身、かつてはFINISTERREのメンバーとして活動し、HOSTSONATEN、LA COSCIENZA DI ZENOなど錚々たるグループの作品にも参加するドラマーによる17年ソロデビュー作。硬質にチューニングしたタイトでアグレッシヴなドラミングがアンサンブルを引っ張り、オルガンとシンセがダイナミックに躍動し、メロトロンと弦楽が鮮やかな色彩を加える、これぞイタリアと言うべき熱く雄大なシンフォニック・ロックを聴かせてくれます。70年代イタリアン・プログレが持っていたとめどない情熱を宿したサウンドが聴き所で、分厚いシンセサイザーが力強くうねるテンションの高さは初期BANCOにも匹敵。本人はドラムの他オルガンやメロトロンも兼任しており、重厚に鳴らされるクラシカルなオルガン、ここぞの場面で洪水のごとく溢れ出すメロトロンと本職のキーボーディスト顔負けの見事なプレイを全編で披露していて素晴らしい。嵐のように吹き荒れる攻撃的なパートが過ぎると、ヴァイオリンやチェロなどの弦楽が優雅に立ち上がりドラマチックなシンフォニック・ロックへ、「静」と「動」をあまりに劇的に対比させた構成がただただ見事です。参加メンバーの一人LA MASCHERA DI CERAのヴォーカリストAlessandro Corvagliaが歌うナンバーが出色で、彼特有の邪悪さを秘めたダミ声ヴォーカルが70年代イタリアン・プログレらしさをグッと引き出していて胸を熱くさせます。イタリアン・プログレ新鋭作品として屈指の完成度を持つと共に、70年代イタリアン・プログレ・ファンにも訴えかける魅力を持った傑作。

  • CELLAR NOISE / ALIGHT

    ミラノ出身の新鋭シンフォ・バンド、17年デビュー作、プロデュースは鬼才Fabio Zuffanti!

    2013年結成、ミラノ出身の5人組新鋭バンドが、鬼才Fabio Zuffantiをプロデューサーに迎えた17年デビュー作。冒頭からのメロトロン洪水に始まり、豊かに表情を変えていくムーグ、オルガン、そしてエレガントなタッチのピアノが次々と現れる才気溢れるキーボードワークを中心に、GENESIS/CAMELタイプの優美なシンフォニック・ロックを展開する1曲目に早くも感動。英詞で丹念に歌い上げるヴォーカルを軸とする2曲目以降は、キーボードのプレイに負けじと、哀愁のアコースティックギターと繊細なタッチでドラマチックにフレーズを紡ぐソロで応じるハケット直系のギターも活躍します。現代のプログレ・バンドに多いメタル由来のヘヴィな音はまったく現れず、一貫して初期GENESIS愛に溢れたリリシズム溢れるシンフォ・サウンドを聴かせてくれていて好印象。キーボーディストを筆頭にバンドの実力の高さも去ることながら、徹底した70年代憧憬の音色にプロデューサーの確かな手腕も感じさせる力作です。

  • FIZBERS / FIRST MIND

    弱冠17歳のメンバーらによるポーランド産プログレ・トリオ17年デビュー作、フロイド影響下のダークな静謐感と哀愁のメロディが印象的なメランコリックかつエモーショナルなプログレッシヴ・ロック

    ギタリスト、ベース/ヴォーカル、ドラム/キーボードという3人による、ポーランドはクラクフ出身の新鋭プログレ・トリオ17年デビュー作。メンバー3人は弱冠17歳!ピンク・フロイドの影響を感じさせる闇の中のような静謐感と哀愁のメロディが印象的なメランコリックかつエモーショナルなプログレッシヴ・ロックを演奏します。アンサンブルを牽引するギターは、フリップ調の鋭いトーンでの緊張感あるプレイを軸としつつ、きめ細かく織り上げるようなプレイも聴かせるポスト・ロック的センスも持ち合わせる実力派。サウンドに深みを加えるゲスト奏者によるヴァイオリンの旋律も美しい。英語で歌うヴォーカルは素朴ながら言い知れない哀感を漂わせた声質を持ち、線の細さがセンチメンタルな印象へと繋がっていて実にいい感じです。ポーランド特有のダークな質感の中に浮かび上がるセンチメンタルな歌心が静かな感動をもたらす力作です。

  • MAR ASSOMBRADO / CANSOES DO FAROL

    ブラジル出身の新鋭プログレ・グループによる17年作、フルート、アコギ、ピアノ、オルガンなどが織りなす南米らしい清涼感と陰影に溢れたシンフォニック・ロックの秀作!

    ブラジル出身の新鋭プログレ・グループによる17年作。ジャケットからはヘヴィなサウンドを想像しますが、実際にはヘヴィさは皆無で、フルートやアコースティックギターが織りなすリリカルなアンサンブルをメインとして、そこに粛々と叙情的に響くオルガン、少しボサノヴァ風の軽やかなタッチのピアノなどが加わって、南米らしい清涼感と美しい陰影を感じさせる優美なシンフォニック・ロックを作り上げています。モノローグ調のポルトガル語ヴォーカルも演奏にいい感じにマッチ。ハープシコードなどのクラシカルなエッセンスもアクセント的に用いられていて、ユニークなサウンドメイクが光ります。CAMELタイプのサウンドをお好みの方には是非お楽しみいただきたい秀作!

  • NAU ALETHEIA / LOS MISTERIOS DE ELEUSIS

    アルゼンチン・プログレの名盤を残したBUBUのヴァイオリニストによるバンド、17年作、BUBUやクリムゾンを彷彿させるヘヴィにして叙情豊かなプログレッシヴ・ロック

    アルゼンチン・プログレの名盤として愛される78年作で知られるBUBUでヴァイオリンを担当したAlvar Llusa-Damianiを中心とするバンド、17年デビュー作。やや陰鬱に響くヴァイオリンをフィーチャーした中期クリムゾン系のヘヴィ・プログレを聴かせる1曲目。「I TALK TO THE WIND」を思わせるテーマが南米らしいたおやかな叙情を帯びたジャズ・ロックへと移り変わっていく2曲目。格調高いヴァイオリンのスケール溢れるプレイが素晴らしい荘厳なシンフォ・パートと『RED』ばりのテンションで畳み掛けるパートで構成された3曲目。全体にクリムゾンの影響を強く受けたサウンドが特徴ですが、それは同時にBUBUの唯一作で聴けるあのヘヴィでダークな質量感でもあり、彼が紛れもなくあの名盤でプレイしていたことを確信させるに十分なサウンドと言えます。一方アコースティックギターの音色に滲む、アルゼンチンならではの切なくメロウな叙情性もヘヴィネスみなぎるサウンドと対比が効いていて劇的。うっすらとプログラミングが用いられていたりとモダンな質感にはなっていますが、BUBUの名盤に心奪われた方なら両作に相通じる要素をあちこちに見つけられるであろう好作品となっています。

  • ACCORDO DEI CONTRARI / VIOLATO INTATTO

    イタリア新鋭17年作4th、70年代中期クリムゾンを想起させる緊密なテンションが支配するヘヴィ・ジャズ・ロックが強烈!

    07年デビュー、イタリアの新鋭プログレ/ジャズ・ロック・バンドによる17年作4th。冒頭から変拍子満載で、畳み掛けるようにダイナミックなアンサンブルを聴かせるヘヴィ・ジャズ・ロックが強烈!70年代中期クリムゾンを想起させる緊密なテンションが支配しており圧巻です。新加入のサックス奏者による黒光りするようなヘヴィなプレイがジャズ・ロック然とした重厚感を上乗せしていて、従来よりサウンドのカッコよさが格段に増している印象を受けます。エレピが揺らめきギターが浮遊するアブストラクトなパートから一気に爆発的な疾走を始めるアンサンブルは、もはやハード・ロック的と言ってもいいギラギラとしたエネルギーを放出していて実に痛快。これは現代のジャズ・ロックとして、圧倒的に個性的でプログレッシヴなサウンド!快作です。

  • COMEDY OF ERRORS / HOUSE OF THE MIND

    グラスゴー出身のシンフォニック・ロック・グループ、17年作4th、初期ジェネシスを正統に受け継ぐ薫り高きファンタジーが素晴らしすぎる一枚!

    84年にスコットランドはグラスゴーにて結成され、89年まで活動を続けながらアルバムを残さず解散、2011年に再結成し活動を続けるプログレ・バンド。17年リリースの4thアルバム。淡いトーンでゆったりと叙情美を描くハモンド・オルガンと、エッジの効いたドライヴ感あるプレイと陰影あるメロディアスなプレイを織り交ぜたギターを中心とする、正統派英国シンフォと言うべき端正なサウンドが紡がれます。全体に朝もやに包まれたような柔らかな聴き心地がとても印象的で、どこまでも英国叙情に溢れたファンタジックな世界観は初期ジェネシスに迫るほどの薫り高さ。特に13分の最終曲は、ジェネシス系シンフォニック・ロックとしては最上級と言いたい完成度を持つ必聴の一曲となっています。傑作!

  • GUNGFLY / ON HER JOURNEY TO THE SUN

    スウェーデン出身、BEARDFISH/BIG BIG TRAIN在籍のマルチ奏者Rikard Sjoblomによるソロ・ユニット17年作、GG影響下の緻密な演奏と流れるように美しいメロディーで聴かせる力作

    スウェーデン出身、元々はBEARDFISHを率いるキーボーディスト/ヴォーカリストで、現在は英国のBIG BIG TRAINのメンバーとしても活躍しているマルチ・ミュージシャンRikard Sjoblomのソロ・ユニット、17年作。デビュー作から聴かせていたキャッチーながらも北欧らしいメランコリックさが滲む珠玉のメロディーと、BEARDFISHの音楽性を受け継ぐ70年代プログレ・テイスト特にGENTLE GIANT影響下の転調を繰り返す複雑なインストパートを組み合わせたメロディアス・プログレ。70年代テイスト満点の薫り高きハモンド&メロトロン、クリーントーンとクランチサウンドを駆使しリリカルかつ芳醇に紡ぎ出されるギタープレイ、どれを取っても絶品です。バンド編成での曲と全楽器を自身で演奏した曲で構成されますが、驚くべきはバンド演奏曲と全く遜色ない緻密に器楽が絡み合うテクニカルな自演曲。多重録音とは思えない呼吸を感じる演奏に、マルチプレイヤーとしての技量の高さが存分に発揮されています。一方バンド演奏曲で聴かれる、疾走感よりは変拍子特有の引っ掛かりを持つリズム・セクションはなるほど古巣BEARDFISHのメンバーが担当しており納得。プログレ然とした緻密な演奏と流れるように美しいメロディーが共存した力作に仕上がっています!

  • MOBIUS STRIP / MOBIUS STRIP

    イタリアの新鋭ジャズ・ロック・バンド17年作、陽光輝く地中海の景色が浮かび上がってくるような映像喚起力に満ちたアンサンブルが素晴らしいジャズ・ロック/フュージョンの逸品!

    イタリアの新鋭ジャズ・ロック・グループ、17年作。リズム・セクションの2人にキーボード奏者とサックス/フルート奏者というギターレスの4人編成で、煌めくピアノと陰影ある可憐なエレピ、そしてメロウで艶のある饒舌なサックスのプレイが絡む、フュージョン・タッチの歌心溢れるジャズ・ロックを展開。陽光輝く地中海の景色が目に浮かぶような映像喚起力を持つサウンドがとにかく素晴らしいです。流れるように紡がれるアンサンブルの美しさに耳を奪われますが、さりげなく細やかなテクニックも披露していて技巧的にもかなりの実力者揃いであることがうかがえます。ずばり絶品!

  • PROAGE / DIFFERENT STATE OF REALITY

    ポーランド新鋭17年作、フロイド憧憬のメランコリックなサウンドをモダンなヘヴィネスとポーランドらしい荒涼感で包み込んだ力作

    ポーランドの新鋭プログレ・バンドによる17年デビュー作。ピンク・フロイド的な浮遊感と透明感あるメランコリーに、現代のバンドらしい叩きつけるようなヘヴィネスを加えた、硬軟自在のギターワークを軸に展開するプログレッシヴ・ロックを演奏。キーボードは控えめながらも哀感を帯びたオルガンをメインにヴィンテージな味わいを加味していて、ギターだけではややヘヴィに寄っていきそうなアンサンブルを絶妙にコントロールしています。男性的な低めのトーンの朗々としたヴォーカルも魅力で、叙情メランコリックなパートでは悩ましげな表情を滲ませる表現力ある歌唱で、クリムゾン的ヘヴィネスが現れる激しいパートでは声を歪ませ迫力ある歌唱を聴かせており特筆。フロイド憧憬を核に持ちつつ、モダンなヘヴィネスと荒涼感で包み込んだ、実にポーランド産らしいサウンドを聴かせる力作です。

  • HIDDEN LANDS / HALCYON

    スウェーデン新鋭17年作、アネクドテン/アングラガルドの系譜に連なる緊張感と北欧の神秘的な情景美をイメージさせる透明感が融合した、キーボード主体のシンフォ力作!

    2012年に結成され同年にデビューしたスウェーデンの新鋭シンフォ・バンド、17年作3rd。アネクドテン/アングラガルドの系譜に連なる緊張感を持ちつつも、ゴリゴリとしたヘヴィネスは控えめでより軽やかで開放的なサウンドが持ち味。彼方まで広がっていくような美しいトーンのシンセ、ヴィンテージ質感のオルガン、清廉な響きのピアノ、そして鉄琴をシミュレートしたようなキーボードが緻密に重なり合う、鍵盤楽器を主体とするアンサンブルが新鮮です。時々リズム隊とギターがメタリックにうねり出し展開に起伏を与えていますが、基本的には北欧の神秘的な森や湖をイメージさせるような透明感溢れる音像が実に素晴らしい。M7などアングラガルドとジェネシスが出会ったかのようなスリリングなシンフォ・チューンもカッコいいです。北欧らしいイメージが次々と溢れ出してくる映像喚起的なサウンドを描き出す名品!

  • ANCIENT VEIL / I’M CHANGING

    95年にデビュー作をリリースした伊シンフォ・デュオ、実に22年ぶりとなる17年作2nd、静謐な表現力の高さを生かしロマンティックに紡がれる音像があまりに素晴らしいフォーキーなシンフォの逸品、オススメ!

    95年にデビュー作をリリースしたイタリアのシンフォ・デュオで、メンバーはERIS PLUVIAのマルチ・ミュージシャンAlessandro Serriと、元メンバーで現在はHOSTSONATENで活動する管楽奏者Edmondo Romano。実に22年ぶりとなる17年作2nd。アコースティックギターのまろやかで幻想的な響きを生かしたアンサンブルに、優美なシンセサイザーのカーテンを引いた、柔らかな陰影が耳に心地よく響くフォーキーなシンフォニック・ロックと言える作風を聴かせます。優しげな英詞ヴォーカル、ここぞという場面で劇的に演奏を盛り上げるエレクトリック・ギターも見事。さらに管楽器奏者を擁するだけあって、欧州の神秘的な森をイメージさせる管弦アンサンブルも鮮やかな彩りをもたらしています。全般的に主張の強めなイタリアン・ロック勢にあって、静謐な表現力に長けたロマンティックに紡がれる音像があまりに素晴らしい名品に仕上がっています。おすすめ。

  • MAGIC BUS / PHILLIP THE EGG

    英新鋭プログレ、17年作3rd、キャラヴァン憧憬の朗らかなカンタベリー・ポップとモダン・プログレを融合させた逸品

    イギリス南端に近いデヴォン州出身、新鋭ブリティッシュ・プログレ・グループの17年3rd。冒頭から人懐っこいトーンのギターとフルートが優しく彩る、キャラヴァン「GOLF GIRL」を想い起こさずにはいられないほのぼのカンタベリーサウンドが飛び出してきてビックリ!それも『グレイとピンクの地』に入っていても違和感のない完成度でさらに驚きます。かと思うと曲の後半はヘヴィに唸りを上げるギターをフィーチャーしたダイナミックなプログレへと変貌し、演奏力の高さも証明。メロトロン、ヴィンテージなオルガンによる芳醇な音色もグッと来ます。全体的に屈折したポップなメロディセンスもいいし、コロコロと表情を変えていく先の読めない曲展開も素晴らしいですが、どの曲にもキャラヴァンを始めとするカンタベリー・ロックのポップサイドからの流れを汲むセンスが息づいていて不思議な懐かしさに溢れているのが何よりの魅力。それを新鋭バンドらしいモダン・プログレの質感とうまく融合させた手腕は特筆です。70年代の愛すべきブリティッシュ・ポップの精神を受け継いだ大変いいバンド!

  • SIG RAGGA / LA PROMESA DE THAMAR

    アルゼンチン出身の新鋭プログレ・バンドによる16年作3rd、「歌」を中心に据えた珠玉のシンフォニック・ロック・ナンバーが目白押しの名作、SUI GENERIS、SERU GIRAN、PABLO〜、PASTORALなどのファンに絶対オススメ!

    アルゼンチン出身の新鋭プログレ・バンドによる16年作3rd。これは素晴らしいです。丸みあるマイルドなトーンで叙情美を描くギターと爽やかなアコースティックギターが絡むどこまでも優しげなアンサンブルに、鼻にかかった繊細なハイトーンで語りかけるように歌うスペイン語ヴォーカル。70年代アルゼンチン・ロックをそのままにクリアでモダンな音像によって蘇らせたような1曲目からもう堪りません。往年のアルゼンチン・ロック・ファンならこの時点で悶絶間違い無しの素晴らしさ。優美なストリングスをバックに言葉を選ぶように大切に歌うヴォーカルにグッと来る2曲目も極上。そして天上から降り注ぐようにフワッと柔らかく寄り添うコーラス。全編にわたり南米ロックの魅力の一つである「歌」を中心に据えた珠玉のシンフォニック・ロック・ナンバーが続きます。一方では、繊細で優美なサウンドを維持しながらシンセサイザーによるデジタリーな音を散りばめるセンスの良さにも唸らされます。これはSUI GENERISやSERU GIRANを始め、PABLO〜やPASTORALなど往年の歌ものアルゼンチン・ロック名バンドが持っていた詩情を確かに宿した素晴らしい新鋭です。オススメ!

  • DISCIPLINE / CAPTIVES OF THE WINE DARK SEA

    88年デビューの米シンフォ・バンド17年作、70年代英国ロックを高いレベルで再現したアプローチが光る好盤!

    88年デビューのアメリカ産シンフォニック・ロック・バンド、スタジオ・アルバムとしては6年ぶりとなる17年作。1曲目は、少しシアトリカルなヴォーカルとオルガン&ピアノを軸にリリカルに流れるように展開していく、初期ジェネシス的な端正さが滲むスタイルが新鮮な名曲で驚きます。ここまで70年代英国的なエッセンスを見事に抽出した楽曲は今のイギリスのバンドでも作れるかわからないほど。と思うと2曲目からは、アブストラクトでトリッキーなパートも含む現代の米プログレらしい楽曲になっていきますが、4曲目でまた転がるようなピアノをフィーチャーした英国的な陰影を持つ愛らしい小曲が現れたりと、随所に英ロックを意識した楽曲が配されているのが面白く少しも飽きさせません。また最後に待ち構える14分に及ぶ大作の完成度も素晴らしく、テクニックを生かしたスリリングな変拍子パートと、ゆったりと広がるメロトロンをバックにした優美なパートを巧みに組み合わせてドラマチックに聴かせる、ベテランらしい構築性が光るプログレ・ファン歓喜の一曲に仕上げています。数曲ながら在りし日の英国ロックを高いレベルで再現したユニークなアプローチが効いた充実作です。

  • MALUS ANTLER / OSIMANDIA

    イタリア新鋭17年デビュー作、フロイド、キャメル、ジャズ・ロックからスペース・ロックまでを散りばめた個性派シンフォ、クラリネットの音色が印象的

    イタリアの新鋭シンフォ・バンド、17年デビュー作。冒頭ピンク・フロイドとキャメルが合わさったような浮遊感とまろやかな優美さが同居するサウンドに、それほどイタリア色を感じずにいると、一転タイトでエネルギッシュなアンサンブルが切れ込んできて、徐々にイタリアらしさが出てきます。ヴィンテージトーンのオルガン、切れ味鋭いヴァイオリン、ひらひら舞うクラリネットらが渦を巻くようにフレーズを重ね合い音の密度が増していくと、満を持しての唾吹きフルートと激しいイタリア語ヴォーカルが飛び込んできて、ああイタリアのバンドだと納得。リリカルな表情に戻ったフルートと湧き上がるメロトロンをバックにエモーショナルに歌うヴォーカル。この1曲目-2曲目がとにかく見事で引き込まれます。その後も特に印象的なのがクラリネットで、ヘヴィに突き進むサウンドの中でも舞い踊るような優雅さが活きていて、その対比がバンドの持ち味として非常に効いています。随所で見せるスペイシーな浮遊感ある音像も特徴的。ヴォーカルはやや線が細めですが、その淡い歌声がいい意味でイタリア的な濃厚さを和らげていて、聴きやすさをもたらしているようにも思えます。これは一筋縄ではいかない面白いバンド!

  • RED SAND / 1759

    マリリオンに影響を受けたカナダの新鋭プログレ・バンド、16年作

    David Gilmour、Andy Latimer、Steven Rotheryらに影響を受けたギタリストSimon Caron率いるカナダ産シンフォニック・ロック・バンド、16年作8th。S.Rothery直系と言えるデリケートなタッチながらもロングトーンを生かしたキレのあるギターと、ややクラシカルで陰影がかったトーンのオルガンを中心として、シンセ、メロトロン、ピアノなど多彩なキーボードがドラマチックに盛り上げていく、80〜90年代のMARILLIONに通じるシンフォニック・ロックが特徴。変拍子を交えながら演奏をタイトに引き締めるリズム隊も素晴らしく、特にベースはギタリストが兼任しているだけあって、リズムキープにとどまらずメロディアスにフレーズを紡いだり、ここぞではギターとのツインソロのようなプレイも披露していて特筆です。19分の大作は、SEを効果的に用いたシアトリカルな演出やソウルフルな女性シンガーをフィーチャーしていたりと、楽曲構成の妙も楽しめるナンバー。先人へのリスペクトに溢れたサウンドの中にも絶妙にオリジナルな要素を配するセンスが見事な力作に仕上がっています。

  • ELOY FRITSCH / SAILING TO THE EDGE

    ブラジル産シンフォ・バンドAPOCALYPSEのkey奏者による17年作、『ヘンリー』や『アーサー』の頃のリック・ウェイクマンを彷彿させる華やかでファンタスティックなロマン溢れるキーボード・シンフォ逸品!

    ブラジル産テクニカル・シンフォ・バンドAPOCALYPSEのkey奏者による17年作。冒頭より、生オーケストラ演奏と見紛うほどに勇壮な純クラシカル・シンフォニーで幕を開け、高い作曲能力を披露。2曲目からはリズムとアンサンブルをリードするシンセサイザーが登場し、シンフォニック・ロック然としたダイナミックなサウンドへと着地します。クラシカルで胸躍るようなミニムーグのフレージングや合唱をシミュレートしたシンセを駆使して、ファンタジー映画の一場面が浮かんでくるようなドラマチックなサウンドを作り上げる手腕は、『ヘンリー』や『アーサー』の頃のリック・ウェイクマンを彷彿させるもの。様々な音色のキーボード・サウンドが敷き詰められたとても密度の濃いサウンドメイクですが、メロディは終始キャッチーでファンタジックな親しみやすさがあり、多くの無機的なシンセサイザー・ミュージックとは一線を画する表情の豊かさが印象的です。キーボード・シンフォ・ファンにとってはただただ心地よい音像が流れてゆく珠玉の一枚でしょう。

  • MAGENTA / WE ARE LEGEND

    美声女性ヴォーカルを擁する現英国シンフォ・シーンを牽引するバンド、26分の大作を含む17年作!

    女性ヴォーカルのクリスティーナ・ブースの美声とコンポーザーのロブ・リードのソングライティング力を武器に00年代屈指の英シンフォ・バンドへと上り詰めた実力派バンドによる17年作。サポートメンバーから今作より正規メンバーとなるベースのDan Nelson、KINKY WIZZARDなどで活動するドラマーJon Griffithsらが新加入。26分に及ぶ大作を冒頭に配し、約11分の楽曲2曲が後に続く全3曲という、イエス『危機』を思わせる構成を持ちます。新リズム隊による自在な切り返しを見せるタイトなプレイを土台に、溢れんばかりの情感を込めてフレーズを紡ぐギター、ピアノと艶やかなシンセを駆使して端正な英国叙情を添えるキーボード、そして清涼感に満ちた美声で時にポップに時にしっとり情緒的に歌い上げるフィメール・ヴォーカル。エレクトロニクスも巧みに導入しながら進行していく溌剌としたアンサンブルが本当に見事で、そのサウンドは活動歴17年目というベテランの域に入ったバンドとは思えない鮮度を誇っています。また本作では従来にも増してグッと抑えたエモーショナルな演出力が光っており、ヴォーカルが切々と歌うドラマチックなパートで繊細に織り上げられる泣きのアンサンブルには感涙必至。本作も彼らの持ち味が十二分に発揮された充実の一枚です。

  • TUSMORKE / HINSIDES

    ノルウェーの新鋭プログレ・バンド17年作4th、ジェスロ・タル的トラッド感覚、ゴングに通じる壊れ具合、北欧プログレ本来のミステリアスさなどが渦巻く快作

    双子のMomrak兄弟を中心とするノルウェーの新鋭プログレ・バンド、17年作4th。従来通り、初期ジェスロ・タル影響下のやや陰鬱なトラッド色とフルートがリードするスタイルに、ゴングに通じる大仰で少し壊れたヴォーカル・パフォーマンス、ヴィンテージ質感プンプンのオルガンなどが渦巻く、泥臭さたっぷりのトラッド・プログレ。そこに北欧らしい荘厳でミステリアスなサウンドが乗っかってくるのが特徴で、泥臭いのに神秘的という極めて個性的な音世界を構築しているところが最大の持ち味となっています。少し野暮ったさのあるノルウェー語の響きが北欧の薄暗い森で呟かれる呪文のように聴こえてきたら、もう彼らのサウンドが頭から離れなくなるでしょう。23分の大作ではゴシックな世界観も垣間見れたりと、ますます孤高の領域へと足を踏み入れている快作です。

  • LUZ DE RIADA / CUENTOS Y FABULAS VOL.3

    メキシコの新鋭バンドによる16年作3rd、民族色を散りばめながら爆発的なテンションで繰り広げられるアヴァン・ジャズ・ロックが痛快そのもの!

    フルート/サックス奏者、スティック奏者、ギター、ドラムの4人で2010年に結成されたメキシコのジャズ・ロック/アヴァン・ロック・バンド。タイトル通り、前々作・前作に続く3部作の完結編となる16年作。従来の作品同様、民族色を散りばめながら爆発的なテンションで繰り広げられるアヴァン・ジャズ・ロックは痛快そのもの!鈍い光沢を放つサックスの重厚なプレイに痺れるブラス・ジャズ・ロック風ナンバーから、1stのAREAをややメロディアスにしたようなフリーキーで無国籍なアヴァン・ロック、サックスがゆったりとメロディーを歌い上げるナンバーではバルセロナの70’sジャズ・ロック勢に通じる地中海エッセンスも垣間見えたりと、曲ごとの表情は非常に豊か。一方で独特の引っ掛かりを持つリズムへのこだわりが特徴で、アヴァンギャルドでありながら下手すると踊れてしまいそうなこのリズム感覚は、なるほど80’sクリムゾンからの影響がうかがえます。レコメン系ジャズ・ロックのファンには是非一聴いただきたい快作です。

  • ELEPHANTS OF SCOTLAND / PERFECT MAP

    GENESIS〜ネオプログレ影響下の米プログレ新鋭16年作、BIG BIG TRAINに通じる端正かつ躍動感溢れるシンフォ傑作!

    13年デビュー、アメリカの新鋭シンフォ・バンドによる16年作3rd。ジェネシス〜英ネオプログレからの影響を感じさせる美しくも洗練されたキャッチーなメロディを、つややかなトーンのシンセやキラキラとまばゆいアコースティックギター、ハケット直系のデリケートなタッチのエレキギターらが取り巻く、クリアで瑞々しいシンフォニック・ロックが大変素晴らしいです。ヴィンテージ・トーンのキーボードを配した、70年代プログレへの強い憧れを秘めながらも淀みなく明快に展開するアンサンブルはBIG BIG TRAINに近いものを感じさせますが、ギターを筆頭にややヘヴィな音でパワフルに突き進んでいくパートでは、ECHOLYNやIZZら米プログレの先輩バンドの面影も見て取れます。端正なメロディメイクと躍動感溢れるアンサンブルで聴かせる、ハイレベルなシンフォ傑作!

  • STEVE HUGHES / ONCE WE WERE – PART TWO

    ENIDやBIG BIG TRAINで活躍したドラマー/マルチプレイヤー、前作『ONCE WE WERE – PART ONE』の続編となる16年作3rd、プログラミングと生演奏を融合させたセンス溢れるメロディアス・シンフォでBIG BIG TRAINファンにもオススメ!

    ENIDやBIG BIG TRAINのメンバーとして活躍したドラマー/マルチプレイヤーによる3rdソロで、前作『ONCE WE WERE – PART ONE』の続編となる16年作。プログラミングによるエレクトロなサウンドをベースとして生演奏を重ねていくスタイルで織り上げていく、近未来的なイメージを抱かせる鮮烈なシンフォニック・ロック・サウンドを展開します。中でもやはり注目はドラマーである彼の本職と言えるリズム。打ち込みと自身によるロック然としたダイナミックなドラミングをパートごとに使い分け、時には2つを重ねることで強烈な躍動感を持つリズムを作り上げるセンスは見事の一言です。さらにはデリケートに鳴らされる美麗なピアノ、雄弁にメロディを紡ぐギター、そしてハートウォーミングで清涼感のあるヴォーカルなど、ヴァイオリニストやサックス奏者の参加を除きほとんどの楽器を自身が演奏していて、そのマルチプレイヤーとしての才能には驚くばかり。いかにも英国らしいメロディアスな中にも微かな陰影を秘めたメロディは、BIG BIG TRAINの諸作にも通じます。溢れんばかりのクリエイティビティが注ぎ込まれた傑作シンフォニック・ロック!BIG BIG TRAINのファンにもオススメの作品です。

  • WESERBERGLAND / SEHR KOSMISCH GANZ PROGISCH

    Jacob Holm-Lupo、Mattias Olsson、Lars Frederik Froislie、Ketil Vestrum Einarsenら現北欧シーンの重要人物たちが集結したプロジェクト17年デビュー作、ジャーマン・エレクトロ×北欧シンフォと言える美麗で個性的なサウンドが広がる傑作

    WHITE WILLOWのJacob Holm-Lupo、元ANGLAGARDのMattias Olsson、WobblerのLars Frederik Froislie、元JAGA JAZZIST/現WHITE WILLOWのフルート/マルチ奏者Ketil Vestrum Einarsen他、北欧プログレ・シーンの重要ミュージシャンたちが参加するプロジェクトの17年デビュー作。これらのメンバーで思い出すのはOPIUM CARTELですが、今作では往年のジャーマン・エレクトロを彷彿させるプログラミングのリズムとうねりのあるシンセサイザー/シーケンサーフレーズをベースとして、そこに北欧らしい透明度の高いキーボード群やフルート/クラリネット/サックスなどの管楽器が重なり合いシンフォニックかつハートウォーミングに広がっていく個性的なサウンドメイクが光っています。何よりこのジャーマン・エレクトロ×北欧シンフォという着目点が素晴らしい。とにかく心地よく流れゆく音像にいつまでも身を委ねて浸っていたいと思わせる一枚。アプローチの方向性はエレクトロニカ・プログレと言えたOPIUM CARTELに近いですが、洗練されたサウンドの中にも70-80年代のジャーマン・エレクトロ黎明期の香りを漂わせる音像は、よりプログレ・ファンに強く訴える魅力を持っていると言えるかもしれません。オススメ!

  • ANTONY KALUGIN PROJECTS / BREAKING FREE TOUR LIVE

    KARFAGENやSUNCHILDを率いるウクライナ出身の才人コンポーザー&ミュージシャンAntony Kaluginによるバンド、キャリア10周年を記念したポーランド好演を収録、両バンドの楽曲を演奏したベスト選曲ライヴ作!

    KARFAGEN、SUNCHILDなど複数のシンフォ・バンドを率いる、ウクライナ出身の才人コンポーザー&ミュージシャンAntony Kalugin。それらのバンドの楽曲を演奏するプロジェクト名義ANTONY KALUGIN PROJECTでの17年ライヴ作。彼がKARFAGEN『CONTINIUM』でデビューを果たしたのが2006年で、本作はデビュー10周年に当たる2016年にポーランドで行なったライヴを収録しています。バンドはKARFAGENのメンバーで構成されており、歴代作品からバランス良く選曲されたKARFAGENの楽曲を中心にSUNCHILDの曲も織り交ぜた、まさに彼のキャリアを総括する内容。エモーショナルに叙情フレーズを紡ぐギターが主にリードを取り、Kaluginはシンセ、オルガン、ピアノを自在に操ってシンフォニックで美麗な世界観を構築します。穏やかな表情の温かみある男性ヴォーカルとケイト・ブッシュを彷彿させる愛らしくもコケティッシュな女性ヴォーカルによる歌も大変魅力的。クリエイティヴィティ溢れる活動を展開してきた才人Antony Kaluginの音楽性を凝縮した好ライヴ作!

  • CANTINA SOCIALE / CAOSFERA

    イタリア新鋭インスト・シンフォ・バンド17年作、イタリアらしい哀愁と歌心ある叙情パートとクリムゾン『RED』ばりのテンションを持つ展開を行き来する起伏に富んだシンフォニック・ロックの秀作

    現アルティ・エ・メスティエリのヴォーカルIano Nicoloが在籍した、01年デビューのイタリアン・シンフォ・バンド、彼の脱退後新たなヴォーカルは置かずインスト・バンドとなった17年作3rd。ヴォーカルの不在を感じさせないアコースティックギターやピアノが織りなすイタリアらしい哀愁と歌心ある叙情パートと、フリップ系統の緊張感あるギターをフィーチャーしたクリムゾン『RED』ばりのテンションを持つ展開を織り交ぜ、硬軟の起伏に富んだシンフォニック・ロックが綴られていきます。合間に挿入されるミステリアスなアンビエント風パートも作品の表情を豊かなものにしていて特筆。

  • CARPTREE / EMERGER

    スウェーデン、シンフォ然とした壮大なサウンドメイクとジェネシス色を見事に融合した17年作

    スウェーデン出身の実力派シンフォ・グループ、17年作。重厚に折り重なったそそり立つようなシンセサイザーサウンドに圧倒されるダークで劇的なシンフォニック・ロックは、本作でも揺らぎなし。ピーター・ガブリエル系のヴォーカルを厚みあるコーラスが支え、スケールの大きなサウンドの中で躍動します。抑えたパートでは北欧らしい透明感が溢れてきて重厚なパートと劇的なコントラストを描き出していて見事。薄暗く重みある音像の中にもジェネシス由来のファンタジックな色合いが息づいたサウンドは、まさしく唯一無二。7年ぶりの作品という長らくの期待に見事に応えてくれる力作です。

  • FLOR DE LOTO / ARBOL DE LA VIDA

    アンデスの伝統音楽とヘヴィ・プログレッシヴ・ロックを融合させたペルーの新鋭グループ、生物の進化過程を記した系統樹をテーマとする16年のコンセプト作

    00年代の南米プログレを代表するペルーの新鋭グループ、生物の進化過程を記した系統樹をテーマとする16年のコンセプト作。アンデスの伝統を感じさせる哀愁溢れるメロディを軸に、メタリックなヘヴィネスを纏いゴリゴリ疾走するギターとそこに絡む熱量みなぎるシンセ、テンション高く畳み掛けるリズム隊らが紡いでいく、南米民族音楽/フォルクローレとプログレッシヴ・ロックを融合させた唯一無二のスタイルは、本作でも揺らぎはありません。ギターとともにアンサンブルをリードするフルートは特筆で、イアン・アンダーソンばりのアグレッシヴに躍動する激しいプレイから、静謐なパートでの南米らしい詩情を帯びたリリカルなプレイまでまさに変幻自在。よりフォルクローレ色が前に出たナンバーでは、フルートに加えチャランゴ(5コース10弦の小型弦楽器)やカホン(上に座って叩く箱状の打楽器)などアンデス地方の民族楽器を中心とする味わい深いアンサンブルが登場、切々としたスペイン語ヴォーカルと相まって、とめどない郷愁が溢れ出してきて実に感動的です。母国の伝統音楽と現在進行系のプログレッシヴなサウンドを絶妙に取り合わせる手腕はさらに磨かれている印象。傑作です。

  • ALAN REED / HONEY ON THE RAZORS EDGE

    ABEL GUNZやPALLASなどのバンドで活躍したヴォーカリストによる17年作、ピーガブ系統の存在感あるヴォーカルが相変わらず素晴らしい歌ものシンフォニック・ロックの逸品、PALLASのkey奏者Mike Stobbie、PENDRAGONのドラマーScott Higham、Steve Hackettらが参加

    スコットランド出身、ネオ・プログレ・バンドABEL GUNZやPALLASなどのバンドで活躍したヴォーカリストによる17年作。参加メンバーが特筆で、同じく元PALLAのkey奏者Mike Stobbie、Steve Hackett、MAGENTAの女性Vo=Christina Booth、PENDRAGONのドラマーScott Higham、そしてフランスの新鋭LAZULIで自作楽器LEODEを操るClaude Leonettiという充実のメンツが揃っています。ピーター・ガブリエルに耽美な艶っぽさを加えたようなReedのヴォーカルは相変わらずの素晴らしさで、存在感あるヴォーカルを存分に生かした抜けの良い歌ものシンフォニック・ロックを構築。演奏陣も素晴らしく、多彩にトーンを変化させ彩りをもたらすシンセを筆頭に、オルガン、クラヴィネット、メロトロンなどの鍵盤群を自在に駆使するStobbieのキーボードワークは特に見事です。ハケットは94年作『Blues With A Feeling』などでも聴かせている巧みなハーモニカ演奏を披露。透明度が高く豊かな広がりを持つシンフォニック・サウンドに乗って、伸び伸びと歌声を響かせる彼の姿が浮かび上がってくるような感動の快作に仕上がっています。

  • SKY ARCHITECT / NOMAD

    オランダ出身、マルチ・ミュージシャンとして活躍するCHRISが本職のドラマーとして在籍する5人組テクニカル・プログレ・バンド、17年作

    オランダ出身、マルチ・ミュージシャンとして活躍するCHRISが本職のドラマーとして在籍する5人組テクニカル・プログレ・バンドの17年作。ギターアルペジオやピアノが彩るメランコリックで少しミステリアスなメロディのヴォーカルパートと、ギターとシンセを軸にゴリゴリと熱量高く展開する変拍子アンサンブルで構築された、演奏強度の高いモダン・プログレを聴かせます。最終曲では威勢のいいダイナミックなアンサンブルが繰り広げられたかと思いきや、終盤不意に現れるフリューゲルホルンがもたらす哀愁たっぷりの展開がまたいいです。CHRISのドラムは手数や技巧よりも印象的なリズムパターンの構築などに才能を見せています。快作!

  • EYESBERG / MASQUERADE

    70年代末から80年代はじめに活動した幻のジャーマン・シンフォ・バンド16年作2nd、ジェネシス憧憬のサウンドに現代的な要素をセンス良く組み合わせた力作、18分に及ぶ大作を収録!

    70年代末から80年代はじめに活動しながらアルバムを残さなかった幻のジャーマン・シンフォ・グループ、およそ30年越しとなった14年デビュー作に続く16年作2nd。ザクザクとパワフルにリフを刻むメタリックなギターが存在感抜群なオープニング・ナンバーにプログレ・メタルになったかと思いきや、2曲目からはS.ハケット調のデリケートなトーンで丹念にメロディを紡ぐギターと壮麗に溢れ出す輝かしいシンセサイザーが織りなす、ジェネシス風のシンフォニック・ロックに着地。フィル・コリンズに似る鼻にかかった温かな歌声のヴォーカルもその印象を強くします。目玉である18分の大作は、「現代版サパーズ・レディ」と言うと流石に大げさですが、初〜中期ジェネシスにモダン・プログレの重厚感とエレクトロ要素を散りばめたような聴き応え抜群の一曲。中盤の静謐なパートでソロを取るリリシズム溢れるフルートも素晴らしい表現力です。ジェネシス憧憬のサウンドに現代的な要素をセンス良く組み合わせた力作。

  • POROTTA / ENTONCES

    アルゼンチンの新鋭プログレ・グループによる16年作2nd、80年代のシンセポップやネオアコといったサウンドを下敷きとする胸キュンなサウンドに驚く一枚!

    2人のキーボード奏者を含む5人編成、アルゼンチンの新鋭プログレ・グループによる16年作2nd。このバンドかなりユニークで、80年代のシンセポップやネオアコといったサウンドが下敷きにしているのが特徴。シンプルながら軽快な心地よさを持つリズムに乗って、爽やかなギターカッティング、多彩なトーンで彩りを添えるムーグシンセらが活躍する、大変懐かしいサウンドが繰り広げられています。音質こそ今風ですが、洗練された感じはあまりなくて意図的に80年代的な野暮ったいプログラミングやシンセサウンドをフィーチャーしているのがまた良く、たおやかでメロウな南米エッセンスといい具合に溶け合っていて聴き心地は抜群。優しげなスペイン語のヴォーカルもマッチしています。このシンセポップ/ネオアコという目の付けどころと再現度の高さは見事。世代の人にとってはかなり胸キュンなサウンドを楽しませてくれる好作品です。

  • KEEP ROCKIN’ / SCREAMING OUT YOUR NAME

    2人のギタリストとキーボードを含むポーランドの6人組バンド17年作2nd、DT影響下のプログレ・メタル調とポーランドらしいメランコリックなメロディアス・ロックを融合させた力作

    08年結成、2人のギタリストとキーボードを含むポーランドの6人組バンド、17年作2nd。左右のチャンネルに配されたダブルギターがザクザクとメタリックなリフを刻み、ジョン・ペトルーシ影響下の壮絶な速弾きソロも聴かせるDREAM THEATER系タイプのヘヴィなアンサンブルに、ポーランドらしい物悲しいメランコリックなメロディーと朗々とした声質の中に翳りを秘めた男性ヴォーカルが乗ります。ダブルギターを軸としたメタリックなパートの演奏強度は抜群ですが、一方キーボードは幻想的なタッチが得意のようで、デリケートな音運びで美しく鳴らすピアノ、シンフォ然とした叙情的に溢れ出すシンセを主としたプレイでギターと鮮やかな対比を生み出します。ギターがグッと抑えた表情で鳴らされるナンバーでは、実にポーランドらしいウェットで情緒たっぷりのメロディアス・ロックをしっとりと聴かせてくれるのも印象的です。ダブルギターがメインな分全体的な音像はヘヴィなのですが、ヴォーカルを主役に叙情的に聴かせる曲も多く、決してプログレ・メタルにはなってしまわないバランス感覚は特筆。DT影響下のサウンドとポーランド出身バンドであることを感じさせるメランコリックなメロディアスさを融合させた力作。ポーランド語バージョンと英語バージョンを収録!

  • KNEI / JUVENTUD DE LA GRAN CIUDAD

    アルゼンチン出身、トニー・アイオミばりのヘヴィなギターワークとざらついたヴィンテージ質感が強烈な、サバスタイプのハード・ロック・トリオ、17年作

    アルゼンチン出身、ギタートリオ編成の新鋭ハード・ロック・バンド、17年作。トニー・アイオミばりの引きずるような重いギターワークが強烈な、初期ブラック・サバスへのリスペクトを感じさせる重量級ブルース・ハード・ロック。2017年の録音とは思えないほどに、70年代特有のざらついた質感を見事に再現したヴィンテージ感覚に驚かされます。ギタリストによるスペイン語ヴォーカルもややヘタウマな感じですが勢いがあってグッド。

  • RESISTOR / UNDERGROUND

    現在SAMURAI OF PROGのメンバーとしても活躍するギター/ヴァイオリン/フルート奏者Steve Unruhを中心とする米プログレッシヴ・ロック・バンド、ダブルギターを主体に展開する屈折感あるエキセントリックなプログレッシヴ・ロック!

    現在SAMURAI OF PROGのメンバーとしても活躍するギター/ヴァイオリン/フルート奏者Steve Unruhを中心とする米プログレッシヴ・ロック・バンド、17年作。彼を含め2人のギタリストを擁しており、左右のチャンネルに振られたダブルギターがクランチ気味なトーンでザクザクと変拍子リフを刻み、米プログレならではのエキセントリックなメロディを歌うヴォーカルが乗る、独特の屈折感が魅力のプログレッシヴ・ロックを鳴らします。随所でスリリングに切り込んでくるヴァイオリンが、ギター主体のヘヴィなサウンドの中で鮮やかに立ち上がってくるのも聴きどころ。ジェスロ・タルのファンというSteve Unruhですが、それがうかがえるトラッド色のあるサウンドを自身によるイアン・アンダーソンばりの熱いフルートがリードする展開やマーティン・バレをヘヴィにしたようなギタープレイがあったりと、タルを始めとする70年代プログレへのリスペクトがそこかしこに聴き取れるのも嬉しいところ。それにしても、3つの楽器をこれほどの高いレベルで操るSteve Unruhのマルチ奏者としての才能は驚くべきものがあります。以前よりアメリカの中でも相当な個性派バンドでしたが、本作でも孤高の音楽性は健在。快作です。

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