プログレッシヴ・ロックの中古CD豊富!プログレ、世界のニッチ&ディープな60s/70sロック専門ネットCDショップ!

プログレ、60s/70sロックCDのネット通販/買取

24時間以内発送(土・日・祝は翌営業日)、6,000円以上送料無料

ヨーロピアン・ロック・フェスティヴァル VOL.2@東京国際フォーラム(4/26)ライヴレポート

4月26日、東京国際フォーラムにて開催された「ヨーロピアン・ロック・フェスティヴァル VOL.2」を観てまいりました!参加4バンドによる5時間超に及んだステージの模様をお伝えしてまいります!

参加したのはこちらの4バンド。

フラワー・キングス: 前回のフェスでもメイン・アクトを務めた、ロイネ・ストルト率いるグループ。今回が3度目の来日。
カイパ(KAIPA Da Capo):初来日。ロイネ・ストルトが17歳にして結成メンバーとして参加した、北欧プログレ黎明期を担った名バンド。
アトール(Andre Balzer ATOLL): Andre Balzer ATOLL名義では初来日(ギタリストのChristian Beyaを中心とした編成では89年に来日)。マグマと並んでフレンチ・プログレを代表するバンドとして現在でもユーロ・ロック屈指の人気を誇るグループ。
パイナップル・シーフ:初来日。99年結成、00年代以降の英国プログレッシブ・ロック/メロディック・ロック・シーンの中核を担う実力派バンドの一つ。

注目は、カイパとアトールという70年代ユーロ・ロックの中でも最高峰の実力と人気を誇る2バンドのステージ。カイパは2nd「Inget Nytt Under Solen」から、アトールは2nd「L’Araignee-Mal(組曲「夢魔」)」からの楽曲を中心に演奏されることが事前に伝えられており、フェスの目玉として期待していたファンも多かったはず。



フェスが行われたのは3階席まであるCホール。クッションの心地良い座席にゆったりと座り、開演の時を待ちます。

開演時間前に日本のバンドがステージに上がり演奏を始めます。ファンタジー・ロック・オーケストラというグループで、ミュージシャン/コンポーザーとして知られる永井ルイ氏が参加するバンド。美声の女性ヴォーカルを擁したバンドで、声量豊かに歌い上げる歌唱が非常に素晴らしかったです。個人的に日本のバンドをライヴで見る機会は殆ど無いので、その意味でも新鮮でしたね。今年デビューするプログレッシヴ・ポップ・バンドということで、プログレ・ファンにとっては今後の活動に注目したいところではないでしょうか。


そして主催のストレンジ・デイズ岩本さんによる参加バンドの紹介を経て、フェス最初の登場は英国出身の新鋭パイナップル・シーフ。CDで聴く彼らは結成の契機ともなったPORCUPINE TREEの系統に属する音響派プログレ・バンドという印象でしたが、ライヴということもあってか、よりギター・ロック的な、いい意味での荒削り感を持ったサウンドで迫力満点に迫ります。シンフォニック・ロック的な厚みのあるサウンドがもたらす高揚感とはまた違う、ロックの原初的なエネルギーを感じさせるパフォーマンスが圧倒的でした!

そこに時折挿入されるメロトロンシンセがまたセンスがいいんですよね!空間的な音響演出とヴィンテージ・キーボードを用いたキーボードワークは、彼らがプログレ・バンドであるということを思い出させます。

そして要所でフィードバックを効果的に使って演奏をヒートアップさせるフロントマンBruce Soordのカッコいいこと!プログレ的エッセンスを随所に醸しながらも、ロック・バンド本来のタフでパンチの効いたギター・サウンドで勝負する、非常にライヴ映えするパフォーマンスでしたね。フェスの導入として最高に盛り上がる演奏を披露してくれました!


続いてはカイパです。ロイネ・ストルト(g)、イングマール・ベルイマン(ds)、トマス・エリクソン(b)というkey奏者ハンス・ルンデンを除くオリジナルKAIPAの3人に、TFKのメンバーでもあったロイネの弟マイケル・ストルト(vo/g)、マックス・ロレンツ(key)の5人編成で登場!2ndと3rdからのナンバーを演奏してくれましたよ!

と演奏の前にまず目を引くのがロイネの出で立ち。赤地に黄色(?)の柄シャツに真紅のベルボトム、そしてレッドカラーのギターという、普通なら派手だな~!となるファッションなんですが、着こなしは完璧。トレードマークのウェーブのかかったブロンドと相まってそれはもう決まってるんですよね!そう言えば前回のフェスでも濃いピンクのシャツが印象的だったのを覚えています。とにかく御年58歳とはとても信じられません。

静かにギターを構えるロイネ。ボリュームペダルを操りながら丁寧に紡ぎだされる音色は、紛れも無く初期カイパで聴かせてくれた淡く端正な北欧叙情に溢れるあの音色です。初期カイパが蘇った!開始早々感動に打ちひしがれます。

そこにマックス・ロレンツのヴィンテージ感いっぱいのオルガンとシンセの音色が重なると、初期カイパ特有のエレガントかつファンタジックな世界観が会場を包み込みます。至福の時とはまさにこの瞬間のための言葉でしょう。40年近くの歳月を越えて、CDでしか聴いたことがなかったあのサウンドがこうして目の前で演奏されていることをただただ喜ばずにはいられません!

オリジナルどおりにスウェーデン語で力強く歌い上げるマイケルも貫録たっぷりだったし、オリジナル・カイパのリズム隊2人は予想していた以上にパワフルかつ躍動感に溢れるプレイを披露していました。ズンッと響くバスドラの音が現役であることを如実に伝えてくれます。

北欧的な美意識を感じさせるクラシカルで繊細なパートから、イエスばりにドライヴする白熱のインストパートまで、カイパ本来の魅力がたっぷりと詰まったステージを楽しませてくれました~。いやー幸せ!

試聴 Click!


お次はいよいよフラワー・キングスのステージです。前回のフェスでもそのあまりのスケール感とダイナミズムに終始圧倒されたフラキンでしたので、個人的にはカイパやアトール以上に楽しみにしていました。
メンバーは前回来日時と同じで、ロイネ、ハッセ・フレベリ(vo)、トマス・ボディーン(key)、ヨナス・レインゴールド(b)、フェリックス・レーマン(ds)の5人。

登場すると、まずはユニオンジャック柄を大胆にあしらったジャケットを纏うハッセに目を奪われます!赤づくめのロイネもすごいですが、こちらだって50歳。そんな出で立ちといい、長髪を振り乱して歌うロッカー然としたパフォーマンスと言い、2年前のフェスと少しも変わらない姿を見られて嬉しかったですね~。演奏をタイトかつダイナミックに躍動させる、テクニシャンのフェリックス&ヨナスも絶好調。

ボディーンも相変わらずクールな佇まいでオルガンや多彩なシンセの音色を自在に操ってフラキンのサウンドに荘厳な音の厚みを加えていきます。初期のナンバーで使われたハープシコードの音色もたまりませんでした!

13年作「DESOLATION ROSE」からのタイトルナンバーもエッジの効いたロックナンバーでライヴ映えするカッコいい演奏でしたが、個人的には前回フェスで感動的だった12年作「BANKS OF EDEN」からの「RISING THE IMPERIAL」を今回もラストで披露してくれたのが嬉しかった~。クライマックスに向けてひたすらドラマティックに歌い上げるハッセ、ブルース・フィーリングが根底に息づく天上を舞うかのごときエモーショナルなロイネのギター、このコンビネーションはやっぱり「極上」という以外に言葉がありません!

前回のフェス以降も世界中から素晴らしい新鋭バンドによる傑作が数多く登場しましたが、こうして彼らを目の前にすると、やはり彼らこそ現プログレ・シーンの最高峰だと確信できる、そんな堂々たる貫禄と瑞々しい感性をあわせ持つパフォーマンスでした。やっぱり最高ですTFK!

試聴 Click!

試聴 Click!



休憩を挟んで最後に登場したのがアトール。

「他のバンドとは全く違います」という岩本さんの意味深な前振りのあと、メンバーがステージに登場。ギター、フルート/サックス、ダブル・キーボード、ベース、ドラムスという6人による演奏が始まります。メンバーは、まだ二十歳前後のようにも見えるミュージシャンを含んだかなりの若手たち。そこにフロントマンのバルツァがオレンジと黄色の派手な装束を身に纏って登場します。

いやはや度肝を抜かれるとはまさにこのことでしょう!正直なところ全盛期メンバーがバルツァのみのアトールに若干の不安もあったのですが、本格的に演奏が始まると、そんな心配を吹き飛ばすかのごとくメンバーの超絶技巧ぶりが炸裂!特にギタリストは、クリスチャン・ベヤの快速フレーズを忠実に弾きこなしつつもロックンロールなフィーリングを加えたテクニカルかつ伸びやかなプレイが本当に素晴らしかったです!タウンゼントを思わせる風車奏法も決まってましたね~。

さて聴き所は何と言っても2ndアルバムの後半を占める「組曲「夢魔」」の再演。オリジナルよりもシアトリカルな要素をたっぷりと含んだバルツァ渾身のヴォーカル・パフォーマンスが繰り広げられます。組曲の各パートごとに衣装を変えて登場し、持ち前の美声で朗々と歌い上げたかと思うと突如絶叫をあげたり、泣き崩れるようにうずくまったり、寝転がって歌ったりと、体全体でストーリーを表現してみせる彼の姿は何かに取り憑かれたかのような鬼気迫るもので、会場中が息を呑みます。

初期GENESIS、同郷ANGEにも通じるシアトリカル・ロックの真髄を堪能させてもらった思いですね。もともとオリジナルでは決してシアトリカルな要素を押し出したサウンドではなかっただけに、まさに想像だにしていなかったステージだと言えますが、これだけのものを見せられれば拍手を送ることに何のためらいもありません!いや~素晴らしいっ!

後半は3rdアルバムからの楽曲を披露。中でも個人的に「おおっ!」となったのが「TUNNEL pt.1&2」の完全再現!ギターを中心とした最高にスリリングな変拍子アンサンブルは息つく暇もないという表現がピッタリな完成度。そこにバルツァが渾身のシャウトを響かせます。ギターがヒートアップしサックス奏者も饒舌なソロを聴かせ、演奏のテンションが最高潮に達した所で荘厳なコーラスが入って締め。オリジナル通りです!「組曲夢魔」もそうですが、まさか生でこの名曲をこの再現度で聴くことができるとは・・・!と感動もひとしおでした~。「パリは燃えているか」もやってくれましたよ!(もちろん「Tokyo!」の部分で大歓声!)

試聴 Click!

バルツァによる魂の熱唱と超絶アンサンブルとが一体となって、70年代に活躍したアトールというバンドを現在の形で見事に蘇らせていました!原曲を忠実に再現するだけでは決して味わえない、「Andre Balzer ATOLL」だからこそ生み出せるATOLLだったと感じますね。それもあの超絶技巧集団ATOLLをここまで完璧に演奏し切ってしまうメンバーの力量あってこそのもの。カイパもそうですが、発表から40年を経た作品がこれほどのミュージシャンたちによって現代に蘇るというのは本当に貴重なことだと思います。ただただその場に立ち会えたことを感謝せずにはいられません。



16時に開演したフェスですが、終了したのはなんと21時過ぎ!5時間超に及ぶ長丁場のフェスティヴァルとなりましたが、本当あっという間に過ぎてしまった印象でしたね~。時間の経過を感じさせないほどに各バンドのパフォーマンスが素晴らしかったということなのでしょう。それでは、vol.3の開催に期待を込めて!


ヨーロピアン・ロック・フェスティヴァル VOL.2@東京国際フォーラム(4/26)ライヴレポート

【関連記事】

ヨーロピアン・ロック・フェスティヴァル VOL.2@東京国際フォーラム(4/26)ライヴレポート

4月26日、東京国際フォーラムにて開催された「ヨーロピアン・ロック・フェスティヴァル VOL.2」を観てまいりました!参加4バンドによる5時間超に及んだ熱気みなぎるステージの模様をお伝えしてまいります!

FLOWER KINGSの在庫

  • FLOWER KINGS / SPACE REVOLVER

    Roine Stolt率いる人気プログレ・グループ、00年作

  • FLOWER KINGS / RAINMAKER

    Roine Stolt率いる人気シンフォ・グループ、キャッチーさ、ハードさ、ドラマチックさが見事に調和した01年の充実作!

  • FLOWER KINGS / UNFOLD THE FUTURE

    30分と24分の超大作を含む02年作

  • FLOWER KINGS / ADAM AND EVE

    ロイネ・ストルト率いるスウェーデンの人気シンフォ・グループ、04年作

  • FLOWER KINGS / SUM OF NO EVIL

    07年作10thアルバム、フラワー・キングスらしいファンタスティックなアンサンブルに彩られた充実作!

    元カイパのロイネ・ストルト率いる北欧はスウェーデンを代表するプログレッシヴ・ロック・グループ、07年の10thアルバム。ロイネのまるで絵画のようにアーティスティックに紡がれるギター、トマスのヴィンテージな厚みあるシンフォニックなキーボード・ワーク、ハッセのやらかくも伸びやかなヴォーカル。フラワー・キングスらしいファンタスティックな世界が広がる充実な名作。

  • FLOWER KINGS / BANKS OF EDEN

    現プログレッシヴ・ロック界を代表するグループ12年作、北欧シンフォ然とした幻想性が魅力的な傑作

    北欧プログレ界を牽引する重鎮バンドFLOWER KINGSの12年作。今作も北欧らしいひんやりとした叙情を漂わせながらも、時にメロウに時に爽やかに吹き抜ける流麗なメロディが美しい楽曲が揃いますが、それぞれの曲展開の中には新たな要素がいくつも感じ取れます。冒頭の25分超の大曲は、緊張感みなぎる展開というよりは全体にリラックスした印象が強く、各楽器が幻想的に交錯する美的なアンサンブルを楽しめる一曲となっています。その後の6〜7分台の楽曲では、これまでの彼らにはあまりないロック的な骨太さを強調したゴツゴツとしたアンサンブルが聴かれるなど、その音楽性はますます広がってきている印象を受けます。しかしそのすべてがやはりFLOWER KINGS以外ではありえないと思わせる点がこのグループの凄みでしょう。大仰に展開せずじっくりと情感豊かなアンサンブルを聴かせる貫禄たっぷりの充実作となっています。

  • FLOWER KINGS / DESOLATION ROSE

    Roine Stolt率いる北欧の大御所グループ、ダイナミックでエッジの立ったキレのあるアンサンブルが素晴らしい13年作!

    名実ともに現代プログレ・シーンの頂点といえるスウェーデンのプログレッシヴ・ロック・グループ、13年作。北欧シンフォの歴史を一身に背負ったかのような荘厳で重厚な空気を感じさせた前作に比べ、ロイネのギターを筆頭に、エッジの立ったキレのある演奏が全編を覆う、ロック・バンドとしての圧倒的なカッコよさが際立つ一枚。ソリッドで力強いプログレッシヴな演奏をシンフォニックなキーボードが支える演奏に、ロック的な無骨さとシンフォニックな優美さとの絶妙なバランスを感じさせます。優美に広がるキーボードとエモーショナルに歌うギターによるシンフォニックなアンサンブルの中にも、一転リズム隊とギターがソリッドかつヘヴィに突き進む攻めのアンサンブルの中にも、これぞ北欧プログレ!と言うべき凛とした透明感が保たれているのもやはりこのバンドの大きな魅力。Hasse Frobergの堂々たるハスキーヴォイスもFLOWER KINGSにはなくてはならない要素だと実感します。始動から20年近くに及ぶとは思えない若々しいパフォーマンスが素晴らしすぎる新たなる傑作!

  • FLOWER KINGS / WAITING FOR MIRACLES

    現プログレ・シーンの王者と呼ぶべき、ギタリストRoine Stolt率いる人気グループ、6年ぶりとなる19年作!

    ご存じ現プログレ・シーンの王者と呼ぶべき人気グループによる6年ぶりとなる19年作。2015年にキーボードのTomas BodinとドラムのFelix Lehrmannが脱退して以来初のスタジオ作となっており、新メンバーにはZach Kamins(key/g)とMirkko DeMaio(dr)を迎えています。特筆はキーボードの活躍。冒頭からピアノとメロトロンがリリカルに舞うインスト小曲で幕を開けると、力強く溢れ出すヴィンテージ・トーンのオルガンでTFKサウンドに厚みをもたらします。前任者T.BodinよりはKAIPAのkey奏者Hans Lundinに近い柔らかくも芯のあるタッチのプレイが印象的です。メロトロンも随所で北欧プログレらしい透明感を描き出していて、全体のサウンド的にもKAIPA的なファンタスティックさが従来よりも強めかもしれません。もちろんRoineのエモーショナルな入魂ギターを筆頭にスケール大きく展開するTFKらしいスタイルは健在。キーボードのカラーの変化を原動力にして軽やかなファンタジーが全編を覆うさすがの力作です!

  • FLOWER KINGS / ISLANDS

    ギタリストRoine Stolt率いる人気グループ、KAIPAファンにもオススメのドリーミーでファンタジックな2枚組力作!

    ご存じプログレッシヴ・ロック界を代表するギタリストRoine Stolt率いる人気グループ、久々となる2枚組の2020年作。KAIPAのHans Lundinを思わせる柔らかくも芯のあるシンセやオルガンのプレイと、Roineによる歌うように情感豊かなギターがエモーショナルに交歓する、ハードさよりもドリーミーな面を強く感じさせるシンフォニック・ロックを繰り広げます。抜群の安定感でタイトにアンサンブルを支えるリズム隊もいつもながら素晴らしいし、ハスキーながら伸びのある歌声が魅力のHasse Frobergも、熱く歌い上げる力強い歌唱と囁くようにジェントルな歌唱を織り交ぜ、表現力豊かに歌っていてさすがの一言です。S. Hackett周辺で活動するサックス奏者Rob Townshendによるジャジーで軽やかなソプラノ・サックスをフィーチャーしたナンバーも聴き所。ロジャー・ディーンの幻想的なジャケット通りと言える、夢の世界を冒険するようなどこまでもファンタジックなサウンドが胸に迫る作品。KAIPAファンなら是非!

  • FLOWER KINGS / BY ROYAL DECREE

    元KAIPAのレジェンド・ギタリストRoine Stolt率いる人気グループ、随所にエキゾチックなエッセンスを散りばめたサウンドが印象的な22年作。

    元KAIPAのレジェンド・ギタリストRoine Stolt率いる人気グループ、前作に続き2枚組でのリリースとなった22年作。内容的にも前作を引き継ぐ、ハードさよりは北欧プログレ然としたクリアに広がるファンタジックな音楽性を前面に出した、スケール大きく色彩にも富んだサウンドが魅力です。サウンドのカラーを担うのは前々作より加入のキーボーディストZach Kamins。柔らかく広がるシンセ、時にクラシックの素養も感じる流麗なピアノ、劇的に湧き上がるオルガンを自在に駆使するめくるめくキーボードワークは、若手でありながらHans Lundinにも迫ります。そんなファンタスティックなサウンドに触発されるように、Roineもいつもに増して歌うように滑らかに紡ぐクールさとエモーションが入り混じった至上のギタープレイを聴かせてくれており素晴らしい。Hasseは相変わらず「TFKの声」として揺るぎなく歌い上げているし、Jonas ReingoldとMirkko DeMaioによるリズム・セクションながら「雄弁」と表現したいプレイも絶好調です。印象的なのが、ジャケットにも象徴されるパーカッションやアコーディオンによる異国情緒が散りばめられている点で、TFKの持つ色彩感をより豊かに引き出しており本作ならではの魅力となっています。デビューから27年、TFK節とも言える揺るぎない音楽性とまだまだ貪欲に変化を続けようとする探求心が一体となったサウンドに敬服するしかありません。勿論オススメ!

  • FLOWER KINGS / BACK IN THE WORLD OF ADVENTURES

    ロイネ・ストルト率いる北欧の大御所バンド、バンド名義で発表された95年作、ファンタジックすぎる傑作!

    元カイパのギタリスト、ロイネ・ストルトのソロ・プロジェクトとして発表された前作から、ロイネの弟マイケル(ベース)と以後フラワー・キングスのサウンドの中核を担うことになるキーボーディスト、トーマス・ボーディンが加わり、バンド名義となって発表された95年作。後に彼らの持ち味となるハード・エッジな楽曲を含みつつも、カイパを初めとする北欧プログレの伝統を正統的に受け継いだ、ファンタジックに高揚するアンサンブルと陽光降り注ぐような柔らかなメロディラインが最高のコンビネーションで聴かせる極上のシンフォニック・ロックを展開。北欧らしい透明感に満ちたサウンドの中でも、とりわけ随所に登場する煌びやかなアコースティック・ギターの音色が印象的で、幽玄なるキーボードとともに聴き手を幻想の世界へいざなう役割を担います。こうして改めて彼らのサウンドを聴くと、キャッチーかつドラマティックなメロディ・ラインや、キーボード、アコギなどの透明度の高い音使いに、MOON SAFARIなどの後進に与えた影響の大きさを実感します。北欧プログレに望まれるあらゆる要素を一つも残さず持ち合わせた、これぞまさに現代プログレ史上の名作というべき一枚です。

  • FLOWER KINGS / RETROPOLIS

    元KAIPAのギタリストROINE STOLT率いるスウェーデンのシンフォ・バンド、96年の傑作コンセプトアルバム!

    現代北欧プログレを代表するバンドによる96年発表の3rd。ファンタジックで雄大な音の広がりとダイナミズムたっぷりのアンサンブルはデビュー作から変わらず健在ですが、本作ではシンフォニック・ロックというよりはプログレッシヴ・ロック的な骨太さがより強調された演奏が特徴的。シンフォニックで荘厳なシーンとハードタッチなサウンドで突き進むシーンとを巧みに配して劇的に進行していくアンサンブルが見事に決まっています。コンセプト作ならではと言うべき、起伏豊かなドラマ性を湛えたストーリーテリングもまた素晴らしいもので、これこそあらゆるプログレ・ファンに聴いていただきたいと思えるシンフォニック・ロックの傑作です。

  • FLOWER KINGS / FLOWER POWER

    2枚組の長丁場ながら信じられない完成度で一気に聴かせる98年作!

  • FLOWER KINGS / SCANNING THE GREENHOUSE

    北欧シーンを代表するプログレ・グループ、98年リリース、初のベスト盤

「FLOWER KINGSの在庫」をもっと見る

KAIPAの在庫

  • KAIPA / URSKOG

    名実ともに北欧を代表するシンフォニック・ロック・グループ、19分&15分の大作を含む22年14thアルバム!

    名実ともに北欧を代表するシンフォニック・ロック・グループ、5年ぶりに届けられた22年14thアルバム。19分、15分という2つの大作を収録した気合いの入った内容となっています。冒頭の19分のナンバーから早くも感動。Hans Lundinの幽玄なるシンセをバックに、Patrick Lundstromがフレディ・マーキュリーを思わせる力強くも厳かなヴォーカルを響かせるオープニング。次第にシンセが艶やかな色彩を帯び躍動し始めると、それにPer Nilssonが優美で滑らかなギタープレイで応じ、一転リズムを得てダイナミックに演奏が動き出します。この開始3分でKAIPAの揺らぐことのないイマジネーション溢れ出す音世界に惹きこまれること必至。TFKでも活躍するJonas Reingold&新加入でMartin BarreやFROST*の作品に参加するドラマーDarby Toddによる重量感あるタイトなリズム・セクションが、キーボードやギターの天上に浮遊するような幻想的な演奏をしっかり地上に繋ぎとめているのも特筆です。Patrickとの熱いデュエットを中心としつつ、時には持ち前の美声を生かしソロでも歌うAleena Gibsonのパフォーマンスにも注目。そして前作でも感じましたが、Roine Stoltという偉大なる前任者とは全く異なるアプローチで北欧プログレ然としたギターサウンドを確立したPer Nilssonのプレイは特に圧巻の一言で、随所にメタル出自を感じるテクニカルな速弾きを交えつつも決してヘヴィにならず一貫して幻想感たっぷりのデリケートなタッチを保ち続ける演奏は必聴です。もう一つの大作である15分の最終曲はTFKファンに聴いて欲しいスケールいっぱいでエッジも効いた快作。アルバムを出すたびに再結成後の最高作かと思ってしまうクオリティを誇っている2010年代以降のKAIPAですが、今作もそう言ってしまいたい出来栄えの傑作です!

  • KAIPA / KAIPA

    ロイネ・ストルト在籍、北欧を代表するシンフォ・グループ、北欧ならではの澄みわたるシンフォニック・サウンドが素晴らしい75年1st

    北欧ロックを語る上では欠かせないアーティストROINE STOLTが在籍したていたことで知られるスウェーデンのグループ。75年作の1st。CAMELを彷彿させる優美で温かみあるアンサンブルに、北欧らしい透明度の高い音色が加わった、ユーロ・シンフォニック・ロックの名作です。

  • KAIPA / INGET NYTT UNDER SOLEN

    ロイネ・ストルト在籍、北欧を代表するシンフォ・グループ、76年作2nd

    スウェーデンのみならず北欧を代表するシンフォ・グループ、76年2nd。FLOWER KINGSのリーダー、Roine Stoltが在籍することで知られています。本作は、デビュー作での牧歌的なメロディやクラシカルな持ち味はそのままに、冒頭に21分の組曲を配するなど楽曲構成力を発揮した名作です。Roine Stoltによる端正なギター・アルペジオのイントロから、瑞々しい音色を奏でるエレピと情熱的にむせび泣くヴォーカルによる哀愁溢れる導入部。軽やかにリフを刻むベースとオルガンが絡み合い疾走したかと思えば、テンポを落とし、シンセサイザーと泣きのブルース・ギターがユニゾンする雄大且つメロウなパートが湧き上がるなど、終始惹きつけられる構成が素晴らしい。GENESIS、YESを彷彿させるファンタステイックな叙情を堪能出来る名盤です。

  • KAIPA / SOLO

    北欧を代表するシンフォ・グループ、ロイネ・ストルト在籍最後の78年3rd

    スウェーデンを代表する名シンフォ・グループ、Roine Stolt在籍最後の作品となった78年作3rd。前2作で聴かせたクラシカルな格調高さを持ったシンフォニック・ロックと比べ、ジャケットにも表れるより親しみやすいハートウォームなサウンドが主となっています。透明感のある音色を重ね優美な広がりを作り出すキーボード、躍動感とタイトさがバランスするリズム隊、どれも素晴らしいですが、特筆はやはりRoineのギター。のちのTHE FLOWER KINGSに通じるブルージーでエモーショナルな高まりを見せる独自のプレイをすでに披露しており、作品を通じての温もりのあるファンタジックな世界観に対し、叙情的でありながらシリアスで深みもあるギターのタッチが素晴らしい対比を生んでいます。1st、2ndとともに北欧シンフォの最高峰に位置する名作です。

  • KAIPA / HANDER

    スウェーデンを代表するシンフォ・グループ、シンセ・ポップ調の80年作4th

    スウェーデンを代表する名グループによる第4作目。Roine Stolt在籍最後の作品となった3rd『SOLO』から2年後の80年リリースで、世界的なブームとなりつつあったシンセ・ポップ/ニューウェーブからの影響を受け、全編でシンセをフィーチャーしたエレポップなサウンドへと大きく変化しています。とは言え名手Hans Lundinらしい透明感のある繊細なキーボードワークも随所で聴かれ、同時期の数あるエレポップに埋もれない個性として響いているのが印象的です。新加入のギタリストMax Ahmanも特筆で、TOTOなどを彷彿させるAOR風のセンス溢れるプレイで、ポップなサウンドをしっかりと引き締めていてグッド。プログレではなくなりましたが、好盤です。

  • KAIPA / NATTDJURSTID

    スウェーデンを代表する名グループ、ニューウェーブ然とした82年作

    スウェーデンを代表する名グループ、82年リリースの5作目。打ち込みを大幅に導入した80年代然としたニューウェーブ/エレポップ・サウンドを展開。

「KAIPAの在庫」をもっと見る

ATOLLの在庫

  • ATOLL / L’ARAIGNEE MAL

    仏プログレを代表するグループ、仄暗く幻想的な音世界に惹きこまれる大傑作2nd、75年リリース

    構築的な楽曲アレンジ、美しいコーラス・ワーク、そして華やかな音像で「フランスのYES」などと評されている、フレンチ・シンフォニック・ロックを代表するグループの75年2nd。前作での構築的なサウンドはさらに磨きをかけながら、ギタリストChristian Beya、ヴァイオリンのRichard Aubertの新加入が大きくバンドに影響を与え、YESの構築美やジャズ・ロックアンサンブルに加えてKING CRIMSONの屈折したヘヴィネスまで織り交ぜて聴かせています。多少荒さのあった前作から比べると、フランス産らしい耽美な質感も現れており、まさしく彼らの代表作とするにふさわしい名盤です。デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲。

  • ATOLL / TERTIO

    フレンチ・プログレを代表するグループ、前2作に比べキャッチーになった楽曲と緻密なバンド・アンサンブルで聴かせる77年作3rd、名盤!

    構築的な楽曲アレンジ、美しいコーラス・ワーク、そして華やかな音像で「フランスのYES」などと評されている、フレンチ・シンフォニック・ロックを代表するグループの78年3rd。ギターリフが印象的な彼らの人気曲「パリは燃えているか」で幕を開ける本作は、その技巧を武器に、よりタイトな演奏が光る名盤となっており、彼らの作品の中でも最もシンフォニック・プログレッシブ・ロックと呼ぶにふさわしい作品。ジャズ・ロック的なアプローチは楽曲に自然に馴染み、ストリングス・シンセサイザーなどのシンフォニックな彩りで聴かせる作風へと変化しています。

「ATOLLの在庫」をもっと見る

PINEAPPLE THIEFの在庫

「PINEAPPLE THIEFの在庫」をもっと見る

コメントをシェアしよう!

あわせて読みたい記事

中古CD買取案内

カケレコ洋楽ロック支店

新着記事

もっと見る

プロのライター&ミュージシャンによるコラム好評連載中!

文・市川哲史

文・深民淳

文・舩曳将仁

文・netherland dwarf

人気記事ランキング

* RSS FEED

ロック探求特集

図表や代表作品のジュークボックスなどを織り交ぜ、ジャンル毎の魅力に迫ります。