2014年10月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
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こんにちは、カケレコ店長の田中です。
台風一過で透き通るような快晴とともに強風が吹く埼玉県寄居町より本日もお送りしてまいりましょう。
休憩で外に出た時、強い風にあおられ、学生時代の部活の憂鬱さを思い出しました。
軟式庭球(高校の時にソフトテニスに名前が改められました)部だったのですが、強風の時はボールが飛んでいってしまって、どうにもならないのです。
顧問の先生は、強風の日にも試合はあるんだから試合を想定してやれ!なんて言いますが、それは無理というものです。
「早く帰ってギター弾きたいなぁ。」とただただ時間が過ぎ去ることを思いながら、ラケットをギター代わりに抱えてアイアン・メイデンのリフを刻んでいたなぁ。
今日は、ソフトテニス部の子供達は大変だろうなぁ。
さてさて、昨日入荷したCD、売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
プログレ、ロック、ジャズ・ロック、サイケ、ハード・ロック、フォークなどジャンルを横断して世界のロックをカケハしてまいります。
一枚目は、土・日に行われた来日公演の興奮冷めやらないタイ・フォンの最新作をピックアップ。
ライヴ・レポートもあわせて是非、チェックください。
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10月12日に行われたフランスの名バンド、タイ・フォンの来日公演に行ってまいりました。大阪で1回、クラブチッタ川崎で2回の計3日程で行われた彼らの初来日公演。その最終日の模様を、試聴音源を交えてお伝えしてまいります!
これでもかと溢れる美旋律と美声。70年代の名作たちと変わらぬ甘美でファンタスティックなタイ・フォンのなんと2013年作!
台風一過の秋の青空を見て思い出したのが、この新譜。売れてますよ~。
ずばり「ピンク・フロイドのメランコリーと音響感覚 meets ジェネシスの幻想美」。モダンな音響センスを持ったSSWのバックを、ヴィンテージなプログレ新鋭バンドがサポートして幻想美を加えた、というようなスウェーデン新鋭、2014年デビュー作!
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90年代以降にプログレ新鋭シーンが盛り上がり、00年代に入っても注目の作品が続々とリリースされています。その勢い衰えず、次々と優れたプログレ新譜が届く2014年。入荷した注目作をピックアップいたしましょう。
お次は、久々に再入荷したエストニアのジャズ・ロック新鋭バンドの出世作となった2010年作をご紹介。このバンドを激レコメンドですよ~。
まさか00年代にエストニアに、ソフト・マシーンやハットフィールドのDNAを継ぐカンタベリーなグループが生まれるとは・・・。
硬質さとリリシズム、それを包むエストニアならではの透明感。絶品です。
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バルト海に面する旧ソ連はエストニアの人気新鋭バンドPHLOXの作品が再入荷しましたので、ピックアップ!
カンタベリーのファンにおすすめの00年以降にリリースされたジャズ・ロックつながりで、インドネシアの作品をセレクト。
そこから世界のジャズ・ロックを何枚かピックアップしてご紹介いたしましょう。
パット・メセニーや北欧のロイネ・ストルトに比肩する色彩感覚と映像喚起力を持ったギタリストをなんとインドネシアで発見!カンタベリーのファンも一聴是非!
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NHK-FMの『プログレ三昧』でDISCUSが取り上げられ、プログレ・ファンにとって注目すべきエリアとなったインドネシア。DISCUSにも勝るとも劣らない硬派かつイマジネーション溢れるジャズ・ロック/プログレの名作が続々と届いておりますので、ピックアップ!
ずばり現代版PICCHIO DAL POZZO!暴走するドラム、縦横無尽に暴れ回るサックス、熱いヴォーカル、テンションみなぎるピアノ、Rフリップに真っ向勝負なギター。もの凄いテンション!
PICCHIO DAL POZZOに通じるサウンドを持つ現代の作品をもう一枚ピックアップしましょう。
イタリアのPICCHIO DAL POZZOにフランス的なエレガンスをプラスした感じ?アヴァンギャルドな展開の中に尋常ではない美しさが詰まった、現代チェンバー・ジャズ・ロックの傑作!
本家PICCHO DAL POZZOを未聴の方はこちらの記事でチェック&試聴是非。
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イタリアが誇るカンタベリー・スタイルのジャズ・ロック・バンドPICCHIO DAL POZZOの76年デビュー作『PICCIO DAL POZZO』をピックアップ!
フランスでジャズ・ロックで言えば、マグマ直系のZEUHL(ズール)系バンドも要チェックですね。
知名度ではだい~ぶ劣るけど、ZAOにも負けないテクニカルかつ暗黒の超絶ジャズ・ロックを聴かせる名グループ!
マグマ?ズール系?というみなさまはこちらの記事をチェックください。
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マグマに魅せられたZEUHL(ズール)系の新旧作品をリリースするフランスのSOLEIL ZEHULレーベルのカタログから注目の作品をピックアップ。
「ユーロ・ジャズ・ロック」のカテゴリーで現在人気度ナンバー1に君臨しているのがこの作品。
スペインはバルセロナのジャズ・ロックはどの作品もおすすめですよ~。
「なに?ジョン・マクラフリン?スペインにオレがいることを忘れてもらっちゃ困るぜ。」レビュワー5人が満点評価のスパニッシュ・ジャズ・ロック最高峰!
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スペインを代表するジャズ・ロック・バンド、ICEBERGが76年にリリースした2nd『COSES NOSTRES』をピックアップ!
バルセロナから地中海を東へと向かってイスラエルへ。この地も地中海のたおやかな香りに包まれたリリカル&マジカルなジャズ・ロックの宝庫。
その最高峰と言える作品がこちら。
グレッグ・レイクが発見したのが、P.F.M.じゃなくて、こっちだったら、勢力図は変わっていたかも?
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SHESHETやKTZAT ACHERET(NO NAMES)をはじめ、ジャズをベースにした洗練された演奏と巧みなポップ・センスがブレンドしたまばゆい音楽の宝庫、イスラエルを大特集!
ここまでユーロのジャズ・ロックを何枚かピックアップしてまいりました。
お次は、ユーロのニッチなフォーキー・ロック&ポップを2枚、セレクトいたしましょう。
『ラバー・ソウル』や『ブロンド・オン・ブロンド』などフォーク・ロックに、ガレージ・フレイヴァーやアシッド・フレイヴァーを振りかけたような作品を70年代初期のスイスに発見。
英米フォーク・ロックのファンにカケレコがおすすめしているのが、スウェーデンのMNWレーベルの作品たち。
その中でも一番人気なのがこのグループで、言うなれば「ザ・バンド meets 北欧ダンス・ミュージック!?」
パブ・ロックやRCA時代のキンクスあたりのファンは必ずや切なさに胸を締め付けられる逸品ですよ~。
MNWレーベルの作品を中心に北欧の70年代ロックをセレクトした記事はこちら。
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ビートルズをはじめとしたブリティッシュ・ポップの影響を軸に、ザ・バンドなどルーツ色あるアメリカン・ロックも取り込みつつ、北欧伝統の舞踏曲のエッセンスも盛り込んだ、痛快かつ哀愁いっぱいの北欧ロック作品をセレクト!
ラストは、秋にぴったりの英フォーク・ロックで締めくくりましょう。
マニアックな英SSWだけど、アーニー・グレアムが好きならイチコロだろうなぁ。Henry McCulloughも参加してるし、スワンピーで枯れた演奏もたまらん。
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英米ロックファン注目のリイシューレーベル韓国のBIG PINKより新譜が届きましたのでご紹介!
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
またお会いいたしましょう。
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聴かなくなったプログレ&オールド・ロックのCDがございましたら、カケレコを是非ご検討ください。
1枚1枚、専任スタッフが丁寧に査定させていただきます。
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エストニアのジャズ・ロック・グループ、2010年の4thアルバム。手数多くシャープでアグレッシヴなリズム隊、流麗なフェンダー・ローズ、たおやかに飛翔するサックス!リズム隊の硬質さとエレピや管楽器のしなやかさとのバランスが絶妙。カンタベリー・ミュージックの遺伝子を受け継ぐ正統派グループ!これは素晴らしい作品です。ジャズ・ロックのファンにはかなりオススメ!痺れますよ。
イスラエルではかなり名の知れたミュージシャンでありコンポーザーの3人、Shlomo Gronich(イスラエルのアラン・ソレンティとして有名!)、Shem Tov Levy(SHESHETのフルート奏者!)、Shlomo Ydov(2010年現在でも活躍を続ける名SSW)によるスーパー・トリオ。イスラエル・プログレのNo.1グループとして知られていて、75年リリースの唯一作である本作は、SHESHETの唯一作と並んで人気の傑作。軽やかな変拍子によりめくるめく展開するアンサンブルと巧みなコーラス・ワークはGENTLE GIANTばり!地中海の空気が感じられる詩情豊かなパートも魅力的で、フルート、弦楽器、エレピ、アコギ爪弾きがタペストリーのように丁寧に重なり、美しいメロディを包み込むアンサンブルは、P.F.M.に比肩しています。GENTLE GIANTやCAMELなどブリティッシュ・プログレのファンからP.F.M.などイタリアン・ロックのファンの皆さま!ずばりこの作品は聴かなきゃ損です!素晴らしすぎる逸品!
スペイン出身のジャズ・ロック・グループ。77年作の3rd。前作で完成したテクニカル・ジャズ・ロックに暴力性を加えたヘヴィな演奏が印象的。高速フレーズを正確無比というよりゴリゴリとアグレッシヴに弾き倒すギターは存在感抜群。2ndとあわせて、スペイン・ジャズ・ロックの最高峰
スウェーデン出身、Key奏者を含む4人組バンド、2014年のデビュー作。ゆったりとメランコリックに奏でられるギターのアルペジオと北欧らしい透明感のあるリリカルなピアノ、そして、包み込むように歌う翳りあるヴォーカルとハーモニー。そんなピンク・フロイドに通じる映像喚起的なサウンド・プロダクションと叙情美が印象的なヴォーカル・パートから、インスト・パートでは一気にジェネシス的なヴィンテージな幻想美が溢れ出すのが持ち味で、繊細なタッチでまるでさえずるようなギターのリードと、そこにユニゾンであわせるハモンド・オルガンやムーグ・シンセがハートフルな音像を描きます。美しくクリアなヴォーカルとメロディも特筆で、モダンな音響センスを持ったSSWのバックを、ヴィンテージなプログレ新鋭バンドがサポートして幻想美を加えた、というような感じ。派手さはありませんが、たしかな歌心とアンサンブルのセンスを持った実力派。好盤です。
80年代にはJaco Pastoriusとも活動した仏の名ドラマー&コンポーザー、前作から1年後にリリースされた81年作2nd。元ART ZOYDでソロでも名作を残す名ギタリストのAlain Eckertの他、仏フュージョン・グループST.ERHARTのメンバー(サックス、ベース)が参加。フュージョン・タッチのテクニカルさ&流麗さとマグマ的暗黒さ&野蛮さとが同居したスリリングなサウンドが印象的。タイトかつ引き締まったドラム、ハイポジョションでよく動くフュージョン系のベースによるリズム隊を土台に、マグマ的な男女コーラスとキレのあるホーンセクションが暗黒を描き、弦楽器やヴィヴラフォンやマリンバが近現代クラシック的なエッセンスを注入。そしてそこに高速で切れ込むAlainのギター!ZAOにも負けない超絶ジャズ・ロックを聴かせる名作です。
スイスのビートルズと言われるグループ、LES SEAUTERELLSの中心人物が71年にリリースした1stソロ。『ラバー・ソウル』でのジョン・レノンや『ブロンド・オン・ブロンド』などフォーク・ロック期のディランを彷彿させるフォーク・ロックにちょっとガレージ・フレイヴァーやアシッド・フレイヴァーを振りかけたようなサウンドはたいへん個性的。ひっそりとアコギが爪弾かれる幻想的なアシッド・フォークも魅力です。英米のSSW/フォーク・ロック作品にはない、洗練なのかバタバタなのか分からない、ユーロならではの雑食感が楽しめる好作品です。
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