【ユーロロック周遊日記】イタリアン・ジャズ・ロックの名作 PICCHIO DAL POZZOの76年デビュー作『PICCIO DAL POZZO』

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一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。

本日は、イタリアが誇るカンタベリー・スタイルのジャズ・ロック・バンドPICCHIO DAL POZZOの76年デビュー作『PICCIO DAL POZZO』をピックアップいたしましょう。

PICCHIO DAL POZZOは、あのNEW TROLLSのリーダーVittorio De Scalziの弟のキーボード奏者Aldo De Scalziを中心に、76年にイタリア半島の西側の付け根に位置する港町ジェノヴァで結成されました。

Aldo自身が作ったGROGレーベルより76年にリリースしたデビュー作がここで取り上げる『PICCHIO DAL POZZO』。

ソフト・マシーンやハットフィールド＆ザ・ノースなど英国カンタベリーのバンドに影響を受けた、知的で叙情性豊かなジャズ・ロックが特徴で、ロバート・ワイアットやマイク・オールドフィールドを思わせるどこか夢想的で幻惑的で、精緻なタッチで心象風景を描くスタイルが魅力的です。

では早速、各曲を聴いてみましょう。

まずは、3曲目の「Seppia」。

ファズ・ギターによるミニマルな反復リフ、GONGのように宇宙と交信するかのようなシンセとスキャットが印象的。

そこから一転して、マリンバとフルートのユニゾンによる「静」のパートへ。ニワトリの鳴き声や教会の鐘の音や少年の語りが聞こえてきた後、マイク・オールドフィールドばりにスケール大きく心象風景をスケッチする終盤へと上っていきます。

圧倒的なイメージ喚起で迫る、バンドの代表作。

次は、ハットフィールド的な6曲目「La Floricultura Di Tschincinnata」をピックアップ。

オープニングのギターは、フィル・ミラーそのもの。

ただ、英国的な淡さの代わりにクラシカルな気品が香るのがイタリア的。

後半、全パートがフリーキーに錯綜しながらも、全体的には温かみが通底しているのが印象に残ります。

兄のVittorio De Scalziの他、GROGのレーベル・メイトCELESTEのメンバーがゲスト参加しているのも特筆。

バンドは80年に2ndをリリースした後、いったん解散。

2000年頃再結成し、04年には復活作もリリースします。

ライヴ活動も精力的に行い、00年代を代表するアヴァン/ジャズ・ロック・バンドのYUGENとのコラボ・ライヴ作もリリースしています。76年1st収録曲もビビットに甦っていて注目です。

YUGENは、PICCHIO DAL POZZOやSTORMY SIXのDNAを受け継ぐ注目のグループ。是非、あわせてお聴きください。

YUGENの作品をリリースしているALTROCKレーベルからはアヴァン/ジャズ・ロックの名作が続々とリリースされています。

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