2013年12月20日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: 日々是ロック
こんにちは。
連日の首のコリに悩まされている店長の田中です。
妻に「すまぬ、首にトクホンを貼ってくれ~」とお願いしたら、これはトクホンじゃないでしょ、サロンパスでしょ、と細かいことを言われました。
僕の中では湿布薬を総称して「トクホン」なんだけどなぁ。
ということで、トクホンをちょっと調べてみると、トクホンの発売は昭和8年で、永田徳本という室町時代~江戸時代に活躍した医師からその名を取る、言わずとしれたロングセラー品(どうだ!)。
こんど同じことを妻に言われたら、なになに、永田徳本を知らぬのかね、(ひととおりうんちくを話し)、僕は彼に敬意を表し、すべてトクホンと呼んでいるのだよ、と言ってやることにします。
さてさて、昨日売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
首コリに負けず、プログレ、ロック、ジャズ・ロック、サイケ、ハード・ロック、フォークなどジャンルを横断して世界のロックをカケハしてまいります。
一枚目は、久々に再入荷したスペイン・ジャズ・ロックものを!
全音楽ファンにカケレコがレコメンドする一枚です。
これは痺れました!スペイン・ジャズ・ロックの重鎮たちが72年に産み落とした全曲ビートルズのカバー・アルバム。イージーリスニングな感じは微塵もなく強烈な躍動感とキラメキ!カケレコが自信を持ってオススメします!!
スペインはバルセロナのジャズ・ロック・シーンは、スペイン本国では「ライエターナ・ミュージック」と呼ばれ、人気があるようです。
その辺のアイテムをもっと色々発注したのに、あまり入荷しなかったなぁ。残念。なかなか入荷が安定しないので、在庫があるうちにゲット是非!
ジャズ・ロックが好き?エレピが好き? でしたら、スペインに好グループが居ますよ。エレピが軽やかに優美なメロディを奏でる逸品をどうぞご試聴ください!
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70年代にスペインでおこったロック・ムーヴメント「Musica Laietana ライエターナ・ミュージック」を特集!
韓国はM2Uより、最新リイシュー盤が届きました!韓国は紙ジャケで再発するレーベルがたくさんありますが、M2Uは老舗ですね!
このネルシャツ、カッコいいなぁ、欲しいなぁ、というのは置いておいて、このカナダの夫婦フォーク・ロック・デュオ、ずばりニール・ヤングのファンは必聴ですよ~。イギリスのヘルプ・ユアセルフあたりのファンも是非。
仏MUSEAからリイシューされていましたが、嬉しい紙ジャケでリイシュー!
RIO系のバンドとのメンバーの交流もあり、カンタベリー直系の淡く知的なジャズ・ロックを鳴らすベルギーのグループと言えば、皆さまご存知ですよね!
ウィスパーまじりでそんなにキュートに歌っちゃうの反則っ!終始うっとりしっぱなしのサンシャイン・ソフト・ポップ名作ですね。
英トラッドの大傑作もリイシューされました。昔は、英KISSING SPELLからリイシューされていましたが、長らく廃盤状態でした。年末年始休みに炬燵でじっくり聴いたら最高でしょうね(その頃は首のコリがおさまっていて欲しい^^)。
自主制作とは思えない神々しさ。とにかく男女4人の格調高く荘厳なコーラス・ワークの美しさに尽きますね~。自主制作ブリティッシュ・トラッドの大傑作!
女性SSWのロングセラー作!
女性版ニック・ドレイクと言いたくなるような深遠な佇まいのヴォーカルは、本当に17才!?
M2Uにかわり、韓国を代表する紙ジャケリイシューレーベルとなったBIG PINKの新譜も相変わらず人気です。
LA出身ということで、CSN&Y的三声ハーモニーなど爽やかなカントリー・フレイヴァーを軸にしつつ、スワンピーな渋みもあって、マイナーながら良質な71年作!
来年には、伊シンフォ新鋭のLA MASCHERA DI CERA、HOSTSONATENが来日しますが、YUGEN周辺のアヴァン・プログレ/ジャズ・ロック・フェスにも期待したいですね!
イタリアが誇る現代チェンバー・ロック最高峰のグループ。レッドゾーンを振り切るテンションみなぎる演奏は、ヘンリー・カウやクリムゾン『太陽と戦慄』にも負けてない・・・。それにしても圧倒的な強度。
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新世代チェンバー/ジャズ・ロック・シーン形成の立役者と言えるYUGENとそのメンバーによるサイドプロジェクトにフォーカス!
クロスオーバー系のテクニカルな作品は、冬にぴったりですよね。
ゲイリー・ボイルとゲイリー・ムーアとの火花散るバトル!英クロスオーバー/フュージョンの気持ち良すぎる名作!
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メインストリームを奪われたジャズ側からのロックへの回答がフュージョン。そこへの、さらなるロック側からの回答を「フュージョン・ロック」と位置づけ特集!
さぁ、カケレコ一押しの旧ユーゴはベオグラード産のプログレも人気ですよ~。
抑制されたエモーショナルなギターはフォルムラ・トレに通じてるし、ハード&ジャジーに畳みかけるところは英パトゥが頭に浮かぶし、この旧ユーゴ産グループ、本格派ぷんぷんで良いです!
ジェスロ・タルばりにフルートが吹き荒れたり、イ・プーもびっくりの美メロバラードを聴かせたり、キャパビリティ・ブラウンばりのニッチ・ポップがあったり、このルーマニアのグループ、良い!
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イエス『危機』を出発点に、テンションいっぱいのアンサンブルとファンタスティックなメロディ&コーラスが素晴らしいプログレを世界中からピックアップ!
ブリティッシュ・ハード・ロックのベストセラー&ロングセラー作品がこちら!
1stのこのオープニング曲、良いよねぇ。僕の自慢のベスト・テープに入れて、みんなに配ったんだけど、びっくりなほど好評だったよ…。ま、いつものことだけどね…ふっふん!とにかく腰抜かさないでよ!
米ルーツへの憧憬とハード・ロック前夜の空気が融合したTRAFFIC周辺の作品もカケレコ一押しです。ブログでの特集も是非チェックください。
SPOOKY TOOTHの前身グループはご存知? アメリカン・ルーツ・ロックへの憧れとサイケデリックな時代の空気が融合したサウンドは、同時代のTRAFFICやSMALL FACESと同傾向のアプローチ!オススメです!
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トラフィックの2ndからスタートし、R&Bフレイヴァーとサイケフィーリングがまじりあう、レイト60s〜70年代初期ならではの世界のロックをピックアップ。
カケレコは、サイケの品揃えにも力を入れていますよ~。
VELVET UNDERGROUND × ITHACAのような、奇跡的な傑作。
ジャケはAORみたいにオシャレだけど、出てくる音はメロウ&フリーキーなサイケ&アシッド・ロック!オハイオ産サイケ・クラシックス!
サイケ・ファンにとって南米チリは特別ですよね。ガレージ系の名盤も多いです。
地下にもぐってエコーにまみれたキンクス!? 67年のチリにこんなガレージ名作が産み落とされていたとは。
ラスト3作は、目の覚めるようなシンフォをピックアップ!
壮麗かつリリカルなギター・ワーク、シャープな変拍子でめまぐるしく切り替わる展開、クリアで伸びやかな女性ヴォーカル!00年代以降の英シンフォを代表するグループによる13年のまばゆい傑作!
スウェーデンのカイパに対するノルウェーからの回答と言える名グループによる渾身の13年作。キャメル直系の叙情と北欧シンフォならではの手工芸品のような温かみが融合に涙。
2011年作のシンフォ新鋭の中でもピカ一の作品。スウェーデン出身、女性ヴォーカルの美声を生かした圧巻のドラマティック・サウンドをご堪能ください☆
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
後にBARCELONA TRACTION〜MUSICA URBANAとスパニッシュ・ジャズ・ロックを代表するグループで活躍する名Key奏者Lucky Guriと70年代初期のスパニッシュ・ジャズ・ロック・シーンを代表するグループMAQUINA!のサックス奏者Peter Roarを中心に、言わずとしれたICEBERGの名ギタリストMax Sunyerや、MAQUINA!のリズム隊が参加したスーパー・グループ。72年作の全曲ビートルズ・カバー・アルバム。もう、このレビュー書きながら、興奮しています!2曲目の「Strawberry Fields Forever」で泣きそうです。イージーリスニングな感じは微塵もなく、サイケ・ポップのカラフル感を残しつつ、ロック的シャープさとオシャレな洗練とが同居した最高にカッコ良くワクワク感溢れるサウンドを聴かせています。シャープでタイトな音色と手数多いフレージングがカッコ良すぎるドラムを中心に、ピアノとサックスが時にどっしりと時に軽やかに躍動し、NUCLEUS時代のChris Speddingを彷彿とさせるセンス溢れるMax Sunyerが脇を固めます。このキラメキが伝わるでしょうか。カケレコが自信を持ってオススメする大傑作!ビートルズ・ファンもサイケ・ポップ・ファンもニッチ・ポップ・ファンもジャズ・ロック・ファンもカンタベリー・ファンも全員必聴!
英ハード・ロック・グループ、73年作の1st。エッジの立ったキレ味抜群のギター、リズミックで叙情性溢れるピアノ、力強いシャウト・ヴォーカル、コシのあるリズム。これは文句なしに格好良いです。ピアノが美しく響く引きの部分から、左チャンネルにギターがテンション溢れるフレーズで切れ込んでくるのを合図に全パートが一体となって畳みかけ、シャウト・ヴォーカルが仁王立つ。鳥肌ものの格好良さ。圧倒的な存在感です。ハード・ロック・ファン必聴の名作。
スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・トリオ、75年作。バンドのリーダーは、Key奏者のLucky Guriで、バルセロナ・ジャズ・ロック・シーンの名手達が集まったビートルズのカヴァー作品(傑作!)に参加したり、後には地中海ジャズ・ロックの名バンドMUSICA URBANAに参加するなど、バルセロナ・シーンを代表するKey奏者。シャープに引き締まったドラム、流麗に動くメロディアスかつグルーヴィーなベースによる安定感抜群のリズム隊を土台に、エレピが地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうメロディを奏でます。色彩感豊かなパーカッションやホイッスルなどによる味付けも地中海フレイヴァーたっぷり。バンドは、スペインはカタルーニャ地方のウッドストック・フェスと言える75年に行われた伝説の「Festival Canet Rock」に参加し、高い評価を得ます。バルセロナ産ジャズ・ロック「MUSICA LAIETANA」シーンを代表する一枚として名高い傑作です。
72年に結成され、80年にデビューしたノルウェーを代表するキャメル系シンフォ・グループ。2002年作以来、11年振りとなる2013年6thアルバム。オープニングから、アンディ・ラティマー直系の太くマイルドなトーンのギターが炸裂!これでもかと伸びやかに美しい旋律を奏でます。優しいアコーディオンの響きや、ツンツンと尖った躍動感あるリズムには、北欧トラッド/舞踏音楽の幻想性がにじみ、北欧シンフォならではの手工芸品のようなサウンドに心温まります。伸びやかで力強い歌声を聴かせるのは、元MAGIC PIEで、近年のケン・ヘンズレーのバンドにも参加するヴォーカリストEirikur Hauksson。彼のエモーショナルなヴォーカルが映像喚起的なサウンドをより劇的に演出しています。とにもかくにも、キャメルばりのとめどなく歌心溢れるシンフォニックなパートと、北欧フレイヴァーいっぱいのキレのあるプログレ・ハード的パートとの鮮やかな対比が見事。モダンで明瞭なサウンドにより、一音一音が際立ち、バンドの持つ構築美とそこからこぼれ落ちる叙情とがくっきりと捉えられていることも特筆。スウェーデンのカイパに対するノルウェーからの回答と言える名グループによる、新鋭バンドにも負けないエネルギーのつまった傑作。これはシンフォ・ファン必聴ですよ〜。
SPOOKY TOOTHの前身として知られるグループ。67年唯一作。Mike HarrisonによるR&Bが根っこにあるアーシーなヴォーカルは、Steve Winwwodを彷彿とさせる存在感。Luther Grosvenorのブルージーかつスリリングなギター、霧の向こうから音が立ち上がるようなアグレッシヴかつ混沌としたドラム、テープ逆回転などのサイケデリックなエフェクトも印象的。アメリカン・ルーツ・ロックへの憧れとサイケデリックな時代の空気が融合したサウンドは、同時代のTRAFFICやSMALL FACESと同傾向のアプローチ。それほど有名な作品ではありませんが、数ある67年の名作にも引けを取らない逸品。ジャケットにピンと来たら是非!
カリフォルニアはLA出身のウェストコースト・ロック・バンド。ソフト・ロック・ファンに人気のグループSUNSHINE COMPANY出身のギター/VoのDouglas Markなど4人組。70年デビュー作に続く71年の2nd。CSN&Y直系のフォーク・ロックを聴かせた1stに比べて、スワンプ・ロック寄りになったアンサンブルと、変わらぬ爽やかなハーモニーが柔らかなコントラストを描くサウンドが印象的。軽快にロールするピアノ、タメの効いたタイトなリズム隊の土の香りがするバックに、青空いっぱいに広がっていくような三声ハーモニーとヌケの良いメロディが映えるオープニング・ナンバーから快調。絞りだすようなスワンピーなヴォーカルとPOCO的コーラスが対照的な2曲目も良いです。この作品を最後に解散してしまったのが惜しまれる好グループ。カントリー・ロック、スワンプのファンは是非!
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