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フュージョン・ロック〜フュージョンとロックが反応して生まれた新潮流

フュージョン・ロック特集

フュージョン・ロック潮流図

【序章】フュージョンとロックが反応して生まれた新潮流

  • 皆さん、こんにちは。芹沢聡一郎です。今回、私たちが皆さんにご紹介させて頂くのがこちら、【フュージョン・ロック〜フュージョンとロックが反応して生まれた新潮流】です。
  • 芹沢さん!今回はいつになく異色の特集ですね!?フュージョンでもロックでもない、フュージョン・ロック!新鮮なフレーズですね。そんなジャンル、実際にはありましたっけ?
  • ふふふ。実は、フュージョン・ロックというのは、私が新しく考え出した造語なんだ。ちなみにカケレコくんは、Miles Davisの『BITCHES BREW』が、本場アメリカのモダン・ジャズのフィールドから生まれたジャズ・ロックの先駆的作品だって事、知っていたかな?
  • はい!モチロンです!実は僕、マイルス大好きなんです!でも帝王マイルスって、ハード・バップから始まって常に独自の音楽を切り開きながら、音楽性もドンドン変わってますよね〜。『BITCHES BREW』の流れるようなエレピ、ダイナミックなギター・プレイが特に好きです!
  • ほほう!カケレコくん、なかなか良い耳をしているね!実は、その流れるようなエレピとダイナミックなギター・プレイにこそ、今回のフュージョン・ロックの鍵が隠されているんだよ!では、まずは『BITCHES BREW』から、一曲聴いてみようか。
  • う〜ん、このChick Coreaのエレピ、フェンダー・ローズって言うんでしたっけ。確か元々はアコースティック・ピアノが好きで、最初はマイルスに無理矢理エレピを弾かされてたんですよね〜。でもイヤイヤ弾くうちに・・・。
  • そう、大好きになっちゃった!それで、彼のサウンドのトレード・マークになったんだから、おもしろいよね。ちなみに、このダイナミックなギター・プレイは、John McLaughlin!彼はマイルスから「Jimi Hendrixのように弾くんだ!」としつこく指示されていたようだね。
  • しつこく(笑)。言うこときかないと怖そうですもんねえ、マイルス。あ、だからかあ!ちょっと暴力的なディストーションのかかったギター・サウンドなんかは、Jimi Hendrixそっくり!う〜ん、頑張って真似てたんですねえ〜。
  • で。Chick Coreaの方はこの後、自身のエレピ・サウンドを生かして、彼なりのフリー・ジャズの解釈を提示した『RETURN
    TO FOEVER』を発表するんだ。
  • 流れるようなエレピの他にも、ドラムで参加したブラジル人、Airto Moreiraのサンバのリズムが軽やか!Airtoの奥さん、Flora Purimの透明感のあるフィメール・ヴォーカルも絶妙にマッチしてますよね〜。あ!そういえばなんだか、芹沢さんに教えて貰った、イギリスのHATFIELD & THE NORTHとか、イスラエルのSHESHETとかとも同じ匂いがしますね??
  • ふふふ。カケレコくんの耳もだいぶ鋭くなってきているようだね。【第一章】では、彼らのような「しなやかなエレピを導入したフュージョン・ロック」を紹介して行くよ!
  • 一方その頃、同じくマイルス門下生のJohn McLaughlinは、MAHAVISHNU ORCHESTRAを結成ですか。Jean-Luc Pontyの電気ヴァイオリンと彼のギターは、エレクトリックなサウンド・トークを展開しちゃうんですね!
  • この時、彼らMAHAVISHNU ORCHESTRAとツアーを行なっていたのが、あのJeff Beck。彼は、MAHAVISHNUの高度な作曲方法にインスピレーションを受けて、ブリティッシュ・フュージョン・ロックの名作、『BLOW BY BLOW』を制作するんだ。【第二章】では、「John McLaughlinのダイナミックなギター・サウンドの影響下にあるフュージョン・ロック・バンド」を取り上げてみたよ。
  • で、芹沢さん!Chick CoreaのRETURN TO FOREVERは、いつの間にかバンド名になっちゃって、76年にこの『ROMANTIC WARRIOR / 浪漫の騎士』を発表しますね!
  • そう!Chick Coreaが惚れ込んだ超絶ギタリスト、Al Di Meolaが参加したのを始め、Lenny Whiteのドラム、Stanley Clarkeのベースがお互いの演奏に呼応し合うインタープレイが炸裂した作品だね。これを私は、プログレッシヴ・フュージョンと呼ぼうと思うんだ。猛烈なキメ、変拍子の応酬、4人の個性がぶつかり合った前代未聞の高度なフュージョン・ロックがここに誕生したんだよ!彼等の丁々発止としたプレイに影響を受けたバンド群を、最後の【第三章】で紹介して行くよ。
  • ふむふむ、なるほど!「フュージョン=融合」という名に相応しい、ジャズ、ロックを始め、様々な音楽を貪欲に取り入れて進化したのが「フュージョン・ロック」なんですね!僕もこの大海原に、思いっきりダイヴしてみよっと!それでは、皆さんもご一緒にどうぞ!』

【第一章】Chick coreaのしなやかなエレピ・サウンドを導入した、クールで流麗なフュージョン・ロックの世界

Miles Davisの下で『IN A SILENT WAY』、『BITCHES BREW』のキーボードを担当し、エレクトリック・ジャズ・ロックの黎明期を支えたChick Coreaは、Stanley Clarke、Airto Moreira等を誘い、RETURN TO FOREVERを結成します。

このデビュー作は、Chick Corea名義ではあるものの、実質的にはバンド始動第一作目。ラテン音楽からのエキゾチック・サウンドの影響の下、クールなChickのエレクトリック・ピアノ、Flora Purimの柔らかいフィメール・ヴォーカルがたゆたう心地の良いフュージョン・サウンドは、大西洋を越え英国はカンタベリー派のジャズ・ロック勢にも大きな影響を与える事となります。

中でもRETURN TO FOREVERと同じく、「クールなエレピ&フィメール・ヴォーカル」を中心に据えたHATFIELD & THE NORTHは、その知的でクロスオーヴァーなサウンド構築力では群を抜く名作を残し、当時の欧州ジャズ・ロック・シーンに一石を投じました。ここでは、この「Chick Corea的エレピ・サウンド」が強い印象を残す面々をご紹介。ヨーロッパはもとより、遠く中東イスラエルから南米に至るまで、広い地域に拡がっていった、しなやかなエレピ・サウンドにフォーカスします。

HATFIELD & THE NORTH

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リターン・トゥ・フォーエバーと同じく、「クールなエレピ&フィメール・ヴォーカル」を中心に据えた彼ら。前作より全体的に整理、洗練された世界観をすっきりと聴かせる作風で、クロスオーバー・ジャズ・ロック色を強めた音楽性へと変化。

CAMEL

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キャメル流フュージョン・タッチ作品!?前作までのフュージョン路線を発展させた、フュージョン・キャメルの完成型。バロック調の気品溢れるアンサンブル、ファンタジックな持ち味はそのまま、無重力な浮遊感を感じさせるエレピがたっぷり。

RAGNAROK

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北欧はスウェーデンにも現れた、チック・コリア的エレピ・サウンドが光る作品。1音1音丁寧に紡がれるリリカルなギター、幻想的なフルートも印象的。北欧らしい透明感溢れるリリシズムとクロスオーヴァー風味の流麗なテクニックが光る一枚。

SHESHET

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「クールなエレピ&フィメール・ヴォーカル」という、リターン・トゥ・フォーエバー・タイプが、なんと中東はイスラエル国にも!?チック・コリア的エレピ、フィル・ミラー的ギターと共に、鳴らされるすべての音が活き活きと躍動する名品!

SERU GIRAN

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ロック・アルヘンティーノの巨匠、チャーリー・ガルシアが凄腕ミュージシャンと組んだアルゼンチンを代表するグループの記念すべき1st作!フュージョン・タッチのテクニカルかつ流麗なエレピとバンド演奏が、南米の「詩情」と融合した傑作。

SPINETTA

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セル・ギランと同国のアルゼンチンを代表するミュージシャン/ギタリスト、ルイ・アルベルト・スピネッタによるデビュー作。カンタベリー風味の曲から、超絶クロスオーヴァー・チューンまで、キレ味鋭いスリリングなアンサンブルを聴かせます。

【第二章】John McLaughlinのギター・サウンドに影響を受けた、フュージョン・ロック・バンドの新時代

高らかにジャズ・ロック時代を宣言したMiles Davisの『BITCHES BREW』に参加し、次第に頭角を顕した ギタリストJohn McLaughlin。彼主導の下に結成されたMAHAVISHNU ORCHESTRAは、ジャズのインプロヴィゼーション、インド音楽、クラシック音楽の和声法、ロックのダイナミズムといった異なったフィールドの音楽を、高度なアンサンブルによって融合させ、全く新しい音楽「フュージョン」を創造する事に成功します。

特にJohnによるSLY & THE FAMILY STONEのファンキーなワウ・ギター・サウンド、Jimi Hendrixのディストーション・ギター・サウンドの導入は、Miles Davisをして「far in(奥深い)」と言わしめるほどの高い評価を受けました。

一方、MAHAVISHNU ORCHESTRAとツアーを共にしたJEFF BECKは、曲作りのインスピレーションを彼らから得て、MAHAVISHNUの74年作『APOCALYPSE』をプロデュースしたGeorge Martinの下、『BLOW BY BLOW』を世に放ちます。

こちらでは、フュージョン・ギタリストの革命児、John McLaughlinのギター・サウンドに影響を受けたギタリストを擁するロック・バンドをご紹介。米国から英国、そして欧州各国へも波及した、新たなジャズ/フュージョン・ロック・サウンドの秘密に迫ります。

JEFF BECK

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ジェフ・ベックは、マハヴィシュヌ・オーケストラとツアーを行い、彼らの音楽から曲作りのインスピレーションを得ていたと言います。今作はマハヴィシュヌの『黙示録』をプロデュースした、ジョージ・マーティンを迎えた英ロック勢からの回答。

ZZEBRA

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『ブロウ・バイ・ブロウ』と同年発表のジェフ・ベック参加作品。元オラフティ・アマオが結成したジーブラ!イフのスティーヴ・バード、リフ・ラフのトミー・アイアーが参加した、ファンキーなジャズ・ブラス・ロック!とにかくダンサンブル!

ISOTOPE

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ブライアン・オーガー、キース・ティッペットの作品に名を連ねる英ジャズ・ロック界の名ギタリスト、ゲイリー・ボイル。彼もまたジョン・マクラフリンのギター演奏の影響下にありました。マハヴィシュヌやブランドXと並ぶ名バンド。

SOFT MACHINE

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前作までのフュージョン色をより強めた作品。この圧巻のテクニカル・フュージョン・ロックのサウンドに大きく貢献したのが、アラン・ホールワーズのギター。それもそのはず、ジョン・マクラフリンと彼とはライフタイム時代のバンド仲間!

JUKKA TOLONEN BAND

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タサヴァラン・プレシデンッティ、ウィグワムに在籍し、独自のフィンランド・ジャズ・ロックの礎を築いたユッカ。彼はこの作品の制作前夜に渡英。当時のフュージョン旋風吹き荒れる、英ジャズ・ロック・シーンの影響を感じさせる今作を発表。

ICEBERG

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超絶ギタリスト、マックス・スーニェを擁した、スパニッシュ・ジャズ・ロック。初期クリムゾン、英シンフォの影響を感じさせる彼らですが、手数多く前のめりなリズム隊には、マハヴィシュヌ、リターン・トゥ・フォーエバーの影響が色濃く見え隠れ。

【第三章】壮絶で圧倒的なダイナミズム、第二期RETURN TO FOREVERが到達した、プログレッシヴ・フュージョンの潮流

Chick Coreaのソロ・プロジェクトとして意味合いが強かったRETURN TO FOREVERも、76年に録音された本作で突如ハードなエレクトリック・サウンドへと変貌を遂げます。変拍子に動じることなくタイトなリズムを刻むLenny Whiteのドラム。Stanley Clarkeの超絶にメロディを奏でるベース・ライン。AL Di Meolaの細やかな指さばきによる軽快なカッティング。そしてエレピを始め、色彩豊かなキーボード・サウンドを縦横無尽に操るChick Corea。彼らの「ワザ」が様々な形で絡み合う壮絶で圧倒的なサウンドは、ジャズ、ロック、フュージョンの先にある、壮大な未知の音楽を予感させました。

一方英国では、ジャズ・ロック・バンドBRAND Xが、RTFのサウンドの英国的返答とも言える、『LIVESTOCK』を発表。RTFのラテン・サウンドを一歩推し進めたワールド・ミュージックを導入し、PINK FLOYDが持つプログレッシヴでスペーシーなサウンドとの融合を果たした強烈なフュージョン・ロックを生み出します。

ここでは、BRAND XのようにRTFが提示した新たなフュージョン・ロックの潮流を自分たちの感性において咀嚼し、更なる突然変異的な個性を獲得、進化を遂げた各地のバンドを紹介します。

BRAND X

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卓越した演奏で往年の英ジャズ・ロック・ファンをも唸らせた、英フュージョン・ロック・バンド。リターン・トゥ・フォーエバーが持っていたラテン音楽の要素の変わりにワールド・ミュージックの要素とピンク・フロイドのプログレ感を融合。

MINGO LEWIS

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リターン・トゥ・フォーエバーのギタリスト、アル・ディ・メオラやサンタナの作品にも参加した名パーカッション奏者、76年のソロ作品。しっかりと構築された楽曲、硬質なタッチのテンション溢れるギターに、突き抜ける疾走感が光る必聴盤!

ARTI E MESTIERI

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イタリアの技巧派ジャズ・ロック・バンドもまた、当時メインストリームを席巻したフュージョン・テイストを意識的に導入。ソフト・タッチなエレピの涼感、流麗なユニゾンを生かしたテーマの中、強烈に自己主張する各楽器の存在感はさすが。

AREA

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天才ギリシャ人デメトリオ・ストラトスによる超絶発声と、地中海、中近東風味の旋律が、インプロ感溢れるフュージョンと融合した6thアルバム。アヴァンギャルドな表現とポップな親しみやすさの間を激しく揺動するイタリアン・フュージョン!

IL VOLO

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イタリアを代表するプログレ・バンド、フォルムラトレのアルベルト・ラディウス、ガブリエル・ロレンツィによるテクニカルなグループ。エキゾチックな伊シンフォ・サウンドとフュージョン・サウンドをスリリングなアンサンブルへと昇華。

FERMATA

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スロバキアを代表するグループで、キーボードとギターによる圧倒的にアグレッシヴかつスリリングなバトルが持ち味の彼ら。ブランドXやリターン・トゥ・フォーエヴァーもびっくりな超絶技巧、クラシカルな高速ユニゾンが最高にスリリング!

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