2023年10月23日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
カケレコ・ユーザーの皆さん、こんにちは!
カケレコではスタッフのデスクに挟まれる中央にスピーカーが置かれており、スタッフたちは各々好きなアルバムをBGMに流したり、新入荷アイテムを試聴しながらショップ・レビューを執筆したりしています。
それでは今回も、本日カケレコ事務所で流れているBGMをご紹介していきましょう♪
まずは、カケレコから国内盤もリリースされたアメリカのアヴァン・プログレッシヴ・ロックの新鋭、TROOTです。
米国人ピアニストTim Rootを中心に結成されたプロジェクトで、世界中からミュージシャンが集結。
クラシカルな音楽性にKING CRIMSONをぶつけたような個性的な音楽です。
2枚目は、ボスニアのVAJTA & TESKA INDUSTRIJAのコンピレーション。
マニアックな旧ユーゴスラビアの辺境アイテムです。
楽曲に漂う哀愁がとても魅力的ですね。
3枚目は、なんと韓国から登場したプログレッシヴ・ロック・バンドのデビュー・アルバム。
“韓国のANEKDOTEN”と評されるサウンドで話題になっており、中古盤も頻繁に入荷しています。
これは要チェックでしょう!
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4枚目は、イタリアのキーボーディストALEX CARPANIです。
女性ヴォカリストに加え、サックス奏者やフルート奏者も従えて、イタリアらしいシンフォニック・ロックを作り上げています。
LE ORMEのAldo Tglipietra、Lindsey Boullt、アメリカのバンドHOLDING PATTERNのTony Spada、K2のKen Jaquessら、ゲスト陣も豪華。
ジャケットは、GENESISでおなじみのPaul Whitehead!
5枚目はフィンランドから、JUKKA TOLONENの73年作『SUMMER GAMES』です。
JUKKA TOLONENはTASAVALLAN PRESIDENTTIのリーダーとして知られていますが、ソロ・アーティストとしても優れたスタジオ・アルバムを生み出しています。
澄んだ北欧の空気を味わえる名盤ですね。
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6枚目は、ノルウェーのプログレッシヴ・ロック・グループ、KORNMO。
MORILDやADVENTUREのメンバーによって結成されたグループで、こちらは2017年のデビュー・アルバムです。
派手さことありませんが、ハンドメイドな味わい深さを感じる好盤。
土着的なメロディーの垢抜けなさも、古き良き北欧プログレッシヴ・ロックを感じさせてステキです♪
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7枚目は、スロベニアのジャズ・ロック・グループ、SEPTEMBERのデビュー・アルバムです。
旧ユーゴスラビアの辺境アイテムですが、これが全てのプログレッシヴ・ロック・リスナーにオススメしたい名盤。
ヴァイオリンも入るジャズ・ロックで、とてもハイ・レベルな音楽性です。
8枚目は、77年の大傑作『FORSE LE LUCCIOLE NON SI AMANO PIU』で知られるイタリアのLOCANDA DELLE FATEです。
2018年に発表された『LUCCIOLE PER SEMPRE』は、イタリアン・ロックを愛するファンならば必ず押さえておきたい作品でしょう。
CD+DVDの2枚組でのリリースとなっており、CDには国営放送用に収録されたスタジオ・ライブ音源やPREMIATA FORNERIA MARCONI、FORMULA 3、GENTLE GIANTのカバー曲、2018年時点の編成での新録音源を収録。
DVDには2曲の新曲のMVと、CDにも収められたスタジオ・ライブ本編映像の完全バージョンが収録されています。
2023年現在入手困難作ですので、気になる方はどうぞお早めに!
仏在住のアメリカ人作曲家/ピアニスト、Tim Rootを中心とするアヴァン/ジャズ・ロック・プロジェクト18年作。ADRIAN BELEW POWER TRIOやクリムゾン・プロジェクトへの参加で知られる気鋭の女性ベーシストJulie Slickをはじめ、米国・イタリア・アルゼンチンなど各国から選りすぐりの実力派ミュージシャン10名により制作された作品とのことですが、なるほどこれは驚愕の完成度!R・フリップを思わせる切れ味鋭くヘヴィなギター、シャープ&タイトなリズム隊、チェンバー風味のクラリネットにこれでもかとむせぶサックス…『太陽と戦慄』や『RED』期クリムゾンからの影響を感じさせる、スリリングで強靭なアンサンブル。そこへリーダーのTimによるキメ細かく端正なピアノがクラシカルな色合いを加え、はち切れんばかりにハイテンションながらもどこか洗練された気品の漂うスタイリッシュなサウンドを聴かせています。ラフマニノフなど近現代クラシックを思わせるアヴァンギャルドなパートも披露しつつ、そこから天に抜けるように華麗なヴァイオリンがメロディアスな旋律を奏でるパートへと移り変わっていったりなど、ドラマチックな曲展開も特筆。精緻かつダイナミズムに富んだ演奏で聴き手を惹き込ませる、ハイレベルな傑作です。これは激・カケレコメンド!
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】デジパック仕様、定価2990+税
レーベル管理上の問題により、デジパックに角つぶれ・圧痕がある場合がございます。予めご了承ください。
ギターとキーボードを担当する才人Odd-Roar Bakkenらノルウェーのシンフォ・グループMORILD、ADVENTUREのメンバーを中心に結成されたシンフォ・プロジェクトが、17年にリリースしたデビュー作。穏やかなピアノ、デリケートなタッチでメロディアスに歌うギター、ストリングス・シンセらが静寂の中で美しく鳴らされる、これぞ北欧といった趣の1曲目から素晴らしいです。そんな北欧幻想にウットリしていると、曲間なく2曲目に入りますが、一転してバタバタと忙しないリズム・セクションに乗ってシンセやオルガンらヴィンテージ・キーボード群が躍動する、フランスや東欧あたりのCAMEL影響下マイナー・シンフォを思わせる「いなたい」アンサンブルが走り出ます。シンフォ・ファンなら、このまるで別バンドのような1曲目と2曲目の落差にいきなりやられちゃうでしょう。その後も初期CAMELを思わせる叙情的でイマジネーション溢れる演奏が途切れることなく紡がれていきジワジワと感動をもたらしてくれます。メロトロン(風シンセ?)もたっぷりフィーチャーされていて、アンサンブルを劇的に彩っており見事。北欧らしい静謐な美しさとCAMEL憧憬の「いなたい」シンフォ・サウンドの両方を備えた秀作です。
旧ユーゴ・スロヴェニア出身、70年代後半の5年間活動したジャズ・ロック・バンドによる76年1stアルバム。エレクトリック・ヴァイオリン奏者を擁する6人編成で、骨太かつ東欧らしい哀愁にも溢れた技巧派ジャズ・ロックを繰り広げます。開始早々フリオ・キリコに迫るバカテクドラムとヴァイオリン&ギターのスリリングなユニゾンが飛び出してくるテンション高いオープニングに興奮。母国語のヴォーカルが入るとグッと哀愁が増し、エレピやオルガンも叙情的に鳴り響きます。76年と言うとフュージョンが世界を席巻していた時期ですが、随所でファンキーさは見せつつも終始武骨で緊張感あるアンサンブルは、まさに「ジャズ・ロック」と呼ぶべき音。そんな骨太な演奏の中、エレクトリック・ヴァイオリンがエディ・ジョブソンばりの鮮やかなプレイでソロを取るのが一際印象的で、そこはU.K.を彷彿させます。また熱唱タイプのヴォーカリストの影響か、母国語ながらイタリアン・ロックみたいに聴こえる箇所が多いのも面白いところ。テクニカルながらも絶妙に洗練されてない感じがかえって堪らない好盤です。
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