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<BACK TO THE 1971>第29回:71年11月に誕生した名盤たち!



2021年にカケレコがお届けする特別企画「BACK TO THE 1971」!

今からちょうど50年前、1971年に産み落とされた名盤を取り上げて、その魅力に改めて触れてみようというのがこの企画です。

ビートルズの活躍を中心としてロックに多様な表現が生まれた1960年代が幕を下ろし、60年代の残り香漂う1970年を経て、いよいよ新たな時代へと目を向けた作品が生まれていったのが1971年という時期。

英米ロックの名作はもちろん、欧州各国の重要作品も取り上げて、各作品の誕生日または誕生月に記事をアップしてまいります。

この機会に、ロックが最もまばゆい輝きを放っていた時代の作品達にぜひ注目していただければ幸いです。

それでは皆で、BACK TO THE 1971 !!!

1971年11月に誕生した名盤たち

71年11月は特に前半が名盤ラッシュ。

プログレとハード・ロックの名盤が立て続けにリリースされた凄い2週間となっています。

まずはその口火を切ったハード・ロック作品をご紹介!

NAZARETH/NAZARETH

68年に結成され現在も活動、最古参のハード・ロック・バンドとしてリスペクトを受ける、スコットランド出身の名グループが71年11月4日に発表した記念すべきデビュー・アルバム。

特徴は何と言ってもヴォーカリストDan McCaffertyによる絞り出すような嗄れ声ハイトーン・ヴォーカル。その唱法はかのアクセル・ローズに大きな影響を与えたと云われます。

エネルギッシュかつキレのあるギターを軸にヘヴィにのたうつ重量級アンサンブルも強烈で、ヴォーカルの存在感と合わさった時のサウンドは、レッド・ツェッペリンにも匹敵していると言っていいでしょう。

この後、ディープ・パープルのロジャー・グローヴァーに認められ、彼のプロデュースでアルバムをリリース、知名度を上げていく彼らですが、この1stも時代らしい混沌としたエネルギーが渦巻くブルージーなハード・ロックの逸品です。

試聴 Click!


そしてNAZARETHのデビューから4日後の11月8日、このハード・ロック史上最強のアルバムが世に出ました…!

LED ZEPPELIN / LED ZEPPELIN IV

レッド・ツェッペリンというバンドがそれまで歩んだハード・ロック道の集大成であり、ハード・ロックの一つの完成形を示したと言って間違いない、彼らの4thアルバム。

1stや2ndの流れを継ぐような「ブラック・ドッグ」「ロックン・ロール」などの王道的ハードロック、そして3rdのアコースティック路線を昇華させた荘厳なトラッド・ナンバー「限りなき戦い」。

そして、それらの要素を見事に融合させた奇跡の一曲「天国の階段」で極めつける、本当に非の打ち所の無い作品ですよね。

詳細は個別の特集ページをご覧ください♪


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そんなツェッペリンの名盤がリリースされた3日後、11月11日には彼らに匹敵するモンスター・バンドがこのアルバムをリリース!!

PINK FLOYD / MEDDLE

ブルース・ロック、サイケデリック・ロックの要素を持ったバンドとして歩み出した彼らが、そこに実験的な要素を加えプログレッシヴ・ロック・バンドとして覚醒、その才覚が爆発した重要作『原子心母』に続くスタジオ作としてリリースされた71年6th。

その先鋭性は、なんと言っても彼らを代表する1曲と言える大作「Echoes」によって、すべて物語られていると言っていいでしょう。

2年後に世に出る金字塔『狂気』の高みに至るまでの通過点という見方も可能ながら、そんな位置づけに留まらない凄まじいポテンシャルを秘めた傑作です。

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『おせっかい』リリースの翌日(!)には、この傑作が発表されております!

GENESIS/NURSERY CRYME

ロックに、シアトリカルな表現技法に基づくデリケートな芸術的感性を持ち込んだのがGENESIS。

そんな彼ら独自のサウンド・スタイルが開花したのが本作です。

本作を象徴するオープニング・ナンバー「MUSICAL BOX」は、シアトリカル・ロックの原点にして頂点と言うべき一曲。

聴こえるか聴こえないかという声で呟くヴォーカルの独唱から一気に演奏が雪崩れ込んでくる中盤は、ダイナミックレンジという点で当時随一。クラシックのシンフォニーを取り入れた気品高いエンディングも素晴らしい。

あらゆる点で、とりあえず轟音を鳴らせばOK!という風潮も無きにしも非ずなロックとは対極に位置する姿勢が伝わってくる、71年リリース作品の中でもとりわけ個性的な作品と言うことが出来るでしょう。

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怒涛の名盤ラッシュも一段落かとおもいきや、26日にはこのプログレ超重要作がリリース!

YES / FRAGILE

キーボードに技巧派リック・ウェイクマンが収まり、黄金期メンバーが揃い踏みした71年4thアルバムですね。

その実力を早速まざまざと見せつけてくるのが冒頭の「ROUNDABOUT」。

クラシックギターのイントロから一転ベースがゴリゴリと疾走する瞬間のカタルシス、キャッチーな歌パートとスリリングなインストとのめくるめく展開。超絶技巧満載なのにポップですらあって親しみやすさは抜群という凄すぎるナンバーで、早くも驚愕必至。

高度な演奏力と緻密な構築性が光る、これぞ王道プログレッシヴ・ロック!と言わんばかりのサウンドを聴かせてくれる大名盤!

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11月にはもう一枚、プログレの代表作品がリリースされています。それがこの世紀のライヴ・アルバム!

EL&P/ PICTURES AT AN EXHIBITION

「ロックとクラシックの融合」について語る際に避けては通れないのがムソルグスキー作のピアノ組曲を大胆にアレンジこのライヴ・アルバム。

特にラヴェルによる管弦楽曲へのアレンジ版が良く知られるタイトル曲は、それをキーボード・ロックで強引かつ痛快にねじ伏せたEL&Pの代表曲であり、プログレッシヴ・ロック屈指のナンバー。

クラシックとロックを融合させた音楽性は00年代の現在まで脈々と受け継がれ多くのフォロワーを生んでいますが、その元祖にして完璧なまでの完成度を誇っている傑作です。

いかがだったでしょうか。
なんとクリムゾン以外の5大バンドがアルバムをリリースしていたプログレ大躍進の1か月だったんですね!

勿論それに加えてツェッペリンの歴史的名盤が誕生していることからしても、
ロック・シーンにとって一つのターニングポイントとなったのが71年11月だったと考えていいかもしれません。

1971年12月はいったいどんな名盤が誕生していたのか、来月もどうぞお楽しみに!


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    THE NICEのKeith Emerson、KING CRIMSONのGreg Lake、ATOMIC ROOSTERのCarl Palmerによって結成されたスーパー・グループであり、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロックのトップに位置するバンドのひとつ。ロックではハンディキャップとなるキーボード・トリオ(ギターレス)編成ながら、強烈に歪ませたハモンド・オルガンをドライブさせ、ギター・ロックに匹敵するダイナミックなサウンドを生み出しました。また、クラシック音楽のロック・アレンジや、モーグ・シンセサイザーを導入した先駆的なスタイルが特徴であり、「電気と才能の無駄遣い」という批判をもろともせず世界的な成功を収めました。セカンド・アルバム『タルカス』と同じ1971年にリリースされた『展覧会の絵』は、ムソルグスキー作曲、ラヴェル編曲で知られる組曲「展覧会の絵」にロック・アレンジを施したライブ・アルバム(ニューキャッスル・シティー・ホールでの録音)となっています。スタジオ・アルバムでも彼らのダイナミックな音楽性は十分に伝わりますが、やはりライブ・アルバムはヴォルテージの高さが凄まじく、当時の彼らの勢いを感じさせます。組曲「展覧会の絵」は16曲で構成された作品ですが、EMERSON, LAKE & PALMERは8曲を抜粋し、グループのオリジナル曲を3曲(「賢人」「ブルーズ・ヴァリエイション」「バーバ・ヤーガの呪い」)加えた11曲で再構成しています。また、組曲とは別に、B.BUMBLE & THE STINGERSの「ナットロッカー」のカバーも収録。当時は海賊盤対策を目的にリリースされたという本作ですが、結果的にプログレッシヴ・ロック史に残る名ライブ・アルバムとなりました。

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