2021年6月2日 | カテゴリー:50周年記念連載企画「BACK TO THE 1971」,世界のロック探求ナビ
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今からちょうど50年前、1971年に産み落とされた名盤を取り上げて、その魅力に改めて触れてみようというのがこの企画です。
ビートルズの活躍を中心としてロックに多様な表現が生まれた1960年代が幕を下ろし、60年代の残り香漂う1970年を経て、いよいよ新たな時代へと目を向けた作品が生まれていったのが1971年という時期。
英米ロックの名作はもちろん、欧州各国の重要作品も取り上げて、各作品の誕生日または誕生月に記事をアップしてまいります。
この機会に、ロックが最もまばゆい輝きを放っていた時代の作品達にぜひ注目していただければ幸いです。
それでは皆で、BACK TO THE 1971 !!!
泥沼と化していくベトナム戦争、パキスタンとバングラデシュの間で続く紛争を中心に、依然として世界中が争いの渦中にあった71年5月。
プログレ・シーンの話題としては、この後に取り上げるあの大名盤がリリースされたほかに、ジャパニーズ・プログレを代表するグループ四人囃子が結成されたのが71年5月ということで、わが国のプログレ史にとっても歴史的な月だったということが出来るでしょう。
そんな71年5月に生まれた名盤を見てまいりましょう!
この月は英米ともにびっくりするほどのド名盤がズラリですよ~。
まずはやはり、プログレッシヴ・ロックを代表する一枚と言えるこの名盤ですね!
THE NICEを率いた天才キーボーディストKeith Emerson、KING CRIMSONによる歴史的1stアルバムで名演を残したベーシスト/ヴォーカリストGreg Lake、そしてTHE CRAZY WORLD OF ARTHUR BROWN~ATOMIC ROOSTERなどで活躍していたドラマーCarl Palmer。
そんな才気みなぎる3人によって結成された、プログレッシヴ・ロック界で最初のスーパーグループがEL&Pです。
有名な70年の第3回ワイト島フェスティヴァルのステージで本格的なデビューを飾り、同年11月にリリースしたデビュー作が全英4位/全米18位を記録します。
そして翌71年5月、エマーソンの着想による架空の怪物タルカスを描いた超大作組曲「タルカス」を収録しリリースされたのが、彼らの2ndアルバム『TARKUS』です。
数あるプログレ作品の中でも、日本の音楽シーンに最も影響を与えているアルバムの一つと言ってもいいのが本作。
アルバムについての詳細はこちらの特集記事でお楽しみください♪
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英国の71年Album Of The Yearにも選ばれるなど、プログレッシヴ・ロックの1つのスタイルを築き確立した歴史的な作品です。EMERSON, LAKE & PALMER、改めて彼らの魅力に向き合ってみるのもいいかもしれません。
一方アメリカでは、5月12日にフュージョン・シーンを代表するこのグループがデビュー作を発表しています。
共に60年代にマイルス・デイヴィスのグループで活躍したキーボーディストJoe Zawinulとサックス奏者Wayne Shorterが、エレクトリック・ジャズの金字塔と言える70年作『BITCHES BREW』に参加したのを機に、自分たちのグループの結成を計画。同年にWEATHER REPORTを結成します。
71年5月12日に、デビュー作『WEATHER REPORT』を発表。『BITCHES BREW』が結成の契機になっただけあって、そのサウンドは『BITCHES BREW』が提示したエレクトリック・ジャズ・スタイルを踏襲したものですが、より静謐な表現を取り入れた空間的な音作りが印象的です。
後には超絶ベーシストJaco Pastoriusが加入しフュージョンを代表するグループとなっていく彼らですが、本作はソフト・マシーンなど英国のジャズ・ロック・ファンも楽しめる内容です。
世界最高のメロディメイカーによるこの作品も71年5月リリース!
ビートルズ解散後2作目にあたる、ポールのセルフプロデュース作。
ギタリストのデヴィッド・スピノザやヒュー・マクラッケンなどの一流スタジオ・ミュージシャン、後にウィングスの初代ドラマーになったデニー・シーウェルなどを迎えて録音されています。
シングル・カットされグラミー最優秀アレンジメント賞を獲得した情緒豊かなポップチューン「アンクル・アルバート~ハルセイ提督」、イギリスでシングル・カットされたドラマチックなメロディと構成が光る「バック・シート・オブ・マイ・カー」など、ソロキャリアを代表するナンバーを収録した本作は、5月17日にリリースされ、全英で2週1位、全米2位を記録しました。
当時評論家からの評価は軒並み低かったという事実が信じられないほどに、メロディメイカーとしてのポールの才能が溢れんばかりの名盤ですよね!
ちょうどこんな関連作品がリリースされたましたので、おまけピックアップ。
米気鋭マルチ奏者のFernando PerdomoとWINGSのオリジナル・ドラマーDenny Seiwellが、ポールの『RAM』をフルカバーした21年作!
知る人ぞ知るポール直系SSWのGordon Michaelsや、オリジナルRAMに参加した名手David Spinozzaらを含む総勢100名が参加し、RAM愛溢れる好カバーをこぞって披露していて、こりゃ堪らんですっ!
まだまだ名盤が続きますよ~。アメリカからはソウル史上の最高傑作とも呼び声高いこの作品が21日に発表されました!
ご存じ、モータウンよりリリースされた、ソウル史上の最重要作とも云われる本作。
ベトナム帰還兵だった弟の存在にインスパイアされ込められた反戦へのメッセージやアメリカに蔓延る様々な社会問題について言及した歌詞の内容、そして作品を通じて1曲目で提示されたメインテーマが何度も登場するトータルなアルバム構成によって、シングル主体だったモータウン作品の中でも異彩を放つコンセプト・アルバムとなっています。
爽やかなメロディラインが最高に心地よい冒頭の「WHAT’S GOING ON」、誰もが一度は聴いたことがあるであろうテーマが印象深い「MERCY MERCY ME」など、ブラック・ミュージックという枠組みを超えた普遍的なサウンドはロック・ファンも絶対に聴くべきでしょう!
そして28日には、英ロック・ファンも米ロック・ファンも必聴のこちらの作品が発表されております。
ロッドの出世曲「Maggie May」を収録、全英全米ともに1位を記録する大ヒット・アルバムとなった3rdソロ。
70年代のロッド作品の魅力である、ソウルやカントリーなどアメリカンな要素と、自身のルーツである英国のトラディショナルなフォーク要素を絶妙に融合させたサウンドが楽しめます。
アルバムについての詳細はこちらの特集記事でお楽しみください♪
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THE NICEのKeith Emerson、KING CRIMSONのGreg Lake、ATOMIC ROOSTERのCarl Palmerによって結成されたスーパー・グループであり、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロックのトップに位置するバンドのひとつ。ロックではハンディキャップとなるキーボード・トリオ(ギターレス)編成ながら、強烈に歪ませたハモンド・オルガンをドライブさせ、ギター・ロックに匹敵するダイナミックなサウンドを生み出しました。また、クラシック音楽のロック・アレンジや、モーグ・シンセサイザーを導入した先駆的なスタイルが特徴であり、「電気と才能の無駄遣い」という批判をもろともせず世界的な成功を収めました。1971年にリリースされたセカンド・アルバム『タルカス』は、個性的なアートワークが示すとおり、アルマジロと戦車が合体した架空の生物「タルカス」をテーマにした20分の組曲が収められた名盤。特に組曲冒頭の「噴火」セクションはあまりにも有名で、キーボード・プログレッシヴ・ロックの代表的な楽曲となっています。また、日本ではオーケストラ・バージョンに編曲されたものが大河ドラマのサウンドトラックとして使われたこともありました。火山の中から現れた「タルカス」は地上を破壊、そこにコウモリ(羽)とサソリ(尾)とライオン(体)が合体した「マンティコア」という生物が現れ、「マンティコア」に敗れた「タルカス」は海へと帰っていくというストーリーであり、ジャケット内にはそれぞれのシーンのイラストも描かれています。
全英全米ともに1位。ロッドの名を世界へと知らしめた3rdソロにして一大出世作。71年作。キャリアを代表する大ヒット曲「マギー・メイ」(全英全米1位)、「リーズン・トゥ・ビリーヴ」(全英1位)他、ロン・ウッドとの共作によるタイトル曲、自らのマンドリンをフィーチャーした「マンドリン・ウィンド」など名曲ぞろい。
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