続いては、カタルーニャ州の南部に位置するバレンシア州のバンドに注目しましょう♪
冒頭で新譜もご紹介しましたが、このDRY RIVERはバレンシア州出身なんですよね。最高傑作となったこの3rd、クイーン+ドリーム・シアターをベースに、様式美HRからビッグバンドまでを取り入れる奇想天外センスとスペインらしい情熱で仕上げたサウンドは、とことんエネルギッシュで痛快。聴いていてこんな楽しくてワクワクするプログレって他にないかも!
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セッションミュージシャンとして活動していた彼がリリースした75年1st。トリプル・メロトロンとして昔からユーロ・ロック・ファンに人気の作品ですね。アコースティック・ギターの穏やかなアルペジオに導かれるリリカルなメロディー。そして大河のように雄大に流れゆくメロトロン。ハードなギター、アグレッシヴなムーグ・シンセによる緊張感みなぎるアンサンブルもアルバムに彩りを添えています。
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こちらもメロトロンが印象的なバレンシア産バンドの77年作。メロトロンに加えフルートも躍動するし、イタリアン・ロックばりにヴォーカルは熱唱するし、おまけにメロディは泣きまくり!こんな感動のシンフォが70年代末のスペインでひっそり生まれていたのか・・・。
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この78年の作品、マイナーだしジャケからは想像もできないけど、これが大変に美しくセンチメンタルなシンフォニック・ロックなのです。寄せては返す波のようにしっとりと奏でられるピアノ、一音一音をゆったりと紡ぐメロディアスなギター、そこにユニゾンであわせる陰影たっぷりのキーボードも加わり繊細なサウンドを紡ぎます。一方で軽快なジャズ/フュージョン・ロック曲も織り交ぜていて、センス抜群!
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もちろん首都マドリッドを拠点に活躍したバンドもいます。有力な新旧3バンドをピックアップ!
マルチ奏者CARLOS CARCAMO率いるGRANADAによる75年作2nd。荘厳なメロトロンに彩られた、ジャジーなエッセンスとユーロ・プログレらしいエキゾチシズムがミックスした独特のサウンドが魅力的です。TRIANAらとともに古くからスペインを代表する作品として知られますね。
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「スペインのクリムゾン」の異名を冠するとしたら、間違いなくこのバンドでしょう。荒れ狂うようなフルート、スリリングなヴァイオリン、重厚に響くメロトロン、ヘヴィにのたうつギターらが休むことなくバトルを繰り広げるアグレッシヴな演奏が持ち味で、『宮殿』や『太陽と戦慄』を彷彿させる緊張感あるサウンドで疾走します。シャープなハイトーンで歌い上げるスペイン語ヴォーカルも絶品!
現スペインで間違いなく最高峰と言えるシンフォ・バンド、これまでに増して知的にして深淵なサウンドとなった17年作!本格的なクラシックの素養を持つ女性ピアニストを要とする、初期バンコを彷彿させる構築性、エキゾチックな旋律、そしてラテン気質の熱情が組み合わさったサウンドが極上!
バスク地方の西に接するのがカンタブリア州です。この地にもいいバンドがいくつかいるんですよね~!
これぞスパニッシュ・プログレ・ハード!ウィッシュボーン・アッシュばりの哀愁ツイン・リードをイエスばりのクリアなファンタジーで包み込んだアンサンブルをバックに、イタリアン・ロックばりにヴォーカルが熱く歌い上げちゃう。スペインにこんなムフフンなグループが居たとは!
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左右に配された2本のギターが時に美しくハモリ、時にお互いのリードをぶつけ合う。世界各国に生まれたツイン・リード・ギターの作品を定番からニッチ盤までピックアップ!
こちらは「スペインのFOCUS」という異名を持つグループ!壮大に響き渡るシンセやメロトロンに、泣きのフレーズたっぷりのギター、そして感情豊かに歌い上げるヴォーカル。魂を揺さぶられる情熱と哀愁のシンフォニック・ロックです。
そのカンタブリア州をさらに西に行くと、アストゥリアスがあります。出身バンドはこちら!
アストゥリアス州はヒホンを拠点に活動したのが、この79年唯一作で知られるCRACKです。フルートやピアノをフィーチャーし、スペインらしい情熱とクラシカルな気品、リリカルな叙情性が織り交ざった哀愁あるアンサンブルを聴かせます。隠れたスパニッシュ・シンフォ名作!
最後は、スパニッシュ・プログレでも屈指の知名度と人気を誇るこの作品!
その名の通り、カナリア諸島出身のグループが、スペインが誇る鬼才アレンジャーAlfredo Carrion全面参加のもと制作したスパニッシュ・シンフォの名作。ヴィヴァルディ「四季」をモチーフに描かれる優雅にもエネルギッシュにも自在に展開するコンセプト作で、荘厳なメロトロンをじくにしたキーボード群とリリカルなタッチのギターが絡み合う演奏が素晴らしいんです。クラシックの高い素養をもつA. Carrionが手掛けたからこそのずば抜けた完成度!
スパニッシュ・プログレの魅力を少しばかりでも感じていただけたでしょうか。
アンダルシア・プログレ編、バスク・フォーク編も近日公開予定ですので、どうぞお楽しみに~!
12年デビュー、メンバーほぼ全員がクイーンとドリーム・シアターをフェイバリットに挙げるスペインの新鋭プログレ・バンド、前作より3年ぶりとなった18年作3rd。前2作も素晴らしいアルバムでしたが、この3rd、もうとことんエネルギッシュで痛快。聴いていてこんなに楽しくってワクワクするプログレって他にないかもしれませんっ!ベースとなるのは最も影響を受けているクイーンとドリーム・シアターの合わせ技。そこにシンフォ、ロックン・ロール、様式美ハード・ロック、ビッグ・バンド・ジャズ、フュージョンなどを自在に結合させて、スペイン産らしい情熱的かつダイナミックなプログレに仕立て上げた、エネルギーがぎっちり詰まったサウンドを構築しています。歌い回しにフレディ・マーキュリー愛を感じさせる声量みなぎるスペイン語ヴォーカルとオペラチックな分厚いコーラスがドラマチックに舞い上がるクイーン風のヴォーカル・パートから、ド派手に鳴らすヴィンテージ・トーンのオルガン&クラシカルで可憐なタッチのピアノを操るキーボードが溢れ出し、ギターがテクニカルかつハードエッジに疾走。ギターはメタリックにゴリゴリしてはいるのですが、同時にコシの強いグルーヴ感があり、ロックンロールのノリの良さが先立っているのが特徴。硬質ながら人間味たっぷりに熱く弾き飛ばすプレイ・スタイルがカッコいい!ギターが牽引する強度あるヘヴィ・プログレに突如ゴージャスなビッグ・バンドが絡んできたり、クラシカルな速弾きが炸裂する様式美系ハード・ロックがごく自然に南国風フュージョンに発展したりと、あまりに先の読めない奇想天外なサウンドには軽く目眩が起きそうなほど。その後には一転して美しいメロディが冴え渡る叙情バラードを持ってくるセンスも憎い限りです。前作が彼らの完成形かと思いきや、まだまだ進化するDRY RIVERサウンドを見せつける大傑作!おすすめです!
現スペイン随一と言える名シンフォニック・ロック・バンドによる7作目となる17年作。前12年作『CONCERTO FOR PIANO AND ELECTRIC ENSEMBLE』は世界的な音楽アワード「INDEPENDENT MUSIC AWARDS」を受賞するなどバンドにとって転機となった作品でしたが、5年ぶりとなった今作も前作に匹敵する緻密にして壮大な音世界が待っています。クラシックの確かな素養を背景に持つテクニカルかつ端正な音運びに軽やかなジャズ風のタッチも織り交ぜたしなやかなピアノがまずもって絶品!前作でもサウンドの要を担った女性ピアニストAdriana Plazaの技巧が光ります。そこにスペインらしさを感じさせるエキゾチックな旋律を奏でるフルートと熱くエモーショナルなギターが絡み合って構築されていくサウンドは、初期BANCOを彷彿させる重みとロマンティックさが漂う風格溢れるもの。ここぞという場面で噴き出すアグレッシブなオルガンやメロトロンのプレイにも痺れるし、変拍子満載ながらも抜群の安定感を誇るリズム・セクションも素晴らしい。30分超の組曲をはじめどの曲も細部まで緻密に構築された楽曲と完璧にコントロールされたアンサンブルで隙なく聴かせますが、時にはラテン気質の熱情がたぎる劇的な展開も待っていて、その静的なパートと動的なパートを絶妙に組み合わせたサウンドが大変に魅力的です。今作も期待を裏切らない傑作!
78年作の1stアルバム。荒れ狂うフルート、スリリングなヴァイオリン、重厚なメロトロン、圧倒的にヘヴィなギターが休むことなくバトルを繰り広げるアグレッシヴなプログレッシヴ・ロック。混沌とした中にヴァイオリン&フルートの叙情的なフレーズが立ち上がる瞬間など、押し一辺倒ではない構成力も抜群。スペイン・ロックを代表する傑作。オザンナ「パレポリ」が好みの方は必聴!
キーボーディストVICENTE GUILLOTを中心とするグループ。77年作の1stアルバム。VICENTEが奏でるメロトロン、ストリング・シンセサイザーを中心とする壮大なシンフォニック・ロック作品。静と動のコントラストを生かしたダイナミックな構成、リリシズム溢れるメロディー・ライン、美しいメロディーを感動的に歌い上げるヴォーカルなど、聴き手の心を一瞬で捉える力強さに溢れたサウンド。スパニッシュ・シンフォを代表する傑作。
スペイン東部は地中海に面するバレンシアで結成されたスパニッシュ・シンフォニック・ロック・バンド、78年のデビュー作。一曲目のタイトル・トラックの何と物悲しく美しいこと!寄せては返す波のようにしっとりと奏でられるピアノ、一音一音をゆったりと紡ぐメロディアスなギター、そこにユニゾンであわせる陰影たっぷりのキーボード。ギターの表現力は特筆もので、まるでギターを震わせているような感じ。『ブロウ・バイ・ブロウ』でのジェフ・ベックを彷彿させるヴァイオリン奏法も見事です。ハイ・トーンのセンチメンタルな男性ヴォーカルも胸に迫るし、これは名曲だなぁ。柔らかなトーンのエレピや軽やかに奏でられるギターのアルペジオなど、フュージョン・タッチの歌ものなんか、イスラエルあたりのジャジー&ポップなバンドも彷彿させて素晴らしいし、12分を超えるラストでは、シャープなジャズ/フュージョン・ロックを軽快に聴かせるし、このバンドはグレイト!
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