2023年11月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
カケレコ・ユーザーの皆さん、こんにちは!
カケレコは実店舗を持たない通販のお店ですが、もちろん商品管理用の大きな棚があります。
そんな棚の中から、カケレコ・スタッフが気まぐれにオススメのアルバムをご紹介する「カケレコ中古棚ナビ」。
今回もカケレコ・スタッフと一緒に、2023年9月の中古棚をチェックしていきましょう。
イギリスのプログレ・グループRED BAZARの2020年作。
RED BAZARは、TIGER MOTH TALESのPete Jonesが加入し一気にサウンド・クオリティーがアップしました。
本作は、2008年のデビュー・アルバムをレコーディングし直したアルバムです。
イギリスの女性ミュージシャンAMANDA LEHMANNの2021年作。
Steve Hackettの義妹にあたる人物であり、アルバムにはSteve Hackettのほか、Steve Hackett人脈のNick Magnusらも参加しています。
【関連記事】
スティーヴ・ハケットを特集。70年代〜90年代の作品を一覧した潮流図、芹沢さんとカケレコ君による足跡と作品の解説、名演集、00年代以降の新鋭グループ作への参加作セレクション。
フランスのシンフォニック・ロック・グループSIIILKの2022年作。
SIIILKは、PULSARのギタリストとキーボーディストが中心となって結成されたグループ。
PULSARの傑作に通じる、フランスらしい耽美なシンフォニック・ロックです。
【関連記事】
続々登場する新鋭バンドに負けじとハイクオリティな作品を発表している、70年代に活躍したベテラン・バンド/アーティストたちの作品に注目してまいります☆
ノルウェーのシンフォニック・ロック・グループWOBBLERの2009年作。
WOBBLERの出世作であり、2000年代の北欧プログレッシヴ・ロックを語る上で外せないアルバムのひとつです。
メロトロン含むヴィンテージな音作りと郷土色を持った楽曲はプログレ・ファン必聴ですね。
スウェーデンのサイケデリック・トラッド・グループAGUSAの2018年作。
KEBNEKAISEから影響を受けたというプロフィールからも分かる通り、垢抜けないながらも味わい深いサウンドです。
北欧の土着性を好むプログレ・ファンは押さえておきたいグループ。
【関連記事】
MOON SAFARIを筆頭に、クリムゾンやジェネシスなど往年のプログレ・グループのDNAとともに豊かなメロディ・センスを持ったバンドを続々と輩出しているスウェーデンの00年代以降のプログレ・シーンにフォーカス!
スウェーデンのプログレ・プロジェクトSEA WITHINの2018年作。
THE FLOWER KINGSのギタリストRoine Stoltを中心とする新たなプロジェクトで、ベースにTHE FLOWER KINGSのJonas Reingold、ドラムにはMarco Minnemannを擁します。
さらに、Jon Andersonらビッグ・ネームがゲスト参加しています。
スペインのジャズ・ロック・バンドOCTOBER EQUUSを率いるANGEL ONTALVAと、ロシアのスペース・ロック・バンドVESPEROの連名グループによる2018作。
彼らはライブ・アルバムも含め、複数枚コラボレーション・アルバムを発表しています。
【関連記事】
LITTLE TRAGEDIESとLOST WORLDを双頭に、豊かなクラシック音楽の土壌に根ざしたダイナミックかつ格調高いプログレ・グループが続々と登場しているロシアのプログレ新鋭シーンを特集!
ポーランドのプログレ・グループLIZARDの2013年作。
バンド名からも分かる通り、KING CRIMSONに影響を受けつつ独自のヘヴィー・プログレを展開。
ヴォーカルが入ると一気に東欧の異国情緒に包まれます。
【関連記事】
迫りくる凶暴なアンサンブル、そして叙情美。クリムゾンの遺伝子を受け継いだ90年代以降の新鋭グループを世界中からピックアップ!
ポーランドのプログレ・バンドSEGUEの2018年作。
アルメニア音楽を取り入れた個性的なサウンドを聴かせるORGANIC NOISESのメンバーが立ち上げたプロジェクトです。
ポーランドのプログレ・バンドANAMORの2018年作。
15年ぶりの新作は、ポーランド・シーンの中でもトップを張れる出来栄えです。
ポーランド出身、アルメニアの伝統音楽を取り入れた注目グループORGANIC NOISESのギタリストRobert WierciochとキーボーディストKarolina Wieriochを中心とするプログレ・グループの19年デビュー作。切れ味の鋭さと哀感が同居するフレーズを次々と紡ぎ出すテクニカルなギター、ジャズを基軸にクラシカルな美麗さも織り交ぜて鮮やかに舞うピアノが交錯する、洗練の極致と言いたくなるほどに隙のないインストゥルメンタル・ジャズ・ロックを展開します。ORGANIC NOISESから民族エッセンスを抜き、よりタイトで硬質に再構築したようなアンサンブルのカッコよさと言ったらありません。あまりに技巧的で洗練された演奏に耳が行きますが、ポーランド・プログレの特徴とも言えるPINK FLOYD的なメランコリーと空間的な広がりを持つ音響も随所に散りばめてあり、陰影に富んだ幻想美が立ち上がってくるナンバーも魅力的。ORGANIC NOISESを気に入られた方は勿論、テクニカルなジャズ・ロックのファンには是非聴いてほしい傑作です。
03年に1stアルバム『IMAGINACJE』をリリースしたポーランドのメロディック・シンフォ・グループが、15年を経て放った18年作2nd。母国語によるミステリアスかつ哀愁を感じる女性ヴォーカルとロングトーンを多用しながら止めどなく泣きのフレーズを紡ぐギターを中心に展開される流麗なサウンドは、前作同様に初期QUIDAMを思わせる息を呑むような気品高さに溢れています。厳粛に響きわたるシンセワークにも注目です。ポーランドらしい翳りを帯びたドラマチックなサウンドメイクが光る逸品!
ノルウェーのへヴィーシンフォニックロックバンドの09年2nd。デビュー作ではANGLAGARD、ANEKDOTENの流れを汲みながら徹底した懐古プログレサウンドを作り上げましたが、本作でも基本的な路線は変わらず、北欧ならではの暗鬱な冷たいサウンドメイクを追求しています。このバンドの特徴は、何と言っても大袈裟にメロトロンを取り入れたキーボードサウンドですが、前作以上にメロトロン、そしてソリーナをはじめとする各種ヴィンテージキーボードの使用が顕著であり、加えてリコーダーによるエキゾチックなスパイス、北欧の暗さに深みを与えるフルートなど、ポイントを押さえたサウンドメイクが光ります。また、雰囲気モノの懐古サウンド、といった趣が強かった前作から飛躍的にフレーズやメロディーメイクのセンスが向上していることが大きな成長であり、童謡のようなメロディーとへヴィーなギター、そしてメロトロンが有機的な結びつきを見せ、まさに90年代北欧プログレの名盤を生み出したANGLAGARDの後継者と呼ぶにふさわしいバンドに姿を変えたと言えるでしょう。15分前後の大曲2曲も含めメロトロンの壮絶な暗黒性と冷徹な響きに酔いしれる強力作であり、北欧プログレファンはマストな1枚。
70sフレンチ・シンフォの代表格PULSARのキーボーディストJacques RomanとギタリストGilbert Gandilによって結成されたバンドの22年3rdアルバム。PULSARやラティマー主導による80年代後半以降のCAMELに通じる叙情的ながらもシリアスな手触りを持つサウンドに、実にフレンチ・プログレらしいアーティスティックで夢想的なタッチを加えた、イマジネーション溢れるシンフォニック・ロックに心奪われること必至。「幽玄」というワードがぴったり来る霧の奥から響くように儚げなキーボード、そしてラティマーやS.ロザリーばりにエモーショナルな音運びのエレキ&物悲しいタッチのアコギを折り重ね幻想的に聴かせるギター。そこに温かく味わいある男性ヴォーカルと美声の女性ヴォーカルが繊細に歌を乗せていきます。シンセがメランコリックにたなびくヒンヤリとしたトーンのナンバーは往年のPINK FLOYDも彷彿。CAMELファン、PINK FLOYDファン、そしてPULSAR『Halloween』がお気に入りという方には是非体験して欲しい音世界です。
スペインのRIO系グループ筆頭格OCTOBER EQUUSのギタリストAngel Ontalvaと、ロシアのスペース・ジャズ・ロック・バンドVESPEROがまさかの共演を果たした18年作!まさにVESPERO+OCTOBER EQUUSと言える、
07年に結成された英国のプログレ・グループ、08年デビュー作をリ・レコーディングした2020年リリース作。結成当時はヴォーカル無しの3人組でしたが、16年頃よりCAMELへの参加や自身のプロジェクトTIGER MOTH TALESで知られる奇才・Pete Jonesがシンガー兼マルチ奏者として正式加入。本作はインストゥルメンタル・アルバムで歌の出番はないものの、キーボーディストとして全面貢献しています。硬質で技巧的なギターを活かしたハード・エッジな作風はオリジナル同様。そこへPeteの繊細なタッチの鍵盤楽器が加わることにより、強靭さと幻想的なシンフォニック要素が絡み合った、より奥行きあるサウンドに仕上がっています。
スティーヴ・ハケットのバンドで活躍、ハケットの義妹でもある英女性ギタリスト/シンガー。ハケットやニック・マグナス、ハケット・バンドの仲間も参加した21年ソロ・デビュー作。ハケットやジェネシスの流れを汲むシンフォニックなサウンドに自身の清楚な歌声を乗せる壮麗なプログレ・ナンバーを中心に据えつつ、洒脱さに聴かせるジャジーなナンバーなども織り交ぜて起伏豊かに展開。ハケットは一聴して分かるらしさ満点のギターとハーモニカで彩りを添えます。ハケット譲りのファンタジックさと格調高さが魅力の逸品。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!