2020年11月18日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
キング・クリムゾン『宮殿』をはじめ、数多のプログレ名盤において重要な役割を果たしてきた鍵盤楽器メロトロン。
そんなメロトロンは、70年代プログレの魂を受け継ぐ現代の作品においてももちろん活躍しています。
本日は新鋭の代表格アングラガルドやアネクドテンの名盤を起点に、メロトロンをフィーチャーした必聴の傑作をピックアップ!
言うなれば「澄みきった混沌」。荘厳さと過激さの完全な調和に北欧ならではの清廉な音使い、尋常ではないテンションを放つアンサンブル、そして幽玄のメロトロン・・。北欧ヘヴィー・シンフォの頂に君臨する大傑作!
名作1st以上に凶暴かつメランコリックな95年作2nd。「太陽と戦慄」期クリムゾンに比肩するほどにテンション溢れる鋼鉄のアンサンブルと、対照的にクールで透明感溢れる叙情性。メロトロンも相変わらず全編にフィーチャーされています!
イギリスのグループ、ANGLAGARDのキーボード奏者を迎えて制作された08年作。繊細なメロウネスとFRIPP風の硬質感が共存するギター、溢れ出るメロトロンらによるダイナミックなシンフォニック・ロックは圧巻!KING CRIMSONのファンは是非。
「四季」を描ききった伊プログレ新鋭による傑作をまだ聴いていない!? この「冬」編で聴けるメロトロンとピアノによる「凛」としたサウンドは、並の才能では出せませんよね…。鬼才Fabio Zuffanti、恐るべし。
そんなFabio Zuffanti擁する現伊プログレの雄が7年ぶりにリリースした20年作!オルガン、シンセ、メロトロンがめくるめく怒涛のヘヴィ・シンフォ・サウンドは往年の伊ロック・ファンなら歓喜に悶えること必至。
そんなLA MASCHERA DI CERAやANEKDOTENが出演する、2020年12月19日開催PROG FEST Onlineの特集はこちら!
まるでYESと北欧トラッドが出会ったかのようなサウンドだって!?アネクドテンやアングラガルドを継承する北欧ノルウェーのグループなのですが、この20年作ではどこまでもYES憧憬に満ちた飛翔感あるファンタジックなプログレを展開。でももちろん過去作同様メロトロンもたっぷり入ってますよ~。
最後は今年デビューしたこちらのポーランド新鋭!アネクドテンらも彷彿とさせるダークなアンサンブルを展開しつつ、どこか繊細で憂いを帯びた音像はポーランドならでは。哀愁のメロトロンや気品に満ちたピアノの響きも素晴らしく、ドラマチックで叙情に満ちたインスト・プログレに仕上がっています。これは要チェック!
いかがでしたか?こちらでもまだまだ特集しております。ぜひご覧ください!
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70年代の楽器と見なされている節があるメロトロンですが、プログレにおいては現在も現役バリバリの楽器であることはご存知でしょうか。今回は、そのあたりが実感していただけるメロトロンが溢れまくりの新鋭プログレ作品をご紹介してまいりましょう~。
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迫りくる凶暴なアンサンブル、そして叙情美。クリムゾンの遺伝子を受け継いだ90年代以降の新鋭グループを世界中からピックアップ!
95年の2nd。名作1st以上に凶暴かつメランコリックな傑作。「太陽と戦慄」期クリムゾンに比肩するほどにテンション溢れる鋼鉄のアンサンブルと、対照的にクールで透明感溢れる叙情性。メロトロンも相変わらず全編にフィーチャーされています。それにしてももの凄い切迫感。90年代プログレを代表する作品。デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲。
現ノルウェーを代表するシンフォニック・ロック・グループ、前作より3年ぶりとなった2020年作5th。行進曲のように勇壮なリズム・セクションに乗って、クラシカルなオルガンとシャープなトーンのギターが疾走し、メロトロンと透明感あるコーラスがあふれ出す。この攻撃性と哀愁が入り混じるオープニングで早くも傑作を確信します。特にオルガンは全編で良い音で鳴りまくっていて堪りません。ジョン・アンダーソンを強く意識した高らかでデリケートなヴォーカルが歌う北欧由来の厳かで神秘的なメロディも素晴らしく、これはまるでYESと北欧トラッドが出会ったかのようなサウンドと言えちゃいそうです。YES影響下の飛翔感あるファンタジックな演奏で突き進む2曲目も、温かなアコギとメロトロンが彩るアコースティカルな3曲目も素敵です。ラストもYES調の始まりますが、後半ではANGLAGARDばりの緊張感あるヘヴィ・シンフォになだれ込んでいき、初期の彼らが持っていた暗鬱さが顔を出すのもうれしいところ。これはYESファンやオルガン・ロック好きの方にも聴いて欲しい快作!問答無用のカケレコメンド!
現イタリアン・プログレ・シーンきっての鬼才Fabio Zuffantiが率いる人気グループ、スタジオ作としては7年ぶりとなった2020年作6th。20分超の大作+10分前後の2曲を配した重厚な構成となっています。ヘヴィに唸るベースと硬質なドラムがゴリゴリと突き進み、邪悪さが滲むオルガンがスリリングに疾走する嵐のようなヘヴィ・シンフォにオープニングからいきなり圧倒されます。嵐が過ぎ去ると、雄大に沸き上がるシンセとメロトロンをバックにフルートが切なく美旋律を紡ぐ堂々たる王道イタリアン・ロックへと着地。この冒頭3分間でMUSEOやBANCOなど往年の伊プログレ・ファンなら歓喜に震えること必至!そこから歌い出す雄々しさの中に枯れた味わいを秘めた哀愁のヴォーカルも変わらずの素晴らしさで胸を熱くさせてくれます。シンセ、メロトロン、オルガンが渾然一体となり荘厳に鳴り響く中を、DERILIUMのMartin Griceによるサックスが舞い上がるパートも感動的だなぁ。これはきっと7年間募らせた期待を大きく上回る完成度ですよ。傑作!
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