2020年11月16日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
コロシアム、ソフト・マシーン、ニュークリアスといった名バンドたちがシーンを作り上げ、英国を中心にプログレッシヴ・ロックの重要なスタイルとして認知されてきたジャズ・ロック。
新鋭プログレと言うとシンフォ系のバンドが想像されがちだと思いますが、実は世界各国から素晴らしい新鋭ジャズ・ロック・バンドたちが登場しています。
「世界のロックをつなぐ」をテーマにしているカケレコらしく、世界中から選りすぐっていきましょう。
まずは直近に入荷した注目のジャズ・ロック新鋭からご紹介!
カンタベリー×クリムゾン meets ラテン/アフロの血!?強烈なジャズ・ロック・グループがなんとメキシコから登場…!
MAGMAの暗黒感とロバート・ワイアットの幽玄さに、洒脱でどこか退廃的なビッグバンド・ジャズの要素を加えたようなアンサンブルが格好良すぎ…。2人の女性Vo.によるスキャットが妖艶に絡み合う、一筋縄ではいかない仏ジャズ・ロック新鋭!
スティーヴ・ハケットのバンドで活躍する3人のミュージシャンが、70年代ジャズ・ロック/フュージョンのサウンドを志し結成した新グループ!流麗なギターやサックス、キーボードが時に柔らかく、時にスリリングに絡み合うアンサンブルが絶品です。
アルメニアの伝統音楽とジャズ、ロック、メタルを融合させた「コーカサシアン・エスノ・ジャズ・ロック」!?力強くも粛々とした神秘性漂うサウンドが素晴らしすぎる、堂々の19年デビュー作!
そんなORGANIC NOISESのギタリスト&キーボーディストによるバンドなだけあって、息をのむほどに技巧的で鮮やかな隙のないインストゥルメンタル・ジャズ・ロックを聴かせてくれます。「洗練の極致」と表現したいほどに完成された圧巻の傑作!
異郷の地で鳴らされたカンタベリー・ロック!?フランスらしいうっすらダークで幻想的なタッチに、トルコ人奏者によるエキゾチックなサックスが哀愁を添える、注目のユーロ・ジャズ・ロック!
変拍子満載の複雑なリズムに、フュージョン・タッチの流麗なギター、カンタベリー・フィーリングたっぷりの浮遊感あるエレピやシンセが乗る、パワフルさとしなやかさのバランスが絶妙な新鋭フレンチ・ジャズ・ロック。これは力作!
次は世界各国ジャズ・ロック新鋭の名作をご紹介!
アジアとヨーロッパの境目に位置する国、アルメニアの伝統音楽とジャズ・ロックの融合!?ポーランドの名門クラクフ音楽アカデミーにてクラシックを学ぶと同時に、アルメニアの伝統音楽に魅せられた女性管楽器奏者Zofia Trystulaを中心とするポーランドの5人組。結成以来数々のジャズ・コンペで入賞も果たす彼らの19年デビュー作は、エキゾチック且つどこか粛々とした神秘性を漂わせるアルメニアや東欧の伝統音楽をベースに、ロック、ジャズ、フュージョン、メタル等の要素を自在に組み合わせた圧巻のコーカサシアン・エスノ・ジャズ・ロック!しなやかに躍動するジャジーなピアノに気品溢れるヴァイオリン。ザクザクと重くメタリックなリフを刻むギター、ジャズの素養を感じるタイトでテクニカルなリズム隊、異国情緒漂う旋律を奏でるムーグ…。アコースティカルな要素とヘヴィ/エレクトリックな要素を対比させつつ、そこへZofiaが操るドゥドゥク、ズルナといった民族管楽器や民謡調の抑揚を付けた深遠な女性ヴォーカルが重なり合う、強靭さと神々しさ、優美さとドライヴ感を併せ持ったサウンドは驚くべき完成度!GONGからVESPEROといったスペーシーでエキゾチックなジャズ・ロックのファン、そしてLOST WORLD等ヴァイオリン・プログレのファンには特にレコメンドです!
ポーランド出身、アルメニアの伝統音楽を取り入れた注目グループORGANIC NOISESのギタリストRobert WierciochとキーボーディストKarolina Wieriochを中心とするプログレ・グループの19年デビュー作。切れ味の鋭さと哀感が同居するフレーズを次々と紡ぎ出すテクニカルなギター、ジャズを基軸にクラシカルな美麗さも織り交ぜて鮮やかに舞うピアノが交錯する、洗練の極致と言いたくなるほどに隙のないインストゥルメンタル・ジャズ・ロックを展開します。ORGANIC NOISESから民族エッセンスを抜き、よりタイトで硬質に再構築したようなアンサンブルのカッコよさと言ったらありません。あまりに技巧的で洗練された演奏に耳が行きますが、ポーランド・プログレの特徴とも言えるPINK FLOYD的なメランコリーと空間的な広がりを持つ音響も随所に散りばめてあり、陰影に富んだ幻想美が立ち上がってくるナンバーも魅力的。ORGANIC NOISESを気に入られた方は勿論、テクニカルなジャズ・ロックのファンには是非聴いてほしい傑作です。
これはまた注目のアーティストが現れました!二人の女性ヴォーカリストを擁するフランスの6人組ジャズ・ロック・グループ、20年デビュー作。本人たち曰くロバート・ワイアットやPULPなどのブリティッシュ・ロック/ポップに影響を受けたとのことですが、流石はフランス産なだけあってZEUHL系に通ずる「暗黒感」をビシバシと感じます。さらにギターレスである代わりに、作曲を担当するトロンボーン奏者がサウンドの前面に立っているのも特徴的。1920〜30年代のキャバレー音楽を思わせる退廃的なトロンボーンと妖艶な女性スキャットのユニゾンに始まり、タイトなリズム隊も交えて静謐かつスリリングなジャズ・ロックを繰り広げたかと思えば、後半ではMAGMAやKING CRIMSONばりのレッドゾーン振り切るような強靭&凶悪アンサンブルを繰り広げる1曲目からもう溜息が出るほどカッコイイです。カンタベリー・ロックやMAGMAのファンはもちろん、耽美でゴシックな女性ヴォーカルものが好きな方にもオススメ。
これまたナイスなグループが現れました…!メキシコ出身ジャズ・ロック4人組、スタジオ・アルバムとしては初となる20年作。例えるならば「カンタベリー×クリムゾンmeetsラテン/アフロの血」といった感じ!?アルバム前半はクリムゾン彷彿のヘヴィさやアヴァンギャルドな要素もありつつ、NATIONAL HEALTHを思わせる幽玄な雰囲気も保った比較的穏やかなジャズ・ロック・サウンドが印象的。ところがアルバム後半では急激に激しさが増し、『RED』やヌーヴォ・メタル期クリムゾンの影響色濃いアグレッシヴなギターと共に奔放なラテン・パーカッションが乱れ飛ぶという、かなり強烈なアンサンブルを聴かせます…!クリムゾンおよびジャズ・ロック・ファンは是非ご一聴を!
2013年に結成された、フランスの4人組新鋭ジャズ・ロック・グループによる18年作2nd。変拍子満載の複雑なリズムをシャープに刻むドラムに、伸びのある奔放な音運びが特徴的なベース、70年代的なヴィンテージ感あるトーンで流麗にフレーズを紡ぐフュージョン・タッチのギター、そしてGONGやSOFT MACHINEからの影響を語る通りカンタベリー・フィーリングたっぷりの浮遊感のあるエレピやシンセが舞う、パワフルさとしなやかさのバランスが絶妙なジャズ・ロック。力作です。
スティ−ヴ・ハケットのバンドで共にツアーする中、リハーサルでジャムを繰り広げていたヨナス・レインゴールド(b)、ロブ・タウンゼント(sax)、クレイグ・ブランデル(dr)の3人が70年代のプログレッシヴなジャズ・ロック/フュージョンに触発された複雑かつ技巧的な自由度の高い音楽を目指して結成した新バンド。スティーヴ・ハケット、ロイネ・ストルト、テオ・トラヴィス、トム・ブリスリン、マルコ・ミンネマン等の豪華ゲストを迎えてインタープレイを披露する素晴らしいアルバム!(国内盤帯より)
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