こんにちは。スタッフみなとです。
先日カケレコでシド・バレットの2ndについて話す機会があり、スタッフから「狂気がひしひしと漂っている」「妖しい音空間」「彼岸をユラユラとたゆたっているような感覚」などの言葉が飛び交いました。
発売から50年近く経ってもなお聴く人を引きずり込んでしまう、ただならぬ作品ですよね。
さて今日はそんなシド・バレットから出発して、狂気を孕んだ孤高のアシッド・フォーク・シンガーをピックアップしてまいります。
まずはシド・バレットから。
68年にピンク・フロイドを脱退したシド・バレットが、70年にリリースしたソロ2作目。
デヴィッド・ギルモア(主にベースを担当)とリチャード・ライトが参加し、ギルモアが全面的にプロデュースを受け持っています。
ケヴィン・エアーズ『Joy Of A Toy』とも通じる、牧歌的な親しみやすさの中にストレンジな感性が秘められた、孤高の世界観に惹き込まれる一枚。
英国の南、サリー州で生まれたサイモン・フィン。67年にロンドンに渡り音楽活動を開始。
マーキークラブでアル・スチュアートの前座で歌っていたそうです。70年に『PASS THE DISTANCE』を出した後はシーンから姿を消し、楽曲のあまりの暗さから自殺説まで囁かれたほど。
実際はカナダに移住し、有機農業をやりながら空手を教えていたそうです。2005年に音楽活動に復帰し、作品をリリースしています。
70年作『PASS THE DISTANCE』の特徴は、ギターもボーカルも泥酔しているような、ヘロヘロ・サウンド。
長く聴いていると少し気分が悪くなるのですが、サイモン・フィンの切羽詰まった、ひりひりとした歌心を感じたくて、ついつい再生してしまいます。
さて、次はウェールズ出身のSSWです。
1942年、ウェールズ生まれのMEIC STEVENS。「ウェールズのボブ・ディラン」と評されたり、シド・バレットと並べて語られたりのSSWです。
70年にリリースされた今作のセールスは振るわず、故郷に帰って以後はウェールズ語で作品をリリースしています。
シタールやフルートが揺らめく荒涼としたフォークに引き込まれます。
故郷に帰ってウェールズ語で歌った2ndです。
米イリノイ州出身のSSW。ハーバード大を出て、ギリシャ語、ラテン語、音楽理論、ヨガなどを学び東洋哲学の知識も持っていた天才肌とのこと。米イリノイ州出身のSSW。ハーバード大を出て、ギリシャ語、ラテン語、音楽理論、ヨガなどを学び東洋哲学の知識も持っていた天才肌とのこと。
こちらは76年作。
可愛らしいような、気持ち悪いような、癖になる中性ボーカルと、ポップでブルージーでアシッド・フォーキーな奇天烈サウンドがたまらぬ中毒性です。
米フロリダ州のサイケ・フォーク・バンド。
ダウナーで虚ろなのに、ひたすら気持ち良いサウンドです。惜しくも今年亡くなってしまったトム・ラップのボーカルは、とても優しげです。
米西部はコロラド出身、ジョン・フェイヒーから影響を受けてフィンガーピッキングを磨いたアコースティック・ギタリスト&SSW。
ダウナーでメランコリックなメロディ、沈み込んだような歌唱、鋭利なアコギの音色に痺れます。
いかがでしたでしょうか。少しでもお楽しみいただけたら幸いです。
イギリスの孤高のアシッド・フォーク・シンガー、70年作。彼岸へと向かってユラユラと鳴らされているようなアコギやキーボード、虚ろにつぶやかれるヴォーカル、時折、波長が合ったかのようにハッとする美しいメロディを奏でるエレキ。英アシッド・フォーク屈指の傑作。
ウェールズ出身のシンガー・ソングライター。70年作の1stアルバム。ボブ・ディラン風のフォークが基本ですが、シタールやフルートがアシッド臭漂うクセのあるサウンドも持ち味。全体的に神秘的な雰囲気に溢れた、格調高い名作。
ボーナス・トラック2曲
盤質:傷あり
状態:並
盤に目立つキズあり、圧痕あり、若干ケースツメ跡あり
ウェールズのボブ・ディランとも言われ、シド・バレットに通じるサイケデリックな感覚でも人気のSSW。77年作の3rd。ウェールズ語の独特の語感、たゆたうようにドリーミーなヴォーカル、深い森の奥の奥から聴こえてきそうな神秘的なメロディ、卓越したアコギ・アルペジオ。美しくリリカルな楽曲、アコギをかきむしるアシッド臭いっぱいの楽曲ともにたいへん魅力的。90年代以降のゴーキーズなどのグループへの影響も確かに感じさせる名作です。
ウェールズのボブ・ディランとも言われ、シド・バレットに通じるサイケデリックな感覚でも人気のSSW。79年作の4th。ウェールズ語の独特の語感、たゆたうようにドリーミーなヴォーカル、深い森の奥の奥から聴こえてきそうな神秘的なメロディ、卓越したアコギ・アルペジオ。女性ヴォーカルの参加は一層神秘性を増し、格調高いピアノやサックスなどのアレンジにはリリシズムが溢れています。シンプル&リリカルなアシッド・フォークはもちろん、パブ・ロック的な穏やかでメロウなナンバーもまた魅力的。特に、ささやくような高い歌声がドリーミーなヴォーカルにピアノが美しい旋律で寄り添う静謐な曲が絶品の味わい。前作同様、90年代以降のゴーキーズなどのグループへの影響も確かに感じさせる名作です。
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