2018年12月5日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフみなとです。
ニック・ドレイクのラスト・アルバムとなった72年作『PINK MOON』。
ギターと歌の研ぎ澄まされた音色には、鬼気迫るものがあります。今日はこのアルバムに少しでも通じる、メランコリックで静謐なフォークをカケレコ棚から探してみました。
まず一曲。
♪Know
シンプルの極みです。なぜギターと歌だけでこのような音が出せるのか・・・鳥肌が立ってしまうのは私だけでしょうか。
さてさて、それではカケレコ棚へまいりましょう。
スコットランドの一人の青年によって76年に録音され、翌年にたった50枚のみプレスされた幻のフォーク作品。
穏やかに紡がれるアンサンブルは陽だまりのように暖かくも、同時にどこか寂しげなベースラインや哀愁のあるメロディがたまらなく郷愁を誘います。
今作は彼の幼少期の思い出を反映しているとのこと。なるほど懐かしくも幽玄な雰囲気はまさに子供時代を思い起こしているかのようです。
英国SSW、自主制作アルバム。
多重録音を駆使したサウンドメイキングながらアットホームな温かみが溢れる作品。
煌びやかな12弦ギターらによる浮き世離れした世界へと誘ってくれます。
ウェールズ出身SSW、72年唯一作。
朝もやの中でたゆたうようなアコギ・アルペジオとメロディ。ブルースがベースにありますが、ニック・ドレイクに通じるリリシズムが印象的。
英フォークSSW、81年作。
流れるようなアコギとエレキの掛け合い、くぐもった質感のボーカル。たまらなくメランコリックです。
アメリカに参りましょう。
ロッド・スチュワート『Reason To Believe』の作者としても知られる米SSW、69/71年作。
レナード・コーエンの「Bird On A Wire」カバーです。
アコギとキーボードを中心とした簡素なサウンド、そして寂寥感がにじむ歌唱に、じんときます。
のちに悲劇の死を遂げましたが、作品の輝きは色あせませんね。
米コネチカット州SSW、73年自主制作のアルバム。
優しいアコギのストロークにマンドリンが重なり、掠れたボーカルは悲し気に響きます。
フロリダのSSW、アーサー、69年作。
ロック色の強い今作ですが、合間にハッとするほど静謐なフォークが収録されています。
LAのアシッド・フォーク・デュオの84年作。
エコーのかかったボーカルと脱力気味に奏でられるアコギ、そして次第に被さっていくスティール・ギターの柔らかな響きが、この上なくドリーミーです。
「ニック・ドレイク meets シガーロス」と評されるミャンマー在住のオーストラリア人新鋭SSW、06年作2nd。
簡素で美しいサウンドに、心が洗われます。
今度はフランスです。
仏フォーク・デュオ、71年作。
シンセを効果的に使った鎮魂歌のような響き、たまりません。
いかがでしたでしょうか。お気に召す作品が見つかりましたら幸いです。
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70年作の2ndアルバム。弾き語りとストリングスだけのシンプルなサウンドだった1stに比べ、キーボードやホーンなどによるバラエティに富んだアンサンブルが印象的。曲調も開放的なムードに溢れています。繊細な中にも力強さが感じられる歌声からは作品に対する自信が滲み出ています。楽曲、アンサンブルともに完成度の高い名作。リチャード・トンプソン、ジョン・ケイルなど参加。
抗鬱剤の過剰摂取により74年に26歳という若さで亡くなった孤高のフォーク・シンガー。本作は彼の遺作となってしまった72年発表の3rd。孤独、絶望といった感情が剥き出しのまま音に刻まれた重々しくも清廉な作品。
フランス出身のフォーク・デュオ、71年作。アコースティック・ギターによる弾き語りが中心ですが、素朴な雰囲気はなく、幽玄なメロディー、聖歌隊のような分厚いコーラス、深くエコーのかかったギター・アルペジオ、ロマンティシズム溢れるシンセが重厚に絡むプログレッシヴ・フォーク。美しいです。A面のメロディが特に絶品。
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