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舩曳将仁の「世界のジャケ写から」 第九回 BANCO『CAPOLINEA』(イタリア)


2018年の手帳を買った。世間の人と比べたら、遅いぐらいでしょうか? 手帳は毎年買っているが、いつも丁寧に使い終わったためしがない。2017年の手帳を見返してみると、1月と2月は丁寧な字で書かれているが、3月ごろから乱れはじめ、6月になると、半分以上の予定が書き殴られている。それではダメだと思うのか、夏季休暇の予定があるからか、7月と8月は再び丁寧さを取り戻している。家族と仕事と原稿の締め切りを色分けしたりなんかして、実に手帳らしい。ところが9月に力尽き、10月、11月は目も当てられないありさまだ。

これはノートも同じで、1ページ目は丁寧に書こうと思うんだけど、そのうちページの端に落書きとかしちゃって、気がついたら落書き帳みたいになっていた……なんてことが学生時代にはよくあった。最初の頃の志や意気込みを持続させておくことは至難の業で、だから「初志貫徹」「初心忘るべからず」という言葉があるわけだ。

今回は、その初志貫徹の難しさを伝える例として(?)、イタリアのBANCO『CAPOLINEA』を紹介したい。

BANCOことBANCO DEL MUTUO SOCCORSOは、イタリアン・プログレを代表する存在。ところが、このジャケットです。看板シンガーのジャコモさんが、野原で横になってお昼寝している。いや、野原じゃないぞ。よく見ると、奥に舗装された道路が見える。ということは、公園とかの歩道を少し外れた草の上だろうか。けっこう人が通るところじゃないか? ジャコモさんの後ろにベンチがあるのに、わざわざベンチから転げ落ちるように寝ている。ああ、ジャコモさんの体形ではベンチが小さすぎるのかも? それにしても、木の根元に、赤いシャツ、白いオーバーオールというファッションセンスのかけらもない服装で、しかもスリッパをイイ感じにほうり出して寝ているという。これはもう社会人としてアウトでしょう。

リコルディ・レーベルから発売されたオリジナルはゲートフォールド・ジャケット。では裏ジャケはというと……表ジャケを水平に反転させただけやんか! つまり見開いてみると、二人のお昼寝ジャコモさんが左右に広がって見えるという、ゲートフォールドの特性を全く生かさないジャケットになっている。

『CAPOLINEA』は、内ジャケと内袋のデザインもすごい。内ジャケにはメンバー写真を載せているが、眠たげなジャコモさんをはじめ、誰もが緊張感に欠ける姿で写っている。内袋の写真には、ジャコモさんとプロデューサーのルイジ・マントヴァーニがパスタ(?)を料理しているところが使われている。あの深淵なるBANCOの世界観はいずこへ?!

では、BANCOのジャケットの変遷を紹介していこう。BANCOがBANCO DEL MUTUO SOCCORSOとしてデビューしたのは1972年。デビュー作のジャケットは、共済銀行というバンド名よろしく、貯金箱をかたどった変形ジャケットになっている。貨幣投入口の矢印がついた紙を引っぱると、メンバーの顔写真が出て来るという実に凝りまくったジャケットになっていた。

2作目の『DARWIN!』は、懐中時計をあしらったジャケットで、イマジネーションの広がるイラストが描かれていた。1973年の3作目『LO SONO NATO LIBERO』は、本のように紙が重ねられた変形ジャケットとなっている。まさにイタリアといえる叙情性、緻密かつドラマ性豊かな楽曲構成と、この初期3作は特にプログレ・ファンから評価が高いし、ジャケットへの熱の入れ方もかなりのものがある。


1975年にはイギリスでマンティコアからの配給が決定し、BANCO『BANCO』を発表。1976年には、映画のサントラとして制作された『GAROFANO ROSSO』、宗教的なテーマと向き合った『COME IN UN’ULTIMA CENA』を発表。キリストの磔刑をテーマにした『COME IN UN’ ULTIMA CENA』の見開きジャケットは、モノクロの画面の上に、血とハンカチの赤、ハンマーを持つ手のブレスレットの金だけが色付けされたもので、同作の持つシリアスなテーマを見開きジャケットのキャンバスで表現した傑作となっている。

ここまでジャケットに対するこだわりを見せてきたBANCOだが、やはり初志貫徹は難しいのか、1978年に発表した『…DI TERRA』では、宇宙に浮かぶトマトがドーンとあしらわれたジャケットに。まあYESにもトマト・ジャケがあったし、ユーモアとしては上々の出来か。

それに続く『CANTO DI PRIMAVERA』(1979年)は、茶色の部屋の窓が少し開いているという、ただそれだけのデザイン。20分あったら描けそうなイラストになっている。裏ジャケットは、その窓が少し開いているだけ。だからといって窓の向こうに何か描かれているわけでもなく……。あの初期のジャケットへの凝りようはどこへ行ったのか?

それに続いて発表されたのが、1980年の『CAPOLINEA』となる。初心どころじゃなくて、なんか色々忘れてるんじゃないの?! と言いたくなるジャケットだ。以降のBANCOは、CBSに移籍してアルバムを数枚発表するが、そちらのジャケットも軒並み残念なものとなってしまう。

さて『CAPOLINEA』だ。1979年11月28日と29日にカポリネア・ジャズ・クラブで行われたライヴを収録している。選曲を見ると、初期のプログレ然とした名曲がずらっと並んでいる。1曲目から『COME IN UN’ULTIMA CENA』の名曲「Il Ragno」だ……と思ったら、聴いてびっくり! キーボードの音色がテクノ・ポップみたいだし、ブラスも入っていて、リズムもなんだかファンキー。硬派なプログレ・ファンなら首をかしげてしまうかも。

Il Ragno

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2曲目「Canto Di Primavera」は、79年作のタイトル曲。オリジナルでもコンガなどのパーカッションが鳴っていたが、ここではやたらとコンガが前面に出ている。後からつけくわえたと思しきハンド・クラップもなんだか浮いている。ジャコモさんのヴォーカルは実に熱いのだが。

Canto Di Primavera

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3曲目「750000 Anni Fa…L’Amore」は『DARWIN!』収録曲。こちらはオリジナルに忠実なピアノとジャコモさんの歌で盛り上げ、ライヴならではのダイナミックな演奏で聴かせている。「Capolinea」は本作唯一のアルバム未収録曲。パート1と2に分かれたインストで、かなり軽快なフュージョン曲となっている。アナログ盤のオリジナルでは、パート1がA面ラスト、パート2がB面トップと分断されて収録されていた。

Capolinea(parte 1)

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アルバム後半には、デビュー作収録曲「R.I.P.」、サントラ作のタイトル曲「Garofano Rosso」、ラストは『LO SONO NATO LIBERO』収録曲「NON MI ROMPETE」で締めくくるが、どれもファンキーかつ軽いタッチになっている。

それゆえに辛い評価もされる本作だが、演奏の巧さは十分に味わえるし、彼らの叙情性豊かなメロディ・センスの素晴らしさは、どんなアレンジになっていても、しっかりと伝わってくる。「Il Ragno」や「R.I.P.」をスタジオ盤と聴き比べて、アレンジの違いを楽しんでみてほしい。

時は80年代に突入する時期、さらにジャズ・クラブというシチュエーションだ。BANCOのメンバーたちも肩の力を抜いて、代表曲の数々をポップに、ファンキーにアレンジすることを楽しんでいたのではないだろうか。そう思えば、このジャコモさんのお昼寝ジャケットも、「そんなに難しく考えなくてもいいんじゃない?」というメッセージのあるものに見えてくるから不思議だ。ジャケットも内容も、なんだか憎めない良ライヴ作です。

気ぜわしい年末だからこそ、「そんなにカリカリしてもしょうがないで~」「初志貫徹?うーん、気にしない、気にしない」と、ジャケットのジャコモさんが語りかけてくるBANCO『CAPOLINEA』をオススメしたい。

それでは、また世界のジャケ写からお会いしましょう。



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BANCOの在庫

  • BANCO / QUARANTA

    PROG EXHIBITION 2010出演時のライヴ音源を収録!

  • BANCO / BANCO DEL MUTUO SOCCORSO

    PFMと共にイタリアを代表するグループ、記念すべき72年1st

    Vittorio Nocenzi、Gianni Nocenziを中心に結成され、Francesco Di Giacomoの迫力のある歌声とツイン・キーボードのアンサンブルを個性にイタリアを代表するプログレッシブ・ロックグループへと飛躍。シーンに衝撃を与えP.F.M.に続いて世界デビューを果たしたバンドの72年デビュー作。その内容はオルガンやピアノを中心としたクラシカル且つダイナミックなロック・アンサンブルと、表情豊かなカンツォーネが雑妙に交じり合ったプログレッシブ・ロックであり、イタリア然としたエネルギッシュなサウンドが素晴らしい1枚。デビュー作らしいハードさと勢いを持った傑作です。

  • BANCO / DARWIN !

    72年2nd、爆発的にエネルギッシュ!イタリアン・ロック必殺の傑作!

    Vittorio Nocenzi、Gianni Nocenziを中心に結成され、Francesco Di Giacomoの迫力のある歌声とツイン・キーボードのアンサンブルを個性にイタリアを代表するプログレッシブ・ロックグループへと飛躍。シーンに衝撃を与えP.F.M.に続いて世界デビューを果たしたバンドの73年2nd。前作のハードな音楽性とテンションはさらに高められ、前作以上に複雑に構築された楽曲がカオティックに進行していきます。核となるピアノ、オルガンといったキーボード群に加えてモーグ・シンセサイザーが大幅に存在感を示すようになり、イタリアのほの暗い陰影をドラマティックに演出。セクションによってはアヴァンギャルドとすら言えるほどの攻撃性が凄まじい名盤です。

  • BANCO / IO SONO NATO LIBERO

    これまで以上にイタリアらしい芸術的な感性が発揮された73年発表の3rd

    Vittorio Nocenzi、Gianni Nocenziを中心に結成され、Francesco Di Giacomoの迫力のある歌声とツイン・キーボードのアンサンブルを個性にイタリアを代表するプログレッシブ・ロックグループへと飛躍。シーンに衝撃を与えP.F.M.に続いて世界デビューを果たしたバンドの73年3rd。その内容は、前作で爆発的なテンションを聴かせた攻撃性、アヴァンギャルドなサウンドをオリジナリティーに落とし込み、クラシカルな気品を持ったシンフォニック・ロックにまとめた名盤です。勢いで押し続けるような作風からバランスの取れたトータルなサウンドへの移行が見受けられ全体的にスッキリした印象を持ちますが、それによってへヴィーなセクションと静寂に包まれるセクションの対比が明確に描かれています。

  • BANCO / BANCO (1975)

    PFMに続きELPのマンティコア・レーベルよりリリースされた75年ワールドデビュー作

    75年にMANTICOREレーベルよりリリースされた世界デビュー作。1stと3rd『自由への扉』からの楽曲に新曲1曲という構成。1st収録の代表曲「R.I.P」の英語バージョン「Outside」や、3rd収録の胸を打つ名曲「Non Mi Rompete(私を裏切るな)」の英語バージョン「Leave Me Alone」など収録。

  • BANCO / GAROFANO ROSSO

    75年リリース、同名映画のサントラ作

    Vittorio Nocenzi、Gianni Nocenziを中心に結成され、Francesco Di Giacomoの迫力のある歌声とツイン・キーボードのアンサンブルを個性にイタリアを代表するプログレッシブ・ロックグループへと飛躍。シーンに衝撃を与えPREMIATA FORNERIA MARCONIに続いて世界デビューを果たしたバンドの76年作。その内容は、Rodolfo Malteseがギタリストとして参加しFrancesco Di Giacomo抜きの編成で製作された、同名映画のサウンド・トラックとなっており、その性質からかヴァイオリンをはじめフレンチ・ホルン、クラリネット、トランペットなどのオーケストラ楽器が充実しています。またその音楽性もクラシカルなサウンドからポップス、ジャズ、エレクトロ、民族音楽まで幅広く、彼らの音楽的引き出しの多さが伺えます。

  • BANCO / COME IN UN’ULTIMA CENA

    P.F.Mと共にイタリアを代表するプログレ・グループ、聴きやすさを増した76年発表の傑作

    Vittorio Nocenzi、Gianni Nocenziを中心に結成され、Francesco Di Giacomoの迫力のある歌声とツイン・キーボードのアンサンブルを個性にイタリアを代表するプログレッシブ・ロックグループへと飛躍。シーンに衝撃を与えPREMIATA FORNERIA MARCONIに続いて世界デビューを果たしたバンドの76年作。その内容は、これまでの彼らのダイナミックなサウンドはそのままに、より明快でコンパクトな作風を採用した名盤となっており、大曲の存在こそ無いものの彼ららしいスケールの大きなシンフォニック・ロックは健在。クラシック楽器の使用も巧みであり、タイトにまとめられた中に高密度でアイデアを閉じ込めた、非常に聴きやすい1枚となっています。

  • BANCO / DI TERRA

    78年作

    Vittorio Nocenzi、Gianni Nocenziを中心に結成され、Francesco Di Giacomoの迫力のある歌声とツイン・キーボードのアンサンブルを個性にイタリアを代表するプログレッシブ・ロックグループへと飛躍。シーンに衝撃を与えPREMIATA FORNERIA MARCONIに続いて世界デビューを果たしたバンドの78年作。その内容は、Francesco Di Giacomo抜き(タイトル命名のみ)の編成でオーケストラと本格的なジョイントを試みたインストゥルメンタル作品となっており、オーケストラの優美な響きとバンド・セクションのダイナミックなサウンドが融合した名作となっています。

  • BANCO / CANTO DI PRIMAVERA

    イタリアン・プログレの雄、79年作

    Vittorio Nocenzi、Gianni Nocenziを中心に結成され、Francesco Di Giacomoの迫力のある歌声とツイン・キーボードのアンサンブルを個性にイタリアを代表するプログレッシブ・ロックグループへと飛躍。シーンに衝撃を与えPREMIATA FORNERIA MARCONIに続いて世界デビューを果たしたバンドの79年作。コンパクトで分かりやすい作風を望む方向に向かっていた時代の影響を受けた本作は、これまでの作品よりもフュージョンなどを含むソフトなロック・テイストを押し出しています。とは言っても単なる商業路線に走った作品ではなく、Francesco Di Giacomoのボーカルに比重を置いたことによるイタリアの叙情性の増幅や、バルカン・メロディーを散りばめた作風など、プログレッシブ・ロックとの折り合いが素晴らしい好盤です。

  • BANCO / LIVE AT CAPOLINEA

    初のライヴ盤となった80年作9th

  • BANCO / B.M.S.

    1st「BANCO DEL MUTUO SOCCORSO」の再録盤、91年作

  • BANCO / ANTOLOGIA

    96年リリースの編集盤、全8曲

  • BANCO / NUDO

    97年リリースのアンプラグド・アルバム

    イタリアン・ロックを代表するグループ、BANCOの97年作。元々同タイトルで日本先行発売されていたアンプラグド・アルバムに組曲「Nudo」を追加、更に97年日本公演4曲を含む12曲のライブ盤を付けて2枚組としてリリースされた決定盤です。組曲「Nudo」はハード且つタイトにまとめるパート1、クラシカルなパート2、再びハードに疾走して畳み掛けるパート3、と静と動の対比が鮮やかな持ち味が発揮された楽曲。全編を牽引する情熱ほとばしるジャコモのヴォーカル、そしてヘヴィで骨太なギター、テクニカルなピアノ、前のめりでアグレッシヴなリズム隊が作り出すドラマティックなアンサンブルが展開されます。

  • BANCO / IL RAGNO

    14曲収録ベスト

  • BANCO / MADE IN ITALY

    12曲入りコンピレーション

  • BANCO / TRANSIBERIANA

    ご存じイタリアン・ロックの雄、四半世紀ぶりのスタジオ・アルバムとなった2019年作!

    ご存じ、PFMと共にイタリアン・ロックを代表する名バンドによる「シベリア鉄道」を題材にした2019年作!スタジオ・アルバムとしては94年作『IL 13』以来実に25年ぶりとなります。唯一のオリジナル・メンバーであるキーボード名手Vittorio Nocenzi、近年のMetamorfosiにも在籍するドラマーFabio Moresco、DORACORで活動するギタリストNicola Di Gia、そして14年に急逝したヴォーカリストFrancesco Di Giacomo氏の後任という大役を務めるTony D’Alessioら6人編成で制作された本作、ずばり傑作!凛と格調高いタッチのピアノと一音一音に存在感のこもったオルガン、キレのあるプレイでスピード感をもたらすギター、そして熱く歌いこむドラマチックな表情と優雅で繊細な表情とを自在に行き来するヴォーカル。さすがの洗練されたモダン・イタリアン・ロックを聴かせてくれます。でもそれで終わらないのが素晴らしいところで、最初期バンコに漂っていた少し前衛的でミステリアスな雰囲気が全編をうっすら覆っている感じが堪りません。その質感をもたらしているのは勿論キーボード。現代的な重量感あるロック・サウンドを繰り出す演奏陣の中で、クラシックに根差した息をのむようにアーティスティックな音運びが冴えわたっており、衰えは一切感じません。ヴォーカルは、ジャコモ氏とは全く異なるタイプながら、イタリアン・ロック然とした堂々たる歌唱を聴かせていて感動的。FINISTERREやUNREAL CITYといった新鋭の音に接近しながらも、バンコらしい芸術性の高さは遺憾なく発揮された一枚となっています。

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