2021年11月1日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
カケハシ・レコードです。
10月のカケレコ・ベストセラーよりTOP10をご紹介いたします!
10月は、アルゼンチン&ブラジルの南米プログレ勢が上位をマーク。
ニッチなセレクトに定評のあるBIG PINK最新リイシューも人気ですね。
その他にも耳の肥えたカケレコ・ユーザーの皆様が今どんな作品に注目しているのか、ぜひチェックしてみてください☆
カンタベリー・ロック彷彿の緻密かつ流麗な音使いと南米らしい芳醇なメロウネスが溶けあったジャズ・ロックは、今作でも絶品の一言。アルゼンチンのみならず現南米で最も注目に値するジャズ・ロック・バンドによる待望4th!!
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前作ではRENAISSANCEの見事なトリビュートを聴かせてくれましたが、今回は全編GENESISナンバーで送る20年作!「Firth Of Fifth」「Entangled」「Ripples」ほか叙情的な名曲をしっかり押さえた選曲で、2人の持ち味が最大に発揮されていて堪りません♪
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現イタリアのジェネシス・フォロワー筆頭格、21年作!『トレスパス』や『静寂の嵐』あたりの格調高い幻想美を帯びたジェネシスを受け継ぐ、しっとりリリカルに紡がれるサウンドに心奪われます。もちろん相変わらずピーガブにそっくり過ぎるヴォーカルも聴き所ですよ~♪
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自身が率いるKARFAGENでも毎年ハイクオリティな作品を発表しながら、なんとソロでも21年2枚目となる作品をリリースだと!?KARFAGENのメンバーとのバンド編成で、シンフォニックな厚みを増したCAMELと言えそうな音世界を紡ぎ出す会心作!
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「Seasons In The Sun」で有名なTerry Jacksがいたグループなのね。明るくポップなメロディに少し艶っぽいフィーメール・ヴォーカルとシタール、タブラがのる心地よいポップ・サイケ!
一打一打の武骨な重量感と手数多いジャジーなスタイルを兼ね備えた職人的ドラミングがやっぱり素晴らしいなぁ。ザッパ「WILLIE THE PIMP」のいぶし銀カバーも聴き所です!
ハードSFの金字塔『星を継ぐもの』を題材にした21年作。凛と気品溢れる表情の中にパッションを秘めた圧倒的技巧のヴァイオリンが疾走する興奮のインスト・プログレ!これはUKやLOST WORLD BANDのファンには是非おすすめ!
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今日は英プログレ・ヴァイオリニスト御三家の一人(?)エディ・ジョブソンに着目、彼が名演を残したU.K.『憂国の四士』を起点にして、スリリングで気品みなぎるヴァイオリン・プログレを探求していきたいと思います!
格調高いトラッドにシタールが入りほんのり漂うアシッド感。え、これクリスチャン・フォーク・ロックなの?
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四季の中でも、特に神秘的なものを感じる秋の月。
そんな景色にぴったりな、女性ヴォーカルとシタールが入る魅惑のフォーク・ナンバーをピックアップいたします。
MAGENTAを率いるRob Reedがソロ・ユニットとしてリリースした93年作を、CAMELのPete JonesやMAGENTAの仲間らと共にテクニカルかつスケール大きくリメイクした21年作!
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90年代以降のプログレシーンを盛り上げる北欧スウェーデンやイタリアに負けじと、本場イギリスからも、イエスやジェネシスやクリムゾンなど往年のグループのDNAを継いだ好グループが出てきております。注目の作品をセレクトいたしましょう。
フロイド彷彿の内省感とスピーディでキャッチーなメロディック・ロック・スタイルが見事調和した4thソロ。LOONYPARK『THE 7TH DEW』にやられた人はイチコロでしょう!
いかがでしたか?
気になる作品は見つかりましたら幸いです!
2014年デビュー、アルゼンチンはブエノスアイレス出身の4人組ジャズ・ロック/フュージョン・グループによる21年作4thアルバム。カンタベリー・ロック彷彿の緻密かつ流麗な音使いと南米らしい芳醇なメロウネスが溶けあったジャズ・ロックは、今作でも絶品の一言。ジャジーなタッチにタンゴのリズミカルさを合わせたようなドラムと歌心を感じる豊かな鳴りのベースによるしなやかなリズムに乗って、リリカルで柔らかなタッチのピアノ、フィル・ミラー彷彿のシャープなトーンのギターが美しい音運びで躍動する、端正かつほのかにファンタジックなアンサンブルに終始耳を奪われます。南米らしいフレイヴァーもたっぷりで、バンドネオンを伴った哀愁のタンゴ・ジャズや、ピアノがリードするボサノヴァ調の軽やかでお洒落なナンバーなど、バンド本来のクールな佇まいはそのままにクルクルと豊かに表情を変化させていく演奏が見事です。一瞬も淀みなく紡がれていく美しく情感あふれるアンサンブルに心が躍る南米ジャズ・ロックの名品。カンタベリー・ロック・ファンには是非お勧めです。
リヴァプール出身、BLUESBREAKERS、ZAPPA BAND、JOURNEY、JEFFERSON STARSHIPなど名だたるグループを渡り歩いた名ドラマー、彼が70年に結成し数か月間活動したバンドBLUE WHALE名義でリリースされた71年作。ヴォーカルはJUICY LUCYのPaul Williams、キーボードはRETALIATION時代からの盟友Tommy Eyreです。そのサウンドは『VALENTYNE SUITE』あたりまでのCOLOSSEUMを彷彿させるブルージーな哀愁をたっぷり湛えた激渋ジャズ・ロック。一打一打の武骨な重量感と手数多いジャジーなスタイルを兼ね備えた職人的ドラミングに乗って、キレのあるオルガンとギターがスリリングなインプロヴィゼーションを繰り広げるアンサンブル。そこにJUICY LUCYでも印象的だった雄々しくアクのあるヴォーカルがブルージーに歌い込むサウンドは、派手さは皆無ながら迫力は満点。注目はやはり、ザッパの『HOT RATS』収録ナンバー「WILLIE THE PIMP」のカバーでしょう。生来のダミ声を生かしてビーフハートそっくりに歌うPaul Williamsと野太いフルートが濃密に絡むグッとテンポを落としたテーマ部、そして痺れるほどカッコいいタイトなドラミングの上でギター、オルガン、ブラスが丁々発止で掛け合うインプロ・パートで構成された、いぶし銀なカバーが楽しめます。本作制作の数か月後に渡米しザッパ・バンドに加入する事を考えても大変興味深い一曲です。上述のとおりCOLOSSEUMファンには是非聴いて欲しい作品!
現イタリアのジェネシス系シンフォ・バンドの筆頭格と言える彼らの21年作8th。勿論今作も変わらぬジェネシス愛っぷりが堪能できる作品ですが、『FOXTROT』『SELLING ENGLAND BY THE POUND』などのガブリエル期全盛の作品よりは『TRESPASS』や『WIND AND WUTHERING』あたりの格調高い幻想美を帯びたジェネシス・サウンドを志向している印象。まどろみを誘う淡いアコースティック・ギターの調べに流麗に絡むオルガンとピアノ、そしてそれらを包み込むようにゆったりと流れゆくメロトロン。あえて派手な展開を抑え、上記ジェネシス作品を思わせるしっとりとリリカルで格調高いサウンドを目指しているようで、他のジェネシス・フォロワーとは一線を画するスタイルを打ち出していると言っていいでしょう。そんな中にあってもPeter Gabrielにそっくり過ぎるヴォーカルにはやはりニンマリとしてしまいます。ジェネシス的世界観を壊さない程度にセンス良く散りばめられたエレクトロニックなアレンジも特徴で、ただのジェネシス・フォロワーに終わらない仕掛けも見事。『TRESPASS』『WIND AND WUTHERING』などしっとりめのジェネシス作品が特にお好きという方には是非聴いて欲しいです!
英国を拠点にKARFAGENやSUNCHILDなどのグループを率いて活動するウクライナ出身の才人キーボーディスト/コンポーザー。前21年作『STELLAR GARDENER』に続く21年リリース第2弾!20年作『MARSHMALLOW AND MOONDUST』、21年作『STELLAR GARDENER』、そして本作の3部作となっており、前2作では自身での多重録音でしたが、今回はKARFAGENのメンバーを中心とするバンド編成で制作されています。バンド・アンサンブルならではの各楽器が呼吸を合わせ飛翔感いっぱいに広がっていくシンフォニック・サウンドはやはり極上。豊かに色彩を変化させながら気品高いフレーズを奏でるシンセと、Andy Latimerばりのエモーションを乗せたあまりにメロディアスなギター。両者が時に優雅にユニゾンし、時にイマジネーション溢れる美麗なソロを繋ぐ、夢の世界にいるような幻想サウンドに息をのみます。そこに繊細に音を重ねるフルート、ジャジーなカラーを添えるサックスも見事です。シンフォニックな厚みを増したCAMELと言えそうな音世界に包まれる珠玉の一枚!
ポーランド・シンフォ・シーンの人気バンドLOONYPARKでリーダーを務めるキーボーディスト/コンポーザーによる21年4thソロ。従来でのPINK FLOYD系統のメランコリックでしっとりしたシンフォ・スタイルはそのままに、LOONYPARKの21年作でも顕著だったキャッチーなメロディをリズミカルに聴かせる躍動感あるサウンドを導入しているのが特徴。ゆったり幻想的にたゆたうようなサウンドとスピード感あるメロディアスなサウンドが対比され劇的な音世界を作り上げます。Rick Wright彷彿の粛々とした内省感をもって広がるシンセと、Dave Gilmour+Steve Rothelyと言える美旋律をエモーションいっぱいに紡ぐギター、そこに英詞女性ヴォーカルの慈愛を帯びた柔和な美声が響くサウンドはこれぞポーランドと言える美麗さに満ちていて見事。エレクトロニクスを絡めたタイトなリズムにピアノとギターが鋭いフレーズで切り込み、女性ヴォーカルがよりスタイリッシュに歌い上げるナンバーのカッコよさも特筆です。LOONYPARK『7th DEW』が気に入った方はこちらも是非!
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