2021年2月5日 | カテゴリー:50周年記念連載企画「BACK TO THE 1971」,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
2021年にカケレコがお届けする特別企画「BACK TO THE 1971」!
今からちょうど50年前、1971年に産み落とされた名盤を取り上げて、その魅力に改めて触れてみようというのがこの企画です。
ビートルズの活躍を中心としてロックに多様な表現が生まれた1960年代が幕を下ろし、60年代の残り香漂う1970年を経て、いよいよ新たな時代へと目を向けた作品が生まれていったのが1971年という時期。
英米ロックの名作はもちろん、欧州各国の重要作品も取り上げて、各作品の誕生日または誕生月に記事をアップしてまいります。
この機会に、ロックが最もまばゆい輝きを放っていた時代の作品達にぜひ注目していただければ幸いです。
それでは皆で、BACK TO THE 1971 !!!
第1回目にご紹介するのは、BARCLAY JAMES HARVESTの『ONCE AGAIN』。ちょうど50年前の今日、1971年2月5日にリリースされました。
CAMELやMOODY BLUESと並び英国叙情派プログレの最高峰と言える名グループの2nd。後にENIDを結成するロバート・ジョン・ゴドフリーによるオーケストラ・アレンジを導入し、初期のスケールの大きいシンフォニック・サウンドを方向づけた傑作です。
早速オープニング・ナンバーを聴いてまいりましょう。
T1:She Said
いや~いきなりの名曲。メロトロンの洪水、メランコリックなヴォーカル。荘厳という言葉がピッタリです。力強いメインパートから儚いメロトロンのパートへ、そこからまたメインパートへと移る強弱の対比が見事。最後の泣きのギターソロが圧巻です。ジョン・リーズはキャメルのアンディ・ラティマーと並び立つ英国叙情派ギタリストに推したいですね。
T5:Mocking Bird
次はこのアルバムのみならず、BARCLAY JAMES HARVESTを代表するこのナンバー。叙情的なメロディをメロトロン、オーケストラが幻想的かつ壮大に彩っていき、中盤~終盤のドラマティックな展開に圧倒されます。
T6:Vanessa Simmons
最後にピックアップするのはアコースティックなナンバー。オーケストラを取り入れたシンフォニック・ナンバーとアコースティック・ナンバーが同居しているのはBARCLAY JAMES HARVESTならではですよね。牧歌的で切ないメロディラインが胸に響きます。
CAMEL、MOODY BLUESは聴いたけど、BARCLAY JAMES HARVESTは聴いていないなぁという方もいるのではないでしょうか。これを機にお聴きいただければ幸いです!
こちらの探求記事も合わせてご覧ください。
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世間ではあまり知られていないが、聴いたら思わず涙がホロリ、もしくは嗚咽をあげて泣きむせぶ、そんなロックの隠れた「泣ける名曲」を紹介。お相手は、叙情メロディとネコをこよなく愛する音楽ライターの舩曳将仁。
71年発表の第三作「And Other Short Stories」。劇的なチェロの調べで幕を開ける本作は、アコースティックなサウンドを主体にさまざまな曲想の作品が並んでいます。 前二作での試みは着実に結果を生み、オーケストラを完全に楽器の一つとして使いこなしたシンフォニックなアレンジは、これまでで最高。 タイトル通り、比較的短い曲を集めており、曲数も今までで最も多いです。 オーケストラ・アレンジはMARTYN FORDに交代。 プロデュースはウォーリー・アレンとグループ。 管弦によるアレンジ含め、アコースティックな音を活かしたフォーク風のファンタジックな楽曲で充実した作品。 オーケストラはアレンジの手段として的確かつ集中的に使用されるようなっており、 特に最終曲はすばらしいでき映え。 また、メンバーのStuart Woolly WolstenholmeやLes Holroydの作品がいかにもこのグループらしい優美なメロディック・サウンドであるのに対して、リーズは積極的に様々な方向へとアプローチしてそれぞれに質の高い作品を生んでいます。 それでいながら全体に散漫な印象を与えないのは、アコースティックな美しさを強調した幻想的なサウンドという通奏低音があるせいでしょうか。 どこを取っても美しいメロディとパストラルなアンサンブル。 オーケストラ嫌いの方でも、このアルバムのサウンドの湛える淡い情感には魅せられることでしょう!
英国ロックのナイーブな叙情性とメロディアスで牧歌的なフォーク・ロック的メロディー・メイク、そして、オーケストラを加えた大掛かりな編成でダイナミズムとシンフォニック・ロック然とした音楽性を打ち出した、ブリティッシュ・プログレッシブ・ロック史に残る名グループの71年作2nd。初期の傑作とされる本作は非常に繊細で優しげなサウンドが心地良い名作であり、特にメロトロンを中心に幻想的に聴かせる手法など、前作からよりファンタジックな叙情を感じさせるサウンドへと変化。一方で後にTHE ENIDを率いるRobert John Godfreyのアレンジによるオーケストラはダイナミックにシンフォニックな彩りを放っており、彼らの個性が花開いた1枚となっています。
72年にHarvestより発表された4thアルバム。傑作2nd、3rdの延長線上にある、叙情的かつ重厚なサウンドが素晴らしい名作。「Moonwater」は、よりクラシック然としたサウンドが素晴らしい名曲。
英国ロックのナイーブな叙情性とメロディアスで牧歌的なフォーク・ロック的メロディー・メイク、そして、オーケストラを加えた大掛かりな編成でダイナミズムとシンフォニック・ロック然とした音楽性を打ち出した、ブリティッシュ・プログレッシブ・ロック史に残る名グループの75年作7th。POLYDORへ移籍第3弾である本作は、POLYDOR移籍後の彼らのバンド・サウンドの成果が結実した名盤であり、ポップ・シンフォニック期の彼らの代表作と言えるでしょう。適度にアメリカン・ロック的な雰囲気も覗かせますが、淡い幻想性を持ったサウンドはやはり英国的な甘みを持っています。
英国ロックのナイーブな叙情性とメロディアスで牧歌的なフォーク・ロック的メロディーメイク、そして、オーケストラを加えた大掛かりな編成でダイナミズムとシンフォニック・ロック然とした音楽性を打ち出した、ブリティッシュ・プログレッシブ・ロック史に残る名グループによる76年作8th。HARVESTレーベルを離れPOLYDORへ移籍後は生オーケストラを封印しシンセサイザーによってシンフォニックなドラマ性を演出するアプローチを取った彼らですが、本作では再びオーケストラを起用、加えて混声合唱も導入したスケール大きく神秘的な音作りを行なっています。持ち前のポップ・フィーリングは相変わらずのクオリティを誇りますが、楽曲の展開などには非常にプログレッシブ・ロック然とした雄大な流れが伺える名作です。
英国叙情派プログレ屈指の名バンド。77年に発表された通算10枚目で、ジャケットのイメージどおりの陰影豊かな叙情と幻想性に満ちた佳曲がつまった名盤であり代表作。オープニングを飾る代表曲のひとつ「Hymn」から彼ららしい優美で穏やかで詩情豊かな音世界が広がります。アコースティックで柔らかな冒頭からキーボード、そしてストリングスと被さってきて壮大にフィナーレを迎える展開が実に感動的です。ある評論家が彼らのことを「Poor Man’s Moody Blues」と揶揄したことに反発して作った楽曲も粋で、ムーディーズの代表曲「サテンの夜」に似せつつもバークレイならではの美しさがつまった名曲に仕上げていてあっぱれ。その他の曲もアコースティックな温かみとメロトロンやオーケストラの壮大さ、英国ならではのメロディがとけあった佳曲が続きます。英国叙情派プログレの傑作です。
78年発表の12枚目。より洗練を極めたクラシカルで美しいポップ・ナンバーが揃った名盤
廃盤、紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ミニポスター付仕様、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干色褪せあり、帯中央部分に色褪せあり
英国叙情派プログレを代表する名グループ。93年作。しっとりとメロディアスなギター、幻想的にたなびくキーボード、優しく紡がれる英国らしい叙情的なメロディと親しみやすいヴォーカル。変わらぬ美旋律を飾らず誠実に響かせる職人芸の名品です。
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