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「そしてロックで泣け!」第八回 バークレイ・ジェイムズ・ハーヴェスト「サン・ウィル・ネヴァー・シャイン」

大人になると、たいていのことは笑って済ませられる。うちのネコが壁のクロスをバリバリに引っ掻いても、2才の息子が湯船でオシッコしても、オール・オッケー!

それでも、たまには落ち込む出来事が起きる。小銭を落としたり、原稿でとんでもない書き間違いをしたり……。まあ、その程度のことは、「まあ、しょうがない」と乗りこえられるけどね。いいのか?

大人になってから経験する「落ち込む出来事」の中には、かなりシビアな問題を含んでいることもある。「目の前が真っ暗になる」という表現があるけど、まさにそんな感じで落ち込んだことがあるという人もいるだろう。視界が狭くなって、周囲の人の声が小さく聞こえる。作業をしていてもフワフワとした感じで、家までどうやって帰って来たのかさえわからないような……。たいてい能天気に生きている僕にも経験がある。あったかな? あったような気がする。

そんな悲痛な時にも、心を癒してくれるのが音楽だ。落ち込んだ時には、明るい曲を聴くよりも、悲しい曲を聴いた方が癒されるとか。

そこで、今回はズドーンと落ち込んだ時にピッタリな泣きの名曲、バークレイ・ジェイムズ・ハーヴェスト「サン・ウィル・ネヴァー・シャイン」を紹介したい。

バークレイ・ジェイムズ・ハーヴェストといえば、イギリスが生んだ叙情派ロック・バンドとして、泣きメロディ愛好家なら名前を知らないものはないぐらい有名だ。ジョン・リーズ(g)、レス・ホルロイド(b)、メル・プリチャード(ds)、ウォーリー・ウォルステンホルム(kbd)の四人組で結成され、1968年にシングル「アーリー・モーニング/ミスター・サンシャイン」でデビューした。このデビュー・シングルからして、もう牧歌性と叙情性の塊みたいな曲となっている。

彼らは1970年にデビュー・アルバム『バークレイ・ジェイムズ・ハーヴェスト』をリリース。同作はあまり注目を集めなかったが、アルバムを重ねるごとに評価を高め、イギリス国内はもとより、ドイツでは絶大な人気を集めた。彼らの強みは、メル・プリチャード以外のメンバーが作曲できて、しかも各人が性格の異なる泣きの曲を書けるというところにある。後にバンドは分裂してしまうが、「メディシン・マン」、「モッキン・バード」などなど、多くの叙情的な曲を作り続けてきた。

彼らには隠れた泣きの名曲が山のようにあるが、今回紹介する「サン・ウィル・ネヴァー・シャイン」は、デビュー・アルバム収録曲。書いたのはウォーリー・ウォルステンホルム。デビュー・シングルB面曲「ミスター・サンシャイン」に対抗して作ったそうだが、柔らかかつドラマ性豊かな歌メロディとは裏腹に、内容はかなりシビアで絶望的だったりする。

サビに至るまでのAメロの歌詞を意訳するとこうなる。

「雲たちは空の回廊で待っていた。彼らは再び空が青くなることはないだろうと知っていた。彼らは太陽とともに楽しみも奪ってしまった。それは本当だ。今、私たちに出きることは何もない」

出きることは何もないし、楽しみも奪われたって?! これだけでズドーンと落ち込むシチュエーションだ。続いてサビにつなぐパート。

「それで僕は土砂降りになっている窓の外を見る。再び太陽が来てくれるかしらと思っている」。

いいぞ! 大丈夫だ!
止まない雨はないもんな!となったところで、サビの歌詞が登場。

「でも、太陽は決して照らさない。前と同じようには。雲が決して通させはしない。おお、太陽は決して僕と君の笑顔のために照ることはない。雲がそれを通させはしないんだ」

かすかに希望を持たせておいて、絶望の底へ突き落す。もう勘弁してくれ!と言いたくなる。太陽はもう二度と照らないってさ!落ち込んでいる聴き手をさらに絶望的にさせる歌詞だ。

メロディだけを聴いていると、「アーリー・モーニング」のように牧歌的な雰囲気をたたえてスタートするが、実はかなり悲痛な曲になっている。徐々に感情が高ぶるようにして盛り上がり、サビで爆発するような展開も、最悪な状況を一層ドラマチックに聴かせてくれる。ギターの音もすすり泣くようだ。美しいストリングス・アレンジは、後にエニドを結成するロバート・ジョン・ゴドフリーが担当している。

悲嘆度の高い彼らの曲としては、「アフター・ザ・デイ」「スーサイド?」などが有名だけど、実は「サン・ウィル・ネヴァー・シャイン」も相当に悲しい。

絶望的な状況になった時こそ、この「サン・ウィル・ネヴァー・シャイン」を聴いて欲しい。「太陽はもう二度と照らない……そんなこたない!」と言えるようになるまで。

それでは来月も、ロックで泣け!

「The Sun Will Never Shine」

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    • ECLEC32570ESOTERIC

      2CD+DVDの3枚組デジパック仕様、CD1には24bitリマスター・オリジナル・ステレオ・ミックス、CD2にはニュー・ステレオ・ミックス、DVDには5.1chサラウンドミックス/96khz 24bit ニュー・ステレオ・ミックス/96khz 24bit オリジナル・アルバム・ミックス+77年のTV放送用ライヴ映像を収録、ボーナス・トラック7曲

      レーベル管理上、デジパック側面部に折れ跡がついている場合がございます。ご了承ください。

  • BARCLAY JAMES HARVEST / GONE TO EARTH

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    • ECLEC32544ESOTERIC

      2CD+1DVDの3枚組、デジパック仕様、Disc1にはオリジナルのステレオ・ミックス音源、Disc2には新規ステレオ・ミックス音源を収録し、さらにボーナス・トラックとしてアルバム録音時の未発表曲やシングル曲6曲を収録。すべてオリジナル・マスター・テープからの新規デジタル・リマスター。DVDには、アルバム全曲の5.1サラウンド・ミックスを収録

      デジパック側面に折れがある場合がございます。ご了承ください。

    • 0653982POLYDOR

      デジタル・リマスター、ボーナス・トラック5曲

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      一部に小さい折れあり

    • 0653982POLYDOR

      デジタル・リマスター、ボーナス・トラック5曲

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

  • BARCLAY JAMES HARVEST / EYES OF THE UNIVERSE

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  • BARCLAY JAMES HARVEST / TURN OF THE TIDE

    81年作

  • BARCLAY JAMES HARVEST / A CONCERT FOR THE PEOPLE (BERLIN)

    東西分裂時のベルリンの壁の前で行われた伝説の80年ライヴを収録

    82年リリースのライヴ・アルバム。1980年、まだ東西分裂時のベルリンの壁の前で行われた伝説のライヴを収録。「Mockingbird」「Child of the Universe」など、選曲、演奏ともにベスト。同日のライヴより未発表曲3曲を追加収録。

  • BARCLAY JAMES HARVEST / RING OF CHANGES

    変わらぬ英国叙情に溢れた佳曲揃いの83年12thアルバム

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  • BARCLAY JAMES HARVEST / VICTIMS OF CIRCUMSTANCE

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  • BARCLAY JAMES HARVEST / GLASNOST

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    英叙情派プログレを代表するバンドの一つ、ジョン・リーズ、レス・ホルロイド、メル・プリチャードの3人編成で、87年東ベルリンで行われたライヴを収録。87年作『FACE TO FACE』収録曲を始め、「MEDICINE MAN」や「MOCKINGBIRD」などバンドの代表曲も演奏。バンド本来の英国叙情に満ちたサウンドはそのままにライヴならではダイナミズムが演奏に加わっており、彼らのライヴバンドとしての実力がよく伝わってくるライヴ作となっています。

  • BARCLAY JAMES HARVEST / CAUGHT IN THE LIGHT

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    英国叙情派プログレを代表する名グループ。93年作。しっとりとメロディアスなギター、幻想的にたなびくキーボード、優しく紡がれる英国らしい叙情的なメロディと親しみやすいヴォーカル。変わらぬ美旋律を飾らず誠実に響かせる職人芸の名品です。

  • BARCLAY JAMES HARVEST / LIVE AT THE TOWN AND COUNTRY CLUB

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  • BARCLAY JAMES HARVEST / XII

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