2020年1月30日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
カケレコがイチオシする新鋭プログレ国内盤がコチラ。
注目バンドWALFADでも活躍するポーランドの若き才人が放った19年2nd。格調高く彩るヴァイオリンやピアノとエモーショナルに絡み合うギター&シンセの対比が美しい感動的なコンセプト作で、ムーグを弾くのはSBBのJozef Skrzek!
彼が生まれ育ったシレジア地方で100年前に起きた武装蜂起をテーマに描かれた作品だけあって、重厚さと悲哀を帯びたドラマチックなサウンドに胸打たれる傑作となっています。
ご興味を持たれた方は、昨年おこなったWOJCIECHへのインタビュー記事もご覧いただければ嬉しく思います!
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注目の新世代プログレ・アーティストの魅力に迫る「アーティスト・インタビュー」企画。今回は、来日公演が迫るポーランド・プログレの注目アーティストWojciech Ciuraj氏にお話を伺いました!
そんなわけで、ここからは「悲哀」をテーマにプログレ作品をピックアップしてみましょう。
ジョン・リーズが弾くギターには確かに「悲哀」が込められていると思うのですがどうでしょう。BJHが英国叙情派プログレの筆頭となりえたのは、天性のメロディセンス/音楽的センスもさることながら、彼のリードギターによるところも大きいのは間違いありません。
「悲哀」と言うワードで真っ先に浮かんだのが、スペインはバスク地方が誇るこのシンフォ名作。ジャケからしてもう泣きそうになりますが、キャメルをも凌ぐほどにリリカルなアンサンブル、切なさに胸がつまるバスク語のヴォーカルが、絶え間なく涙腺に迫ってきます。
バスクならこの作品も悲哀たっぷり。バスク語の女性ヴォーカルがもたらす民族色とフルート&パーカッションがもたらすサイケデリックな質感が調和し、静謐で幽玄で美しく儚い独自の音世界を作り上げていますね。
東欧プログレの頂点に君臨する金字塔ですよね。硬質なシンセを中心にエネルギッシュかつとんでもない迫力で突き進むアンサンブルが圧倒的。だけど「静」の場面でフルートが紡ぐ旋律は、無常感とも悲哀ともつかない境地に達している感じがします。
号泣必至の一曲目「ラディウスのラプソディ」はもちろん、明るいポップなナンバーにおいてさえ、人生における喜びと悲哀が滲みだしているような不朽の名盤。イタリアン・ロックを聴いたことがないロック・ファンに聴いてもらいたい作品でもあります。
ワールドワイドに見ても最高峰に挙げるべき美旋律プログレなのですが、ユダヤの血によるものなのか、そのメロディに悲哀を見出してしまいます。ヘブライ語の神秘的な響きがその悲哀をさらに増幅。
陰気なメロウ・キャンドルって感じ・・・?あ、もちろん褒め言葉ですよ!幻想性と翳りある悲哀のタッチを織り込んだフォーキー・プログレを鳴らす名品です。
メロトロンの洪水を背にギターとチェロが紡ぐ狂おしくも悲哀に満ちたサウンドはあらゆるプログレファンに衝撃をもたらしました。クリムゾンのDNAと、グランジを通過した肉感的ヘヴィネスが融合した、テンションみなぎる大傑作!
最後はアルゼンチン・ロックの原点と言える歴史的一枚。「悲哀まみれ」のジャケがまずもってインパクト大きいですが、内容もサイケデリックな酩酊感とメロウな郷愁が混じりあって、言い知れない「悲哀」がにじみ出してくるかのよう…。
英国ロックのナイーブな叙情性とメロディアスで牧歌的なフォーク・ロック的メロディー・メイク、そして、オーケストラを加えた大掛かりな編成でダイナミズムとシンフォニック・ロック然とした音楽性を打ち出した、ブリティッシュ・プログレッシブ・ロック史に残る名グループの75年作7th。POLYDORへ移籍第3弾である本作は、POLYDOR移籍後の彼らのバンド・サウンドの成果が結実した名盤であり、ポップ・シンフォニック期の彼らの代表作と言えるでしょう。適度にアメリカン・ロック的な雰囲気も覗かせますが、淡い幻想性を持ったサウンドはやはり英国的な甘みを持っています。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、内袋付仕様、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
特典帯付(紙ジャケに巻いてあります・テープに黄ばみあり)、若干カビあり
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、内袋付仕様、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
帯中央部分に色褪せあり、若干カビあり
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、内袋付仕様、定価2039+税
盤質:全面に多数傷
状態:並
帯有
解説に折れあり、カビあり
紙ジャケット仕様、03年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲、内袋付仕様、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干帯中央部分に色褪せあり、解説に若干汚れあり
イスラエルではかなり名の知れたミュージシャンでありコンポーザーの3人、Shlomo Gronich(イスラエルのアラン・ソレンティとして有名!)、Shem Tov Levy(SHESHETのフルート奏者!)、Shlomo Ydov(2010年現在でも活躍を続ける名SSW)によるスーパー・トリオ。イスラエル・プログレのNo.1グループとして知られていて、75年リリースの唯一作である本作は、SHESHETの唯一作と並んで人気の傑作。軽やかな変拍子によりめくるめく展開するアンサンブルと巧みなコーラス・ワークはGENTLE GIANTばり!地中海の空気が感じられる詩情豊かなパートも魅力的で、フルート、弦楽器、エレピ、アコギ爪弾きがタペストリーのように丁寧に重なり、美しいメロディを包み込むアンサンブルは、P.F.M.に比肩しています。GENTLE GIANTやCAMELなどブリティッシュ・プログレのファンからP.F.M.などイタリアン・ロックのファンの皆さま!ずばりこの作品は聴かなきゃ損です!素晴らしすぎる逸品!
ポーランドの新鋭プログレ・バンドWALFADの中心メンバーとしても活躍中のギタリスト/ヴォーカリストによる19年2ndソロで、第一次大戦後に彼の出身地シレジア地方で起きた「シレジア蜂起」を題材にしたコンセプト・アルバム。これは傑作!ギターとムーグシンセがエモーショナルに絡み、ヴァイオリンやピアノが格調高く彩る、優雅でドラマチックなメロディアス・シンフォニック・ロックを聴かせてくれます。このムーグのプレイ、どこかで聴いたことがあると思ったら、なんとSBBのJozef Skrzek!SBBでも聴かせた太くスペイシーなトーンでスリリングに疾走するシンセプレイを数曲で披露します。ギルモア調の泣きはそのままに倍の音数にしたようなテクニカルで表現力の高いギターも、シンセに負けじと躍動。弦楽も伴ってドラマチックに高まるサウンドに感動が込み上げます。またしっとり落ち着いたピアノを基調にしたヴォーカル・パートも実に味わい深く、切なさも帯びつつ朗々と歌い上げるポーランド語ヴォーカルが素晴らしいです。ポーランド・プログレらしい静謐で陰影ある音使いを織り交ぜつつ、メロディアスで開放感あるサウンドに仕上げた名品。ズバリおすすめ!2019年10月14日「ProgTokyo 2019」に出演した彼へのインタビュー記事はこちら!
現行イタリアン・ポップスの礎を築いたLucio Battistiのバック・バンドとしてその歩みを始め、彼のプロデュースでデビュー。サイケデリックな質感を残したへヴィー・ロック・サウンドを放ち、シンフォニック・ロック、メロディアスなボーカルを中心にした普遍的ロックの境地へとシフトして行ったグループの74年4th。MogolのプロデュースでLucio Battistiが直接関わっていない本作は、前作での路線変更により急成長を遂げた彼らの代表作として名高い名盤。前作よりもプログレッシブ・ロック然としたサウンドが後退した代わりにポップでメロディアスなボーカルナンバーが充実し、とにかくどこまでも溢れ出るイタリア叙情に心震える傑作となっています。
ドイツらしい深みを持ったフォーク・ロック調のサウンドを紡ぎ、専任ヴィオラ奏者を擁するという個性的なバンド編成から素晴らしいシンフォニック・ロックを生み出したグループの72年作。儚げな女性ボーカルをフューチャーした田園調のフォークサウンドからアコースティックな質感で聴かせ、消え入りそうなメロトロンの上で叙情的なフルートが鳴れば、まさにゲルマンの森から聴こえてくる極上のシンフォニック・ロックの世界。レーベルメイトのBROSELMASCHINEからPeter BurschとMike Hellbachがシタール、タブラで参加し、オリエンタルな色彩も加味。浮遊感を感じさせる内省的なサウンドを作り上げています。
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