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世界のプログレ探求紀行!~南欧編~

スタッフ佐藤です。

世界の国々に散らばる魅力あるプログレ作品を求めてカケレコCD棚を巡っていく「世界のプログレ探求紀行!」

今回は南欧編ということで、地中海沿岸を中心とする諸国を巡りながらニッチなプログレ作品をピックアップしていきたいと思います!

ギリシャ

最初に訪れたのがヨーロッパ文化発祥の地ギリシャです。荘厳なるパルテノン神殿を筆頭に世界的に重要な史跡が点在する歴史的な魅力に加え、エーゲ海を臨む美しい自然風景も魅力ですね。そんな豊かな風土の中ではぐくまれた音楽文化も充実しています。

AKRITAS/AKRITAS

まずはギリシア・プログレの古典と言うべき本作。イタリアン・ロックにも通ずる性急さと、マイク・オールドフィールド彷彿のツーンと尖ったギターやヒンヤリとしたシンセが作り上げるオリエンタルな雰囲気に惹き込まれます。ギリシャ語の神秘的な語感も雰囲気抜群です。ジャケも良い!

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AXIS/SOMEONE

ゾンビーズ『オデッセイ&オラクル』にフォルムラ・トレのアルベルト・ラディウスが乱入したら!?って感じのサウンドをギリシャで発見!

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STAMATIS SPANOUDAKIS/BEAUTIFUL LIES

スケール大きなシンフォ系作品群でプログレ・ファンにもお馴染みのギリシャ人アーティストのデビュー作。アフロディーテズ・チャイルド~エロス人脈を従えレコーディングされた、素朴で心温まるフォーク・ロック・アルバムです。

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ハリス・アレクシーウ/永遠の想い

72年のデビュー以来つねに第一線で活躍してきた、ギリシャを代表するフィメール・シンガー。サウンドはポップながら、落ち着いた声質で厳かに響かせる歌唱は問答無用の説得力に溢れています。

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セルビア

そのギリシャから北上、北マケドニア共和国を通ってさらに北に抜けると見えてくるのが旧ユーゴスラヴィアの中核をなした国セルビアです。音楽的にはリュート、ブズーキ、バグパイプなどを用いたバルカン半島に共通する民俗音楽、そしてブラス・バンドが盛んなことで知られます。もちろん、南東ヨーロッパの中心として70年代には優れたロック作品も多く残されました。

SMAK/SMAK

こ、これは旧ユーゴ屈指のプログレ傑作ですよ。蘭トレースの端正さと伊レ・オルメのほの暗い叙情美やヘヴィネスを合わせつつ、奇天烈さや熱気、東欧ならではの哀感も混ぜ込んだアンサンブルはプログレ・ファンは歓喜すること間違いなし!

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YU GRUPA/KAKO TO DA SVAKI DAN ?

旧ユーゴを代表するハード・ロック・バンド。ギタリストが特筆で、英国で言えばTEAR GASのZal Cleminsonに匹敵するセンス。タメとキレが抜群!

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IGRA STAKLENIH PERLI/IGRA STAKLENIH PERLI

旧ユーゴはセルビアに、フロイドやホークウィンドやクラウトロックに影響を受けたスペース・プログレが!?アヴァンギャルドなだけでなくクラシックの素養も感じるし、このバンドは底知れない!

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GRUPA OPUS/OPUS 1

ベオグラードが誇るオルガン・プログレといえば本作。例えるなら、英国のパトゥにキース・エマーソンが電撃加入!って感じの強烈さですよ!

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TRIO DAG/SECANJA

フォーク・ファンにはこちらをオススメ。セルビア語でハートフルに歌われる、煌びやかで神秘的でなおかつ陽だまりのように温かなユーロ・フォークの名品です。

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クロアチア

セルビアの西に接するボスニア・ヘルツェゴヴィナを突っ切ると、ブーメランのような形をしたクロアチアに到着です。地中海に面する西部と、首都ザグレブのあり国境を接するハンガリーに近い東部では文化に違いがあり、伝統音楽の色合いも異なるそうです。ちなみに「ネクタイ」はクロアチア人の習慣を原型として世界に広がったのだとか。

TIME/TIME

旧ユーゴにVertigoの名作にも比肩する、陰影に富んだオルガン・プログレがあったとは。トラフィックに通じるR&BフィーリングにVertigo直系のくすんだヘヴィネスを加えたサウンドは本格感ぷんぷん。

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GRUPA NEPOCIN/SVIJET PO KOJEM GAZIM

リッチー・ブラックモア直系のギター、イアン・アンダーソンばりのフルートが活躍しますが、陰影を帯びたドラマティック&ヘヴィなアンサンブルは、「南欧(東欧)のユーライア・ヒープ」と呼べる素晴らしさ。ジャケも雰囲気ある~っ!

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DRUGI NACIN/DRUGI NACIN(1975)

旧ユーゴはクロアチアで生まれたプログレの代表的傑作と言えるはず!ウィッシュボーン・アッシュばりのドラマチックなツインリード、幻想的にたなびくオルガン&フルート、そして、炸裂するデヴィッド・バイロンばりのハイトーン・シャウト!

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スロベニア

そのクロアチアの北に接しているのが、北海道よりやや大きいという国土のスロベニア共和国。アルプス山脈とアドリア海という山海豊かな自然を有しており、リゾート地としてヨーロッパ中から観光客を集めます。ロックのほうもセルビアやクロアチアに劣らず名作揃い!

IZVIR/IZVIR

こ、この1曲目、ずばり旧ユーゴからのフランスATOLLへの回答!シャープなリズム隊、壮麗なキーボード、音響センス抜群なギター、そして、スロベニア語のセンチメンタル&ドラマティックなヴォーカル。ジャケはやや残念ですが、サウンドはグレイト!

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PREDMESTJE/BREZ NASLOVA

現スロヴェニアの首都リュブリャナ出身の旧ユーゴ屈指のジャズ/フュージョン・ロック・バンド、アドリア海にほど近い土地柄か、地中海フレイヴァーとエキゾチズムが香るサウンドが魅力!

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KLADIVO KONJ & VODA/VIDOV PLES

旧ユーゴはスロヴェニアに、「英フォーク三種の神器」に通じる神々しさを放つ傑作が生まれていたとは!メロウ・キャンドルのファンは間違いなくやられます!

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SLOVENSKA GRUDA/PESMI

80年代はじめのセルビアにこんなにも格調高いユーロ・フォークが生まれていたとは!ハイ・トーンの美声女性ヴォーカル、そして、まるで教会音楽のようにクラシカルで気品に満ちた男女3声のコーラス・ワーク。神秘的なリコーダーも良いなぁ。

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イタリア

スロベニアを西へ抜けると、いよいよヨーロッパ随一のロック大国イタリアが広がります。西洋音楽の中心地らしいクラシックの素養がにじむ格調高いサウンドあり、溢れんばかりの熱気でゴリゴリ突き進むハードなサウンドあり、地中海音楽の伝統を受け継ぐエキゾチックなサウンドありと、さすがにアプローチは豊富。そのあたりが実感できる作品をセレクトしてみましょう。

LUCIANO BASSO/VOCI

この音の瑞々しさと響きの深み。西洋音楽の長い歴史をバックボーンに持つイタリアだからこそ生み出せるサウンド。マイナーな作品ながら、クラシカル・ロックの最上級の調べを堪能できる傑作。酔いしれてください。

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FLEA/TOPI O UOMINI

テクニカル・ジャズ・ロックの名盤を残したETNAの前身バンドですが、こちらは熱気溢れるハードロック!ヘヴィなギターリフに技巧的なドラム、重厚ながらもキレがあってスリリングな展開の連続は、言うなれば「イタリアからのツェッペリンへの回答」!?

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MEDITERRANEA/ECCE ROCK

地中海プログレと言えば、マウロ・パガーニ? いかにもなバンド名からしてもこの作品は外せません!民族楽器がテクニカルに躍動し、ギターが鋭利なフレーズでアグレッシヴに切れ込む。「静」と「動」の対比鮮やかなダイナミックな構成も聴き所で、いかにもプログレといえるピアノ&キーボードをフィーチャーしたシンフォニック&清涼感溢れるパート、哀愁が滲む地中海トラッドなパートなど、とにかく演奏の表現力が素晴らしいです。

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スペイン

地中海沿いをさらに西へ。フランスを越えてスペインに到着しました。伝統芸能フラメンコを取り入れた情熱的でエキゾチックなサウンド、バルセロナを中心に発展したジャジーでアヴァンギャルドなサウンド、北部バスク地方に代表される民族色を帯びた素朴でフォーキーなサウンドと、イタリアと同様に地域ごとにさまざまな音楽性を味わうことができるのが特徴と言えます。

GOMA/14 DE ABRIL

エネルギッシュに疾走するギター、パッション飛び散るサックスにキーボード。哀愁のフラメンコ・スタイルも取り入れた、緩急自在の「スペインのYES」75年作!

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ESQUEIXADA SNIFF/EN CONCERT and OCELLS

ラテン・フレイヴァーのお洒落な装いの下で、ビシバシとシャープにキメるドラムと繊細かつ尖ったタッチのギターによる硬質なインタープレイ!名付けてスパニッシュ・カフェ・テクニカル・ラテン・ジャズ・ロック!?

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ENBOR/KATEBEGIAK

バスク地方の隠れた名グループと言ったら彼らかな?溢れんばかりの哀愁を乗せたアンサンブルと、バスク語のエキゾチックな響きが印象深いハーモニーが聴き所!

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スペインは個別に特集ページを公開しております。より深い探求は以下からどうぞ☆


新旧スパニッシュ・プログレ特集!<カタルーニャ&その他地域編>

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ポルトガル

最期に訪れたのが、ヨーロッパ最西端の国ポルトガル。建築物の装飾として使用される伝統的なタイル「アズレージョ」が有名で、アズレージョで飾られた街並みの美しさは南欧でも指折りでしょう。音楽に関連しては、19世紀に生まれポルトガルの大衆音楽にまで広まった民族歌謡「ファド」の存在が知られますね。

TANTRA/MISTERIOS E MARAVILHAS

決して多くはないポルトガルのプログレですが、緊張感溢れる演奏、ダイナミックな構成力、叙情的なメロディーという、プログレッシヴ・ロックには欠かせない要素を高次元で満たした、これぞポルトガル・プログレの代表作と言って間違いない一枚!

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JOSE CID/10000 ANOS DEPOIS ENTRE VENUS E MARTE

ポルトガルのロック/プログレ・シーンを代表するミュージシャンなら、このJose Cidを忘れてはなりません。SF的なテーマで練り上げた一大コンセプト・アルバム。リリシズム溢れるメロディーとストリングス・シンセ、メロトロンをフューチャーした哀愁のアンサンブルをベースとした絶品シンフォニック・ロック。

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↓「東欧・中欧編」はこちら↓


世界のプログレ探求紀行!~東欧・中欧編~

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  • AKRITAS / AKRITAS

    性急さと畳み掛けるようなテンションが魅力のギリシャ・プログレを代表する名作、73年唯一作

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    イタリア出身のキーボード奏者。76年作。溢れんばかりの叙情性が胸を打つクラシカルなパートと、テクニカルかつ荘厳なキーボードをフィーチャーしたプログレッシヴなパートとを巧みに織り交ぜた構成が見事。生々しい響きの暖かみ溢れる弦楽器、流れるようにリリカルなピアノ、持続音を多用して丁寧に音を紡ぐギター、シャープかつふくよかなドラムなど、どの楽器も魅力的な響きに溢れています。テクニック、センスともに抜群で、豊潤なアンサンブルからはオーラすら感じます。全編インストですが、テーマのメロディがしっかりとしていて、たいへんフックがあります。これは素晴らしい作品です。

    • AMS123CDAMS

      紙ジャケット仕様、リマスター、ボーナス・トラック1曲

      レーベル管理上、紙ジャケットに若干圧痕がある場合がございます。ご了承ください。

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    『地中海の印象』という邦題で日本盤もリリースされた81年作

    81年の唯一作。『地中海の印象』という邦題で日本盤もリリースされた作品。民族楽器がテクニカルに躍動し、ギターが鋭利なフレーズでアグレッシヴに切れ込む。「静」と「動」の対比鮮やかなダイナミックな構成も聴き所で、いかにもプログレといえるピアノ&キーボードをフィーチャーしたシンフォニック&清涼感溢れるパート、哀愁が滲む地中海トラッドなパートなども素晴らしい。オール・インスト。

  • TANTRA / MISTERIOS E MARAVILHAS

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    ポルトガルのグループ、77年作の1st。幻想的なキーボードとメロディアスなギターによるシンフォニックなパートと、テンション溢れるテクニカル・ジャズ・ロックなパートとによるダイナミックなアンサンブルが持ち味。曲調はバラエティに富んでいますが、叙情性溢れるメロディーが一貫してるため、散漫に聴こえません。緊張感溢れる演奏、ダイナミックな構成力、叙情的なメロディーという、プログレッシヴ・ロックには欠かせない要素を高次元で満たしたポルトガル・プログレを代表する名作。

  • SMAK / SMAK

    旧ユーゴ屈指のプログレ・バンド、クラシック、ブルース、ジャズ/フュージョンが見事に融合した75年の名デビュー作

    71年に結成された旧ユーゴはセルビア屈指のヘヴィ・プログレ・バンドによる75年デビュー作で、東欧屈指の一枚としてユーロ・ロック・ファンに愛される名作。特筆なのが旧B面すべてを使った19分近い大曲。手数多く前のめりで性急なドラム、クラシカルでいて東欧ならではの独特の哀感もあるエレピやオルガン、そして、キーボードと時に高速ユニゾンを奏で、時にハードエッジなリズム・ギターでロック的ダイナミズムを生み出すギター。オランダのトレースの端正さとイタリアのレ・オルメのほの暗い叙情美やヘヴィネスを合わせつつ、時にジェントル・ジャイアントばりの奇天烈さ、時に伊ヘヴィ・シンフォばりの熱気を注入しつつ、東欧ならではの独特の哀感もあるアンサンブルはプログレ・ファンは歓喜すること間違いなし。クラシック、ブルース〜ハード・ロック、ジャズ/フュージョンの見事な融合。ずばりユーロ・ロック屈指の名曲でしょう。旧A面の小曲も魅力で、ツェッペリンばりのハード・エッジなアンサンブルと線の細いハイ・トーンのヴォーカルからは辺境プログレならではの翳りがぷんぷん漂っています。それにしても、後にBIJELO DUGMEにも参加し、ソロでも活躍するLaza Ristovskiはプログレファン注目のKey奏者と言えるでしょう。東欧屈指の名作です。

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    旧ユーゴはセルビアにて76年に結成されたグループ。79年にPGP-RTBよりリリースされたデビュー作。ピンク・フロイド、ホークウィンド、カン、タンジェリン・ドリームあたりに影響を受けたようで、なるほどスペーシーで冥想的な音世界に尖ったビートと破天荒なヴォーカルを乗っけたサウンドはその通り。ホークウィンドばりのエッジの立ったリズム・ギターからカンのミヒャエル・カローリを彷彿させる緊張感いっぱいのリードまでギターはキレキレだし、突如ハイ・トーンで雄叫びを上げるヴォーカルも尋常ではないし、アヴァンギャルドなだけでなくクラシックの確かな素養も感じさせるし、このバンドはやばすぎます。これは名作でしょう!

  • TRIO DAG / SECANJA

    旧ユーゴはベオグラードにあったアコースティック・シーンの代表格、神秘的かつ温かみに溢れた74年大傑作

    72年に旧ユーゴのベオグラードにて結成されたフォーク・トリオが74年にリリースした唯一作。凛としたアルペジオが幾重にも折り重なりファンタスティックな音世界を描くアコースティック・ギター、そこに気品を添える艶やかなストリングスや麗しのフルート。曲によってドラムがビートを刻み、オルガンがメロウネスを加え、フォルムラ・トレのアルベルト・ラディウスを彷彿させる抑制されたトーンのギターがエモーショナルなフレーズを添えます。3人が歌うヴォーカル&ハーモニーがとにかく絶品の美しさで、神々しさすら感じさせる透明感ある歌声、ただただ幸福感に包まれる三声ハーモニーに終始うっとり。煌びやかな神秘性とともに、陽光のような温かさもあるユーロ・フォークの逸品。これは傑作です。メロウ・キャンドルやチューダー・ロッジなど英フォークのファン、ITHACAなどサイケ・フォークのファンをはじめ、ピンク・フロイドの叙情的なフォーク・ナンバーが好きな方にも是非聴いてほしい!

  • JOSE CID / 10000 ANOS DEPOIS ENTRE VENUS E MARTE

    ポルトガルを代表するkey奏者JOSE CID率いるグループ、77年のシンフォニック・ロック名盤

    ポルトガル出身のVo兼Key奏者。SF的なテーマで練り上げた一大コンセプト・アルバム。リリシズム溢れるメロディーとストリングス・シンセ、メロトロンをフューチャーした哀愁のアンサンブルをベースとしたシンフォニック・ロック。ゲストのメンバーの力量も抜群で、ハードなギター、変拍子の切れ味鋭いリズム隊が各曲を一層ドラマティックに聴かせています。ドラマティックなシンフォニック・ロック・ファンは必聴の大名盤。

  • GRUPA OPUS / OPUS 1

    旧ユーゴ出身、クラシカルなオルガンがとにかく荘厳に鳴り響くオルガン・プログレ、75年作

    旧ユーゴはベオグラード出身、YU GRUPAの結成メンバーながらメンバー間の対立によりデビュー前に脱退したKey奏者とギタリストの2人を中心に73年に結成されたグループ。75年の唯一作。シンガーは初期KORNI GRUPAに在籍してシングルを残したことでも知られ、後にはセルビアを代表するシンガーとなるDusan Prelevic。オープニングから分厚く荘厳に鳴り響くクラシカルなオルガン。前のめりの性急かつシャープなドラムが入ると、テクニカルなピアノ、荒々しく熱情的なヴォーカルも入って、バンコなどイタリアン・ロックに通じる爆発的なシンフォニック・ロックを聴かせます。ブルージーな野蛮さとクラシックの荘厳さとがせめぎ合うアンサンブルは、まるで英国のパトゥにキース・エマーソンが入ったかのような強烈さ。プロコル・ハルム的クラシカル&ソウルフルなバラードもグッとくるし、これは素晴らしいグループです。名作。なお、本作リリース後、バンドは解散。ベーシストのDusan CucuzはTAKOを結成します。

  • ESQUEIXADA SNIFF / EN CONCERT and OCELLS

    表面はラテン色でオシャレだけど、演奏はテクニカルで硬質!センス抜群のスパニッシュ・カフェ・テクニカル・ラテン・ジャズ・ロック!?

    スペインのブラス・ロック・グループMAQUINAのギタリストを中心とするグループ。78年作の2作品をカップリングした2枚組。表面的にはラテン色のあるオシャレなサウンドですが、演奏の引き締まり方が半端ではありません。ラテン・フレイヴァーの柔らかな上ものの下で、ビシバシとシャープにキメるドラム、繊細かつ尖ったタッチのギターが硬質なアンサンブルを繰り広げています。カフェ・テクニカル・ラテン・ジャズ・ロック!?の名作!

  • DRUGI NACIN / DRUGI NACIN(1975)

    旧ユーゴ屈指の名グループによる75年のデビュー作、ユーライア・ヒープやウィッシュボーン・アッシュのファン必聴の名作

    旧ユーゴはクロアチアのザグレブ出身のプログレ・グループ、PGP-RTBレーベルから75年にリリースされたデビュー作。幻想的にたなびくオルガンやフルート、ウィッシュボーン・アッシュばりのドラマティックなツイン・リード、そして、デヴィッド・バイロンを彷彿させるハイ・トーンのシャウト・ヴォーカル。叙情的で陰影に富んだサウンドは、ハーヴェストやヴァーティゴ・レーベルの叙情的な英プログレのファンにはたまらないでしょう。エッジの立ったトーンのエネルギッシュなリズム・ギターが冴えるハード・ロックもまた魅力的。旧ユーゴ屈指の名作です。

  • IZVIR / IZVIR

    旧ユーゴはスロヴェニア出身のプログレ・グループ、この1曲目はずばり旧ユーゴからのアトールへの回答!

    旧ユーゴのイタリアにほど近いリュブリャナ(現スロヴェニアの首都)出身のプログレ・グループ。78年の唯一作。ジャケの印象では、どんなに恐ろしいハード・ロックやヘヴィ・サイケが聴こえてくるかと思いますが、実際のサウンドは、シンフォニック&ジャジーなプログレ・ハード!明るいトーンで広がる壮麗なキーボード、音響的なセンス抜群のアルペジオからファンキーなカッティング、ブルージー&メロディアスなソロまで表現力豊かなギター。リズム隊も特筆で、シャープに引き締まったトーンで小気味良くドライヴするドラム、ハイポジションでよく動くベースはキレ味抜群。そして、魅力的なのが、辺境プログレの哀愁がつまった霧に包まれたようなセンチメンタルでドラマティックなセルビア語のヴォーカル。ジェネシスやイエスなど英プログレからの影響とともに、マハビシュヌ・オーケストラなどジャズ/フュージョン・ロックやファンクなどのエッセンスを加えた色彩豊かなサウンドは、テクニック、アレンジセンスともに抜群。個人的には、1曲目を聴いて、「旧ユーゴのアトール!」というキーワードが頭に浮かびました。

  • KLADIVO KONJ & VODA / VIDOV PLES

    「英フォーク三種の神器」に通じる神々しさを放つスロヴェニア産、男女ヴォーカル・フォーク傑作、83年リリース

    旧ユーゴはスロヴェニア出身、男女ヴォーカルでヴァイオリン奏者を含むプログレッシヴ・フォーク・グループ。PGP RTBより83年にリリースされた唯一作(79年にカセットのリリースはあり)。透明感の中にちょっぴりミスティックさもあるハイ・トーンの女性ヴォーカル、静かに寄りそう美声の男性ヴォーカルがとにかく絶品。シンプルなアコギ・バッキングを一気に格調高く染める艶やかなトーンの流麗なヴァイオリンも特筆です。スロヴェニア語の響きがまた、ヴォーカルの妖艶さやバンドの持つ気品を一際輝かせています。これはメロウ・キャンドルのファンは間違いなくやられるでしょう。ジャケは呪術的ですが、サウンドはただただクリアで神秘的。名作です。

  • GOMA / 14 DE ABRIL

    75年作、スペインのYES!

    75年作、スペイン。8分以上の大曲4曲から成る力作。長尺の曲を一気に聴かせる緩急自在の構成力がこのバンドの最大の持ち味。格調高さすら感じさせるアコースティカルなパートと、ギター、シンセ、サックスがスリリングなフレーズを応酬するハードなパートとを巧みに配置し、聴き手を全く飽きさせません。演奏力もハイ・レベル。哀愁溢れるメロディーも秀逸です。名作。

  • PREDMESTJE / BREZ NASLOVA

    旧ユーゴ屈指のジャズ/フュージョン・ロック、地中海フレイヴァーとエキゾチズムが香る77年の名作!

    旧ユーゴのイタリアにほど近いリュブリャナ(現スロヴェニアの首都)で75年に結成されたプログレ・グループ。サックス奏者、Key奏者を含む5人組。77年のデビュー作。ZOMBIESを思い出すメロウなR&BフレイヴァーからRETURN TO FOREVER的たおやかなフュージョン・フレイヴァーまで彩り豊かなエレピ、ロック的なエッジとフュージョン・タッチの流麗さとが同居したスリリングなギター、バタバタとファンキーなノリのリズム隊。アドリア海に近く、東西文化が混濁したリュブリャナという土地柄か、地中海フレイヴァーやエキゾチズムが香るサウンドが印象的です。旧ユーゴ屈指のジャズ/フュージョン・ロック名作!

  • GRUPA NEPOCIN / SVIJET PO KOJEM GAZIM

    旧ユーゴ屈指の名グループDRUGI NACINの後継バンド、東欧のヒープと言える完成度を誇る77年作

    旧ユーゴはクロアチアのザグレブ出身、DRUGI NACINのメンバーを中心に結成されたプログレ・グループ。PGP-RTBレーベルから77年にリリースされた実質2ndと言える作品。リッチー・ブラックモアからの影響を感じさせるスリリングかつブルージーなタメも効いたギター、手数多くもタイトで安定感あるリズム隊、熱気あるギター&リズム隊と対象的に冷たいトーンで鳴るシンフォニックなシンセ、ここぞでジェスロ・タルばりにフィーチャーされるフルート、そして、大きく揺れるビブラートが魅力のエモーショナルなヴォーカル。東欧のユーライア・ヒープとでも言えるような、ドラマティック&ヘヴィなアンサンブル、東欧らしい陰影、熱気溢れるヴォーカルが印象的です。テクニック、アレンジ、メロディ・センスともにハイレベルな旧ユーゴの名作。

  • STAMATIS SPANOUDAKIS(STAMATIS) / BEAUTIFUL LIES

    プログレ・ファンにも人気の高いギリシアを代表する音楽家である彼の72年デビュー作、素朴で心温まるフォーク・ロック作

    コアなプログレ・ファンにはシンフォニック・ロックの傑作を多数発表しているミュージシャンとして知られている、現代ギリシャを代表する音楽家である彼が、72年にリリースした1stアルバムが本作。APHRODITE’S CHILD〜EROSのドラマーLucas Siderasや同じくEROSのkey奏者Lakis Vlavianosらを迎え、自身はギターと英語によるヴォーカルを担当。基本的にはギリシャ的なエキゾチックさはほとんどなく、英米フォーク・ロック影響下の飾り気のない素朴で心温まるフォーク・ロックを聴かせてくれますが、サイケがかったトーンで泣きのメロディを紡ぐエレキギターや哀愁のハモンド・オルガンが被さってくるところはギリシャらしい濃厚なドラマチシズムに溢れていてかなりグッと来ます。英米ロック・ファンにもオススメの良作。

  • SLOVENSKA GRUDA / PESMI

    気品に満ちたスロヴェニア産フォークの逸品、70年代のプライヴェート・プレスの英フォークのように凛とした83年作

    旧ユーゴはスロヴェニアのマリボル出身、女性ヴォーカルを擁するフォーク・トリオ。83年作。格調高い響きのマンドリン、透明感たっぷりの神秘的なリコーダー、ハイ・トーンの美声女性ヴォーカル、そして、まるで教会音楽のようにクラシカルで気品に満ちた男女3声のコーラス・ワーク。80年代の作品ながら、まるで60年代末〜70年代はじめのプライヴェート・プレスの英フィメール・フォークに通じる手触りのサウンドも印象的。これは美しい調べに満ちたユーロ・フォークの逸品!英フォークのファンは是非!

  • YU GRUPA / KAKO TO DA SVAKI DAN ?

    旧ユーゴを代表するハード・ロック・グループ、74年2nd

    Jelic兄弟を中心に現セルビアのベオグラードで1970年に結成された、旧ユーゴのグループ。東欧最初期のロック・グループであり、現在でも活動を続ける旧ユーゴを代表する名グループ。71年デビュー作に続く、74年に国営レコード会社のPGP-RTSよりリリースされた2nd。兄弟によるギター/Vo、ベース/Voに加え、ギター/オルガン奏者、ドラムの4人編成で、ツイン・ギターにハモンドがからむブリティッシュ・ロックにも通じるサウンドが特徴。特に左右に配された2本のギターが魅力的で、リズム・ギターではコシのある歪みのタメの効いたフレーズを応酬し、ソロでは、ブルージーかつキレのあるリードを炸裂させます。淡くたなびくオルガン、節回しにエキゾチズムが香るヴォーカルも魅力的。それにしても、ギターソロが良いです。TEAR GASのZal Cleminsonあたりに匹敵するセンス。ウィッシュボーン・アッシュやテア・ガスあたりの骨太&メロウ&哀愁溢れるハード・ロックのファンは気に入るでしょう。

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