スタッフ佐藤です。
世界の国々に散らばる魅力あるプログレ作品を求めてカケレコCD棚を巡っていく「世界のプログレ探求紀行!」
今回は南欧編ということで、地中海沿岸を中心とする諸国を巡りながらニッチなプログレ作品をピックアップしていきたいと思います!
最初に訪れたのがヨーロッパ文化発祥の地ギリシャです。荘厳なるパルテノン神殿を筆頭に世界的に重要な史跡が点在する歴史的な魅力に加え、エーゲ海を臨む美しい自然風景も魅力ですね。そんな豊かな風土の中ではぐくまれた音楽文化も充実しています。
まずはギリシア・プログレの古典と言うべき本作。イタリアン・ロックにも通ずる性急さと、マイク・オールドフィールド彷彿のツーンと尖ったギターやヒンヤリとしたシンセが作り上げるオリエンタルな雰囲気に惹き込まれます。ギリシャ語の神秘的な語感も雰囲気抜群です。ジャケも良い!
ゾンビーズ『オデッセイ&オラクル』にフォルムラ・トレのアルベルト・ラディウスが乱入したら!?って感じのサウンドをギリシャで発見!
スケール大きなシンフォ系作品群でプログレ・ファンにもお馴染みのギリシャ人アーティストのデビュー作。アフロディーテズ・チャイルド~エロス人脈を従えレコーディングされた、素朴で心温まるフォーク・ロック・アルバムです。
72年のデビュー以来つねに第一線で活躍してきた、ギリシャを代表するフィメール・シンガー。サウンドはポップながら、落ち着いた声質で厳かに響かせる歌唱は問答無用の説得力に溢れています。
そのギリシャから北上、北マケドニア共和国を通ってさらに北に抜けると見えてくるのが旧ユーゴスラヴィアの中核をなした国セルビアです。音楽的にはリュート、ブズーキ、バグパイプなどを用いたバルカン半島に共通する民俗音楽、そしてブラス・バンドが盛んなことで知られます。もちろん、南東ヨーロッパの中心として70年代には優れたロック作品も多く残されました。
こ、これは旧ユーゴ屈指のプログレ傑作ですよ。蘭トレースの端正さと伊レ・オルメのほの暗い叙情美やヘヴィネスを合わせつつ、奇天烈さや熱気、東欧ならではの哀感も混ぜ込んだアンサンブルはプログレ・ファンは歓喜すること間違いなし!
旧ユーゴを代表するハード・ロック・バンド。ギタリストが特筆で、英国で言えばTEAR GASのZal Cleminsonに匹敵するセンス。タメとキレが抜群!
こちらもセルビア出身の実力派で、フロイドやホークウィンドやクラウトロックに影響を受けたスペース・プログレが持ち味です。アヴァンギャルドなだけでなくクラシックの素養も感じるし、このバンドは底知れない!
ベオグラードが誇るオルガン・プログレといえば本作。例えるなら、英国のパトゥにキース・エマーソンが電撃加入!って感じの強烈さですよ!
フォーク・ファンにはこちらをオススメ。セルビア語でハートフルに歌われる、煌びやかで神秘的でなおかつ陽だまりのように温かなユーロ・フォークの名品です。
セルビアの西に接するボスニア・ヘルツェゴヴィナを突っ切ると、ブーメランのような形をしたクロアチアに到着です。地中海に面する西部と、首都ザグレブがありハンガリーと国境を接する東部では文化に違いがあり、伝統音楽の色合いも異なるそうです。ちなみに「ネクタイ」はクロアチア人の習慣を原型として世界に広がったのだとか。
Vertigo作品のファン?ならクロアチアが生んだこの陰影豊かなオルガン・プログレは是非おすすめ。トラフィックに通じるR&BフィーリングにVertigo直系のくすんだヘヴィネスを加えたサウンドは本格感ぷんぷん。
リッチー・ブラックモア直系のギター、イアン・アンダーソンばりのフルートが活躍しますが、陰影を帯びたドラマティック&ヘヴィなアンサンブルは、「南欧(東欧)のユーライア・ヒープ」と呼べる素晴らしさ。ジャケも雰囲気ある~っ!
70年代クロアチア産プログレの代表的傑作と言えるでしょう!ウィッシュボーン・アッシュばりのドラマチックなツインリード、幻想的にたなびくオルガン&フルート、そして、炸裂するデヴィッド・バイロンばりのハイトーン・シャウト!
そのクロアチアの北に接しているのが、北海道よりやや大きいという国土のスロベニア共和国。アルプス山脈とアドリア海という山海豊かな自然を有しており、リゾート地としてヨーロッパ中から観光客を集めます。ロックのほうもセルビアやクロアチアに劣らず名作揃い!
こ、この1曲目、ずばり旧ユーゴからのフランスATOLLへの回答!シャープなリズム隊、壮麗なキーボード、音響センス抜群なギター、そして、スロベニア語のセンチメンタル&ドラマティックなヴォーカル。ジャケはやや残念ですが、サウンドはグレイト!
現スロヴェニアの首都リュブリャナ出身の旧ユーゴ屈指のジャズ/フュージョン・ロック・バンド。アドリア海にほど近い土地柄か、地中海フレイヴァーとエキゾチズムが香るサウンドが魅力!
旧ユーゴはスロヴェニアに、「英フォーク三種の神器」に通じる神々しさを放つ傑作が生まれていたとは!メロウ・キャンドルのファンは間違いなくやられます!
こちらは80年代に入ってからの作品ですが、格調高いユーロ・フォーク作品として最高峰の一枚。ハイトーンの美声女性ヴォーカル、そして、まるで教会音楽のようにクラシカルで気品に満ちた男女3声のコーラス・ワーク。神秘的なリコーダーも良いなぁ。
スロベニアを西へ抜けると、いよいよヨーロッパ随一のロック大国イタリアが広がります。西洋音楽の中心地らしいクラシックの素養がにじむ格調高いサウンドあり、溢れんばかりの熱気でゴリゴリ突き進むハードなサウンドあり、地中海音楽の伝統を受け継ぐエキゾチックなサウンドありと、さすがにアプローチは豊富。そのあたりが実感できる作品をセレクトしてみましょう。
この音の瑞々しさと響きの深み。西洋音楽の長い歴史をバックボーンに持つイタリアだからこそ生み出せるサウンド。マイナーな作品ながら、クラシカル・ロックの最上級の調べを堪能できる傑作。酔いしれてください。
テクニカル・ジャズ・ロックの名盤を残したETNAの前身バンドですが、こちらは熱気溢れるハードロック!ヘヴィなギターリフに技巧的なドラム、重厚ながらもキレがあってスリリングな展開の連続は、言うなれば「イタリアからのツェッペリンへの回答」!?
地中海プログレと言えば、マウロ・パガーニ? いかにもなバンド名からしてもこの作品は外せません!民族楽器がテクニカルに躍動し、ギターが鋭利なフレーズでアグレッシヴに切れ込む。「静」と「動」の対比鮮やかなダイナミックな構成も聴き所で、いかにもプログレといえるピアノ&キーボードをフィーチャーしたシンフォニック&清涼感溢れるパート、哀愁が滲む地中海トラッドなパートなど、とにかく演奏の表現力が素晴らしいです。
地中海沿いをさらに西へ。フランスを越えてスペインに到着しました。伝統芸能フラメンコを取り入れた情熱的でエキゾチックなサウンド、バルセロナを中心に発展したジャジーでアヴァンギャルドなサウンド、北部バスク地方に代表される民族色を帯びた素朴でフォーキーなサウンドと、イタリアと同様に地域ごとにさまざまな音楽性を味わうことができるのが特徴と言えます。
エネルギッシュに疾走するギター、パッション飛び散るサックスにキーボード。哀愁のフラメンコ・スタイルも取り入れた、緩急自在の「スペインのYES」75年作!
ラテン・フレイヴァーのお洒落な装いの下で、ビシバシとシャープにキメるドラムと繊細かつ尖ったタッチのギターによる硬質なインタープレイ!名付けてスパニッシュ・カフェ・テクニカル・ラテン・ジャズ・ロック!?
バスク地方の隠れた名グループと言ったら彼らかな?溢れんばかりの哀愁を乗せたアンサンブルと、バスク語のエキゾチックな響きが印象深いハーモニーが聴き所!
スペインは個別に特集ページを公開しております。より深い探求は以下からどうぞ☆
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最期に訪れたのが、ヨーロッパ最西端の国ポルトガル。建築物の装飾として使用される伝統的なタイル「アズレージョ」が有名で、アズレージョで飾られた街並みの美しさは南欧でも指折りでしょう。音楽に関連しては、19世紀に生まれポルトガルの大衆音楽にまで広まった民族歌謡「ファド」の存在が知られますね。
決して多くはないポルトガルのプログレですが、緊張感溢れる演奏、ダイナミックな構成力、叙情的なメロディーという、プログレッシヴ・ロックには欠かせない要素を高次元で満たした、これぞポルトガル・プログレの代表作と言って間違いない一枚!
ポルトガルのロック/プログレ・シーンを代表するミュージシャンなら、このJose Cidを忘れてはなりません。SF的なテーマで練り上げた一大コンセプト・アルバム。リリシズム溢れるメロディーとストリングス・シンセ、メロトロンをフューチャーした哀愁のアンサンブルをベースとした絶品シンフォニック・ロック。
↓「東欧・中欧編」はこちら↓
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世界の国々に散らばる魅力あるプログレ作品を求めてカケレコCD棚を巡っていく「世界のプログレ探求紀行!」。今回は東欧・中欧の諸国を巡りながらプログレ盤をピックアップいたします☆
72年に旧ユーゴのベオグラードにて結成されたフォーク・トリオが74年にリリースした唯一作。凛としたアルペジオが幾重にも折り重なりファンタスティックな音世界を描くアコースティック・ギター、そこに気品を添える艶やかなストリングスや麗しのフルート。曲によってドラムがビートを刻み、オルガンがメロウネスを加え、フォルムラ・トレのアルベルト・ラディウスを彷彿させる抑制されたトーンのギターがエモーショナルなフレーズを添えます。3人が歌うヴォーカル&ハーモニーがとにかく絶品の美しさで、神々しさすら感じさせる透明感ある歌声、ただただ幸福感に包まれる三声ハーモニーに終始うっとり。煌びやかな神秘性とともに、陽光のような温かさもあるユーロ・フォークの逸品。これは傑作です。メロウ・キャンドルやチューダー・ロッジなど英フォークのファン、ITHACAなどサイケ・フォークのファンをはじめ、ピンク・フロイドの叙情的なフォーク・ナンバーが好きな方にも是非聴いてほしい!
81年の唯一作。『地中海の印象』という邦題で日本盤もリリースされた作品。民族楽器がテクニカルに躍動し、ギターが鋭利なフレーズでアグレッシヴに切れ込む。「静」と「動」の対比鮮やかなダイナミックな構成も聴き所で、いかにもプログレといえるピアノ&キーボードをフィーチャーしたシンフォニック&清涼感溢れるパート、哀愁が滲む地中海トラッドなパートなども素晴らしい。オール・インスト。
旧ユーゴ・クロアチアはザグレブ出身のプログレ・グループ、PGP-RTBレーベルから75年にリリースされたデビュー作。幻想的にたなびくオルガンやフルート、ウィッシュボーン・アッシュばりのドラマティックなツイン・リード、そして、デヴィッド・バイロンを彷彿させるハイ・トーンのシャウト・ヴォーカル。叙情的で陰影に富んだサウンドは、ハーヴェストやヴァーティゴ・レーベルの叙情的な英プログレのファンにはたまらないでしょう。エッジの立ったトーンのエネルギッシュなリズム・ギターが冴えるハード・ロックもまた魅力的。旧ユーゴ屈指の名作です。
ギリシャ出身で主にフランスで活動したグループ。71年のデビュー作。ピアノ/オルガン奏者が中心で、ゾンビーズやグレイシャスやスプリングなど気品あるブリティッシュ・ロックからの影響を感じますが、やはりギリシャ出身ならではの美意識が溢れているのが特筆。地中海つながりでイタリアン・ロックを思わせ、特に突っかかるようなファズ・ギターやパーカッシヴなアコギなど、ギタリストはフォルムラ・トレのアルベルト・ラディウスを彷彿させます。ゾンビーズ『オデッセイ・オラクル』にアルベルト・ラディウスが乱入して混沌とさせつつも気品が損なわれていない楽曲など、このグループならではの魅力いっぱい。フルートやストリングスがリリカルに流れる曲も美しいし、トレの『夢のまた夢』もびっくりな荘厳なオルガンをフィーチャーしたラスト曲「Bad Trip」もすごいテンションだし、英語の歌メロはどれも流麗で絶品だし、英ロックのファンもユーロ・ロックのファンも必聴のずばり名作!
ポルトガルのグループ、77年作の1st。幻想的なキーボードとメロディアスなギターによるシンフォニックなパートと、テンション溢れるテクニカル・ジャズ・ロックなパートとによるダイナミックなアンサンブルが持ち味。曲調はバラエティに富んでいますが、叙情性溢れるメロディーが一貫してるため、散漫に聴こえません。緊張感溢れる演奏、ダイナミックな構成力、叙情的なメロディーという、プログレッシヴ・ロックには欠かせない要素を高次元で満たしたポルトガル・プログレを代表する名作。
旧ユーゴで、現クロアチアはザグレブ出身のオルガン・ロック・グループ、72年のデビュー作。トラフィックに通じるR&Bフィーリングに、VERTIGO勢に通じる陰影やハードさを加えたサウンドが持ち味。手数多くタイト&グルーヴィーなドラムと地を這うようにヘヴィなベースによる屈強なリズム隊、くすんだトーンのオルガン、ここぞでファズ・ギターを炸裂させるブルージー&ソリッドなギター、ちょっぴりアクの強い声のソウルフルなヴォーカル。各楽器ともテクニック抜群で、一体感もあり、本格感ぷんぷん。ズシリと重いアンサンブルを軸に、変拍子による細かなキメも織り交ぜた展開も見事。フルートがむせび泣くジャジーでアコースティックなパートなど、表現力も特筆です。これは、素晴らしいグループ!英ロックのファンは必聴と言える名作!
旧ユーゴのイタリアにほど近いリュブリャナ(現スロヴェニアの首都)出身のプログレ・グループ。78年の唯一作。ジャケの印象では、どんなに恐ろしいハード・ロックやヘヴィ・サイケが聴こえてくるかと思いますが、実際のサウンドは、シンフォニック&ジャジーなプログレ・ハード!明るいトーンで広がる壮麗なキーボード、音響的なセンス抜群のアルペジオからファンキーなカッティング、ブルージー&メロディアスなソロまで表現力豊かなギター。リズム隊も特筆で、シャープに引き締まったトーンで小気味良くドライヴするドラム、ハイポジションでよく動くベースはキレ味抜群。そして、魅力的なのが、辺境プログレの哀愁がつまった霧に包まれたようなセンチメンタルでドラマティックなセルビア語のヴォーカル。ジェネシスやイエスなど英プログレからの影響とともに、マハビシュヌ・オーケストラなどジャズ/フュージョン・ロックやファンクなどのエッセンスを加えた色彩豊かなサウンドは、テクニック、アレンジセンスともに抜群。個人的には、1曲目を聴いて、「旧ユーゴのアトール!」というキーワードが頭に浮かびました。
旧ユーゴはスロヴェニアのマリボル出身、女性ヴォーカルを擁するフォーク・トリオ。83年作。格調高い響きのマンドリン、透明感たっぷりの神秘的なリコーダー、ハイ・トーンの美声女性ヴォーカル、そして、まるで教会音楽のようにクラシカルで気品に満ちた男女3声のコーラス・ワーク。80年代の作品ながら、まるで60年代末〜70年代はじめのプライヴェート・プレスの英フィメール・フォークに通じる手触りのサウンドも印象的。これは美しい調べに満ちたユーロ・フォークの逸品!英フォークのファンは是非!
Jelic兄弟を中心に現セルビアのベオグラードで1970年に結成された、旧ユーゴのグループ。東欧最初期のロック・グループであり、現在でも活動を続ける旧ユーゴを代表する名グループ。71年デビュー作に続く、74年に国営レコード会社のPGP-RTSよりリリースされた2nd。兄弟によるギター/Vo、ベース/Voに加え、ギター/オルガン奏者、ドラムの4人編成で、ツイン・ギターにハモンドがからむブリティッシュ・ロックにも通じるサウンドが特徴。特に左右に配された2本のギターが魅力的で、リズム・ギターではコシのある歪みのタメの効いたフレーズを応酬し、ソロでは、ブルージーかつキレのあるリードを炸裂させます。淡くたなびくオルガン、節回しにエキゾチズムが香るヴォーカルも魅力的。それにしても、ギターソロが良いです。TEAR GASのZal Cleminsonあたりに匹敵するセンス。ウィッシュボーン・アッシュやテア・ガスあたりの骨太&メロウ&哀愁溢れるハード・ロックのファンは気に入るでしょう。
旧ユーゴはセルビアにて76年に結成されたグループ。79年にPGP-RTBよりリリースされたデビュー作。ピンク・フロイド、ホークウィンド、カン、タンジェリン・ドリームあたりに影響を受けたようで、なるほどスペーシーで冥想的な音世界に尖ったビートと破天荒なヴォーカルを乗っけたサウンドはその通り。ホークウィンドばりのエッジの立ったリズム・ギターからカンのミヒャエル・カローリを彷彿させる緊張感いっぱいのリードまでギターはキレキレだし、突如ハイ・トーンで雄叫びを上げるヴォーカルも尋常ではないし、アヴァンギャルドなだけでなくクラシックの確かな素養も感じさせるし、このバンドはやばすぎます。これは名作でしょう!
SECONDHARVEST416(SECOND HARVEST)
デジパック仕様、ボーナス・トラックとして92年のアルバム「Inner Flow」より7曲と78年のライヴ音源1曲を収録
レーベル管理上、若干の角潰れがある場合がございます。ご了承いただけましたら幸いです。
旧ユーゴはスロヴェニア出身、男女ヴォーカルでヴァイオリン奏者を含むプログレッシヴ・フォーク・グループ。PGP RTBより83年にリリースされた唯一作(79年にカセットのリリースはあり)。透明感の中にちょっぴりミスティックさもあるハイ・トーンの女性ヴォーカル、静かに寄りそう美声の男性ヴォーカルがとにかく絶品。シンプルなアコギ・バッキングを一気に格調高く染める艶やかなトーンの流麗なヴァイオリンも特筆です。スロヴェニア語の響きがまた、ヴォーカルの妖艶さやバンドの持つ気品を一際輝かせています。これはメロウ・キャンドルのファンは間違いなくやられるでしょう。ジャケは呪術的ですが、サウンドはただただクリアで神秘的。名作です。
旧ユーゴのイタリアにほど近いリュブリャナ(現スロヴェニアの首都)で75年に結成されたプログレ・グループ。サックス奏者、Key奏者を含む5人組。77年のデビュー作。ZOMBIESを思い出すメロウなR&BフレイヴァーからRETURN TO FOREVER的たおやかなフュージョン・フレイヴァーまで彩り豊かなエレピ、ロック的なエッジとフュージョン・タッチの流麗さとが同居したスリリングなギター、バタバタとファンキーなノリのリズム隊。アドリア海に近く、東西文化が混濁したリュブリャナという土地柄か、地中海フレイヴァーやエキゾチズムが香るサウンドが印象的です。旧ユーゴ屈指のジャズ/フュージョン・ロック名作!
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