2018年11月9日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: ブリティッシュ・ロックプログレ
今年も残すところあと2ヵ月、早いものですね……。
さてさて、2018年下半期も英国ロック&プログレのリイシュー盤が多数リリースされましたよ!
というわけで入荷タイトルを一挙ご紹介。
ギターレスのダブル・キーボードという編成を取りつつ、クラシカル過ぎないポップでファンタジックなサウンドを聴かせる英国の名プログレ・グループ!ロジャー・ディーンのジャケも印象的なデビュー作が2枚組+新規リマスターでリイシュー♪
【関連記事】
イエス『危機』を出発点に、テンションいっぱいのアンサンブルとファンタスティックなメロディ&コーラスが素晴らしいプログレを世界中からピックアップ!
「青い影」でおなじみのPROCOL HARUMも今年リイシューが続々とリリースされています。一番人気は彼らの代表作のひとつと言える、格調高い管弦楽器を導入したこの73年作!
『GRAND HOTEL』の次作であるこちらの74年作もリイシュー!Chrysalisレーベルへの不満をパンキッシュに歌った楽曲なんかもありつつ、滲みGRAND HOTEL』出る気品と哀愁と華やかさが実に彼ららしい一作。
こちらは『GRAND HOTEL』の前年72年に行われたオーケストラとの共演ライヴ盤!交響組曲かの如き荘厳なアレンジを施した「In Hel ‘TWas In I」がひたすら圧巻…!
【関連記事】
海外音楽サイトUDISCOVERMUSICが選んだ、オーケストラとロックの曲をご紹介いたします!
同じくCURVED AIRのスタジオ作も続々とリイシューが登場。1stで見せた実験性は落ち着いたものの、端正で壮麗な音世界に磨きがかかった名作2nd!
気品あるファンタジックさとソフトなサイケデリアに包まれた音世界にうっとり…。RENAISSANCEと共に英国の女性ヴォーカル・プログレを代表するグループ、最高傑作と名高い72年3rd!
クラシカルな格調高さとロック的ダイナミズムが見事に融合した「Metamorphosis」は英国プログレ史に残る名曲と言って過言ではないでしょう…。本作より加入のエディ・ジョブソンの才気炸裂する74年作4th。
CURVED AIRと並ぶ女性ヴォーカル英国プログレの筆頭、RENAISSANCEのリイシューも登場。クラシックとロックが交差した気品溢れるアンサンブルに、Annie Haslamの伸びやかなスキャットが映える…!新生RENAISSANCEの記念すべき第一作目!
王立音楽院卒のエリート二人を中心に結成された超絶技巧古楽プログレ・グループ。リイシューではありませんが、Transatlanticレーベル在籍期のスタジオ盤全曲を新規リマスターで収録した2枚組アンソロジー!
めちゃめちゃマイナーですが、こんな知られざる英国ジャズ・ロックのリイシュー盤も登場!カンタベリー・ロックやジェントル・ジャイアントを彷彿させる捻りあるセンスと圧倒的なテクニックで展開する技ありジャズ・ロック。どの曲も緻密に組み上げられた手工芸品のような完成度を誇っていて、こりゃ素晴らし~!
カケレコ一押しの英国ポップ・グループも新規リイシューが登場しておりますよ☆もはや職人技と言える、完成度の高いメロディ&アレンジが詰まった最終作4th。
CAMELやAPP作品にも参加した「英国の一人ビーチ・ボーイズ」と言えるポップ職人。西海岸憧憬と英国的気品が絶妙にブレンドした豊かなメロディと広がりある多彩なコーラスワークがお見事です。これぞ究極の胸キュンサウンド!
最後に注目の再入荷作をご紹介!
共にYESで活躍したビル・ブルーフォード&パトリック・モラーツが80年代に結成したデュオ、超絶技巧かつ有機的で楽しげな二人のインプロビゼーションが堪能できる85年来日ライヴの模様を収録!
2018年上半期の注目リイシュー作はこちらをチェック!
73年作4thアルバム。ダリル・ウェイに代わりエディ・ジョブソンが加入。ヴァイオリンにキーボードにピアノに才気溢れるフレーズを連発しています。作曲者としても並々ならぬ才能で、彼が作曲した「METAMORPHOSIS」はクラシックの格調高さとロックのダイナミズムが融合したアルバムのハイライトとなる名曲。本作から加入のカービー・グレゴリーの貢献度も高く、彼のドライヴ感溢れるハードなギターもバンド・アンサンブルでは欠かせません。前作からメンバーも大きく代わっていますし、純粋に比較することはできませんが、テンション溢れるブリティッシュ・プログレとしての完成度では本作が最高傑作と言えるでしょう。
COLOSSEUMのDave Greenslade、Tony Reeves、KING CRIMSONのAndrew McCulloch、SAMURAIのDave Lawsonというテクニシャンが集結し、ギターレスのダブル・キーボードの強みを生かしたプログレッシブ・ロックを聴かせたイギリスのグループの73年デビュー作。彼らの作品の個性と言えるキーボードはピアノ、オルガン、メロトロンを中心にクラシカルな雰囲気ではなく、ブルージーないぶし銀のプレイを基本にポップ・テイストを乗せた素晴らしいアプローチを披露。スリリングなパフォーマンスも見せますが、アンサンブル主義のさじ加減が絶妙であり、英国的なマイルドさとファンタジアに溢れています。適度なユーモアを含んだ作風も個性的な、次作とあわせて名盤と言えるでしょう。
YARD BIRDSのKeith Relf、Jim McCartyを中心に結成されるも、2枚のアルバムを残し解散したイギリスのグループ。72年にソプラノ・ボーカルAnnie Haslamを擁し新体制で活動を再開、ロック・フォーク・クラシックが交差する幻想的な楽曲は今なお色褪せることはありません。本作は72年にリリースされたデビューアルバム。「革命のエチュード」からの引用によるオープニングからクラシカルな味わいと英国ロックの気品、アコースティックな感性を全面に、Annie Haslamの伸びやかなスキャットが映えます。楽曲のふくよかさ、トータルプロダクションの上手さは後の作品に譲るも、彼らにしか作りえない素朴な叙情の片鱗を既に窺うことが出来る好盤です。
RENAISSANCEと共に、女性ボーカルがフロントを務めるプログレッシブ・ロックバンドの代表格であり、紅一点Sonja Kristinaのパワフルな歌声とDarryl Wayのヴァイオリンをクラシカル且つソフトなサイケデリアで包んだイギリスのグループによる72年3rd。グループの名曲「マリー・アントワネット」や「オーバー・アンド・アバーブ」を収録した最高傑作と名高い本作は、これまでのCURVED AIRの集大成といえるバラエティーに富んだ作風となっており、Sonja Kristinaの魅力が詰まったメロディアスな楽曲からFrancis Monkmanの趣向を感じる実験色、Darryl Wayのクラシカルな彩りが渾然一体となって迫る名盤です。本作を最後にグループは事実上解散し、Darryl Way、Francis Monkman不在のまま後に再編されます。
「フランス貴族の没落」をテーマとした73年7th。プロコル・ハルムがかねてより試みていた、ロックとクラシックの融合が今作で最高潮に達しています。クリス・トーマスによる流麗なオーケストレーションが前編に渡って響き渡り、ゲイリー・ブルッカーの骨太なヴォーカルとクリアなピアノ、B.J.ウィルソンのダイナミックなドラム、ハードなソロも織り込んだギター等々、迫力のバンド・サウンドと組み合わさって、豊穣な音の洪水を作り出しています。そしてその全てが英国的な気品と陰影を帯びており、聴けば聴くほどじわじわと染み入ってくる味わい深さがあります。後期プロコル・ハルムを代表する傑作です!
廃盤、紙ジャケット仕様、HQCD、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、定価2800
盤質:無傷/小傷
状態:並
帯無
帯無、紙ジャケに目立つスレあり、解説に若干黄ばみあり
RENAISSANCEと共に、女性ボーカルがフロントを務めるプログレッシブ・ロックバンドの代表格であり、紅一点Sonja Kristinaのパワフルな歌声とDarryl Wayのヴァイオリンをクラシカル且つソフトなサイケデリアで包んだイギリスのグループによる71年2nd。前デビューアルバムではダイナミックで力強いロックを奏でていましたが、本作ではデリケートでファンタジック、アコースティックなアンサンブルが映えるフォーク・ロック路線の作風へと変化しています。Francis Monkmanは前作でのラウドなギターをほとんど封印しVCSシンセサイザーの演奏に注力。アレンジも良く練られており、実験要素の強かった前作には無かった統一感が生まれています。
アイルランド出身、ギター、キーボード、ベース、ドラムの4人からなるプログレ/ジャズ・ロック・グループ、76年の唯一作。安定感あるリズムと流れるようなタッチのギター&エレピが紡ぐ端正なジャズ・ロックがベースとなっていますが、その音楽性は実に多彩。77年に唯一作を残した美声女性SSW、Rosemarie Taylorをフィーチャーしたカンタベリー・ロックに通じる柔らかくロマンチックな3曲目、GGのケリー・ミネアの作風を思わせる浮遊感あるプログレ・ナンバー、バグパイプ風のキーボードのプレイがカッコいいアイリッシュ風味香るテクニカル・ジャズ・ロックなど、バラエティに富みつつもどの曲も緻密に組み上げられた手工芸品のような完成度を誇っており実に素晴らしいです。ラストは初期GGのアルバムに入っていてもおかしくないほどの凝りに凝った展開とコーラスに彩られたナンバーでハイライトの一つ。底知れぬ技巧と捻りあるユニークな音楽センスを備えたグループによる名盤です。
英スコットランドはグラスゴー出身、CAMELやALAN PARSONS PROJECT作品への参加でプログレ・ファンにもその名が知られる、英国屈指のポップ・クリエイターが79年にリリースした3rdにしてラスト・アルバム。英国の一人ビーチ・ボーイズとも云われるように、多重録音を駆使した多彩なコーラスと、抜けの良いポップなメロディセンスが持ち味で、アメリカ西海岸への憧れに満ちた青空のような爽やかさとほんのり漂う英国らしい気品高さを併せ持ったソングライティングは、ため息が出るほどにメロディアスで芳醇。そこに切なさも秘めた甘いヴォーカルと幾重にも折り重なる自在なコーラスワークが乗り、職人的とも言える完璧なポップ・サウンドが眼前に広がります。これはルベッツ、ファーストクラス、山下達郎などビーチ・ボーイズ直系ハーモニー・ポップのファンならきっと虜になってしまうサウンドでしょう。これぞ胸キュン必至の名盤!
王立音楽院卒のエリートRichard HarveyとBrian Gullandを中心に結成され、古楽器と中世音楽の要素を取り入れたユニークなプログレッシヴ・ロックを展開する英国のグループ。彼らが英国TRANSATLANTIC在籍期にリリースした73年作1st『GRYPHON』、74年作2nd『MIDNIGHT MUSHRUMPS』、同年3rd『RED QUEEN TO GRYPHON THREE』、そして75年作4th『RAINDANCE』のなんと4枚全曲を収録した2枚組アンソロジー。テクニカルで格調高くもどこか長閑な牧歌性を湛えた古楽器アンサンブルを聴かせる1st&2ndから、中世音楽とYESからの影響伺わせるドライヴィングなロック・サウンドが融合した3rd&4thまで、典雅でいて親しみやすさも一杯のGRYPHONサウンドを堪能できる一枚です。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!