2018年6月18日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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スタッフ佐藤です。
西欧諸国のプログレの中でも、その歴史的/文化的背景から各地域に根ざした多様なサウンドが鳴らされてきたスパニッシュ・プログレ。
今回は各バンドの地域性にも注目しつつ、情熱と哀愁スパニッシュ・プログレをピックアップしてまいりたいと思います☆
まずはスパニッシュ・ジャズ・ロックの総本山バルセロナのバンドからいってみましょう~!
「なに?ジョン・マクラフリン?スペインにオレがいることを忘れてもらっちゃ困るぜ。」そんな声が聞こえてきそうなMax Suryaの超絶ギターに痺れること必至。レビュワー全員が満点評価のスパニッシュ・ジャズ・ロック最高峰!
ジャケも最高だが、音もカッコ良すぎる。カタルーニャ地方の民族舞踏サルダーナとキレ味抜群ジャズ・ロック・アンサンブルの芳醇すぎる出会い。チェンバー・ロックばりの硬質なブラス・セクション、カンタベリー・ロックに通じるメロディアスさまで内包していて、ハットフィールド&ザ・ノースの1stやヘンリー・カウのファンも気に入ることでしょう。
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フランコ独裁政権からの抑圧から解放されたカタルーニャ人の喜びとともに、あらためてルーツを振り返り、高らかにカタルーニャ文化に根ざしたサウンドを鳴らしたのが本作。族舞踏サルダーナとジャズ、ロックが完璧に融合したサウンドは、名づけてカタルーニャ舞踏ロック!
ハットフィールドが好き?リターン・トゥ・フォーエヴァーが好き?でしたら、このスペインのグループ、是非一聴を!地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうエレピが絶品ですよ~。
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後にスペインはバルセロナのジャズ・ロック・シーンで名を残す重鎮たちが70年代初期に産み落とした最高にカッコ良いビートルズ・カバー作『WE ARE DIGGING THE BEATLES』をピックアップ!
からみ合う3本のギターのヌケの良いこと!地中海の青空に爽快に突き抜けるジャズ・ロック/フュージョンの逸品ですね。イスラエルのSHESHETファンもこれは是非!
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世界中より、シャープに引き締まったテクニカルかつ流麗なジャズ・ロック作品をセレクトしてまいりましょう。
ジャケはサイケ/オリエンタルなのに、聴いてびっくり、音はかなり硬派なジャズ・ロック!電化マイルスやソフト・マシーンのファンはもちろん、ヘンリー・カウなどスリリングなチェンバー・ロックのファンにも直撃のスパニッシュ・ジャズ・ロック名盤!
「3兄弟と言えばジェントル・ジャイアント?おいおい、スペインの俺らのことも忘れないでくれ。」ブランドXと比べても一歩も引かないテクニカルかつ流麗なジャズ・ロック傑作。
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本日の「ユーロロック周遊日記」は、スパニッシュ・ロック・グループCOMPANYIA ELECTRICA DHARMAをご紹介。
これは痺れました!スペイン・ジャズ・ロックの重鎮たちが72年に産み落とした全曲ビートルズのカバー・アルバム。イージーリスニングな感じは微塵もなく強烈な躍動感とキラメキ!これは激カケレコメンド!
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後にスペインはバルセロナのジャズ・ロック・シーンで名を残す重鎮たちが70年代初期に産み落とした最高にカッコ良いビートルズ・カバー作『WE ARE DIGGING THE BEATLES』をピックアップ!
そのバルセロナを海岸沿いに南下、バレンシア州の海岸都市カスティリョンは、今話題のあのバンドの出身地!
現スパニッシュ・プログレ・シーンを背負って立つ期待の新鋭ですねっ!
クイーン+ドリーム・シアターをベースに、様式美HRからビッグバンドまでを取り入れる奇想天外センスとスペインらしい情熱で仕上げたサウンドは、とことんエネルギッシュで痛快。聴いていてこんな楽しくてワクワクするプログレって他にないかも!
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待望の4thアルバム『CUARTO CRECIENTE』をリリースした注目のスペイン新鋭DRY RIVERを大特集!
そのカスティリョン・デ・ラ・プラナから地中海を東に行くと見えてくるのがあのマヨルカ島。そこで育ったメンバーによる愛すべきこのグループはご存知でしょうか?
ゴングのデヴィッド・アレンがプロデュースした、このスペインはマヨルカ島発サイケ・フォーク名盤はご存知?地中海風の陽気と美しさを内包したドリーミーなサウンドが絶品すぎる…。ゴーキーズあたりが好きな90年代以降ロックのファンにも聴いてもらいたいです。
つづいては、スパニッシュ・プログレらしい情熱と哀愁のサウンドを最も体現していると言っていい、アンダルシア地方のバンドたちをピックアップ!
スペインの音楽シーンを変えたとも言われるムーブメント「ROCK ANDALUZ」の創始バンドによる記念すべき1st。専任フラメンコ・ギタリストを擁する編成で、哀愁漂いまくりのフラメンコ・スタイル、熱っぽくうねるシンフォニックなキーボード、そして切々と訴えるエモーショナルなヴォーカルを組み合わせた、はちきれんばかりの叙情で満たされたサウンドを鳴らします。
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毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、スペインはアンダルシア地方を代表するプログレ・グループTRIANAによる75年の傑作デビュー作『EL PATIO』をピックアップいたしましょう。
フラメンコを強く想起させるパッション溢れるヴォーカル、テクニカルなスパニッシュ・ギター、美しい旋律を奏でるピアノ&シンセ、哀愁漂うメロディー。イタリアン・ロックにも通ずる『詩情』 meets フラメンコのパッション!これぞスパニッシュ・シンフォの魅力がつまった名品ですね。
お~これぞスパニッシュ・プログレ!シンフォニック・ロックに、フラメンコなどアンダルシア地方の伝統音楽、そしてフュージョンが融合したサウンドはかなり驚きの完成度ですよ~。洗練されているのに哀愁と情熱はたっぷり、という素晴らしい一枚!
クリムゾンの『ポセイドンのめざめ』をジェスロ・タルがカヴァーして、そこにマイルス・バンドの面々が乱入したらこんな感じになるかも!これはアンダルシア・プログレの秘宝。
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欧米各国の「ど」がつくマイナープログレを発掘リリースしている注目の新興レーベルPAISLEY PRESS。リリース作品を一挙ご紹介!
後にスペインを代表する音楽家となるJoan Albert Amargosが若き日に結成したジャズ・ロック/アヴァン・ロック・グループ。アレアやSHESHETとも呼応した地中海プログレの大傑作!
最後は、秘境バスク地方を探求。系統不明の謎の言語バスク語の切々とした語感も相まった強烈なまでの哀愁を帯びた泣きのプログレの宝庫なんですよね。
スペインはバスク地方が誇るシンフォの古典的名作と言えば?キャメルやジェネシスに通じるリリカルなアンサンブル、切なさに胸がつまるバスク語のヴォーカル。絶品です。
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スペインはバスクが誇る名作を特集。アルゼンチンのPABLO EL ENTERRADORやイタリアのLOCANDA DELLE FATEのファンは必聴ですね!当時のライヴ映像が素晴らしすぎ!
幽玄なフルートやチェロ、虚ろな女性ヴォーカル、エキゾチックなパーカッション。でも、混沌とすることはなくて、もうそれはそれは美しいんですよね。これぞバスキッシュ・プログレ・フォーク。
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地中海や北アフリカの風を感じるバグパイプ、ブズーキ、パーカッションによるエキゾチズム。そこに影をおとすバスクならではの悲哀。ITOIZと並ぶバスクの名グループによる本作は、バスク・ロック史上の最高傑作とも云われる逸品!
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一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、70年代のスペインバスク地方を代表するバンドの一つ、ERROBIの79年作『AMETSAREM BIDEA』をピックアップいたしましょう。
これはずばり「ヘヴィ・シンフォ meets 民謡フレイヴァー」!スペインはバスク出身ならではのサウンドだなぁ。ギターやフルートの長尺ソロは同郷ITOIZにも通じていて素晴らしい!
マイナーすぎて読み方すらわからない多種の民族楽器を用いた、どこまでも幻想的な世界観が魅力的。バスク・フォーク、奥深し…。
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一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、スペインのプログレ秘境バスクの民族色豊かなフォーク・プログレ名品IZUKAITZの78年1st「IZUKAITZ」をピックアップいたしましょう。
情熱と哀愁が溢れ出すスパニッシュ・プログレ・セレクション、堪能していただけたでしょうか。
気になる作品を見つけていただければ幸いです☆
後にBARCELONA TRACTION〜MUSICA URBANAとスパニッシュ・ジャズ・ロックを代表するグループで活躍する名Key奏者Lucky Guriと70年代初期のスパニッシュ・ジャズ・ロック・シーンを代表するグループMAQUINA!のサックス奏者Peter Roarを中心に、言わずとしれたICEBERGの名ギタリストMax Sunyerや、MAQUINA!のリズム隊が参加したスーパー・グループ。72年作の全曲ビートルズ・カバー・アルバム。もう、このレビュー書きながら、興奮しています!2曲目の「Strawberry Fields Forever」で泣きそうです。イージーリスニングな感じは微塵もなく、サイケ・ポップのカラフル感を残しつつ、ロック的シャープさとオシャレな洗練とが同居した最高にカッコ良くワクワク感溢れるサウンドを聴かせています。シャープでタイトな音色と手数多いフレージングがカッコ良すぎるドラムを中心に、ピアノとサックスが時にどっしりと時に軽やかに躍動し、NUCLEUS時代のChris Speddingを彷彿とさせるセンス溢れるMax Sunyerが脇を固めます。このキラメキが伝わるでしょうか。カケレコが自信を持ってオススメする大傑作!ビートルズ・ファンもサイケ・ポップ・ファンもニッチ・ポップ・ファンもジャズ・ロック・ファンもカンタベリー・ファンも全員必聴!
12年デビュー、メンバーほぼ全員がクイーンとドリーム・シアターをフェイバリットに挙げるスペインの新鋭プログレ・バンド、前作より3年ぶりとなった18年作3rd。前2作も素晴らしいアルバムでしたが、この3rd、もうとことんエネルギッシュで痛快。聴いていてこんなに楽しくってワクワクするプログレって他にないかもしれませんっ!ベースとなるのは最も影響を受けているクイーンとドリーム・シアターの合わせ技。そこにシンフォ、ロックン・ロール、様式美ハード・ロック、ビッグ・バンド・ジャズ、フュージョンなどを自在に結合させて、スペイン産らしい情熱的かつダイナミックなプログレに仕立て上げた、エネルギーがぎっちり詰まったサウンドを構築しています。歌い回しにフレディ・マーキュリー愛を感じさせる声量みなぎるスペイン語ヴォーカルとオペラチックな分厚いコーラスがドラマチックに舞い上がるクイーン風のヴォーカル・パートから、ド派手に鳴らすヴィンテージ・トーンのオルガン&クラシカルで可憐なタッチのピアノを操るキーボードが溢れ出し、ギターがテクニカルかつハードエッジに疾走。ギターはメタリックにゴリゴリしてはいるのですが、同時にコシの強いグルーヴ感があり、ロックンロールのノリの良さが先立っているのが特徴。硬質ながら人間味たっぷりに熱く弾き飛ばすプレイ・スタイルがカッコいい!ギターが牽引する強度あるヘヴィ・プログレに突如ゴージャスなビッグ・バンドが絡んできたり、クラシカルな速弾きが炸裂する様式美系ハード・ロックがごく自然に南国風フュージョンに発展したりと、あまりに先の読めない奇想天外なサウンドには軽く目眩が起きそうなほど。その後には一転して美しいメロディが冴え渡る叙情バラードを持ってくるセンスも憎い限りです。前作が彼らの完成形かと思いきや、まだまだ進化するDRY RIVERサウンドを見せつける大傑作!おすすめです!
スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・トリオ、75年作。バンドのリーダーは、Key奏者のLucky Guriで、バルセロナ・ジャズ・ロック・シーンの名手達が集まったビートルズのカヴァー作品(傑作!)に参加したり、後には地中海ジャズ・ロックの名バンドMUSICA URBANAに参加するなど、バルセロナ・シーンを代表するKey奏者。シャープに引き締まったドラム、流麗に動くメロディアスかつグルーヴィーなベースによる安定感抜群のリズム隊を土台に、エレピが地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうメロディを奏でます。色彩感豊かなパーカッションやホイッスルなどによる味付けも地中海フレイヴァーたっぷり。バンドは、スペインはカタルーニャ地方のウッドストック・フェスと言える75年に行われた伝説の「Festival Canet Rock」に参加し、高い評価を得ます。バルセロナ産ジャズ・ロック「MUSICA LAIETANA」シーンを代表する一枚として名高い傑作です。
スペイン出身のジャズ・ロック・グループ。77年作の3rd。前作で完成したテクニカル・ジャズ・ロックに暴力性を加えたヘヴィな演奏が印象的。高速フレーズを正確無比というよりゴリゴリとアグレッシヴに弾き倒すギターは存在感抜群。2ndとあわせて、スペイン・ジャズ・ロックの最高峰
スペインはバルセロナで興った「ライエターナ・ミュージック」屈指の傑作と言われる76年唯一作。メンバーの中心は、現在までプレイヤー/コンポーザーとして活躍するサックス/テノーラ奏者のJoan Josep Blay。他、ジャズ・ピアノの名手でORQUESTRA MIRASOLでも活躍するKey奏者Victor Ammannと、トランペット奏者、トロンボーン奏者、リズム隊による6人編成。Joan Josep Blayによるテノーラ(スペインの民族木管楽器)のチャルメラ風フレーズを軸に、トランペットとトロンボーンがたおやかにむせぶ地中海フレイヴァーたっぷりのサウンドを聴かせます。ビシバシと切れ味鋭いドラムとメロディアスに動きまくるベースによるリズム隊も鉄壁。Key奏者のVictor Ammannもさすがで、ギルガメッシュのAlan Gowenにも比肩する緻密で煌びやかなピアノ&エレピが印象的です。ハットフィールドやギルガメッシュなどカンタベリーの名作と比べても何ら遜色ないクオリティ。これはユーロ・ジャズ/アヴァン・ロック屈指の傑作です。
スペインはバルセロナ出身、チェンバー/ジャズ・ロックの名グループ。76年にZELESTEレーベルよりリリースされた1st。後にクラシックから映画/演劇音楽でも名を残し現代スペインを代表する音楽家となるJoan Albert Amargosを中心に、60年代末から活躍するブラス・ロック・バンドMAQUINA!のメンバー、BARCELONA TRACTIONのKey奏者により結成。英米ロックから解放されたスパニッシュ・ロックの確立を目指していたようで、地中海音楽やアンダルシア音楽をはじめ、スペインのオペラであるサルスエラ(Zarzuela)も取り込んだチェンバー・ロックが特徴です。緻密かつ地中海の香り漂う芳醇なサウンドは、HATFIELD & THE NORTHのファンをはじめ、イスラエルのSHESHETやイタリアのAREAやPICCHIO DAL POZZOのファンにはたまらないはず。若きJoan Albert Amargosの才気ほとばしるイマジネーション豊かな名品です。
スパニッシュ・ロックを代表するグループである彼らが75年にリリースした記念すべき1stアルバム。哀愁のフラメンコ・ギターに導かれるキーボード&ピアノのドラマティックな響きと、それに続く熱情的なヴォーカル。めくるめくダイナミックなバンド・アンサンブル。とにかくこれでもかと聴き手の感情を揺さぶる展開はただただ圧倒的。スパニッシュ・シンフォ屈指の傑作。
スペインはバルセロナ出身。60年代にPIC-NICというポップ・バンドで活躍し、後にジャズ/フュージョン・シーンでも活躍するスペインを代表する名手の2人、ギタリストのToti SolerとピアノのJordi Sabatesを中心に69年に結成。わずか2年という短い活動期間ながら、スペインのジャズ・ロック・シーンの祖を築いたとも言われる名グループ。71年の唯一作。ドラムはイギリス人で、ヘンリー・カウでお馴染みのTim Hodkingsonの兄弟のPeter Hodkingson。彼のロバート・ワイアットばりの手数多くタイトなリズムを土台に、Todiがゴリゴリとアグレッシヴにギターを弾き倒すテンションみなぎるジャズ・ロックが印象的。フルートやピアノによるイマジネーション溢れるパートや、サックスがフリーキーに暴れたり、アレンジも巧みでかなり痺れます。電化マイルスやソフト・マシーンのファンはもちろん、ヘンリー・カウなどスリリングなチェンバー・ロックのファンも間違いなく気に入るでしょう。Todi Solerのギターは本当に素晴らしく、北欧の名手Jukka Tolonenが好きな方にも是非オススメしたいです。ジャケはサイケ/オリエンタルですが、サウンドは硬派なジャズ・ロック。これは傑作です。
スペイン出身のサイケ・フォーク・グループ。78年作の唯一作。デヴィッド・アレンによるプロデュースで、ドリーミーなメロディー、美しいコーラス・ワーク、リコーダーやハーモニカによる黄昏のアンサンブルが印象的な名作。どの曲もメロディーが素晴らしく、佳曲揃いです。
スペインはバルセロナ出身、ギター、サックス、ドラムのFortuny3兄弟を中心とするグループで、70年代半ばにバルセロナのライヴハウスZELESTEを中心に起こったジャズ/アヴァン・ロック・ムーヴメントの代表格。75年にEdigsaよりリリースされた1st。後には民族音楽的なサウンドを確立しますが、デビュー作録音時は、マイルス・デイヴィスやウェザー・リポートなどエレクトリック・ジャズ/フュージョンにメンバーが傾倒していたようで、テクニカルかつ流麗なジャズ/フュージョン・ロックが特徴。手数多くシャープなドラム、よく動くベースによるキレ味鋭いリズム隊をバックに、左CHではギターがジョン・マクラフリンばりのゴリゴリとアグレッシヴなギターを炸裂し、右CHではエレピがテクニカルかつ浮遊感あるフレーズで音空間を広げます。そして、中央で柔らかにむせぶソプラノ・サックス。それにしても圧倒的なテクニックで、英ブランドXやアイソトープと比べても一歩も引かない超絶インプロを聴かせています。合間にはフラメンコ・ギターによるフォーキーなナンバーや、エキゾチックなパーカッションをバックにサックスがたゆたうナンバーあり、地中海&カタルーニャ地方ならではの香りも添えます。ジャズ/フュージョン・ロックとしてユーロ屈指と言って過言ではない名作。
スペイン南部はアンダルシア地方の地中海に面する都市マラガ出身のプログレ・バンド。80年の1stで、RCAからのリリースながらわずか600枚ほどがプレスされたのみの激レア盤。海外のレビュー・サイトでは、ゴング、ソフト・マシーン、チック・コリア、マイルス、ザッパ、そして、フラメンコの融合、と評されていましたが、なるほど言い得て妙。クリムゾンの『ポセイドンのめざめ』をジェスロ・タルがカヴァーして、そこにマイルス・バンドの面々が乱入したらこんな感じになるかも。バタバタと手数多くシャープ&タイトなジャズ・ロック・スタイルのドラム、動きまくるアグレッシヴなベースによるリズム隊を土台に、ギターが、猥雑なファズ・ギターからロバート・フリップ風の緊張感あるアルペジオまでダイナミズムをつけ、フルートが時にミスティックに、時に軽やかなフレーズで駆け抜け、ここぞではサックスがブイブイと炸裂する。熱情のアンダルシア・スタイルのヴォーカルも特筆で、オペラ・スタイルを持つバンコのジャコモへの、フラメンコ・スタイルからの回答といった感じ。雰囲気抜群のジャケのイメージ通りのプログレ/ジャズ・ロックの秘宝です。
バスク出身のフォーク・グループが78年にリリースした1stアルバム。フルート、フィドル、タブラ、アコースティック/エレクトリック・ギターによる流れるようなアンサンブルと、女性・男性ヴォーカルによる包み込むようなヴォーカル、ハーモニーが印象的。トラッド臭は無く、幻想的な雰囲気がたまらない一枚。名作。
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