スペインはバスクのプログレITOIZの80年作2nd『EZEKIEL』 – ユーロロック周遊日記

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一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。
本日は、スペインはバスクを代表するプログレ・グループITOIZの代表作とされる80年作2nd『EZEKIEL』をピックアップいたしましょう。

ITOIZは、スペインはバスク地方で76年に結成されたグループ。

バスクは、スペイン北部からフランス南西部にまたがる地域で、バスク人が住み、バスク語が話されている民族的に特別なエリア。
スペイン領とフランス領があり、スペイン側は、バスク自治州と言われています。

そんなバスク自治州出身のため、スペインと言っても、フラメンコなどの熱い要素はなく、どちらかというと南米はアルゼンチンのロックに通じるような翳りあるリリシズムが印象的。

オープニング・ナンバーをお聴きください。

キャメルのアンディ・ウォードを彷彿させるタイトかつふくよかなドラムとよく動く歌心あるベースによる安定感あるリズム隊にまず耳を奪われます。

そして、その安定したリズム隊を土台に、スティーヴ・ハケットゆずりの繊細なタッチのギター、フュージョン・フレイヴァーもある流麗なサックス、キャメルばりに柔らかにたゆたうフルート、ユーロならではの哀感が旨に響くヴァイオリンが、陰影に富んだもの悲しく美しい音世界を描きます。

Key奏者も特筆で、シンフォニックな彩りを添える伸びやかなフレージングから知的に引き締めるミニマルなフレーズまで、控えめながら全体を精緻に結びつけています。

切なさに胸がつまるバスク語のヴォーカルも絶品。

次は、バスクを代表する女性ヴォーカルのItziar Egileorがゲスト参加し美声を聴かせる「Ezekielen Ikasgaia」。

当時のライヴ映像を発見！

良いなぁ。やはり、スペインというよPABLO EL ENTERRADORなど南米ロックに通じる哀感とリリカルさ。泣けますねぇ。

バスク地方の音楽は、こちらのジュークボックスで特集していますので、探求是非。

ITOIZのサウンドが気に入った方はアルゼンチン・ロックもあわせてチェックください。