ハードロック魂を宿すフレンチ・プログレの名バンドTAI PHONGの76年2nd『WINDOWS』 – 【ユーロロック周遊日記】

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本日の「ユーロロック周遊日記」は、フランス随一のハード・プログレ・グループTAI PHONGによる75年リリースの第2作『WINDOWS』をピックアップいたしましょう。

TAI PHONGは、74年にベトナム出身のKhanh MaiとTai Sinhの兄弟を中心に、フランスで結成されたプログレ・グループ。のちにグラミー賞に輝くミュージシャンJean-Jacques Goldmanを含むフランス人メンバー3人を加えた5人編成で活動を開始。以降メンバーチェンジを重ねながらも、70年代に3枚の作品『TAI PHONG』(75)『WINDOWS』(76)『LAST FLIGHT』(79)と再結成時の00年作「SUN」の計4枚の作品をリリースしています。

グループ名のTAI PHONGとは「台風」を意味するベトナム語。ちなみに兄弟がベトナムにいたころに結成していたバンドはMONSOONS(季節風)という名前だったそうです。

ベトナム人兄弟を中心とするバンドということもあってか、フランスのバンド特有の張り詰めた耽美な叙情性はさほど感じられず、代わりにハード・ロック由来のドラマティックな泣きの叙情をたっぷりと堪能させてくれるのがこのバンドの特徴となっています。その点では日本人の琴線にも触れるサウンドと言えるかもしれません。

今回ピックアップする2nd『WINDOWS』は、前作でのハードエッジな演奏によるメロディアス・プログレという様式はそのままにさらに完成度を高めた、まさしく70’Sユーロ・ロック・シーンを代表する一枚に仕上がっています。それではアルバムのオープニングを飾るこのドラマティックすぎるナンバーをお聴きください♪

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アグレッシヴなリズム隊とともにハードに切り込んでくるギター、そこにハイトーンでエネルギッシュに歌い上げるヴォーカルが加わると、もう彼ら以外にはありえない独自のサウンドが広がります。フランスらしいエレガンスなどどこへやら、熱量いっぱいに走りまくるハードエッジなアンサンブルは当時のフレンチ・プログレ・シーンの中ではかなり新鮮だったはず。中盤のドラマティックに上り詰めていくようなギターソロにも胸が暑くなります。う～ん名曲！

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前作で一際印象深かった泣きの名バラード「SISTER JANE」を踏襲したようなこの曲での、過剰なまでのドラマティックさも彼らの醍醐味。

なお、タイ・フォンのキーボード奏者が結成し、Khanh Mai、Tai Sinh、Jean-Jacques Goldmanがゲスト参加するなど、タイ・フォンの弟分とも言えるバンドALPHA RALPHAによる77年唯一作も要チェックです。

ALPHA RALPHA/ALPHA RALPHA

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