2014年1月14日 | カテゴリー:MEET THE SONGS,世界のロック探求ナビ
タグ: ハード・ロック
BOXERがVIRGINから76年にリリースした1st『Below The Belt』を特集いたしましょう。
BOXERは、元PATTOの中心メンバーの2人、マイク・パトゥ(Vo)とオリー・ハルソール(G/Key)が75年に結成したグループ。
72年にPATTOの3rdをリリースし、73年には4thの録音をスタートするもお蔵入りに。バンドは解散となり、オリー・ハルソールは、TEMPESTに参加し、73年に『Living In Fear』を制作、74年にはケヴィン・エアーズ『Confessions of Dr.Dream and Other Stories』に参加、マイク・パトゥは74年にSPOOKY TOOTHに参加し『MIRROR』を制作します。
その後、商業的な成功を目指したもののお蔵入りとなったPATTOの幻の4thの路線の延長線上にあるコマーシャルなハード・ロック・サウンドを指向して2人が再合流し、結成されたのがBOXERです。
リズム隊2人も特筆で、ドラムは、元MAY BLITZやTHREE MAN ARMYでJEFF BECK『Beck-Ola』にも参加したトニー・ニューマンで、ベースは、初期VAN DER GRAAF GENERATOR、THREE MAN ARMYで活躍したキース・エリス。
彼ら2人のパワフルかつキレのあるリズム隊を土台に、PATTO時代に比べてよりストレートなハード・ロックを聴かせています。でもでも、隙間からは、「いぶし銀」の英国臭や彼らならではのひねくれたセンスがぽたぽたとこぼれていて、思わずニンマリしてしまう佳曲ぞろいなのです。
それでは、早速、曲を聴いてまいりましょう。
とにかくサビでのキレ味抜群のリズムのキメがかなりカッコ良し!
フェイセズとフリーばりのタメはそのままに、ツェッペリンばりのスピード感で突っ走った感じ!
痛快!
ポール・マッカートニーぽいスケールの大きなロック・バラードなのに、マイク・パトゥが歌うと地下スタジオのカビ臭さと男の哀愁がぷんぷん漂ってきて最高!
ギターソロは、WINGS時代のヘンリー・マッカローもびっくりなメロディアスさですね。
屈折しまくりの変拍子/リズムチェンジがとめどない、ツェッペリンを彼らならではの変態B級センスで料理した感じの「Looby Ali」も最高だし、ファンキーなリズムが最高にグルーヴィーでオリーの軽快にロールするピアノもたまらない「Gonna Work Out Fine」などにグッときつつ、ラスト曲がまた泣けるんです。
THIRD WORLD WAR IIのTerry Stamp作曲の最高にタメの効いた男臭くブルージー&メロウなロック・バラード。
こういう曲でのマイク・パトゥの無骨&ソウルフルな歌は胸に迫るし、オリーの「いぶし銀」という言葉がぴったりの渋くも歌心に溢れたギター&ピアノも泣けます。
この作品は音も個性的ですが、ジャケも凄いですよね。
シンガポール生まれのヌードモデルで70年代には世界中で活躍したというStephanie Marrianのヌード写真に、ヒプノシスのチームで活躍していたデザイナーRichard Evansがグラフィックを施したようです。
PATTO時代のジャケも素っ頓狂で売れる気あるの?という感じでしたが、その変態的センスには磨きがかかっていますね。
Stephanie Marrianは、78年のファンク/ソウル盤『DEE DEE SMITH / Disco Lady』のジャケにも登場!
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70年代中盤に活動したイギリスのハード・ロック・バンド、76年にレコーディングされ79年にリリースされた第3作。本作でも変わらずツボを押さえたリズム・セクションとオリー・ハルソールのテクニカルなギター、そしてパトゥによる熱さとクールさが絶妙にブレンドした歌唱が抜群の三位一体を体現しています。冒頭のビートルズカバー「HEY BULLDOG」からすでに全開で、前作より切れが増したアンサンブルが実に痛快に響きます。ハルソールのギターフレーズの冴えもこれまでにないレベルに達しており、パトゥによるヴォーカルとの極上のコンビネーションを聴かせてくれます。70年代英ハードを代表する一枚と言って何の問題も無いでしょう。名盤です。
68年に録音され、71年にリリースされながらジミー・ペイジの反対ですぐに回収となったライヴ盤。ジミー・ペイジ、弾きまくってます!もの凄いエネルギー!
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バキっと歪んだスリリングなギター、ツェッペリンばりにタイトでヘヴィ級のリズム隊、熱くシャウトするヴォーカル。バンド全体が塊となったソリッドなアンサンブルは、本格感ぷんぷん。
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英米混成ハード・ロックと言ったら、カクタスだろうって? おいおい、俺らも忘れちゃ困るぜ?ハード&ソリッドな音ならツェッペリンにだって負けねぇぞ!
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な、なるほど、「ポスト・ディープ・パープル」としてプロモーションされたのも納得なスピード感と切れ味。このオープニング・ナンバー「Down To You」、名曲だなぁ。
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初期の3部作もいいけれど、こっちのテクニカルなジャズ・ロック路線も良いんですよね〜。アラン・ホールズワースも参加のフュージョン×ロックな大名盤と言えばコレ!
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