2019年2月21日 | カテゴリー:どうしてプログレを好きになってしまったんだろう@カケハシ 市川哲史,ライターコラム
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誰も待ってないだろうけれど――お待たせしました、抱えていた新作書き下ろしがようやく脱稿できたので、半年ぶりの連載再開です。はい、敬体はここまで。
ちなみにその3月末発売予定の新作のタイトルは、『プログレ「箱男」』。哀れなATMプログレッシャーズの預金残高を根こそぎ奪うべく、未だリリースされ続ける膨大な数の高カロリーなアーカイヴBOX群を「買わなくても聴いた気になれる」、大きなお世話な〈読むディスコグラフィー〉本だったりする。
〈箱男〉とは言うまでもなく安部公房の『箱男』で、大きなダンボール箱を頭から腰のあたりまですっぽりとかぶり、覗き窓代わりに空けた穴から外の世界をひっそりと観察しながら、都市を彷徨い歩き続ける。彼は箱をかぶることで自分を社会から隠蔽し、さまざまな束縛や帰属から解放される悦びを感じていた。つまり彼にとってダンボール箱とは、世間の中で自分が生きていくための生命維持装置である。そして数多いる日本人プログレッシャーズにとってはあのプログレ系重箱の数々が、現実から理想郷へと誘なってくれる〈箱男の箱〉なんだろうなと思う。
箱の中はきっと居心地がいいのだ。ほら、ピーガブだって長きにわたって箱やら何やらかぶり続けていたじゃない。
というわけでフロイド、クリムゾン、イエス、ELP、ジェネシスとその界隈の箱に限定して網羅してみたものの――そのあまりのヴォリュームは全部聴くだけで1ヶ月以上も懸かったあげく、2018年末発売のはずがとんでもない原稿量となり、書き終えたら既に正月三が日を過ぎていたのだった。
可哀相だと思ったら読んでやってください。《どうしてプログレを好きになってしまったんだろう》シリーズ外伝です。
でも編集デザイン作業もかなり熾烈を極めているようで、たぶん4月に発売延期される気がする。ああ自業自得。
とはいえそれ以外にも、箱男本の執筆が遅れた物理的理由があるにはあった。
今年2019年1月31日は日本式に数えればジョン・ウェットン三回忌の命日で、なんとかして彼の追悼本をそこに間に合わせたかったのだ。実は私、このJW本制作の言い出しっぺでもあり、しかも最初は「全頁俺が書く!」なんて豪語していた手前、箱男よりこっちの原稿を優先するしかないではないか。というわけで昨年12月後半はウェットン三昧で、箱男は冬眠を余儀なくされたのである。
痛し痒しのゆく年くる年。
そのJW本、『THE DIG Special Editionジョン・ウェットン/ベースを抱いた渡り鳥』は命日三日前の1月28日になんとか発売され、私も全208P中41Pを書き、御供養させていただいた。なにせ私の人生初ライナーノーツは1990年に世界初CD化された、ジャックナイフ『アイ・ウィッシュ・ユー・ウッド』とウェットン初ソロ・アルバム『コート・イン・ザ・クロスファイアー』だったから、英ドーセットに足を向けて寝られないのである。皆様もお香典代わりにぜひ一冊、お買い求めください。
ちなみに私が書いたのは、ウェットンに誘われUK結成につい参画しちゃったために、未来永劫〈プログレ修羅道〉から足を洗えなくなったエディ・ジョブソン話とか。
20歳前後のロキシー・ミュージック時代はあんなに紅顔の美少年だったのに、五十路越えのUK再結成の頃にはなぜ、〈神経質な虫〉みたいな姿に変貌しちゃってたのか。
そういえば昔、日本の某鍵盤雑誌編集部に何の予告もアポもなく現れ、UKの楽曲を採譜した誌面を発見するとこれ見よがしに、隅から隅まで赤ペンで修正しまくり去っていったという、威力業務妨害話を聞いたことがあったっけ。そこまでグレんでも。
でもって、どうしても書きたかった原稿のタイトルが――耳で聴く〈あなたが知らないジョン・ウェットン〉。だった。
2017年1月31日に彼が急逝するやいなや、例のKC全音源大発掘配信商売組織《DGM Live》が追悼音源として、ウェットン+フリップ+フィル・コリンズという強烈なジャズ・ロック・パワー・トリオの〈1977年12月スタジオ・セッション音源〉4分35秒を無料配信して、プログレ村をざわつかせた。「こんなんあったんかーい!?」と。その正体は1979年発表のロバート・フリップ初のソロ・アルバム『エクスポージャー』の最初期レコーディング音源で、このWFCはとにかく異常にテンションが高いのだ。
2チャンネルおよび5.1サラウンドの丁寧かつ秀逸なリミックス作業なら、いまや業界一の〈単なるヴァイナルおたく〉スティーヴン・ウィルソン。
KC現役メンバーにして「僕も一応できますけど」ジャッコ・ジャスクジク。
人一倍長けたデジタル編集技術と忍耐力で劣悪な音質のアーカイヴ音源を修復作品化するのなら、ついDGM共同経営者を引き受けてしまい、一生逃げられなくなったデヴィッド・シングルトン。
そのシングルトンの実質アシスタントで、自称「リリースの主役にはなれない発掘物の担当」の〈陽気な発掘おたく〉アレックス・ムンディ。
適材適所に配置された四人の有能な職人さんたちのおかげで、いよいよキング・クリムゾンのアーカイヴ力は地球一を誇る。たぶん。
そしてDGMのスタジオ・マスタリング&エディティング・エンジニアの肩書で、要は〈シングルトンの永遠の助手〉ムンディが責任編集しているDGM Live内の人気コーナーが、2008年からスタートした《MISTER STORMY》の正体だ。
古い70年代のマルチトラックのオリジナル・アナログ・テープをデジタル化してハード・ドライヴに落とす際に発見した、テイクとテイクの隙間から聴こえてくる貴重な演奏や喋りの断片。最近ならフリップ所有のCD-Rやハード・ドライヴに入っているリハーサル音源。とにかくムンディが時空を超えてありとあらゆる音楽メディアを聴き漁り、発掘できるものはすべて発掘して修復して、マニア垂涎のレア音源として公開している。
アルバム未収録曲。レコーディングのアウトテイク。別ミックス。別テイク。エディット。ジャム・セッション。リハーサル。やがて発掘魂が暴走し始めたら、ラジオCMやら任意の楽器パートだけの抽出やら、いろんなタイプが登場するに至った。
だから再結成後初の2014年ツアー以降、毎年毎年販売される〈耳で聴くツアー・パンフ『ジ・エレメンツ』収録曲の、【previously unreleased on CD】とクレジットされた一風変わった音源はほぼ、このストーミー・ムンディ製と思っていい。
とはいえ、〈BBCラジオに出演して朗読するフリップ〉なんて聴きたいか? 『太陽と戦慄』や『暗黒の世界』のラジオCM音源を最初に公開したのも、このコーナーだ。ましてや〈2004年のトニー・レヴィン&パット・マステロット〉と〈1998年のフリップ〉と〈1970年のキース・ティペット〉の各演奏音源をミックスして、勝手にキング・クリムゾンの新曲【傍点】を作っちゃったら駄目だろ倫理的に。
だがしかし、超貴重「ぐっとくる」アーカイヴ音源が惜しみなく公開されるから抗えるはずもなく、命にかかわる危険な中毒性だ――気象庁の発表かい。
ジャイルズ・ジャイルズ&フリップによる“デヴィルズ・トライアングル”。
アンディ・マカロックとキース・ティペット、二人だけの錯乱セッション。
マイケル・ジャイルズ、ライヴ開演前の生々しいドラム・チェック音源。
ジャイルズ&レイク&(イアン・)マクド(ナルド)の“宮殿”合唱パートのみ。
ウェットンとビルブルだけの、人間離れした“偉大なる詐欺師”に“再び赤い悪夢”。
ウェットンとマーク・チャリグのコルネットだけの、虚無感デュオな“スターレス”。
あげくの果てには80年代クリムゾン結成前夜の、フリップ&ビル・ブルフォード&ジェフ・バーリンによる“ほぼディシプリン”まで聴けてしまう。
1981年3月22日のフリップの日記によると、新バンド《ディシプリン》の最後の一人であるベーシストを探していたら、ブルフォードのメンバーだったジェフ・バーリンをビルブルがあまりにも熱心に推すので、英ウィンボーンまで呼んで試したという。そして二人の演奏を部屋の外からこっそり聴いたフリップは、「二人揃って常にあちこち忙しいプレイをするBBとJBのチームは、デュオとしてならベストだが、私が新バンドとして思い描いているスタイルとは全然違う」とバーリンをあっさり却下。
結局ニューヨークで改めてオーディションを開き、三日目に「まさか現れるとは思わなかった(フリップ談)」トニー・レヴィンに落ち着く。
で、フリップに駄目出しされたその1981年1月6・7日のセッション――しかもフリップも加わったトリオ編成の貴重な音源を、“Bill Jeff And Robert”“Shall We Listen To That”“Disciplinarian”となんと3曲も、ムンディはアップしちゃったわけだ。
すると“ディシプリナリアン(失笑)”なんてタイトル通り、どう聴いてもあの“ディシプリン”のプロトタイプなのだが、バーリンのジャズっぽくてしかも重いベースがやはり楽曲には全っ然合っておらず、可笑しい。でも深刻に受け止め過ぎてはいけない。
こういうマジックが起こらなかった邂逅がまた、ストーミー・ムンディっぽくて盛り上がっちゃったりするわけだ。
ちなみにこのムンディ発掘変態音源を集めたコンピ集が《KING CRIMSON-Mr. Stormy’s Munday Selection》で、2008年11月の第1集から2009年12月→2010年12月→2011年12月→2012年12月→2013年12月→2015年3月ときて、2016年3月には最新第8集が編纂されていまなお絶賛配信中だったりする。ただしその後3年も〈新作〉が登場してないのが、ちょっと淋しい。
本業が忙しいんだなムンディ。
そういえば、クリムゾン最初のバンド・リハからジャスト50年目にあたる2019年1月13日より、DGM Liveは50週にわたりレア・トラックスを無料配信するストリーミング企画《KING CRIMSON 50》が始動したが、おそらく実作業はムンディが担当しているはずだ。
だって1月27日配信の【#03】なんか、“ケイデンスとカスケイド”の4シンガー・ヴァージョンときた。オリジナル・ヴァージョンを唄ったゴードン・ハスケル→グレッグ・レイクの仮唄→エイドリアン・ブリューによる1991年4CD箱『紅伝説』収録用の新ヴォーカル→昨年12月の来日公演でも披露していたジャッコ・ジャクスジク――なんて面倒で非常識なメドレーを労苦惜しまず完成させる奴は、ムンディしかいないもの。
話が逸れた。
先の衝撃的なWFCハイテンション音源は例の《Mr.Stormy’s Mundy Sellection》よりぬきムンディのシリーズでも、三人ヴァージョン10曲とウェットン&フィルコリのリズム隊だけヴァージョン1曲が、順次公開されてきた。
『エクスポージャー』収録曲とはまだまだ同名異曲状態の“ディスエンゲイジ”は、どう聴いても『レッド』の延長戦だ。フリップのメタル・ギターはパンク的なリフ攻撃に注力しているし、フィルコリは両手両足自由自在ドラムで叩きまくるからとにかく落ち着きない。で、ウェットンはぶいぶい言わせ続けるのみ。しかしこのアグレッシヴな説得力が、問答無用で癖になる。
のちに“ノース・スター”と“待ってください”という一卵性双生児的楽曲に増殖する“Northish Star”の、〈ブルース・コードなのにこんな馬鹿デカい音でいいのかウェットン〉ベースも頭悪そうで素敵だし、“Idea Slow Drums”が“Idea Fast Drums”になると同じ楽曲を倍速で叩くだけという、フィルコリの圧倒的な馬鹿馬鹿しさもいい。
大きなお世話だが、歪みベースとミニマル・ギターがなぜか共存する“Groove”と三人ともハイスパートでどえらい手数を競い合う“Flying Groove”は、絶対聴き逃してはいけない絶品の〈凶暴なフュージョン〉だ。そして“Bass And Drums Groove”は、ウェットン&フィルコリだけで13分間も不穏な空気を吐き出し続ける、プログレ・パンクの名演だったりするのである。ああ、頭の悪い文章だ。
もしもこのまま組んでいたら、ウェットン&ビルブルとはまた別タイプの最強タッグになったはずのこの二人は一度だけ、1973年にピーター・バンクスの初ソロ・アルバム『トゥ・サイズ・オブ・ピーター・バンクス(二面性)』収録曲の“騎士(リプライズ)”で共演していた。とはいえあの楽曲は別のベーシストがちゃんと弾いていたから、ウェットンは飛び道具的にディストーション・ベースで暴れてるだったと記憶している。たぶん二人はレコーディング・スタジオで、顔も合わせていないと思う。
そういう意味でも、この『エクスポージャー』セッションにおける二人の邂逅は、本当に一期一会だったわけだ。
〈唄わないフィル・コリンズ〉のドラムが過剰にテクニカルであり、そして一緒に演奏する者全員に殺意を抱かせるウェットンの無神経な轟音ベースがそこに突っ込んでいく。そんな野趣あふれるリズム隊に、髪を切りお洒落なスーツを着たニューウェイヴ仕様のフリップまでリフの絨毯爆撃をかますのだから、画期的だった。
実は驚きの『エクスポージャー』ウェットン関連音源は、これ以外にもDGM Liveに存在していたりする。
まず2009年配信のDGMLive1666《Robert Fripp-5 December 1977 Disengage》も、“ディスエンゲイジ”4テイクを収録している。あの特徴的なリフと転調の連続が見る見るうちに出来上がっていくのだから、圧巻だ。どのテイクを聴いても、おそろしくハイカロリーだし。
そしてもうひとつの2011年配信DGMLive1804《Robert Fripp-16 December 1977》がまた、とんでもなかった。スタジオ・リハーサルを録音したカセット音源ではあるが、16曲も録った当日のラインナップは、フリップ&ウェットンになんとナラダ・マイケル・ウォルデンという、なかなかストレンジなトリオだったのだから。
当時はまだ25歳、マハヴィシュヌ・オーケストラ出身にしてジェフ・ベックの『ワイアード』への参加でその腕を広く世間に知らしめたばかりの〈躍動する几帳面〉、要はジャジーでファンキーだった若きナラダである。
現在の8人編成キング・クリムゾン楽団のセトリに、来日公演を含む2018年からフリップのソロ曲ながら入っている“ブレスレス”は、実はこの1977年12月16日セッションの時点で既に誕生していた。なのだが、収録されている5テイクすべてがザ・フーと化してるから面白過ぎる。特にキース・ムーンが憑依したとしか思えない、ウォルデンの豪腕どたばたドラムにはやはり、ウェットンのびんびんベースがよく似合う。
のちの唄入れの際に、ダリル・ホールをヴォーカル・ハイの極限状態に追い詰めたという“NY3”の飛び跳ねる重戦車ドラムも、笑っちゃうほど大袈裟で攻撃的だ。
ウェットンのみならずフリップまで揃ってアッパーな、酸欠必至の“アイ・メイ・ノット・ハヴ・ハッド・イナフ・オブ・ミー・バット・アイヴ・ハッド・イナフ・オブ・ミー”も、聴き応えあり過ぎてしんどい。
また最終的には『エクスポージャー』から漏れたものの、〈大音量アヴァンギャルド・ジャズ・ファンク・ロック〉という頭が悪い比喩が実は的確に言い表してる“Hitting The Groove Fador”と“353 West 48th Street”も、ウェットン&ウォルデンの大暴走におもいきりフリップが巻き込まれていて、可笑しいのだ。
ほら皆聴きたくなるでしょ。
しかしそれよりなにより最も画期的だったのは、このセッションそのものがすべてボツになったという、衝撃の事実だ。なんともったいない。
いや、この言い方は正確ではないな。
翻って『エクスポージャー』全収録曲で結果的にフィルコリのドラムが採用されたのは、“ノース・スター”と“ディスエンゲイジ”の2曲。ウォルデンは、“ブレスレス”“NYC”そして“アイ・メイ・ノット・ハヴ・ハッド・イナフ・オブ・ミー・バット・アイヴ・ハッド・イナフ・オブ・ミー”の3曲で叩いている。
そしてこの5曲とも、ウェットン参加のレコーディング・セッション録音にもかかわらず、結果的にウェットンのベースはすべてトニー・レヴィンに差し替えられた。
つまりジョン・ウェットンのプレイは一切、削除されちゃったのである。
そもそもフリップは2006年発表の『エクスポージャー』拡張版で、「大半のレコーディングとミックスのすべては1978年1月から1979年1月にわたってニューヨークのヒット・ファクトリーで行なわれた」と断言している。もうこの1977年12月の出来事そのものが、ウェットンごと初期化されてるのだから恐ろしい。フリップはなぜ、彼のレコーディング参加をなかったことにしたのだろうか。
なんてことをしみじみ考察してしまったのも、三回忌の成せる業に違いない。しつこいようだが謎解き篇は、お香典代わりに買って読んでください。
そのウェットン本とほぼ同時期に、『コレクターズ・クラブ・アーカイヴ・シリーズⅠ』全10タイトルが日本限定リリースされた。で初フィジカル化4作品のうち3作品が、『太陽と戦慄』と『暗黒の世界』を繋ぐブリッジ期のライヴ音源だったりする。言うまでもなくジョン・ウェットンの唄とベースが大躍動していたころの〈想い出〉である。
❼『1973年4月6日 パラッツォ・デロ・スポルト・ローマ・イタリア』
前年12月15日全英ツアー・ファイナル公演を最後に、ジェイミー・ミューアが脱退。にもかかわらず翌1973年3月16日グラスゴー公演を皮切りに早くも、新作『太陽と戦慄』リリースと同時開幕した英欧ツアーは、五人で録った『太陽』収録曲をフリップ+ウェットン+ビルブル+クロスの四人編成で果敢に演奏しなければならない、スリリングな全18公演だった。〈四人になったばっかクリムゾン〉の力量を測るにはもってこいだ。
オーディエンス録音のブートレグが73年音源の大半だけに、さほど期待せず聴く。するとノイズが多いし音も割れるし体育館だから籠り気味だけど、はるか彼方のヴォーカルは聴き取れなくても、全編通してフリップのギターがやたらよく聴こえる。何をどう弾いてるのか一網打尽できるから、観察日記だって書ける。同様にウェットンのベースもかなり把握できるし、これは拾い物。音圧のデカさもいい。
なお“太陽と戦慄パート2”で充分盛り上がっていたにもかかわらず、21馬鹿のイントロが続いた瞬間に体育館中のイタリア人が発狂するさまも、微笑ましい。同様に狂ったように叩きまくり続けるビルブルも素敵。ボーノ。
❽『1973年5月6日 パレス・シアター・ウォーターベリー・CT』
英欧ツアーに続き、4月18日ウォーレンから始まった北米ツアー全43公演の14本目なのに、KCCC公開最古の本ツアー音源だったりする。まだまだスタジオ・ヴァージョンに忠実ながら、デヴィッド・クロスが相当頑張って疾走してる“太陽と戦慄パート1”は、かなりいい出来だと思う。その後聴けなくなる間奏部のヘヴィーなベース・ソロは、ウェットンマニアとしては是非憶えておきたい。
これまた割れ割れオーディエンス音源で高音部が潰れてはいるものの、“イージー・マネー”などヴォーカルも聴かせるし、ファンキーなベースとメロトロンが織りなす重厚なインプロ曲――その名も“インプロヴィゼイション2(失笑)”も含め、ウェットン絶好調の一夜か。
❾『1973年5月8日 メイソニック・テンプル・デトロイト・MI』
ウォーターベリー公演❽から移動日挟んでのデトロイト公演だが、轟音度が一気に増幅された気がする。でも決して破天荒な轟音ではない。
英欧そして北米と1973年前半のツアーは全公演、〈『太陽と戦慄』全曲+“ドクター・ダイアモンド”+21馬鹿+インプロ〉にセトリが完全固定化。考えてみたらフリップ以外のメンツ全員が交代した新バンドで、しかもそこからまた一人抜け。そしてレパートリーは新作アルバム一枚分のみ。そりゃまずは手堅く、実験や革新より収斂と熟達を重視しても不思議ではない。
だから『太陽と戦慄』ワールドの完成度は急激に高まり、次の即興的展開の萌芽も見え始めた。インプロも、ビルブルが〈ミューア不在の打楽器二人羽織〉を一人で担おうと身体を張った試行錯誤を繰り返し、ウェットンもルートの加速に励んで精進しているのがわかる。それでもこの時点ではまだ、二人とも唯我独尊の轟音爆走道には足を踏み入れてはいない。
バンドは依然、フリップの統制下にあった。
この端正な〈嵐の前のキング・クリムゾン〉も、なかなかクールで恰好いいのだ。
ああ素晴らしきジョン・ウェットン祭り。なので『アーカイヴ・シリーズⅠ』もう一枚の初フィジカル化作品にも触れておかねばなるまい。
❿『1973年10月26日 ザ・レインボー・ロンドン・イングランド』
この公演音源がこれまでフィジカル化されてなかったのは、犯罪ですらある。10月23日英グラスゴー、11月15日瑞チューリッヒ、そして同月23日蘭アムステルダムという新作『暗黒の世界』制作用にライヴ・レコーディングされた〈1973年のキング・クリムゾン3大名演〉に匹敵する出来だから、聴いて損はさせない。オーディエンス録音とは思えぬクリアで安定した音質も含め。
ライヴ冒頭の“パート1”からラストの“パート2”に爆発的な熱量とともに収斂していく光景は、“太陽と戦慄”が当時のクリムゾンそのものだった証明だろう。そしてこの日もアンコールは“平和/テーマ”と、ウェットンの熱望で21馬鹿を外しての“キャットフード”に。たしかにこのひとがいかにも好きそうな楽曲だけども。
なおこの夜のフリップのMC×2の合計タイムは1973年ツアー全82公演中最長だった、とやたら喧伝されている。「ふーん」と流してジャケに目を遣れば、ヤング・フリップがカンペ見ながらMCしている写真だ。しかもギターと革のショルダーバッグを提げたままで、だ。
たぶん開場前のリハだが、こんなに華がないジャケ写見たことがない。
第一回「ジョン・ウェットンはなぜ<いいひと>だったのか?」はコチラ!
第ニ回 「尼崎に<あしたのイエス>を見た、か? ~2017・4・21イエス・フィーチュアリング・ジョン・アンダーソン、トレヴァー・ラビン、リック・ウェイクマン(苦笑)@あましんアルカイックホールのライヴ評みたいなもの」はコチラ!
第三回「ロバート・フリップ卿の“英雄夢語り”」はコチラ!
第四回「第四回 これは我々が本当に望んだロジャー・ウォーターズなのか? -二つのピンク・フロイド、その後【前篇】-」はコチラ!
第五回「ギルモアくんとマンザネラちゃん -二つのピンク・フロイド、その後【後篇】ー」はコチラ!
第六回「お箸で食べるイタリアン・プログレ ―24年前に邂逅していた(らしい)バンコにごめんなさい」はコチラ!
第七回「誰も知らない〈1987年のロジャー・ウォーターズ〉 ーーこのときライヴ・アルバムをリリースしていればなぁぁぁ」はコチラ!
第八回「瓢箪からジャッコ -『ライヴ・イン・ウィーン』と『LIVE IN CHICAGO』から見えた〈キング・クリムゾンの新風景〉」はコチラ!
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第十回「禊(みそぎ)のロバート・フリップ ーー噂の27枚組BOX『セイラーズ・テール 1970-1972』の正しい聴き方」はコチラ!
第十一回「ああロキシー・ミュージック(VIVA! ROXY MUSIC)前篇 --BOXを聴く前にブライアン・フェリーをおさらいしよう」 はコチラ!
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第十三回 「今日もどこかでヒプノシス」はコチラ!
第十四回 「ピーター・バンクスはなぜ、再評価されないのか --〈星を旅する予言者〉の六回忌にあたって」はコチラ!
第十五回 「悪いひとじゃないんだけどねぇ……(遠い目) ―― ビル・ブルフォードへのラブレターを『シームズ・ライク・ア・ライフタイム・アゴー 1977-1980』BOXに添えて」はコチラ!
第十六回 「グレッグ・レイク哀歌(エレジー)」はコチラ!
第十七回 「クリス・スクワイアとトレヴァー・ホーン -イエスの〈新作〉『FLY FROM HERE -RETURN TRIP』に想うこと- 前篇:スクワイアの巻」はコチラ!
第十八回 「クリス・スクワイアとトレヴァー・ホーン -イエスの〈新作〉『FLY FROM HERE-RETURN TRIP』に想うこと- 後篇:空を飛べたのはホーンの巻」はコチラ!
キング・クリムゾン、ファミリー、ユーライア・ヒープ、ウィッシュボーン・アッシュ、UK、そしてエイジアとまるでブリティッシュ・ロックの歴史そのもののような輝かしいキャリアを持つジョン・ウェットンのソロ時代に焦点をあてたアンソロジー。(国内盤:帯より)
キング・クリムゾン〜エイジア〜U.K.で活躍したレジェンド、ジョン・ウェットンのアコースティック・ツアー音源を収録したライヴ盤。2枚組で、CD1は、98年6月2日スウェーデンはストックホルムでのライヴ(未発表!)、CD2は、02年12月5日のワシントンDCでのラジオ・スタジオ・ライヴ(オフィシャル・サイト限定でリリース済)。どちらもラジオ放送用の音源で、音質はクリアです。
8枚組ボックス、アウターケース付き仕様、ボーナス・トラック11曲
盤質:無傷/小傷
状態:良好
5枚は無傷〜傷少なめ、3枚は傷あり、若干スレあり
8枚組ボックス、アウターケース付き仕様、ボーナス・トラック11曲
盤質:未開封
状態:良好
紙ジャケット仕様、初回プレス限定ステッカー・ブックレット付仕様、デジタル・リマスター、定価2415
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無、若干スレ・軽微な汚れあり
CLUB47(KING CRIMSON COLLECTORS CLUB)
デジパック仕様、DVDオーディオ2枚組、NTSC方式、リージョンフリー、スリップケース・ブックレット付仕様(画像はスリップケースです)
盤質:傷あり
状態:並
1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり、スリップケースに圧痕あり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1969年に発表されたデビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』は、プログレッシヴ・ロックのスタート地点となった大名盤であり、プログレッシヴ・ロックを聴くならまずはこのアルバムからと断言できる作品です。メンバーはギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストGreg Lake、ドラマーMichael Giles、管楽器に加えて鍵盤楽器(メロトロン)も担当するIan McDonald、そして作詞家Peter Sinfieldという布陣。「21世紀のスキッツォイド・マン」のオープニングから緊張感のある変拍子アンサンブルやユニゾン・フレーズが畳み掛け、「風に語りて」では牧歌的でありながら浮世離れした音世界を構築。“混沌こそ我が墓碑銘”の一節があまりに有名な「エピタフ (墓碑銘)」と、同じくリリックの幻想美に酔いしれる「ムーンチャイルド」を経て、メロトロンの洪水に溺れるシンフォニックな最終曲「クリムゾン・キングの宮殿」へ。“THE BEATLESの『Abbey Road』をチャート・トップから陥落させた”というエピソードの真偽はともかくとして、プログレッシヴ・ロック時代の幕開けを告げる衝撃的な作品であることは間違いありません。『クリムゾン・キングの宮殿』に触れずにプログレッシヴ・ロックを語ることは、まず不可能でしょう。
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、ブックレット・ステッカー付仕様、定価2500+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干圧痕あり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1970年に発表されたセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』は、デビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』の延長上に位置する作品となっています。『クリムゾン・キングの宮殿』発表後、ギタリストRobert Frippと作詞家Peter Sinfieldを除く3名が脱退を表明するも、諸事情によりGreg LakeとMichael Gilesは引き続き本作のレコーディングに参加。新たにKING CRIMSONに参加したのは、ピアニストKeith Tippett、管楽器奏者Mel Collins、ベーシストPeter Giles(Michael Gilesの実弟)、そしてヴォーカリストGorden Haskell。その結果、本作には8名ものミュージシャンの名前がクレジットされることになりました。音楽的にはデビュー・アルバムと同一線上で捉えることも可能ではありますが、例えばKeith Tippettのジャズ・ピアノをフィーチャーした「キャット・フード」、あるいは、ホルスト作曲の組曲「惑星(火星、戦争をもたらす者)」を思わせるリズムとカオティックなメロトロンが凄まじい相乗効果を生む「デヴィルズ・トライアングル」など、新たな試みも行われています。なお本作の後、Greg LakeはEMERSON, LAKE & PALMERとして再デビュー、そしてMichael GilesとPeter Gilesの兄弟はすでにKING CRIMSONを脱退していたIan McDonaldと共にMcDONALD AND GILESを結成します。
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。セカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』を最後に、Greg Lake、Michael Giles、Peter Gilesが脱退。1970年に発表されたサード・アルバム『リザード』は、『ポセイドンのめざめ』に参加していたベース・ヴォーカリストGorden Haskellと管楽器奏者Mel Collinsが正式加入、さらにドラマーAndy McCullochを迎え入れ制作されました。ゲスト・ミュージシャンは、過去作にも参加のジャズ・ピアニストKeith Tippettがバンドメイト(コルネット奏者Mark Charigとトロンボーン奏者Nick Evens)を引き連れ参加している他、オーボエ奏者Robin Miller、さらにYESのヴォーカリストJon Andersonが、表題組曲「リザード」の「ルーパート王子のめざめ」で歌声を響かせています。本作は、Keith Tippettが持ち込んだフリー・ジャズのエッセンスがグループに新たな息吹を注ぎ込んだ作品であり、特に「インドア・ゲイムズ」や「ハッピー・ファミリー」におけるインプロヴィゼーションなどで、その影響をはっきりと聴き取ることができるでしょう。一方で、フルートが舞う「水の精」ではこれまでのKING CRIMSONらしい牧歌性も披露。ラストには20分を超える表題組曲「リザード」が控えます。フリー・ジャズへの接近を通じて、後のKING CRIMSONサウンドの重要なポイントとなる即興色を拡張した傑作です。
30TH ANNIVERSARY EDITION、デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:並
カビあり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。4thアルバム『アイランズ』を発表後に解散したKING CRIMSONですが、Robert Frippは新たなメンバーを探しKING CRIMSONを再始動。グループの最高傑作と名高い1972年の5thアルバム『太陽と戦慄』を世に送り出しました。メンバーはギタリストRobert Frippに加えて、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Bruford、パーカッション奏者Jamie Muir、ヴァイオリン奏者David Crossという布陣。本作は、確かな技巧を持ったミュージシャンたちによる最高品質の実験音楽作品であり、1曲目の「太陽と戦慄 パートI」と最終曲「太陽と戦慄 パートII」に象徴される、即興演奏を重視したメタリックなプログレッシヴ・ロックの大傑作となっています。また、2つの先鋭的な楽曲に挟まれた中盤の楽曲たちも素晴らしく、John Wettonのヴォーカルが冴えわたる「土曜日の本」や、最初期のKING CRIMSONサウンドが頭をよぎる「放浪者」、 ヘヴィーなギターとスキャットから始まる「イージー・マネー」 、Jamie Muirの話し太鼓(西アフリカの伝統的な太鼓の奏法)を曲名に冠した「トーキング・ドラム」と、どの楽曲も強烈な個性を持っています。ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロックを聴くうえで、避けて通れない名盤です。
紙ジャケット仕様、40周年記念エディション、HQCD+DVD-AUDIOの2枚組、K2HDマスタリング、ブックレット・内袋・復刻巻帯付仕様、DVD-AUDIOはNTSC方式・リージョンフリー、定価4500+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
盤に内袋の跡あり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。6thアルバム『暗黒の世界』後にヴァイオリン奏者David Crossが脱退。3人体制となったKING CRIMSONは、1974年に7thアルバム『レッド』をリリースしました。メンバーは、ギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Brufordという布陣。ゲストには、ソプラノ・サックス奏者Mel Collins、アルト・サックス奏者Ian Mcdonald、ヴァイオリン奏者David Cross、コルネット奏者Mark Charig、オーボエ奏者Robin Millerという旧メンバーあるいは過去作にもゲスト参加の経験を持つミュージシャンたちが迎えられています。その内容は、アルバムのオープニングを飾る「Red」から破壊的なギター・サウンドとアグレッシヴなリズム・セクションに驚愕する傑作。KING CRIMSON作品の中で最も素晴らしいバラード曲との呼び声も高い「堕落天使」、初期のKING CRIMSONサウンドをヘヴィーに再構築したような「再び赤い悪夢」、インプロヴィゼーションのライブ録音楽曲「神の導き」、抒情的なヴォーカルが印象的な前半部とギターやサックスが暴れまわる後半部から成る長尺曲「スターレス」と、全曲がプログレッシブ・ロック史に残る名曲です。本作のリリースをもって、KING CRIMSONは再び解散することとなりました。裏ジャケットに使われている、レッド・ゾーンに振り切れた音量メーターが、本作の狂暴な音楽性と当時のグループの状況を示唆しています。
ロバート・フリップによる89年リマスター、ファミリーツリー付き仕様、定価2233+税
盤質:傷あり
状態:
帯有
若干スレあり、カビあり
ロバート・フリップによる89年リマスター、ファミリーツリー付き仕様、定価2233+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干折れ・側面部に若干色褪せあり、ケースに若干スレあり
40TH ANNIVERSARY SERIES、デジパック仕様、スリップケース・ブックレット付仕様、CD+DVDの2枚組、ボーナストラック3曲、DVDはNTSC方式・リージョンフリー
盤質:無傷/小傷
状態:良好
スリップケースに若干圧痕あり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。5thアルバム『太陽と戦慄』に続いて1974年にリリースされた6thアルバム『暗黒の世界』は、スタジオ・レコーディングとライブ・レコーディング(73年録音)が混在する変則的な作品となっています。収録曲順に見ていくと、「偉大なる詐欺師」と「人々の嘆き」は完全なスタジオ・レコーディング。「隠し事」はライヴ・レコーディングで、「夜を支配する人」はライヴ・レコーディングの冒頭から途中でスタジオ・レコーディングに切り替わります。「トリオ」はライブ・レコーディングで、「詭弁家」はライブ・レコーディングに後からスタジオ・ヴォーカルをかぶせた楽曲。「暗黒の世界」と「突破口」はライブ・レコーディングとなっています。前作『太陽と戦慄』でパーカッション奏者Jamie Muirが脱退したため、本作のメンバーはギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Bruford、ヴァイオリン奏者David Crossという布陣。内容的には、初期の強烈なKING CRIMSONサウンドに回帰したようなスタジオ楽曲と、インプロヴィゼーションで聴かせるライブ楽曲に分かれています。本作を発表後にDavid Crossが脱退し3人体制となったKING CRIMSONは、次作『レッド』の制作に取り掛かります。
30TH ANNIVERSARY EDITION、デジタル・リマスター
盤質:無傷/小傷
状態:良好
廃盤希少、2枚組、ファミリーツリー付き仕様、定価3786+税
盤質:傷あり
状態:並
帯無
帯無、若干カビあり
75年発表のライブ・アルバム。「RED」発表前の74年に録音されており、当時のラインナップはRobert Fripp(g)、John Wetton(b、vo)、 Bill Bruford(ds)、David Cross(vln、key)の4人編成。アルバム中3曲でEddie Jobson(vln、key)のパートがダビングされています。鮮やかなヴァイオリンの旋律を切り刻むメタリックなギター・リフ、グイグイとウネリを生み出して暴走するリズム隊。この時期ならではのパワフル且つ緊迫感溢れる即興演奏に終始圧倒されっぱなし。代表的名曲「21st Century Schizoid Man」では原曲のサックス部分をヴァイオリンで再現しており、よりヒステリックな爆発力を楽しむことが出来ます。沸点目掛けて上り詰めるRED期クリムゾンの凄さを体験出来る名ライブ盤。
紙ジャケット仕様、24bitリマスター、HDCD、3曲追加収録、ブックレット・歌詞対訳付仕様、定価2200+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
スレあり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1984年に発表された10thアルバム『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』は、8thアルバム『ディシプリン』と9thアルバム『ビート』と同一メンバーにて制作されました。メンバーは、ギタリストRobert Fripp、ギター・ヴォーカリストAdrian Brew、ベーシストTony Levin、そしてドラマーBill Brufordという布陣。本作は、KING CRIMSONのスタジオ・アルバムの中ではあまり目立たない存在かもしれません。その理由は、契約履行のために作ったアルバムという印象が強いことや、Adrian Brewのポップ・センスに寄せた出来になっていることなどが挙げられるでしょう。確かにアルバム前半には分かりやすいヴォーカル・ナンバーが収録され聴き手を困惑させるかもしれませんが、後半ではKING CRIMSON版インダストリアル・ロックとでも名付けたくなるようなインストゥルメンタルが配置されています。もちろんインプロヴィゼーションもフィーチャーされており、最終楽曲のタイトルは、なんと「太陽と戦慄 パートIII」。Robert Fripp本人も本作に対してはポジティブな感想を持っていないようですが、8thアルバム『ディシプリン』からの一連の流れを知る意味で、チェックしておきたいアルバムでしょう。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック5曲、ブックレット・ステッカー・内袋付仕様、定価2625
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無、若干汚れ・若干圧痕・軽微な色褪せあり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1980年代に『ディシプリン』『ビート』『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』を発表し活動を休止したKING CRIMSONの次なるリリースは、94年のミニアルバム『ヴルーム』。この時期のKING CRIMSONは
ギタリストRobert FrippとAdrian Brew、ベーシストTrey GunnとTony Levin、ドラマーPat MastelottoとBill Brufordという布陣から「ダブルトリオ期」と呼ばれています。本作は、95年のフル・アルバム『スラック』へのウォーミング・アップのような意味合いの作品であり、事実6曲中4曲がアルバム用にリミックスされ『スラック』にも収録されています。内容は、7thアルバム『レッド』に通じるヘヴィーな楽曲を中心としており、KING CRIMSONの進化はまだまだ続くと確信させられる出来栄えです。
紙ジャケット仕様、初回プレス限定ステッカー付仕様、デジタル・リマスター、定価2300+税
盤質:無傷/小傷
状態:並
帯無
帯無、軽微なカビあり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1980年代に『ディシプリン』『ビート』『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』を発表し活動を休止したKING CRIMSONは、94年に久々の新作となるミニアルバム『ヴルーム』を送り出し、翌95年には『ヴルーム』の楽曲を含むフル・アルバム『スラック』を発表しました。この時期のKING CRIMSONはギタリストRobert FrippとAdrian Brew、ベーシストTrey GunnとTony Levin、ドラマーPat MastelottoとBill Brufordという布陣から「ダブルトリオ期」と呼ばれています。内容は、冒頭の「ヴルーム」を聴いただけで7thアルバム『レッド』の衝撃がよみがえるような、強烈なヘヴィー・プログレッシヴ・ロックとなっています。Robert Frippは、新たなKING CRIMSONの音楽性を「ヌーヴォ・メタル (Nuovo Metal)」と標榜しました。
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、定価2345
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無、側面部に色褪せあり
盤質:傷あり
状態:良好
スリップケースに角潰れあり
DGM96042(DISCIPLINE GLOBAL MOBILE)
デジパック仕様、ブックレット・ポスター付き仕様
盤質:全面に多数傷
状態:
盤に曇りあり、小さい破れあり
紙ジャケット仕様、2枚組、デジタル・リマスター、定価3675
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯中央部分に軽微な色褪せあり、初回プレス限定の「THE COLLECTORS KING CRIMSON SAMPLER VOL.3」(5曲入り)付属
紙ジャケット仕様、2枚組、デジタル・リマスター、定価3500+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
帯中央部分に色褪せあり、カビあり、盤に軽微な曇りあり
盤質:傷あり
状態:良好
スリップケース無し、盤に指紋跡あり、ケースにスレあり
デジパック仕様、直輸入盤(帯付仕様)、定価2300+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯裏にシールが貼ってあります
デジパック仕様、スリップケース付き仕様、ボーナス・トラック1曲、定価2700+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
盤に汚れあり、帯に折れあり
ROXY MUSIC、FRANK ZAPPA、KING CRIMSON、UK、JETHRO TULL、CURVED AIRと歴代の名バンドのメンバーとして活躍してきたキーボード&ヴァイオリン奏者。85年にプライヴェート・ミュージックに唯一残した作品。静かで美しいメロディに包まれたアンビエント感溢れるサウンドはファン必聴。
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