2018年8月13日 | カテゴリー:どうしてプログレを好きになってしまったんだろう@カケハシ 市川哲史,ライターコラム
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イエスの準新作『FLY FROM HERE–RETURN TRIP』が、『ドラマ』以来のクリス・スクワイア+スティーヴ・ハウ+アラン・ホワイト+トレヴァー・ホーン+ジェフ・ダウンズの《バグルスイエス》編成の作品であることは、前回書いた。
2011年6月にリリースされたイエス21世紀やっと第2弾(!)スタジオ・アルバム『フライ・フロム・ヒア(以下、FFH)』を、当時のプロデューサーだったホーンがリミックスしたばかりか全曲唄っちゃったという、なかなか大胆な新装盤なのだ。
というか今回ヴォーカルを差し替えられたベノワ・デイヴィッドは、桃栗3年ツアーで学んで鍛えられてようやくイエスの新ヴォーカリストとして唄わせてもらえた、叩き上げの苦労人だ。そんな彼にとって『フライ・フロム・ヒア』は、まさに宿願叶った記念碑そのものである。しかしデイヴィッドは、リリース直後の同年夏のスティックスとの共演ツアーを経て、11月開幕の《FLY FROM HERE》ツアーの欧州編終盤で喉の不調を訴え3公演が中止に。実際はトレヴァー・ホーンと同じ憂き目を見たのだろう、そのままイエスを脱退する羽目になった。
結果的に彼がイエスに遺した唯一のアルバムになったわけで、そんな貴重な一枚が今回の『RETURN TRIP』篇の登場で消滅しちゃったのだから、これはこれで悲惨だ。
しかもそのブック型デジパック・ジャケの中面を見たら、初代FFHの内ジャケを飾ってたバンド+ホーン計6人の集合写真と同じ写真なのに、右端にいた(はずの)デイヴィッドが跡形もなく消されてるではないか。すごいぞフォトショップ。
ベノワ・デイヴィッドの痕跡どこにもなし――誰か優しくしてやってくれ。
さて新旧FFHを比較して、改訂盤のスペックを再確認してみた。
ホーンが新たに全曲唄い、スティーヴ・ハウとジェフ・ダウンズがギターと鍵盤を新たにオーヴァーダブした他、全編通してニュー・ミックスが施されたことで音の質感のみならず、楽曲によってはアレンジそのものが一変した印象を受けるはずだ。
私個人の主観としては、故人独特の落ち着きのないあのベース・リフを囲んで、シャープなイエス流アンサンブルが展開している感が心地よい。ハウ翁のギターも増量されてるし、何よりホーンのヴォーカルがこれでもかのアンダーソン節全開だったりして、本当に久々にスリリングなイエス・ミュージックを堪能できるのだ。
つまりヴァージョンアップは明々白々で、たぶん私は未来永劫『フライ・フロム・ヒア』といえば今回の『RETURN TRIP』しか聴かなくなるだろう。ジャンケンだって、後出しの方が強いと相場は決まっている。
身も蓋もない理屈だけど。
そう。『ドラマ』38年後の続編は、私の予想を見事に裏切ってくれちゃったのである。
収録曲そのものの変更は、以下になる。
唯一追加された⑪は、2011年の初代盤レコーディング・セッションのアウトテイクで、珍しいハウ翁のリード・ヴォーカル曲。妙なテクノ・フォーク色がキュートで、可笑しい。また❾は、『旧FFH』日本盤にボーナストラックとして収録されてた同曲のフルレングス・ヴァージョンで、今回晴れて正規採用された。あのクールなアンサンブルの全貌が聴けるのだから、この変更点は正しい。
さて改めて、この『FLY FROM HERE-RETURN TRIP』を聴く。
やはり私はトレヴァー・ホーンという、イエスに加入したばっかりに数奇な半生を歩む羽目になった男を通さないと、この作品を堪能できない。そしてその必須アイテムは、言うまでもなく38年越しの楽曲【前“We Can Fly From Here”/現“Fly From Here”】そのものなのだ。
実際ハウ翁によると、2010年10月の時点では「『ドラマ』の頃の未完成曲を演ろう」ということで、❷1曲だけのプロデュースをホーンに依頼し録音したものの、クリスマスキャロルの頃には(失笑)満場一致で改めて全曲オファーしたらしい。
本作の端緒を切ったのも、やはり“Fly From Here”だったのね。
「♪だから僕らはここから飛んでいける」と、かつて大空を駆けたベテラン飛行機乗りの想いを唄う、本日の主役“ウィ・キャン・フライ・フロム・ヒア”の初登場は、《バグルスイエス》唯一の80年北米欧ツアー。ちなみに、9月6日米MSG公演でのライヴ・ヴァージョンが、2005年発表のレア・ライヴ音源集『ライヴ・イヤーズ』に収録されている。
当時はまだ❷単体の、ピアノによるイントロが妙に素朴で新鮮な〈淡泊イエス・ミュージック〉だ。イエスに吸収合併される際にバグルスが持参した自信の楽曲だったものの、ライヴで披露されるだけでレコーディングでは未完成のままだった。
We Can Fly From Here (Original Recording: 4-18-1980)
しかしこのツアーの代償はヘヴィーで、ホーンは〈ジョン・アンダーソンみたいにイエス・クラシックスを唄えない欠陥品〉という不当な罵詈雑言の集中砲火を浴び、イエスは解散してしまったのだから。
そりゃ自律神経の一つや二つ、いや三つ四つはわけなく失調する。
それでも気を取り直してバグルスの新作を創ろうとすると、今度は相棒のダウンズがエイジア結成に走り、世界16ヶ国で1位を獲った“ラジオ・スターの悲劇”と『プラスティックの中の未来』でしこたま稼がせてもらったにもかかわらず、アイランド・レーベルは契約を一方的に解除したのだ。
誰だって〈生ける残骸〉と化すぞ。
しかし一寸の〈英国の草食テクノおたく〉にも五分の魂、闘争本能が着火したホーンは意地でバグルスのセカンド・アルバム兼ラスト・アルバムを完成させる。イエスで一度は形にした“レンズの中へ”を、〈本来〉の仰々しくない姿に戻した“アイ・アム・ア・カメラ”を収録した、エレポップの野心作『モダン・レコーディングの冒険』。
開き直ったポップ・マニア兼レコーディング・マニアの冒険の成果は素晴らしく、リリースされた1981年以来20年は聴き続けた私の愛聴盤だ。そればかりか、初めて使用したフェアライト大活躍の見事なサンプリング・ワークの数々は、のちの《トレヴァー・ホーン・ブランド》の試金石となった。“朱色の砂”のフェアライトによる〈ウッド・ベースが4分の7拍子で奏でるビッグ・バンド・ジャズ〉とか、そこら中で鳴るフェアライトのブラス音とか、まさにサンプリング時代の幕開けを告げたわけだ。
はい。ABC『ルック・オブ・ラヴ』、アート・オブ・ノイズ『誰がアート・オブ・ノイズを…』『ドビュッシーの誘惑』、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド『ウェルカム・トゥ・ザ・プレジャー・ドーム』、マルコム・マクラーレン『俺がマルコムだ!』、アン・ピガール『青春の彷徨』、グレイス・ジョーンズ『スレイブ・トゥ・ザ・リズム』など、彼が主宰した《ZTT》レーベルが必殺オーケストラ・ヒットとともに世界中の大衆音楽を制覇したのだから、人間万事塞翁が馬としか言いようがない。
また、自分を袋叩きにしたイエス信者たちを、『90125』のイエス・キャリア・ハイの商業的大成功で黙らせたことで、もし彼が溜飲を下げられたならよかったなと思う。
ちなみに、「自分はプロデューサーであって、シンガーではない」という開き直りが、ホーンをヴァージョン・アップした――というのが定説だったりするが、実際はバグルスのマネージャーまで担ってた愛妻・ジルの言葉がすべてのようだ。
「あなたは歌手としてはせいぜい二流か三流止まりだと思うけど……プロデューサーなら世界一になれるかもね」
そして彼は〈80年代を発明した男〉になった。
やがてポール・マッカートニーの『フラワー・イン・ザ・ダート』やマイク・オールドフィールド『チューブラー・ベルズⅡ』までプロデュースできたし、映画『バットマン・フォーエヴァー』主題歌となったシールの“キス・フロム・ア・ローズ”で、は第38回グラミー賞最優秀レコード賞まで受賞したのだから、たしかに偉い。
ただし日本では『Mステ』生本番をドタキャンしたロシアの嘘レズ女子高生デュオのせいで、巻き添え食ったホーンにオワタ感が漂ったのは気の毒だった。わはは。
話が長くなった。
この『モダンレコ』2010年再発盤は〈ボーナストラックの巣窟〉として、シングルB面曲や12インチミックスや未発表デモ音源が10曲も詰まった《Adventures In Modern Recording 2.0》を収録している。
その中の一曲は、『フライ・フロム・ヒア』❽“ライフ・オン・ア・フィルム・セット”に流用された“ライディング・ア・タイド(デモ)”。バグルスの中でもイエス的なテクノポップ曲が、イエスで足回りのいい叙情ロックに仕上がったのがよくわかる。
そしてここでようやく注目のデモ2曲、“ウィ・キャン・フライ・フロム・ヒア part 1”“同 part 2”が初登場となった。おお。でこれがどう具体的に長編組曲“フライ・フロム・ヒア”に発展したかというと――。
まず❶は“オーヴァーチュア”に相応しく、ホーンが“part 1”デモを絶妙なイエス風インストに仕上げている。そして❷“ウィー・キャン・フライ”は、まさに《バグルスイエス》が未レコーディングのまま80年北米欧ツアーで披露していた“ウィ・キャン・フライ・フロム・ヒア”に他ならない。特に今回の『RETURN TRIP』版では、過去最高の〈スクワイアの疾走ベースとハウの超絶技巧ギターを標準装備しているバグルス〉感が半端ない。恰好よすぎる。
続く❸“サッド・ナイト・アット・ジ・エアフィールド”は“part 2”デモまんまで、❹“マッドマン・アット・ザ・スクリーンズ”は❶のヴォーカル入りときた。そしてハウ曲の❺“バンピー・ライト”が主題の変拍子展開を聴かせると、とにかく主題を繰り返す❻がリプリーズとして終わりを告げる――さよなら“フライ・フロム・ヒア”。
同じ〈組曲〉とはいえ、70年代のクラシック様式美系とは一線を画した〈別ヴァージョン集〉の肩肘の張らなさが、トレヴァー《ZTT》ホーンの本領発揮なんだと思う。
こうしてバグルスの“ウィー・キャン・フライ・フロム・ヒア”がイエスの“フライ・フロム・ヒア”に完全昇華したことで、イエスに翻弄されたバグルスもようやく成仏できたはずだ。
ならば、なぜ『フライ・フロム・ヒア』から7年も経ったいま、『RETURN TRIP』版を作らねばならなかったのか。もちろんクリス・スクワイア追悼が創作動機だろうけれど、どうしてもホーン個人の〈事情〉を見てしまう私である。ああ。
ステージフライトというかライヴ・イップスというか、わずか数か月のイエス『ドラマ』・ツアー体験がトラウマとなり、トレヴァー・ホーンは〈フロントマン/ヴォーカリストとしての自分〉を諦めて、プロデューサーという《音屋稼業》に活路を見い出した。
で前述したようなZTT仕事でヒットチャートを席捲し、〈世紀のフェアライトおたく〉のであるは瓢箪から大量の駒を出してみせたわけだ。〈古巣〉の『90125』という駒も含め。ということで話は完結したと誰もが思ってたが、そうではなかった。
2004年11月11日ウェンブリー・アリーナで開催された恒例のプリンス・トラスト・コンサートは、なんと《トレヴァー・ホーン芸能生活25周年記念》――申し訳ないがぴんと来ない我々日本人が思う以上に、ホーンの名声は絶大なようだ。ABC、シール、FGTH、ペット・ショップ・ボーイズ、プロパガンダ、グレイス・ジョーンズ、ダラー、ベル&セバスチャン、t.A.T.u.といった彼のお世話になった人々が大挙出演した、〈世にも珍しい80-90年代祭り〉だったと思う。
しかし何よりも意表を突いたのは、バグルス、アート・オブ・ノイズ、そしてイエスでホーン自身が唄いベースを弾いたこと。ジェフ・ダウンズ+スティーヴ・ハウ+クリス・スクワイア+アラン・ホワイト+ホーンという〈アンダーソン抜き〉編成のイエスも話題になったが、あのイップスが大観衆の前でパフォーマンスする心境になったこと自体が驚きだったのである。いくらアニヴァーサリーとはいえ。
するとよっぽど愉しかったのだろう、当日のハウス・バンド・メンバーを務めたex-10CC/ゴドレイ&クレームのロル・クレームと、ホーンの片腕スティーヴ・リプソンに、ex-TRB/スクイーズのアッシュ・ソーンを加えた音屋稼業四人組《プロデューサーズ》を結成。06年11月のカムデンのライヴハウス出演を皮切りに、ライヴ活動を定期的に始めてしまっちゃったのだ。各メンバーゆかりの楽曲や名曲のカヴァーを演奏しては愉しんでるわけで、微笑ましい話じゃないか。ここまで回復したんだもの。
よかったよかった。
その2006年につい始めたプロデューサーズのレコーディングが、アルバム『メイド・イン・ベイシング・ストリート』としてリリースされたのは、2012年。それだけでも意外だったのに、なんと同年8月5&6日にはビルボードライブ東京で来日公演までしてくれちゃったのだっ。
しかも日本サイドではプロデューサーズ名義と謳いながら、実際のネーミングは《TREVOR HORN feat. LOL CRÈME & ASH SOAN / PRODUCERS》。そう、ホーン自身ものちに認めたが、この2日間は〈奇蹟のトレヴァー・ホーン・バンド来日公演〉だったのである。しかも嘘のようなセトリの。
まず70年代末の唯一無二のニューウェイヴ曲“ラジオ・スターの悲劇”で始まると、そのまま80年代の喧噪の象徴、かのFGTH“トゥー・トライブス”をやたら恰好いいファンク・インストで聴かせるのだ。んでシールの、90年代っぽいダークなエレクトロ・ポップス“キス・フロム・ア・ローズ”と来るのだから、まるで〈アナザー・ヒストリー・オブ・ロック〉を生で観てるかのような気分になった。
さらには、続く10CC“ラバー・ブリッツ”からのt.A.T.u.の“オール・ザ・シングス・シー・セッド”の流れの、なんと悪趣味なことか。こういう英国産ポップ・ミュージックならではのスノッブさは、やはりいい。
そして「次の曲は僕の人生でも最悪の時期だったよ」と場を苦笑させてホーン自ら唄うのが、あの11年プロデュースの『フライ・フロム・ヒア』収録曲“フライ・フロム・ヒア・パート2”。なんだ、ひそかに自分で唄ってみたかったのかやっぱり。
でそのまま女性コーラス隊による“スーン”~“ロンリー・ハート”と続いて《イエス・メドレー》は完結したのだけど、ちなみにアンコールはティアーズ・フォー・フィアーズの名曲“ルール・ザ・ワールド”。ん、誰のゆかりの曲だったっけ。「来日メンバーのフィル・パーマーがギターでゲスト参加してたから」説が広まってたが、弾いてない気がするのは私だけか。まあいいや。
とにかく終始愉しそうだった、ホーンの笑顔ばかりが印象に残っている。
それから4年後、ホーンはついに英国でのイエス2公演に〈36年ぶりの里帰り〉を果たして、“光陰矢の如し”を唄うに至る。しかし、ホーンの傍らでベースを弾いてたのはスクワイアではなくビリー・シャーウッドで、コーラスを唄ったのはジョン・デイヴィソンだから、なんともせつない。あの巨体はもういないのだ。
それでもホーンは帰ってきた。翌日から『ドラマ』のように自分が唄う『フライ・フロム・ヒア』を作るべく、ヴォーカル・パートのレコーディングを早速始めた。きっと終演後にハウやダウンズたちと、巨体を偲んで交わした追悼アイディアだと思う。
そして2018年3月、まさかの《バグルスイエス》セカンド・アルバムにして、クリス・スクワイア最後のイエス・アルバム『FLY FROM HERE-RETURN TRIP』が届けられたのである。スクワイア好きの私としては、彼が遺したベースラインがここまで律動しまくりのイエス・ミュージックが聴けるだけで、涙がとまらない。くそ。
またホーンならではの、『ドラマ』以来のあっさりした質感がまた、本作によく似合うし。
だからベノワ・ディヴィッドには本当に申し訳ないのだけれど、たぶん私は二度と『フライ・フロム・ヒア』は聴かない。
だって『FLY FROM HERE-RETURN TRIP』を聴けばいいんだもの。
それにしても重症のステージフライトからホーンを救ったのが、“We Can Fly from Here”38年越しのイエス・ミュージック化だったとはよくできた話だ。
ここから飛んでいけたのは、他ならぬトレヴァー・ホーン本人だったのである。
あ、蛇足を一つだけ書かせてほしい。
2011年のホーンのプロデュースによる元祖『フライ・フロム・ヒア』の録音中、いつの間にかオリヴァー・ウェイクマンは放逐され、鍵盤奏者の座を出戻りのジェフ・ダウンズに奪われていた。『ドラマ』続篇構想を固めてたスクワイアの仕業だが、こんなことしてるから父ウェイクマンとは生涯、絶望的に仲が悪かったに違いない。
鬼だ鬼。
第一回「ジョン・ウェットンはなぜ<いいひと>だったのか?」はコチラ!
第ニ回 「尼崎に<あしたのイエス>を見た、か? ~2017・4・21イエス・フィーチュアリング・ジョン・アンダーソン、トレヴァー・ラビン、リック・ウェイクマン(苦笑)@あましんアルカイックホールのライヴ評みたいなもの」はコチラ!
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第十一回「ああロキシー・ミュージック(VIVA! ROXY MUSIC)前篇 --BOXを聴く前にブライアン・フェリーをおさらいしよう」 はコチラ!
第十二回 「ああロキシー・ミュージック(VIVA! ROXY MUSIC)後篇 --BOXを聴いて再認識する〈ポップ・アートとしてのロキシー・ミュージック〉」はコチラ!
第十三回 「今日もどこかでヒプノシス」はコチラ!
第十四回 「ピーター・バンクスはなぜ、再評価されないのか --〈星を旅する予言者〉の六回忌にあたって」はコチラ!
第十五回 「悪いひとじゃないんだけどねぇ……(遠い目) ―― ビル・ブルフォードへのラブレターを『シームズ・ライク・ア・ライフタイム・アゴー 1977-1980』BOXに添えて」はコチラ!
第十六回 「グレッグ・レイク哀歌(エレジー)」はコチラ!
第十七回 「クリス・スクワイアとトレヴァー・ホーン -イエスの〈新作〉『FLY FROM HERE -RETURN TRIP』に想うこと- 前篇:スクワイアの巻」はコチラ!
4枚組ボックス、ブックレット・帯・解説・紙製収納ボックス付仕様、定価9709+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
解説無、帯無、ボックスとブックレット無し、CDの圧痕・ソフトケースの圧痕あり
デジタル・リマスター、ボーナス・トラック4曲
盤質:傷あり
状態:良好
ビニールソフトケースの圧痕あり
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの71年作4th。その内容は次作「危機」と並ぶ、プログレッシブ・ロック史に留まらず70年代ロック史に残る屈指の大名盤であり、STRAWBSからキーボーディストRick Wakemanが加入、文字通り黄金期を迎えた彼らがトップバンドへと一気に飛躍する様が鮮明に残されています。まだ「危機」のような大作主義こそないものの、「ラウンドアバウト」「燃える朝焼け」など彼らの代表曲を収録。また今作から、その驚異的なエンジニアリング技術で彼らの複雑な楽曲製作に貢献することとなるEddie Offord、そしてその後のYESのトレードマークとなる幻想的なジャケット/ロゴを手がけるRoger Deanが参加、名盤の評価をより一層高めることとなります。
デジパック仕様、スリップケース付き仕様、輸入盤国内帯・解説付仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、定価2400+税
盤質:傷あり
状態:並
帯無
帯無
英国プログレを代表するグループ、71年3rd。John Anderson、Bill Bruford、Chris Squireに加えSteve Howeが加入。前作までのPOPさを残しつつクラシック要素が強まり、楽曲構成がより複雑且つドラマティックなものへと変化しています。大作こそ無いもののYESサウンドを確立させたアルバムです。クラシカルなものからフラメンコまで、多様なフレーズを自然に溶け込ませるSteve Howeのギターが圧巻。細かく正確に刻まれるBill Brufordのドラム、メロディアスに高音を響かせるChris Squireのベース、そして天使の歌声John Andersonを加えたアンサンブルは、瑞々しく表情豊かです。本作でバンドを去ることになるTONY KAYEによるハモンド・オルガンも、英国らしいダークな雰囲気を醸し出しており魅力的。『FRAGILE』、『CLOSE TO THE EDGE』に次ぐ人気を誇る代表作。
紙ジャケット仕様、UHQCD、スティーヴン・ウィルソン・リミックス、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
軽微なスレあり
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの72年作5th。その内容は前作「こわれもの」と並ぶ、プログレッシブ・ロック史に留まらず70年代ロック史に残る屈指の大名盤であり、20分近い表題曲をメインに据えたコンセプト・アルバムとなっています。Keith Emersonと人気を分かつRick Wakemanによる華麗なキーボード・オーケストレーション、カントリーからフラメンコまでを自在に操る個性派ギタリストSteve Howeの超絶プレイ、難解な哲学詞を伝えるハイトーン・ボーカリストJon Anderson、テクニカルでタイトなBill Brufordのドラム、そしてリッケンバッカーによる硬質なベースさばきを見せるChris Squire、今にも崩れそうな危ういバランスを保ちながら孤高の領域に踏み入れた、まさに「危機」の名に相応しい作品です。
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、インサート封入、定価2000+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
帯中央部分に若干色褪せあり
デジパック仕様、スリップケース付仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック4曲
盤質:無傷/小傷
状態:良好
デジパック・スリップケース付き仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック4曲
盤質:無傷/小傷
状態:良好
軽微な圧痕あり
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの73年作。「こわれもの」「危機」で大きな成功を収めた彼らですが、本作は彼らが更なる高みを目指した1枚であり、Jon Andersonの宗教的なコンセプトをテーマに神秘的な雰囲気と独特の瞑想感、スペーシーな雰囲気で進行する良作です。全4曲から構成され、うち3曲は20分を超えると言う大作主義の極みのような作風は圧巻であり、Bill Brufordに代わりドラムにはAlan Whiteが初めて参加しているほか、Rick Wakemanは本作を最後に脱退。非常に複雑な構成から賛否両論のある1枚ですが、やはりその完成度に脱帽してしまう傑作です。
2枚組、英文ブックレット付仕様、定価不明
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
盤に指紋跡あり、帯はケースに貼ってある仕様です、帯に折れあり
紙ジャケット仕様、2枚組、HDCD、デジタル・リマスター、定価3619+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干スレ・若干汚れあり、解説に軽微な折れあり
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの73年ライブ作。名盤「Close To The Edge」を生み出した彼らの自信が感じられる名ライブ作であり、その内容はある種、スタジオ盤以上にファンを虜にしているほどです。もはやおなじみとなったストラビンスキーの「火の鳥」でその幕を開け、「シべリアン・カートゥル」や「燃える朝焼け」「同志」「危機」と、「ラウンド・アバウト」と彼らの代表曲をたっぷりと収録。スタジオ作のクオリティーを完璧に再現するだけでなく、スタジオ作には無いドライブ感の詰まった超絶技巧、名演の数々は全ロックファン必聴です。
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの74年作7th。「こわれもの」「危機」で大きな成功を収めた彼らですが、前作「海洋地形学の物語」でキーボードのRick Wakemanが脱退、後任にはRefugeeの技巧派Patrick Morazが加入しています。その内容はPatrick Morazの参加によってラテン・ジャズ、そして即興色が加味され、超絶なインタープレイの応酬で畳み掛けるハイテンションな名盤であり、「サウンド・チェイサー」ではインドネシアのケチャも取り入れるなど、深化した彼らの音楽性が伺えます。もちろん彼ららしい構築的なアンサンブルも健在であり、大曲「錯乱の扉」の一糸乱れぬ変拍子の嵐など、バンドのポテンシャルの高さが伺えます。大きな成功を経て円熟期に入った彼らを象徴する1枚です。
98年初回盤紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、内袋・リーフレット付仕様、定価2000+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
内袋はついていません
盤質:傷あり
状態:並
軽微なカビあり
デジパック仕様、スリップケース付仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック3曲
盤質:傷あり
状態:良好
スリップケースに軽微な圧痕あり
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの77年作。前作「Relayer」でRick Wakemanに代わりテクニカルなプレイを見せたPatrick Morazが脱退しRick Wakemanが再加入した作品となっています。それに伴い、Patrick Morazの即興色やジャズ色が影響した前作に比べてRick Wakeman色がバンドに再び彩りを与え、シンフォニック然としたアプローチが復活。YESらしい個性が再び芽吹いた1枚と言えるでしょう。加えて、非常にポップな印象を与える作風へとサウンドが変化しており、Doger Deanの幻想的なアートワークからHipgnosisの現実的なアートワークへの移行が興味深い作品となっています。
紙ジャケット仕様、MQA-CD×UHQCD(すべてのCDプレイヤー再生可/ハイレゾ品質での再生にはMQA対応機器が必要)、復刻巻帯付き、リーフレット付仕様、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
パンク、ニュー・ウェイブ全盛期の中リリースされた78年9作目。大作主義は鳴りを潜め、10分以下の小曲で構成されているほか、音も時代を反映してそれまでよりもかなり煌びやかでポップなものになっています。とはいえ開放感のある瑞々しいメロディや、各楽器が緻密にメロディを奏でていくアンサンブルの構築性は流石のYESと言ったところ。多様な音色を駆使し、生き生きとフレーズを弾きまくるウェイクマンのキーボード。自由奔放かつ繊細さ溢れるハウのギター。地に足のついたスクワイアのベース、タイトかつ柔軟さのあるホワイトのドラム。そこへアンダーソンのヴォーカルが次から次へとメロディを紡ぎ出す、有無を言わせぬ怒涛のプログレッシヴ・ポップ・サウンドは彼らでなければ生み出し得ないものでしょう。「Release Release」など本作を象徴する1stや2ndに入っていそうなスピーディーでストレートなロック・ナンバーも魅力ですが、白眉は「On The Silent Wings of Freedom」。前作『Going For The One』で聴かせた天上を駆けるような夢想的なサウンドと、「ロック」の引き締まったビートが理想的に共存した名曲に仕上がっています。スタイルは変われどもYESらしさは満点と言っていい好盤。
「こわれもの」「危機」を生んだイエス黄金ラインナップからなるABWHと、かつてイエスに在籍した主要メンバー(クリス・スクワイア、アラン・ホワイト、トニー・ケイ、トレヴァー・ラビン)が合体。8人組新生イエスがここに誕生した91年作。
紙ジャケット仕様、K2 24bitマスタリング、ボーナス・トラック1曲、内袋付仕様、定価2000+税
盤質:傷あり
状態:
帯有
透明スリップケースがついています
定価2500+税、36Pブックレット付仕様
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯特典部分切り取り有り、帯に若干圧痕あり、クリアケース無し
2枚組、紙ジャケット仕様、SHM-CD、ボーナス・トラック2曲、定価4000+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
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