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カンタベリー・ミュージック特集

カンタベリー・ミュージック特集

カンタベリー・ミュージック~真のコスモポリタンな音楽の万華鏡

  • 皆さん、こんにちは、芹沢聡一郎です。今回は、英国はカンタベリー地方のミュージシャン達によって生み出されたジャジーで実験精神に溢れつつ、英国ならではの叙情性を感じさせる魅惑のカンタベリー・ミュージックを特集するよ。
  • カンタベリー・ミュージックは、僕も大好きなアーティストが何人かいます。ROBERT WYATTのソロも好きだし、HATFIELD AND THE NORTHなんか、ジャズの要素をとてもクールに再構築してカッコイイですよね!でも、カンタベリー・シーンってなんか不思議ですよね。カンタベリーを拠点にしていないアーティストがカンタベリー・ミュージックって呼ばれたり、カンタベリーに住んでいても、カンタベリー・ミュージックって呼ばれない音楽もあったり。なんかちょっと混乱しちゃいますよね。
  • うん、何をもってこれをカンタベリー・ミュージックって呼ぶかは、人それぞれに違うわけだけど。今回、僕も改めて往年のカンタベリー名盤を聴いて、その特徴を整理してみたんだ。これから聴いてみたい!という方や、久々に再訪してみたいという方にも、分かりやすい特徴をいくつかまとめた潮流図を作ってみたので、見て貰えるかな?
  • ワ、ワイアットおばさんの下宿屋!?な、何ですか?これ!?
  • 詳しくは、下記のシーン・フォーカスでも触れているんだけど、あのROBERT WYATTの実家は、部屋が14室もあるヴィクトリア朝様式の大きなお屋敷だったんだよ。で、そこで彼のおばさんが下宿屋をやっていたんだ。
  • だから、ワイアットおばさん・・・。
  • そう、そんな下宿屋に集まったお客さんは、何故か芸術家やヒッピーくずれの胡散臭い連中ばかり。DAEVID ALLENもそのうちの一人なんだよ。で、カンタベリーのグラマー・スクール(男子校)の悪ガキたちとこの下宿屋のならず者たちが、日夜、音楽や芸術論議と実験を、この下宿屋で繰り広げていたというわけなんだ。
  • まさに類は友を呼ぶ、ですね!でもワイアットおばさんも大変だったろうなあ~。
  • 確かに大変だったろうね(笑)。でもこの奇蹟的な邂逅が、このブリティッシュ・ロック史上に残る偉大な、音楽シーンの流れを生んだんだから、ミラクルだよね。
  • うん、ほんっとにミラクル!そうかあ、こういう精神的な横の繋がりというか、妙な連帯感が、彼らの音楽を生んで行ったんですね!
  • まずこの特集は、大別して二つに分かれていて、一つ目は【サウンド】の特徴に焦点をあてたもの。二つ目は、ちょっと難しくなるけど、彼らの活動の原動力となった思想的背景やシーンの外縁にある、もう一つのカンタベリー・シーンについても触れているよ。
  • なるほど。僕もまずはお気に入りのアーティストが関わった作品から、少しずつ掘り下げてみよっと!それでは皆さん、僕と一緒にカンタベリーの秘密の花園にいざ出発!』

カンタベリー・サウンド・フォーカス

カンタベリー・ヴォーカリスト三傑

カンタベリー・ミュージックを語る上で、避けては通れないのがその独特な歌声を持つヴォーカリストたち。坂本龍一をして「世界一悲しい歌声」と言わしめたROBERT WYATTの鼻声がかった高めのくぐもった味わいある歌声。RICHARD SINCLAIRの甘く穏やかなで紳士的な歌声は、特にCARAVANの『グレイとピンクの地』のアルバム・ジャケットの淡いピンクの色調や、HATFIELD AND THE NORTHのファースト・アルバム・ジャケットにある、曇空に浮かぶ人物画の淡い人肌をも思い起こさせる程に、カンタベリーを象徴する歌声の一人と言えるでしょう。そして、SOFT MACHINEを飛び出し、己の吟遊詩人道を貫いたKEVIN AYERSの歌声もまた、多くの人を魅了する、どこか背徳的ながらもひょうきんで根無し草的な雰囲気がまさにボヘミアンの空気感を体現した歌声と言えるでしょう。

ROBERT WYATT

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ROBERT WYATT「SEA SONG」。SOFT MACHINEのドラマーとしてキャリアをスタートさせた彼が、転落事故による半身不随という悲劇から立ち直り放った名作『ROCK BOTTOM』の冒頭を飾る一曲。元々浮世離れしたような儚さがあったそのヴォーカルが、いっそう彼岸的な響きを帯び聴く者の魂を震わせます。

KEVIN AYERS

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KEVIN AYERS『OBSERVATIONS』。ランボーやボードレールにシンパシーを寄せる、生粋の放浪歌人KEVIN AYERSの歌声は、どこか退廃的な投げやり感を伴って、もの憂気でセクシャルな道化師そのもの!

RICHARD SINCLAIR

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CARAVAN『GOLF GIRL』。ジェントルでさり気なく、甘く穏やかな歌声がファズ・オルガンの上をビロードの上の水滴のように転がりながら反転するメロディ・ラインこそザッツ・カンタベリー!

カンタベリー・ファズ・オルガニスト三傑

カンタベリー・サウンドを特徴づける最大の楽器と言っても過言ではないのが、このファズ・オルガン。本来は、エレクトリック・ギターの音色を歪ませる為に生まれたエフェクターであるこのファズを、オルガンに使用してくすんだ淡い色調を想起させる、カンタベリー特有のサウンドを多用した彼等。DAVE STEWART(EGG、HATFIELD AND THE NORTH、GONG、NATIONAL HEALTH)、DAVE SINCLAIR(WILDE FLOWERS、CARAVAN、HATFIELD AND THE NORTH、CAMEL)、MIKE RATLEDGE(SOFT MACHINE)の三傑は、このファズ・オルガンを好んで使用しカンタベリーを象徴させる楽器となりました。RICHARD SINCLAIR等、カンタベリーなジェントル・ヴォイスとの相性も良く、ジャズ的インプロヴゼーションの展開の中にあっては、それらを支える通奏低音的役割を担い、楽曲に安定感を与える役割も果たしています。

カンタベリー・ファズ・オルガニスト三傑

DAVE STEWART

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ハットフィールドの楽曲。アルバム・ジャケットの淡い人肌の人物画が空を覆う、この色調のくすんだ色合いこそ、DAVE STEWARTのファズ・オルガンが表現する屈折した審美的音世界!

DAVE SINCLAIR

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CARAVAN『グレイとピンクの地』より。どこかオリエンタリズムをも感じさせるDAVE SINCLAIRのファズ・オルガンの白昼の夢物語のようなサウンドが楽しめるのがこの22分の組曲。癖になる淡く快い音色。

MIKE RATLEDGE

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ソフツ『7』より「NETTLE BED」。SOFT MACHINEのオリジナル・メンバーである彼のファズ・オルガンが一際炸裂しているのがこの曲。ファズ・ベースとの16分の15拍子ユニゾン・リフをご堪能あれ!

カンタベリー・アナザー・サウンズ三傑

カンタベリーを象徴させる演奏家は、勿論、ヴォーカリストやキーボーディストだけではありません。元来、米国のモダン・ジャズに強い影響を受けていた彼等は、既成のロック・バンドのフォーマットの中に、ジャズが持つインプロヴィゼーション(即興演奏)感覚をふんだんに援用し、彼等独自のサウンドを追求して行きました。PHIL MILLERの万人受けとは言い難い一聴すると偏屈感もありながら、どこか気品のあるギター・プレイ、JIMMY HASTINGS(HATFIELD AND THE NORTH)の美しいジャジーな楽曲に更なる彩りを与える優しい旋律のフルート、ELTON DEAN(SOFT MACHIE)の妖艶で時に爆発を興す豪快なサックスのプレイも、カンタベリー・サウンドの重層的な質感を生んでいると言えるでしょう。ここに、安定感のあるファズ・オルガンや、ジェントルなヴォーカルが乗ってしまえば、それがどこで奏でられる音楽であろうと、人はカンタベリー・サウンドと呼んでしまうかもしれんません。

カンタベリー・アナザー・サウンズ三傑

PHIL MILLER

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ハットフィールドより。彼のギターを偏屈と表現するのをよく見聴きしますが、こうして改めてHATFIELDのプレイを聴いてみると、至極気品のある、上品で主張を抑えた演奏にもグッと来ますね。

JIMMY HASTINGS

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ナショナル・ヘルスより。洒脱なフィメール・ヴォーカルと緩急のコントラストの中を彩る優しい音色。どこか透明感があり催眠的な甘い音色が官能的。デリケートに屈折するフレーズは彼独特のもの。

ELTON DEAN

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ソフツ『4th』より。ELTON DEANの特異なサックスプレイが炸裂するナンバー『Fletcher’s Blemish』のライヴ・ヴァージョン。フリー・ジャズが持つインプロ感覚に富んだ奔放な演奏は聴きごたえたっぷり!

カンタベリー・シーン・フォーカス

SOFT MACHINE-求心力的背景にあった思想と音楽

カンタベリーにあったグラマー・スクール、「サイモン・ラングトン・グラマー・スクール」の在籍生であった、MIKE RATLEDGEの同級生のBRIAN HOPPERとその弟、HUGH HOPPER。HUGHの同級生のROBERT WYATT。そしてその一学年下のDAVE SINCLAIR。と、後のカンタベリー・シーンの重要人物たちが複数名在籍した脅威の学校と、WYATTの両親が住んでいたヴィクトリア朝時代の14室(!)もある邸宅(通称、ウェリントン・ハウス)が、カンタベリー発祥の母体と言っても過言ではないでしょう。ウェリントン・ハウスには、オーストラリアから流れ着いた、DAEVID ALLENがおり、彼等はアメリカの戦後現代文学のビートニク運動に深い影響を受け、モダン・ジャズ、現代音楽を聴き、ポエトリー・リーディングをするそのビート・スタイルの青春に明け暮れたのです。その中から生まれたWILDE FLOWERSは、SOFT MACHINEというビートの第一人者、WILLIAM S BURROUGHSの小説名からその名を取った奇妙なバンド名で、その名を轟かせる事となります。ちなみに彼の作品の中で、SOFT MACHINE(柔らかな機械)とは女性型アンドロイドを指しています。

SOFT MACHINEの求心力的背景にあった、思想と音楽。

WILLIAM S BURROUGHS

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元米空軍兵士、国家秘密諜報員にして、ヘロイン中毒者にしてゴキブリ駆除員…。狂気の経歴の中で類い稀な洞察力で現代文明を風刺したビートの最年長者。

JOHN CAGE

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実験音楽家として前衛芸術界、ひいては全音楽界に衝撃をもたらした、『4分33秒』はあまりにも有名。MIKE RATLEDGE等、年長組はかなりハマっていたとか。

ERIC DOLPHY

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WYATTの母親が経営していた下宿屋、ウェリントン・ハウスは日夜、モダン・ジャズやビート文学論議と音楽実験の温床へ。彼等少年たちに感動を与えたのが彼の音楽。

カンタベリー外縁の一等星、KEVIN AYERS&DAEVID ALLEN

WYATTおばさんの下宿屋、ウェリントン・ハウス時代から、そこに集う詩人や芸術家たちとの交流を通してロックやジャズ、文学に深く傾倒していたKEVIN AYERSは、WILDE FLOWERS、SOFT MACHINEとそのカンタベリー・シーンの最初期メンバーでもありながら、その生来の風来坊癖とツアーでの精神的消耗からのドロップ・アウトの為、ガールフレンドと一緒にイビザ島へと隠遁してしまうのでした。しかしそこでの自由気ままな生活の中で、ボサノヴァや初期ビートルズ、ランボーやボードレールに影響を受けた作詞を始め、孤高のアーティストとして再始動。数多くの名作を発表して行きます。一方、同じくSOFT MACHINEの最初期メンバーであり、バンド名の名付け親でもあるDAEVID ALLENは、SOFT MACHINEのフランス公演の後、麻薬とビザの問題で英国への再入国を拒否されてしまうのでした。そうしたやむを得ぬ状況の中で、69年に9人編成の大所帯バンド、GONGを結成。サイケデリックなヒッピーSFファンタジーな、独特の夢想と幻想の世界を展開して行きました。

カンタベリー外縁の一等星、KEVIN AYERS&DAEVID ALLEN

NICO

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結果、様々な男性ミュージシャンとの創造的関係を持った、異形のドイツ人女性NICO。彼女もまた、AYERSという異彩が放つ妖しい匂いに誘われた毒蛾でした。

BRIAN ENO

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ROXY MUSICのアヴァンギャルドなキーボーディスト、BRIAN ENOもまた、カンタベリー・サウンドが持つ情感と酷似した音楽世界を作り上げた才人、類は友を呼ぶ?

GONG

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レディオ・ノーム・インヴィジブル(見えない電波の精の物語)三部作のひとつから収録曲。壮大でナンセンスなヒッピー・サイエンス・フィクション・ファンタジー!

HENRY COWとアンチ・コマーシャリズム

一方、カンタベリーの系譜でもう一つの重要な求心力を発揮したのが、ケンブリッジ大学の学生等によって結成された思想音楽集団、HENRY COW。同大学の学生だった、FRED FRITH、TIM HODGKINSON等によって68年に結成された彼等の思想的基盤には、共産主義思想、マルキズムがあり、高度な技術で音楽を演奏する事を通して、一種の階級闘争を実践する、政治的運動体としても機能していた点が他のカンタベリー・バンドとは一線を画する特異な点と言えたでしょう。一方、ドイツはハンブルグで結成された多国籍アヴァン・ポップ・バンドのSLAPP HAPPYは、HENRY COWの所属元のVIRGINへ移籍して以降、HENRY COWと行動を共にし、双方のバンドが主導を取り合いながら作品を発表して行きました。その後HENRY COWは、VIRGINから契約を破棄された後、ヨーロッパ・アンダーグラウンド・ミュージシャンの抵抗組織「RIO=反抗するロック」を結成、自主レーベル、レコメンディット・レーベルを発足させます。

HENRY COWとアンチ・コマーシャリズム。

HENRY COW

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『NO MORE SONGS』、現代音楽のインプロヴィゼーションを基軸に、ロック、ジャズを融合、エクスペリメンタルかつ時代を超越したかの様なアヴァンギャルド・ミュージックを展開。

SLAPP HAPPY

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音楽史上初の「アヴァン・ポップ」バンドと称される彼等は、71年のドイツでアメリカ人とロンドン生まれのメンバーに、ドイツ人のDAGMAR KRAUSEが加わり結成。

ART BEARS

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『MOERIS DANCING HOPES AND FEARS』、HENRY COWの中核メンバー、FRED FRITH、CHRIS CUTLERと、SLAPP HAPPYのDAGMAR KRAUSEによる、KRAUSEの歌に重きを置いたアヴァン・ソング・バンド。

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