2017年11月22日 | カテゴリー:どうしてプログレを好きになってしまったんだろう@カケハシ 市川哲史,ライターコラム
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『ライヴ・イン・ウィーン』と『LIVE IN CHICAGO』から見えた〈キング・クリムゾンの新風景〉 文・市川哲史
この秋、個人的には《キング・クリムゾン祭り》で愉しく過ごしている。
日本先行発売で9月27日にリリースされた、〈ロバート・フリップ+メル・コリンズ+ジャッコ・ジャクスジク+トニー・レヴィン+パット・マステロット+ギャヴィン・ハリスン〉に代役ドラマーのジェレミー・ステイシーが加わった2016年式三人太鼓ラインナップによる、16年12月1日ウィーン公演3枚組『ライヴ・イン・ウィーン2016+ライヴ・イン・ジャパン2015』。
来年18年1月リリース予定の海外盤は、日本盤と同一のウィーン公演のライヴ音源のみでCD3枚組なのに対し、この日本限定盤はウィーンを2CDに詰め込んで空けた3枚目に、未だ記憶に新しい15年12月の来日公演から1公演1曲抜粋した全11曲を盛り込んだ。つまり、元祖三人太鼓〈フリップ+コリンズ+ジャクスジク+レヴィン+マステロット+ハリスン+ビル・リーフリン〉クリムゾンのアンサンブルをおさらいできるわけだ。
さらには一時離脱していたリーフリンが復帰し、代役を務めたステイシーも残留という2017年式〈フリップ+コリンズ+ジャクスジック+レヴィン+マステロット+ハリスン+ステイシー+リーフリン〉8名クリムゾンによる、17年6月28日シカゴ公演からの最新ライヴ・テイクも1曲“アイランズ”がボーナス・トラックで収録された。
要はこの一枚(3CDだけど)で、13年9月6日フリップ引退撤回およびクリムゾン再起動以降の3形態が全て聴ける。これまで散々散財し続けてきた我々日本人〈クリムゾンATM〉族に対する感謝の気持ちが、一応はあるのだろうか。
ところが英米ではわずか16日後の10月13日に、その2017年式8名クリムゾンの2枚組ライヴ盤『LIVE IN CHICAGO』が、《キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブ》シリーズのスペシャル・エディションとして緊急リリースされてしまった。
かつて三人太鼓7人編成クリムゾンがそのスキルを発揮した再始動2年目の15年ツアーから、同年11月20日トロント公演をフル収録した『ライヴ・イン・トロント』が翌16年3月に海外リリースされた際も、同じく《KCCC特別版》扱いだった。ちなみに国内盤は5月だったが、その緊急性と完全度はブートレグ対策の意味合いが大きい。
また『ライヴ・イン・ウィーン』はその「出来の良さ(フリップ談)」から、当初の《KCCC特別版》としてのリリース予定が正規のライヴ・アルバム扱いに昇格したと聞いている。
しかし今回の『LIVE IN CHICAGO』は、日本以外ではその『ウィーン』の発売を来年に追いやってまで発売されたのだ。
この事実は大きいよ?
とにかくそれほど〈シカゴのキング・クリムゾン〉は完璧だったのである。
私は三人太鼓以降のクリムゾンを、積極的には評価していない。ものすごく単純な話で、ドラマーが三人いなければならない必然性が見当たらなかったからだ。
90年代の〈Wトリオ〉6人クリムゾンはその説得力溢れる轟音で、プログレッシャーたちの残党のみならず若いロック少年少女たちから、〈クールなグランジ・メタル〉として熱烈支持された。ビル・ブルーフォードなんか「ありがたいことにかのカート・コバーン君が、最も影響を受けたレコードの一枚として『レッド』として挙げてくださったんでね(極悪笑)」と相も変わらずひねくれてたが、当時のクリムゾンが世代を超えたポスト・グランジの意外な最有力候補だったのは事実だ。マジで〈現役ロック・バンド〉だったのだ、しかも超一級の。
そういう意味では、〈三人太鼓〉に〈Wトリオ〉のような音楽的イデオロギーはない。
いや、もちろん三人太鼓ならではのKCアトラクションは〈新曲〉としてちゃんと用意されていた。最近やたら日本のあちこちから雨後の筍のように生えてる和太鼓集団を思わせる、ヘヴィーなユニゾン合戦的な“ラディカル・アクション”。パーカッションにパーカッションが花を添える、一応ガムラン風の“バンシー・レッグス・ベル・ハッスル”。ドラマー全員が片手に2本ずつ両手で4本、全部で12本のスティックを持って綿密にリズムを刻み合う“ザ・ヘル・ハウンズ・オブ・クリム”なんて、もしドラムの教則本があったら《ブルグミュラー25の練習曲》みたいなもんか?
見栄えはするけど、私は「ふーん」なのだ。だってジェイミー・ミューアが突然脱退した後、彼のパーカッション・パートまで引き受けて狂ったように叩きまくった『暗黒の世界』時代のブルーフォードの、それこそ〈ひとり三人太鼓〉っぷりを聴いてるだけに、数の暴力じゃ心は動かない。でも数の馬鹿馬鹿しさは好き。
つまり〈三人太鼓〉はあくまでも新しい方法論であって、コンセプトではない。方法論を目的化してしまってはそれこそ、先はないのだ。にもかかわらず最近では、「そろそろスタジオ・アルバムを」的な能天気なことを口走る評論家らがちょこちょこ見受けられるようになった。おいおい、ライヴ・バンドに徹してるからこそ活路が開けたわけで、創作のためのコンセプトをいまさら無理矢理立てても、現在のライヴ以上に優秀な世界観は決して生まれないだろう。
プログレに限らず他の多くの大ベテラン・バンドが再結成とか再始動しても恰好悪いのは、往年の世界観を再現しようとするからだ。時代は何十年も流れてるし、メンバーだって同じだけ歳を食ってるのに、現在のスキルはさておき黄金期のメンツを揃え、往年の名曲群をできる限り同じアレンジで再現しようと躍起になっても、そりゃ無理な話である。昔の自分たちに寄ろうとするからよけい落差ばかりが際立つのは、自明の理だろう。
ところが❶現在のクリムゾンはフリップ以外のOBがメル・コリンズ、トニー・レヴィン、パット・マステロット(←加入順)と、前世紀の各ディケイド一名のみ。この再現感の無さは気持ちいい。
と同時に❷〈三人太鼓〉という、視覚的にも聴覚的にも実はエンタメ感激しい新規の方法論の採用。
でもって演奏レパートリー(苦笑)的には、❸80年代からずっといたエイドリアン・ブリューに見切りをつけることで、およそ30年間にわたり封印していた『宮殿』『ポセイドン』『リザード』『アイランズ』の楽曲を随時披露中。しかも“21馬鹿”の歌詞なんか、わざわざピート・シンフィールドにアップデート版を発注して、唄っている。『太陽』『暗黒』『レッド』も含め、日本人プログレッシャーズが大好きな《1969-1974クリムゾン》イディオムの復活だけに、そりゃもう新鮮このうえなかったわけだ。
なので他の熟年老舗バンドと同じレトロ指向の〈あの頃の俺たちはすごかったんだぜ〉ライヴを演っても、今回のクリムゾンはそう見られない。それどころか「さすがクリムゾン、相変わらず新しいわ」と、リスペクトされちゃうのであった。
狡いなーフリップ卿。
《新しいキング・クリムゾン》とはずばり、〈アンサンブルの新陳代謝〉なのだ。だったら素直にそのダイナミズムを愉しめばいい、と私は思う。ただし過剰な期待をしてはならない。
さて、17年式8人クリムゾンによる『LIVE IN CHICAGO』。当初はリーフリンもステイシーもいる〈四人太鼓〉編成だと聞いたので、一度は完全に見限った。おっさんしかいない鼓笛隊を誰が見たいか。
ところが幸いなことにリーフリンはドラマー業務から解放され、メロトロン&鍵盤奏者および〈フェアリー・ダスト〉という名の音響さんに転職できてたのだから、めでたい。太鼓がこれ以上増えなくてよかったよかった。
今年のツアーで新たに演目に加わった楽曲は、『リザード』B面を占める同名組曲からの抜粋“The Lizard Suite”と『ビート』収録曲の“ニューロティカ”、そしてこれで『レッド』全曲コンプリート達成となる“堕落天使”。また“スターレス”~“ヒーローズ”~“21馬鹿”というラスト3曲の破滅的な圧には、誰もが腰を抜かすはずだ。
前回のロジャー・ウォーターズ原稿でも書いた気がするが、この〈新陳代謝エンタテインメント〉を可能にした立役者は、メル・コリンズとジャッコ・ジャクスジクの二人になる。
まず、あのフリップのギターもあのレヴィンのスティックもあの三人太鼓も凌駕できてしまうコリンズの〈その情緒性、凶暴につき〉サックスは、実は問答無用の主役だ。怒濤の複雑怪奇アンサンブルを、圧倒的な存在感で支配している。クリムゾン史上最強のリード楽器の座に君臨してるといっても過言ではない。恥ずかしながら私、56歳にしてコリンズ信者となり、彼の膨大な参加作品群を改めて聴き漁る日々なのだ。
それほど現在の《マイティ・クリム・フィーチュアリング・メル・コリンズ》は素晴らしい。そしてそのコリンズの躍動を可能にしたのが、ジャクスジクの存在だったりする。
言うまでもなく、彼が故グレッグ・レイクの〈少年〉ヴォーカルも、ゴードン・ハスケルの〈男子〉ヴォーカルも、故ボズの〈野郎〉ヴォーカルも、故ジョン・ウェットンの〈男性〉ヴォーカルも雰囲気摑んで唄えるからこそ、フリップ卿は引退を撤回しクリムゾン再起動に踏み切ることができたはずだ。
いろいろ説明してはいるけれど、フリップ卿が80年代以降ずーっと貢献してきたエイドリアン・ブリューを排除したのは08年夏、ブリュー主導の《キング・クリムゾン・プロジェクト》がフランチャイズ店の分際で、本社クリムゾンの40周年記念ツアーをWブッキングで中止に追い込んだからだ。要は「何様じゃおのれは」である。
つい先日フリップとブリューは9年ぶりに和解したようだが、東京五輪が終わるまで復帰してくれなくていい。ちょっと飽きてますから。
そんなヴォーカリスト不在の事態に陥ったフリップにとって、ジャクスジクの存在はありがたかったはずだ。だってブリュー時代以外のクリムゾンはそこそこ唄えるし、本番前日に「“平和”を日本語で唄え」とムチャブリしても挫けず頑張る〈かわいい仔犬〉なのだから、そりゃどこまでも都合がいい〈若手〉だろう。今年59歳だけど。
ジャッコ・ジャクスジクという英国人ミュージシャンを初めて知ったのは、恥ずかしながら1994年に遡る。〈服を着た憂鬱〉ジャパンは実は私のテリトリーで、デビシルは勿論ミック・カーン、スティーヴ・ジャンセン、リチャード・バルビエリの個人仕事まで網羅してライナーにインタヴューと、徹底的に付き合ってきた。
どこかの輸入盤店で見つけた謎の英盤4曲入りEP『Kingdom of Dust』は、当時トリオでも活動していた《ジャンセン・バルビエリ・カーン》が制作したベーシック・トラックを、《Jakko》なる見知らぬ男がオーヴァーダブを施したストレンジな音響歌謡曲だった。もともと元ジャパン組の三人が奏でるフリーフォームなサウンドはもやもやっとした残尿感が癖になるのだが、〈しつこくないデビシル〉的なヴォーカルと妙に相性がよかったのを憶えている。
しかしなにせ当時はネットで検索なんて夢のまた夢、この男の素性などわかるはずもない。その数ヶ月後にはバルビエリ&カーンが全面参加したソロ・アルバム『Mustard Gas & Roses』が店頭に並んだものの、それっきりに。ただし、その頃たまたま別の仕事でレヴェル42の91年ライヴ・ヴィデオを観ていたら、なんと彼がアラン・ホールズワースの代役でギターを弾いてたので驚いた。しかもホールズワース独特の音色とフレーズを見事に掴んでたのだから、再度驚いた。
そうなのだ。このジャクスジクの音楽的トレース能力は、立派に金を稼げるだけの〈特技〉だったのである。昔もいまも。
そんな優秀な二人――メル・コリンズ&ジャッコ・ジャクスジクとフリップが出逢えた直接的契機は、どう考えてもあの02~04年の《21センチュリー・スキッツォイド・バンド》だ。と同時に、物置小屋に長く片づけられたまんまだった『ポセイドン』『リザード』『アイランズ』の魅力も、フリップに想い出させたと想像に難くない。
ありがとう21馬鹿バンド、当時はナメててすまんかった。
あ、これだけは付け加えておく。
ここまでトレースが達者なジャクスジクをもってしても、エイドリアン・ブリュー唱法は駄目だ。いますぐ諦めた方がいい。
ウィーンの16年式でもシカゴの17年式でも披露されてるが、ジャクスジクがグレッグ・レイクのまんまで唄う“インディシプリン(リザード風ヴァージョン)”は、どんなにアレンジしても気持ち悪い。デヴィッド・バーンには唄えないのだ、英国プログレは。
やっぱ《70年代キング・クリムゾン》と《80年代キング・クリムゾン》は、同名異バンドなのであった。
第一回「ジョン・ウェットンはなぜ<いいひと>だったのか?」はコチラ!
第ニ回 「尼崎に<あしたのイエス>を見た、か? ~2017・4・21イエス・フィーチュアリング・ジョン・アンダーソン、トレヴァー・ラビン、リック・ウェイクマン(苦笑)@あましんアルカイックホールのライヴ評みたいなもの」はコチラ!
第三回「ロバート・フリップ卿の“英雄夢語り”」はコチラ!
第四回「第四回 これは我々が本当に望んだロジャー・ウォーターズなのか? -二つのピンク・フロイド、その後【前篇】-」はコチラ!
第五回「ギルモアくんとマンザネラちゃん -二つのピンク・フロイド、その後【後篇】ー」はコチラ!
第六回「お箸で食べるイタリアン・プログレ ―24年前に邂逅していた(らしい)バンコにごめんなさい」はコチラ!
第七回「誰も知らない〈1987年のロジャー・ウォーターズ〉 ーーこのときライヴ・アルバムをリリースしていればなぁぁぁ」はコチラ!
紙ジャケット仕様、初回プレス限定ステッカー・ブックレット付仕様、デジタル・リマスター、定価2415
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無、若干スレ・軽微な汚れあり
CLUB47(KING CRIMSON COLLECTORS CLUB)
デジパック仕様、DVDオーディオ2枚組、NTSC方式、リージョンフリー、スリップケース・ブックレット付仕様(画像はスリップケースです)
盤質:傷あり
状態:並
1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり、スリップケースに圧痕あり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1969年に発表されたデビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』は、プログレッシヴ・ロックのスタート地点となった大名盤であり、プログレッシヴ・ロックを聴くならまずはこのアルバムからと断言できる作品です。メンバーはギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストGreg Lake、ドラマーMichael Giles、管楽器に加えて鍵盤楽器(メロトロン)も担当するIan McDonald、そして作詞家Peter Sinfieldという布陣。「21世紀のスキッツォイド・マン」のオープニングから緊張感のある変拍子アンサンブルやユニゾン・フレーズが畳み掛け、「風に語りて」では牧歌的でありながら浮世離れした音世界を構築。“混沌こそ我が墓碑銘”の一節があまりに有名な「エピタフ (墓碑銘)」と、同じくリリックの幻想美に酔いしれる「ムーンチャイルド」を経て、メロトロンの洪水に溺れるシンフォニックな最終曲「クリムゾン・キングの宮殿」へ。“THE BEATLESの『Abbey Road』をチャート・トップから陥落させた”というエピソードの真偽はともかくとして、プログレッシヴ・ロック時代の幕開けを告げる衝撃的な作品であることは間違いありません。『クリムゾン・キングの宮殿』に触れずにプログレッシヴ・ロックを語ることは、まず不可能でしょう。
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、ブックレット・ステッカー付仕様、定価2500+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干圧痕あり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1970年に発表されたセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』は、デビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』の延長上に位置する作品となっています。『クリムゾン・キングの宮殿』発表後、ギタリストRobert Frippと作詞家Peter Sinfieldを除く3名が脱退を表明するも、諸事情によりGreg LakeとMichael Gilesは引き続き本作のレコーディングに参加。新たにKING CRIMSONに参加したのは、ピアニストKeith Tippett、管楽器奏者Mel Collins、ベーシストPeter Giles(Michael Gilesの実弟)、そしてヴォーカリストGorden Haskell。その結果、本作には8名ものミュージシャンの名前がクレジットされることになりました。音楽的にはデビュー・アルバムと同一線上で捉えることも可能ではありますが、例えばKeith Tippettのジャズ・ピアノをフィーチャーした「キャット・フード」、あるいは、ホルスト作曲の組曲「惑星(火星、戦争をもたらす者)」を思わせるリズムとカオティックなメロトロンが凄まじい相乗効果を生む「デヴィルズ・トライアングル」など、新たな試みも行われています。なお本作の後、Greg LakeはEMERSON, LAKE & PALMERとして再デビュー、そしてMichael GilesとPeter Gilesの兄弟はすでにKING CRIMSONを脱退していたIan McDonaldと共にMcDONALD AND GILESを結成します。
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。セカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』を最後に、Greg Lake、Michael Giles、Peter Gilesが脱退。1970年に発表されたサード・アルバム『リザード』は、『ポセイドンのめざめ』に参加していたベース・ヴォーカリストGorden Haskellと管楽器奏者Mel Collinsが正式加入、さらにドラマーAndy McCullochを迎え入れ制作されました。ゲスト・ミュージシャンは、過去作にも参加のジャズ・ピアニストKeith Tippettがバンドメイト(コルネット奏者Mark Charigとトロンボーン奏者Nick Evens)を引き連れ参加している他、オーボエ奏者Robin Miller、さらにYESのヴォーカリストJon Andersonが、表題組曲「リザード」の「ルーパート王子のめざめ」で歌声を響かせています。本作は、Keith Tippettが持ち込んだフリー・ジャズのエッセンスがグループに新たな息吹を注ぎ込んだ作品であり、特に「インドア・ゲイムズ」や「ハッピー・ファミリー」におけるインプロヴィゼーションなどで、その影響をはっきりと聴き取ることができるでしょう。一方で、フルートが舞う「水の精」ではこれまでのKING CRIMSONらしい牧歌性も披露。ラストには20分を超える表題組曲「リザード」が控えます。フリー・ジャズへの接近を通じて、後のKING CRIMSONサウンドの重要なポイントとなる即興色を拡張した傑作です。
30TH ANNIVERSARY EDITION、デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:並
カビあり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。4thアルバム『アイランズ』を発表後に解散したKING CRIMSONですが、Robert Frippは新たなメンバーを探しKING CRIMSONを再始動。グループの最高傑作と名高い1972年の5thアルバム『太陽と戦慄』を世に送り出しました。メンバーはギタリストRobert Frippに加えて、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Bruford、パーカッション奏者Jamie Muir、ヴァイオリン奏者David Crossという布陣。本作は、確かな技巧を持ったミュージシャンたちによる最高品質の実験音楽作品であり、1曲目の「太陽と戦慄 パートI」と最終曲「太陽と戦慄 パートII」に象徴される、即興演奏を重視したメタリックなプログレッシヴ・ロックの大傑作となっています。また、2つの先鋭的な楽曲に挟まれた中盤の楽曲たちも素晴らしく、John Wettonのヴォーカルが冴えわたる「土曜日の本」や、最初期のKING CRIMSONサウンドが頭をよぎる「放浪者」、 ヘヴィーなギターとスキャットから始まる「イージー・マネー」 、Jamie Muirの話し太鼓(西アフリカの伝統的な太鼓の奏法)を曲名に冠した「トーキング・ドラム」と、どの楽曲も強烈な個性を持っています。ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロックを聴くうえで、避けて通れない名盤です。
紙ジャケット仕様、40周年記念エディション、HQCD+DVD-AUDIOの2枚組、K2HDマスタリング、ブックレット・内袋・復刻巻帯付仕様、DVD-AUDIOはNTSC方式・リージョンフリー、定価4500+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
盤に内袋の跡あり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。6thアルバム『暗黒の世界』後にヴァイオリン奏者David Crossが脱退。3人体制となったKING CRIMSONは、1974年に7thアルバム『レッド』をリリースしました。メンバーは、ギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Brufordという布陣。ゲストには、ソプラノ・サックス奏者Mel Collins、アルト・サックス奏者Ian Mcdonald、ヴァイオリン奏者David Cross、コルネット奏者Mark Charig、オーボエ奏者Robin Millerという旧メンバーあるいは過去作にもゲスト参加の経験を持つミュージシャンたちが迎えられています。その内容は、アルバムのオープニングを飾る「Red」から破壊的なギター・サウンドとアグレッシヴなリズム・セクションに驚愕する傑作。KING CRIMSON作品の中で最も素晴らしいバラード曲との呼び声も高い「堕落天使」、初期のKING CRIMSONサウンドをヘヴィーに再構築したような「再び赤い悪夢」、インプロヴィゼーションのライブ録音楽曲「神の導き」、抒情的なヴォーカルが印象的な前半部とギターやサックスが暴れまわる後半部から成る長尺曲「スターレス」と、全曲がプログレッシブ・ロック史に残る名曲です。本作のリリースをもって、KING CRIMSONは再び解散することとなりました。裏ジャケットに使われている、レッド・ゾーンに振り切れた音量メーターが、本作の狂暴な音楽性と当時のグループの状況を示唆しています。
ロバート・フリップによる89年リマスター、ファミリーツリー付き仕様、定価2233+税
盤質:傷あり
状態:
帯有
若干スレあり、カビあり
ロバート・フリップによる89年リマスター、ファミリーツリー付き仕様、定価2233+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干折れ・側面部に若干色褪せあり、ケースに若干スレあり
40TH ANNIVERSARY SERIES、デジパック仕様、スリップケース・ブックレット付仕様、CD+DVDの2枚組、ボーナストラック3曲、DVDはNTSC方式・リージョンフリー
盤質:無傷/小傷
状態:良好
スリップケースに若干圧痕あり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。5thアルバム『太陽と戦慄』に続いて1974年にリリースされた6thアルバム『暗黒の世界』は、スタジオ・レコーディングとライブ・レコーディング(73年録音)が混在する変則的な作品となっています。収録曲順に見ていくと、「偉大なる詐欺師」と「人々の嘆き」は完全なスタジオ・レコーディング。「隠し事」はライヴ・レコーディングで、「夜を支配する人」はライヴ・レコーディングの冒頭から途中でスタジオ・レコーディングに切り替わります。「トリオ」はライブ・レコーディングで、「詭弁家」はライブ・レコーディングに後からスタジオ・ヴォーカルをかぶせた楽曲。「暗黒の世界」と「突破口」はライブ・レコーディングとなっています。前作『太陽と戦慄』でパーカッション奏者Jamie Muirが脱退したため、本作のメンバーはギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Bruford、ヴァイオリン奏者David Crossという布陣。内容的には、初期の強烈なKING CRIMSONサウンドに回帰したようなスタジオ楽曲と、インプロヴィゼーションで聴かせるライブ楽曲に分かれています。本作を発表後にDavid Crossが脱退し3人体制となったKING CRIMSONは、次作『レッド』の制作に取り掛かります。
30TH ANNIVERSARY EDITION、デジタル・リマスター
盤質:無傷/小傷
状態:良好
廃盤希少、2枚組、ファミリーツリー付き仕様、定価3786+税
盤質:傷あり
状態:並
帯無
帯無、若干カビあり
75年発表のライブ・アルバム。「RED」発表前の74年に録音されており、当時のラインナップはRobert Fripp(g)、John Wetton(b、vo)、 Bill Bruford(ds)、David Cross(vln、key)の4人編成。アルバム中3曲でEddie Jobson(vln、key)のパートがダビングされています。鮮やかなヴァイオリンの旋律を切り刻むメタリックなギター・リフ、グイグイとウネリを生み出して暴走するリズム隊。この時期ならではのパワフル且つ緊迫感溢れる即興演奏に終始圧倒されっぱなし。代表的名曲「21st Century Schizoid Man」では原曲のサックス部分をヴァイオリンで再現しており、よりヒステリックな爆発力を楽しむことが出来ます。沸点目掛けて上り詰めるRED期クリムゾンの凄さを体験出来る名ライブ盤。
紙ジャケット仕様、24bitリマスター、HDCD、3曲追加収録、ブックレット・歌詞対訳付仕様、定価2200+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
スレあり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1984年に発表された10thアルバム『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』は、8thアルバム『ディシプリン』と9thアルバム『ビート』と同一メンバーにて制作されました。メンバーは、ギタリストRobert Fripp、ギター・ヴォーカリストAdrian Brew、ベーシストTony Levin、そしてドラマーBill Brufordという布陣。本作は、KING CRIMSONのスタジオ・アルバムの中ではあまり目立たない存在かもしれません。その理由は、契約履行のために作ったアルバムという印象が強いことや、Adrian Brewのポップ・センスに寄せた出来になっていることなどが挙げられるでしょう。確かにアルバム前半には分かりやすいヴォーカル・ナンバーが収録され聴き手を困惑させるかもしれませんが、後半ではKING CRIMSON版インダストリアル・ロックとでも名付けたくなるようなインストゥルメンタルが配置されています。もちろんインプロヴィゼーションもフィーチャーされており、最終楽曲のタイトルは、なんと「太陽と戦慄 パートIII」。Robert Fripp本人も本作に対してはポジティブな感想を持っていないようですが、8thアルバム『ディシプリン』からの一連の流れを知る意味で、チェックしておきたいアルバムでしょう。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック5曲、ブックレット・ステッカー・内袋付仕様、定価2625
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無、若干汚れ・若干圧痕・軽微な色褪せあり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1980年代に『ディシプリン』『ビート』『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』を発表し活動を休止したKING CRIMSONの次なるリリースは、94年のミニアルバム『ヴルーム』。この時期のKING CRIMSONは
ギタリストRobert FrippとAdrian Brew、ベーシストTrey GunnとTony Levin、ドラマーPat MastelottoとBill Brufordという布陣から「ダブルトリオ期」と呼ばれています。本作は、95年のフル・アルバム『スラック』へのウォーミング・アップのような意味合いの作品であり、事実6曲中4曲がアルバム用にリミックスされ『スラック』にも収録されています。内容は、7thアルバム『レッド』に通じるヘヴィーな楽曲を中心としており、KING CRIMSONの進化はまだまだ続くと確信させられる出来栄えです。
紙ジャケット仕様、初回プレス限定ステッカー付仕様、デジタル・リマスター、定価2300+税
盤質:無傷/小傷
状態:並
帯無
帯無、軽微なカビあり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1980年代に『ディシプリン』『ビート』『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』を発表し活動を休止したKING CRIMSONは、94年に久々の新作となるミニアルバム『ヴルーム』を送り出し、翌95年には『ヴルーム』の楽曲を含むフル・アルバム『スラック』を発表しました。この時期のKING CRIMSONはギタリストRobert FrippとAdrian Brew、ベーシストTrey GunnとTony Levin、ドラマーPat MastelottoとBill Brufordという布陣から「ダブルトリオ期」と呼ばれています。内容は、冒頭の「ヴルーム」を聴いただけで7thアルバム『レッド』の衝撃がよみがえるような、強烈なヘヴィー・プログレッシヴ・ロックとなっています。Robert Frippは、新たなKING CRIMSONの音楽性を「ヌーヴォ・メタル (Nuovo Metal)」と標榜しました。
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、定価2345
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無、側面部に色褪せあり
盤質:傷あり
状態:良好
スリップケースに角潰れあり
DGM96042(DISCIPLINE GLOBAL MOBILE)
デジパック仕様、ブックレット・ポスター付き仕様
盤質:全面に多数傷
状態:
盤に曇りあり、小さい破れあり
紙ジャケット仕様、2枚組、デジタル・リマスター、定価3675
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯中央部分に軽微な色褪せあり、初回プレス限定の「THE COLLECTORS KING CRIMSON SAMPLER VOL.3」(5曲入り)付属
紙ジャケット仕様、2枚組、デジタル・リマスター、定価3500+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
帯中央部分に色褪せあり、カビあり、盤に軽微な曇りあり
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