プログレッシヴ・ロックの中古CD豊富!プログレ、世界のニッチ&ディープな60s/70sロック専門ネットCDショップ!
13時まで当日発送(土・日・祝は翌日)、6,000円(税抜)以上送料無料
2nd。Ohr時代の4枚はこの時代のドイツの地下音楽シーンの先駆的な存在を知らしめるには十分すぎるほど。サイケでコズミックで、かと思えばジャズや宗教音楽的な要素も盛り込まれている。ごった煮にならず、脱構築して彼らの解釈で再構築することにより、オリジナリティを生み出すことに成功している。
メインはオルガンであるのはこの時代なのだが、Moogを導入したり、トーンジェネレーター(発振器)やテープエコーで加工した身近なもの(非楽器)を用いたりと、工夫に工夫を重ねている様子がうかがえる。例えばM1で昇降機(エレベーター)の励起音を使っている。この技はDeep PurpleのFireballでも使われていて、リリース時期もともに近いことを考えれば、この手法はこの時代の最先端の手法だったと思われる。
本作のハイライトはM3ラスト。宇宙人からのメッセージなのか、神からの啓示なのか。ドラマティックにエンディングを迎える。
ジャーマンロック黎明期の重要作として位置づけられる名作。
オペラチックなコーラス、キメキメの覚えやすいフレーズ、こういうの「アメリカンプログレ」の古典、お手本って言っていいと思う。
RCA/Wooden Nickel時代の4枚はどれも捨てがたいが、1stの路線をより整理した本作はぐっと聞きやすくなった感がある。大ヒットかつ今日でもM2はライブの定番曲は、徐々に盛り上がっていくドラマティックなバラード。
M5のドライブしたオルガンメインのインストに導かれ、M6につながる展開はいかにもアメリカンプログレのダイナミックさを味わえる。
個人的にはM3がアコースティックかつ微妙な緊張感があって、このアルバムの中では一番好きな楽曲。
Voは「ミスターStyx」D.D.ヤングがメイン。この人、若いころから声質が変わらないなぁ。すごい。
実は初期GONGは聴いたことがなくて、おっかなびっくりで入手。
初期…本作までの彼らは浮遊感あるサイケデリックな音を特徴としていたけど、本作ではジャズのエッセンスが前面に出たとのこと。聴いてみるとそれは間違いない。けど、それだけではなくロックのダイナミックさがベースにジャズやらサイケやらのごった煮状態。これがまた音のコラージュ的演出でいい。HAWKWIND風のサウンドジェネレーター(VCS3?)の導入も効果的だ。
部分的でもHillageのギターはAsh Ra TempelのManuelにも通じるなと思った。この経験が後々ソロ作品に繋がると考えるとまさに原点と言える。
入手してからスマホに入れてヘッドフォンで聴いているが、クスリなしで「飛べる音」だ。
Wallensteinの1stはアシッドフォーク系バンドを擁立するPilzレーベルからのリリースだった。それはさておき、M1の鋭角なKey、フランジャーを利かせたGtr、独特に変化するリズム隊が織りなすハードなインストで圧倒されてしまう。タイトルの「電撃戦」に相応しい激しさは本作の特徴を表していると思う。
翻ってM2になるとVoが入ってくるが、まぁそれほど大したことなない歌唱力。それをかき消すくらいの演奏力がこのバンドにはあるので全く気にならない。
M1が動ならM2は静、と簡単に二分化できないところは聴いてのお楽しみだ。
メロトロンも効果的だが、表現力豊かなリズム隊とピアノが実に華麗。
CD化されているのは1stから4thまでだったと思うが、アルバム全体の出来、まとまりは絶対1st。ジャーマンシンフォの名作、いや欧州プログレの中でも群を抜いての出来かと思う。おすすめです。
相変わらず評価低いんだけど…本当?ちゃんと聴いている??
ELPのラストアルバムとしてだけではなく、評価の低さも有名。そしてアルバムタイトルはメンバーの相違ではなく、本人たちは当然気に入っていない?へぇ…まぁ個人的な意見になるけど、凡長であくびが出る2枚組のライブアルバム「Welcome back my〜」、音源寄せ集め&やっつけ感しか感じない「Works Vol.1」と「同Vol.2」なんかより遥かに内容は良い。本作にまつわるゴタゴタを知ったとしても、よくもまぁ体裁を整えてリリースしたもんだと感心する。
M1、M2のキャッチーさは新しさを感じさせるも、これまでのELP的な力技感も十分に味わえる佳曲。本作の特徴はかのP.SinfieldがM6以外の歌詞を全て担当している。レコーディングにも立ち会ったそうだが、G.Lakeと険悪になったりと…まぁ大変でしたね。
M6はロドリーゴの曲のアレンジ。こういうインスト曲の入れ方はELP的でいいよね。そしてM7、LPだと片面全部を使った大作「将校と紳士の回顧録」は絶対対訳を読んで、涙してほしい。楽曲の内容も悪くない、むしろ「悪の教典」に迫る楽曲と言いたい。
評判(評論家、マニア、そして本人たち)はさておき、自分の耳で評価してほしい一枚。ジャケットも好きだけどね。私はLPとCD1枚ずつ持ってます。
ノルウェーのバンドの2ndとのこと。収録曲5曲中、4曲でメロトロン入りという。その筋の人にはこれだけでたまらんでしょう。生のフルートもいい感じで絡んでくるし、ギターの「駆け上がり」はかのYESを思わせる。そう、全体的にYESの香りがプンプンする。もしかしたらアメリカのSTARCASTLEよりもその香りが強いように思える。敢えて言うなら「And you and I」の雰囲気がアルバム全体に漂っているかのような作風だ。
ハイライトはPictures Of A DayとラストのBack Side。どちらも長めの曲だが、古き良き王道シンフォニックロックの味わい。今となっては新鮮味はもはやないのだが、安心して聴けてしまうのは魅力的。本作以降もアルバムをリリースしていくが、作風がいろいろ変わっているようなのでご注意。北欧色を感じるかどうかは別として、シンフォニック系のプログレとしては好盤。演奏はしっかりしているが、VoはJ.Andersonにはならず、肩の力が抜けていてそこがまたいいのかも。
「大英帝国の誇り・マグナム」っていう紹介されていたと思う彼らの1st。78年のアルバムデビュー、ギタリストT.クラーキンの作詞作曲のセンスは、おそらくアーサー王伝説とか指輪物語とかを下敷きにしたヒロイックファンタジーからの影響なんだろうなというくらいセンスがずば抜けていい。特に本作のドラマティックな展開はコンセプトアルバムかのような緩急のつけ具合が見事。この曲順もヘタなシンフォニックプログレバンドよりもはるかにスリリングで飽きさせないと思う。メタルの領域で括られる彼らだが、初期のJETからのリリース作はプログレファンは絶対聴いておいたほうがいい。特に本作はR.ベイリーがKeyとフルートを兼任するが、M4(超名曲!)の冒頭、アコギとフルートの絡みはA.フィリップスか?はたまたGenesisの「Trespass」っぽい!(雰囲気ね、雰囲気)と思ってしまうほど英国の香りがプンプンする。曲によってはメロトロンの影もチラチラする愛すべき一枚。ちなみにオリジナルLPとCD化再発版(と再発版LP)はジャケットデザインが違う。さらにFM Revolver版はR.マシューズによるイラストなのでマニア泣かせ…というのはトリビア
時期的には「Big Generator」発表の翌年、ということでまぁ稼ぐヴォーカリストだこと。当時の雑誌広告にも本作は紹介されていたのを思い出す。リアルタイムでは買わなかったけど。
90125期とはいえ、この頃のYESを期待しないほうがいい。JonのVoで80sAORを楽しめるという純粋に産業ロックが好きな人、聴ける人にはお勧めしたい一枚。
バックの面子がM.Landau、D.Huff、TOTOからはJeff、SteveそしてMikeのPorcaro兄弟、そしてD.Paich、S.Lukatherと錚々たる布陣(ほぼ全員)。プロデューサーはS.Levineって言ったらR&B、AORで名を馳せた名士。これで悪い作品ができるはずがない…んだが、まぁ売れなかった。
M1から軽やかなノリのいい楽曲。PVにはこっそり?C.Squireが登場しているので動画投稿サイトで確認してほしい。80s特有のDX7エレピがたまらんM8、M10だけは重厚な楽曲でYESっぽさがあると言えばある。
本作発表を前後する形でTOTOがアルバムを出しているがこっちにJonがゲストVoで参加。同じCBS/Columbiaというレコード会社からのリリースだったのでまぁ相互協力できたのでしょう。もちろんTOTOのほうが売上的には遥かに上だっだけど笑 ちなみに「Stop Loving You」のギターソロのパートでスキャット気味に入っているVoはJonだ。
本作がプログレファンにアピールするとしたら、「YESのJonのソロ」という一点に尽きる。普通にベテラン歌手による良質なAORアルバムとして聴いてくれたほうがJonも幸せなんじゃないかと。私は好きな一枚ですよ。ええ。
彼らに付けられたラベルは数知れず。「ネオプログレ」「ポンプロック」「Genesisクローン」…特に今更の話、彼らがGenesisクローンかというと「?」である。当時のVo、Fishがピーガブに成り切ろうとしたかどうかは別として、少なくてもGenesisの「眩惑の〜」からの影響はあったかもしれない。特にSF的な現代的ファンタジー観を盛り込んだと思われる歌詞の世界は、デビュー当時からMarillionの軸になっていたと思う。それは「月影の騎士」で童話や神話的世界に戻った(その中で現代的事象に対する比喩はあるけど)Genesisとは異なる。なので、Marillionを初めて聴く際に「Genesisクローン」という色眼鏡で入ると、肩透かしを喰らう。後々デビューする後輩達の作品と比べると素っ気なく、特徴が掴みとれない音に感じるかもしれない。ここは歌詞の意味世界を探求したり、動画投稿サイトでライブを観てGenesisとの「違い」を楽しんでほしい。
本作から元TRACEのI.モズレーがDsで加入。後年ライブの定番曲が盛りだくさんである。
1991年の1st。当時のM紙でも広告やレビューが載っていたと思う。プッシュしていた割に売れたのかどうか・・・はさておき。
さて、イタリアのバンドで英語の歌詞。ネオ・プログレの範疇に入る。曲展開もノリを掴んで展開するので突拍子もないようなことにならない。しかも退屈しないのは、攻めるオルガンが全面に出ているからだと思う。まるで70s英国マイナーハードのようだ。オルガンの影に隠れて全体的に目立たないGtrはM6でカッコいい長めのソロを決めてくれるから安心していい。ドラムの刻みも巧み。Voは味わい深く、程よいクセがある。知らない人が聴いたら絶対70s英国のバンドの掘り出し物だと間違うと思う。M1のKeyはメロトロン?と思うほど。いや、メロトロンの音だ!と信じこんでもいいくらい、このメロディと雰囲気にドはまりのフレーズを聴かせてくれる。
とにかくどの曲もメロディがいい。そして渋いんだよね。どこかのプログレバンドを下敷きにしているというよりは、ブルース・ロックなんかをちゃんと聴いていて、そこから影響を受けていると思える。ネオ・プログレの一派にはない芯の強さを感じるのはそこかな。
ジャケットの雰囲気は完全にシンフォニックだけど、まったくそんなことはない。これはだまし討ちである。いやぁ、これは一度は聴いておいたほうがいいですよ。
某M社により発掘されたと言ってよい唯一作。ギリシャのプログレは個人的に馴染みがないし、あの国はやはりVANGELISの国というイメージがある。
音的にはドカスカドラム、熱いギター、情熱のVoが近隣国、イタリアのプログレ風味を感じる。これだけでも聴く価値はある。華麗なピアノはPFMっぽさを感じつつ、M4のミュート気味のギターはジャズの風味。オルガンはK.エマーソンからの影響を受けたのが露骨にわかるのが素直でよろしい。ワイのハートをキャッチしたのはM1のオープニング、わざとチューニングをずらしたシンセ、そこに和太鼓風ドラムが絡むところ。これで名盤確定だ。至るところでモノマネ感がないわけではないが、自分たちのものに消化している印象がある。十分に楽曲のオリジナリティは感じるし、そもそもの作曲力はなかなかじゃない?
クラシカルな要素、ジャズ的要素をふんだんに盛り込んだ・・・これってプログレがプログレたる基本要素だったはず。それを思い出させてくれる一枚と言ったら言い過ぎ?おすすめ。
日本の中古LP市場を見るとムーディーズの「球数」の多さに驚く。特に国内盤はよく売れたのだろう。彼らの魅力はJ.ヘイワードとJ.ロッジという2大メロディメイカー&ヴォーカリストを擁し、ルーツをビートロックに持った甘美なメロディラインであろう。そこにコンセプチュアルな要素であるナレーションや劇的な音演出としてのメロトロン、T.タヴァーナーによるジャケットイラストも大きいかもしれない。
テクニカルではなく、ルックスも…まぁ彼らのスタイルは他のプログレ界隈とは異なり、今となっては古臭く、誰も真似しようとは思わないスタイルだ(ひどいね)。ゆえに長きにわたって活動できた唯一無二の存在だったのかもしれない。
さて、7日目の安息日はどうか。本作はメロトロンを用いず、チェンバリンを用いている。構造的には似ている(ほぼ同じ)楽器なのだが、音のテイストは結構違う。ストリングスはソリーナよりもストリングスらしく聞こえる。M3の冒頭、リコーダーの音色はメロトロンだと頭にクリック音が入るだろうが、こちらは入らない。こうした違いを過去の作品と比較して聴くのも楽しい。
全体的にはさらりとしている印象、そしてコンセプチュアルなメッセージ性は本作にはないに等しい。それでも「プログレ的なムーディーズ、最後のアルバム」としては良好な作品なのではないか。コンセプトのアイディアがなくなったわけではないだろうが、いったん仕切り直し的な作品…その仕切り直し後の作品が問題作(?)「Octave」なんだが。
このSeventh Sojurnの続編は、先述のJ.ヘイワード&J.ロッジ「ブルージェイズ」(1975年)を聴けば明らかだ。ともにお勧めしておく。
Jean-Pierre Massieraなる人物を中心とした1974年の作。Magma界隈のミュージシャンによるフレンチプログレの重要作として知られている。
Visitorsがセッションものなのか、プロジェクトものなのかわからない。オリジナルDECCA版LPが、状態まずまずで5〜6万が相場か。フランスのシンフォニック系はさらりとしていて、歌心あるもの、もしくはジャズロック系が多いような気がするんだがこれはその真逆。
粘っこいシンセ、コーラスも何だかソウルな雰囲気。収録曲Nous(「我々」)はDidier Lockwoodのヴァイオリンが冴えわたる。他の曲もゴリ押し気味で味付け濃いめなので、Boozの4枚目あたりが好みならどストライクで気に入るはずだ。
曲名も「地球」「神」「宇宙人」(地球人から見たらの「Visitors」の意味か)など、まぁあっちに行っちゃった感じでそそられる。裏ジャケットもどうかしているので注目だ。
本作1枚きりのリリースかと思ったら、1981年に2ndアルバムとシングル、1998年にもシングルが出ているんだが…なんなんだろうか。怖いもの見たさか、自分の耳を信じるか…ともあれ本作は一聴の価値あり。
CARAVANの声というと私の場合はR,Sinclair。朴訥として飄々としている声が私の中ではこのバンドのトレードマークなのだが、やや高めのPyeの声もいいよね。でもつい「Richardの声はまだかな…?」と登場を待ってしまう。逆にそれくらい今までの彼らのアルバムと遜色ない作品だと思う。
従来よりも管楽器とヴァイオリンのフィーチャー度合いが増えていて、さらにポップ度が上がったかな?と思いきや、1曲の中での緩急のつけ具合も見事。M4からM7は組曲風になっている。個人的には今までのファンも安心して聴ける一枚だ。
新しい収穫というと、コーラスがQueenとかELOっぽいエフェクトがかかっていてこれは今までの彼らにはなかったと思う。
あぁ、それから本作からJ.Schelhaasが参加。彼というとCAMELでの活躍を連想するが、ここでもCAMELとの関連が出てくる。プログレ界隈は世界が狭いね。一度は聴いてみたほうがいい一枚。
いかにも、のヒプノシスデザインのジャケットが目を引くノヴァーリスの作品。
ひんやりしたストリングスアンサンブルの活用は、フレンチ・シンフォニック系とも違う、どこか冬の曇り空を思わせる音作りに生かされているような気がする。
M5のインスト曲、City-Nordなんてまさにそれ。車を運転しながら北部ヨーロッパの景色と聴きたいものだ。
M1は前半が哀愁漂うスローな展開。そして後半はアップテンポになるという1粒で2度おいしい曲。この曲だけヴァイオリニストとしてWalter Quintus Wintherが参加。この人、そもそもジャズ畑の人だったはず。楽曲名も「ヴァイオリニスト」だしね。個人的にはアップテンポになる後半、そして終わり方もロックでいい。70年代末期、ジャーマン・シンフォの名作として称えるべき作品。
1982年のロンドンでのライブ。MCのアナウンスに導かれて演奏が始まる。
TDは何枚かライブアルバムをリリース(Ricochet、Encoreなど)しているが、デジタルシンセを導入したライブアルバムは初だと思う。特にPPGのWaveシリーズの導入は80年代TDを象徴する音の要になっている。
この頃はHyperboreaのようにオリエンタルな音、音階を導入する傾向があったと思う。本作も妖艶でありながら悠久の時の流れを感じさせる…例えばシルクロードとかサハラ砂漠とか、何か自然と人が作り上げた歴史文化、そういうものを感じるのだ。喜多郎の影響なのだろうか…。
Part1の中盤、印象的なメロディが挟まる。これは2000年代のライブでも再現されていて、彼らの80年代以降、代表的なフレーズとしてファンに刻み込まれている。part1はゆったりめ、part2はラストに向けて躍動感を感じさせ、聴き飽きない。アンコール曲はポップなDominion。このライブ収録が行われたDominion Theatreのために書かれたのかな。明るくて分かりやすい素敵な楽曲で幕を閉じる。
C.フランケ、E.フローゼ、J.シュメーリングの3人体制時代の総決算的なライブアルバム。Ohr時代ともVirgin初期とも違うけど、魅力的な一枚。是非。
ええ、もう言わずと知れた「ヴァーティゴ・レーベル一連のレア盤」の一枚。今もオリジナル盤の中古市場は10万円まではしないが、5万円以上か。わざわざLPを買い求めずとも1/100程度で買えるCDで十分だ。
さて、4thとのこと。ヘヴィ・サイケな一枚と認識している。プログレ派にはキーフのジャケットデザインが訴求するポイントだと思う。内容としては一言、Twinkの[Think Pink]を楽曲として成立させたかのような作風。Kaleidoscopeの[Faintly Blowing]から若干アクを抜いたようなというか。まぁ当時マイナーなロック界隈で聞かれたスタイルだ。生のフルートもVCS3?もハープシコードもいい味を加えているが、ジャケットのイメージとはかなり離れていることにご注意…まぁこの時期あるあるだがジャケ買いする前に視聴したほうがいい。
諸手を挙げてお勧めとは言い難いが、一度は耳にしておいてもよいと思う一枚。
南の島の物語をオーディオブックで聴いているかのような87年の作品。
空に舞う鳥の視点で捉える広大な海とそこに浮かぶ島、そんな風景が見えてくる壮大なオープニングで幕が開く。
そこへケチャやガムランの音がコラージュのように畳みかける。プログレでこれらの素材が扱われたことは過去にはなかっただろう。KeyがメインになるのだがマイクのGもしっかり前面に出ている。人間の営み、動物たち、風や砂浜や植物など様々な角度で島の風景が切り取られて再構成されていく様を耳から感じ取るような大作の余韻に浸ったあとは、どの曲もシングルカットできそうな小品曲が続く。
本作のテーマであるM3、メロディックな楽曲に力強いVo、B.タイラーをフィーチャーしたのは大正解だ。クレジットされてはいないがバックVoはM.ベーコン(GTR)で、ほぼデュエットだ。またK.エアーズのM4は木陰でハンモックを想わせる。肩の力が抜けるリゾート感を感じさせる。
南の島をテーマに扱ったプログレはおそらく唯一無二。プログレというジャンルを超えてもっと多くの人に評価されるべき作品だと思う。おすすめです。
プログレ畑には元キングクリムゾン、そしてマクドナルド&ジャイルズと傑作を生み出した重要人物のソロアルバムとしては初、そして最後のソロアルバムとなった。
M1は軽く疾走感のあるインストで、あとは歌もの。参加している面子の豪華さよ。久しぶりにM.ジャイルズがDs、VoにはJ,ウェットン、L.グラム、G.ブレッカー、そして本人も歌うのだが、どの曲もマイナーなメロディラインが実にたまらん。垢抜けしてなくて、肩の力が抜けている。ジャケットの写真のようになんとなく哀愁が感じられるのが実に魅力的だ。
私にとってI.マクドナルドといえばフルートなんだけど、Foreigner時代の名曲といえば1stに収録されていたStarrider、冒頭で聞けるフルートはKC時代からほとんど変わっていない。
速いパッセージでもクリアなトーンは一発でイアンのフルートだとわかる。
惜しくもこの世を去ってしまったが、Mr.Starriderの遺産として、我々の心に刻まれる一枚である。
1973〜74年の4人(もしくはミューアたん含め5人)体制のライブ、公式もブートも数あれど、まぁこれ1枚あればお腹いっぱいにならずに済むかと思う。LP時代よりも局数は増えているし、音もよくなっているはず。
本作の目玉はなんだろなーと思うのだが、Asbury Parcなる即興演奏だろう、やっぱり。LPの時は突然かっこいいブルーフォードのドラムから始まった曲だ。CD化されて前半部分も収録されたと思う。
ほかの曲ではヒリヒリとしたメロトロンも堪能できる。この時期のKC、スタジオ盤(まぁ「暗黒の世界」はほとんどライブ録音だったけど)で聞けるこの「ヒリヒリ」としたメロトロン、いいよね。ストリングスとフルートくらいしか使っていないけど、それがいい。ワイにとってのKC、最後の1枚。
アメリカのプログレ界隈の懐の深さにはいつも畏怖の念を抱いているのだが、これもまたその一つ。
のちにプログレハードの名作、ARC ANGELをリリースするJeff CannataとMichael Soldanのコンビによるユニット。のちのちの音楽性とはかなり異なるフォーキーなシンフォニックロックを展開する。管楽器や古典的な鍵盤楽器も大活躍で、耳に優しさを感じてしまうほど。YESのこわれもの以前とか「And You And I」のフォーキーな雰囲気が好きな方は一度聴いていただきたい一枚。
個人的にはこれもあのARC ANGELに至るプロセスだったんだろうな、と思うけど、ずいぶん変わりすぎじゃね?と思う。メンバーにはH.HancockのバックバンドやC.Dionのプロデューサーとして華々しく活躍するJ.Bova、ANGELで華麗なKeyを奏でていたG.GiuffriaのバンドHouse Of LordsのVoになる、J.Christianなんかも参加していたと思う。まぁそれはそれでなかなかの作品よ。ぜひ。
ルイス・クラーク指揮のRoyal Philharmonic Orchestraを贅沢にフィーチャーした本作。「四季」をテーマとし、コンパクトかつ分かりやすく練り上げた楽曲群は明るさを伴ってより洗練されたものとなる。
「Back Home Once Again」は1977年英国のTVドラマシリーズ「The Paper Lads」の主題歌。「She Is Love」はJohn CampのVoだが、ボーイソプラノ風の声質。個人的にはモネの睡蓮を観ているかのような夢心地な一曲で気に入っている。元々アニーが歌う予定の楽曲だったが、車の移動に疲れて声が出なくなってしまった彼女の代わりに3オクターブ低くアレンジをし直してJohnに歌わせたそうだ。
そして最大の聴き所はオーケストラではなくKeyを大々的にフィーチャーした「Northern Lights」。この曲はUKヒットチャート最高10位。1978年7月15日以来11週に渡りチャートイン。メロディメーカーのトップ30シングル1978年9月19日に第7位となる。壮大な雰囲気はそのままで洗練度を増した本作はアニーの美声も脂が乗り切ってまさに最高傑作といえる。
さて、これはボーナストラックが入ったESORTERIC盤なのだが、Northern Lightsのシングルエディットバージョン、そしてBBCの音楽番組出演時の生演奏バージョンも収録。そして1978年のフィラデルフィア公演のライブが10曲。難を言えばCD2枚目と3枚目で分割されており、通しで聴けないのが煩わしい。まぁそれはそれで気にしない人は気にしないのだろうが。
ヒプノシスによるジャケットも素敵だと思う。名作。
1979年唯一の作。ジャケットは完全にハードロックだ。しかもレーベルはCBSと来たら、その筋のマニアには期待高まらないわけがない。
さて音のほうはというと、泣きのギターにKeyが絡むという王道パターン。M3やM4ではメロトロンらしき音も聞こえる。Voは英国人とのこと。フランス語の訛りがないので聞きやすいが、上手いとも言えない平均的である。メンバーに目を向けると、なんと元SKRYVANIAのギタリストや、元SOFT MACHINEのギタリストがメンバーとして名を連ねる。この2人のギタリストは割と奮闘している印象がある。Keyとよく絡むM5もなかなかの好ナンバーだ。
年代的には、アメリカでSTYXやTRILLION、はたまたTOTOやJOURNEYなどが活躍していた頃。フランスから「アメリカンプログレハード」への返答という感じもしなくはない。
適度にハード、適度にテクニカル、そこそこかっこいいが、アメリカのビッグネームには近くはない。それでも捨てがたい佳作なのではないか。聴いて損はないと思う。
「ライブ・イン・ジャパン」を冠したアルバムは数あれど、プログレでは多分本作が最初なのではないだろうか…あれ?もしかしたらメジャーどころでは今もなお本作が唯一?まさかねぇ。さてさて、1979年中野サンプラザと厚生年金会館での収録をスタジオミックスした本作。後年、ブートCDやら正規で高音質盤での長編版が出回ったおかげで本作の音源の出元が明らかになった。当時、ライブに行った方の話を聞くと「とにかく音がデカいライブだった」と口をそろえて言っている。なるほど、当時のブートを聴くと確かに低音の響きがすごい。プログレとうよりもメタルバンドのライブかと思ってしまう。当然本作はライン録りでスタジオミックスしてるのでそれはわからないが、A.ホールズワースとB.ブルーフォード脱退、T.ボジオ加入後、UKは「ジャズロックバンド」から「アリーナロックバンド」になった証拠が本作なのではないだろうか。
M1では合いの手の拍手は入り、観客との一体感を感じさせる。M2のイントロが始まるや否や拍手、M3に入る直前に「ドウモ!コンバンハ!」。よく聞くとM3のイントロにも観客の歓声がミックスされている。そしてラストM9の前にあの名台詞「キミタチサイコダヨ」は界隈では物議を醸しだした。あれば「最後」か「最高」か、はたまた「サイコ」かと。本作の収録曲の順番からいうと「最後」だし、さしあたり本作で解散していたわけなので「最後」が正しいという人がいた。でもそれは後年出たブートやらで明らかになったとおり、実際ライブに行った人の証言からもそうではないのがはっきりしているので、これはX。
じゃあ「最高」か、というと、そりゃ最高でしょうや。タイトでコンパクトでビシビシ難解なフレーズを決めていく彼らのライブはいくら編集されているとはいえ、完成度は強烈に高い。これは間違いなく「最高」だ。
さて私の口の悪い友人は「いや、あれはサイコだったわ」と。エディはアイドル視され、会場内は黄色い歓声が飛び交っていたという。彼らも空港にファンの出迎えがって「我々はビートルズか何かになったのかと勘違いした」という証言がある。まぁジョンは狂乱的なファンに対して「キミタチサイコダヨ」と言ったのはあながち間違いじゃない、と。なるほどねぇ。
M9の「サヨナラ!」の後のアンコールを促す手拍子からわかるように、まぁ日本でのサイコな盛り上がりがわかる(編集をされた)ライブアルバムだ。最高だよ。
彼らがNWOBHMという括りのもと「再発見」されたのは90年代頭のこと。元Iron MaidenのD.ストラットンやP.ディアノが加入し初来日。甘美なメロディとツインリードが界隈の話題となった。「ビッグ・イン・ジャパン」なバンドと揶揄もされるが、本国でもアルバムリリースとライブを行い活躍中である。
本作は当時「戦慄のマンティス」なる帯キャッチを付けられ国内盤も発売されたが、「戦慄の〜」ではなく「旋律の〜」がふさわしいかと思う。キャッチーでありながら、これまた日本人が好むマイナーコードによる旋律がこれでもかと盛り込まれている。シングルカットされたM1は一見ポップだ。美しいコーラスとツインリードがたまらん。M2はキンクスのカバー。M5のようなバラードもきっちり決めているが、このバンドに足りなかったのがアレンジ能力。Key奏者とKeyを入れるともっとよくなるんだがな。一旦本作で解散してしまうが、中心メンバーで結成されたStratusというバンドは同じ路線でありながらKey入り。こうでなくちゃね。今はオランダ人のVoとDsが加入し活躍中であるが、美旋律は相変わらず。蟷螂伝説はここから始まったのだ。
かつて日テレ系のクイズ番組でヘッドフォンをしたまま回答する(ほかの回答者の発言が聞こえないようにするため)コーナーがあった。クイズ番組の名はよく覚えてないが「マジカル云々」とかそういうクイズだったような気がする。ある日のOA。ヘッドフォンからいつものように音楽が流されて、ほかの回答者の声は聞こえない。ところが所氏がなかなか回答しない。司会者が「所さん、なんで回答しないの?」と問いかけると。「あぁ、ユーライアヒープだったので聞き入っちゃった」という旨の返答をしたと思う。
ワイがヒープを聞き始めた頃だったので思わずツボッたが、「へぇ、所さんもユーライアヒープ聞くんだ」と感心してしまった。
あぁ、そんなことはどうでもいいんだ。時は1970年、DPがIn Rockをリリース。M1はSpeed KingやHighway Starにも負けず劣らずの疾走感あふれるハードな曲だ。DPが車ならヒープは何だろう…駿馬か。リズムの刻みは車のスピード感とは違う印象だ。ヒープのよいところは突出した技巧者がおらず、アンサンブル主体であることだろうか。特にVoのハーモニーはDPにはない魅力だ。この曲をグッとさせるポイントはOsibisaのパーカッションにある。どういう縁だったのだろうか。パーカッションが入って、一気にスピード感が上がり、感情が爆発するような展開は、まさにオリジナリティが出ていると思う。
M3は西城秀樹もフォーリーブスも(?)カバーしたが、日本人の涙腺を刺激する何かがあるんだろうな。秀樹は「エピタフ」もカバーしたが、歌謡曲っぽさがそうさせるのだろうか。マイナーコードで展開するメロディ大好きだよね、日本人。この曲のハイライトはラストの長いリフレインで入ってくるManfred MannのMini Moogソロだ。よく似ているのが、EL&Pのラッキーマンのラストの展開。フォークソング風の曲なのに矩形波のMoogソロが唐突に入ってくるというアレである。まぁこの曲についても多くは語るまい。M4のスライドギター(風?)のリフは特徴的だし、M7でまた疾走感が帰ってくるのもいい。
レア盤もいいけど、こういう「教科書」は何度聴いても発見がある。英国ロックが好きなら聴いていないのは嘘だ。ボーナストラックはシングルB面やM1のシングルバージョン。
当初スイスのバンドという紹介のされ方をしていたと記憶する2nd。旋律の美しさやフックの効いたハードな1stもなかなかの作品でそちらもおすすめしたいのだが、自作3rdそして本作2ndはメロディックハード好きなら聴いていないと嘘な作品なので紹介したい。
本作からTerry BrockがVoとなった。これは後の作風にも大きく影響し、彼らのトレードマークとなる。Deep Purpleのオーディションにも最終選考まで残ったノドは(結局Joe Lynn Turnerに決定)、カスレ気味ながらもエモーショナルでアツい。演奏はJOURNEYやSURVIVORを彷彿とさせ、瑞々しさと爽快感を与えてくれる。[where do we go from here]の疾走感、名バラード[Goodnight LA]は彼らの代表曲であろう。ゲスト参加ながらも空間を形作るKey奏者、いい仕事しています。次作「Walk in the fire」と合わせて是非。
1989年、New Trollsとのスタジオアルバム「TUTTI I BRIVIDI DEL MONDO」と前後する形で発表された2枚組ライブアルバム。
New Trollsすら聴いていないのに本作を聴かされてぶっ飛んだのを思い出す。
M1のみスタジオ録音の楽曲だが、M2以降はライブ。M2のオープニングからテンションを徐々に上げていくかのようなぞくぞく感はいつ聴いても変わらない。
聴きどころはNew TrollsによるConcerto Grosso。これはファンにはたまらんでしょう。
ラストは彼らのヒット?メドレーを披露。彼らはサポートバンドという役回りでも自分たちの演奏をしっかり聴かせてくれるのだ。そしてFausto Lealiが1曲ゲストとして華を添える。
彼女の情熱のVoが哀愁のメロディとともに聴く者を包み込みような感覚、未体験の方は是非。
個人的なことを言えば「耳慣れない」音楽スタイル(嫌いとは言ってないですよ、嫌いとは)のひとつとしてカントリーミュージックというのがある。バンジョーがチャカチャカ鳴っているとどうも苦手だ(やっぱり嫌いなのだ)。米国人には演歌なんだろうがそもそも日本の演歌を嗜まない私にとってはどちらも避けたい。
さてこのPOCO、まさに「演歌」であるカントリーミュージックにルーツがあるグループで…本作しか聴いたことがない私がとやかく言えないけど…「ジャケ買い」した一枚。だがこれがなかなかのアメリカンAORに大化けした一枚なのだ。M1はB.スキャッグスかM.マクドナルド期のドゥービーズかといった雰囲気。なかなかおしゃれで聴きやすい。そう思いきやM7のバラードはカントリーミュージックのテイスト。しかしこれは実に甘美。こういうのは大歓迎!最後期のEaglesっぽいという評も見るが、彼らよりももっと垢抜け具合が効いていると思う。そこへ時折チラ見せしてくるルーツ的なものがいいじゃないですか。おすすめ。
ええ、「つづれおり」のルーツはここにある作品。アルバム「Rhymes and Reasons」あたりまでの作風はほとんど変わらない。のびのびとした歌声。印象的なメロディを奏でるピアノ。もうこの時点で彼女のスタイルは確立していたのだ。ただバンドであるCITY名義なので、コーラスやインストパートの充実具合は、本作以降の彼女のアルバムとは趣を異にする。
ちなみにM1は冬の歌ではない。心の冷たい女性のことを皮肉っている(このたぐいの勘違いはEW&Fのセプテンバーでも起こっているが、こっちは12月の歌だ)。それでも冬に合う歌ではある。なんでだろう。リズムはジャズのスウィングの要素が入っているので注目してほしい。
M6の軽快さも絶妙。そういやTodd RundgrenのI saw the lightやIt Wouldn't Have Made Any Differenceを聴いていて思ったけど、Toddも絶対彼女の影響受けてるよね?Toddもつづれ織られたであろうC.Kingの名作、ぜひコレクションに。
ヘルツォーク監督の映画サウンドトラックということらしい。映画は観てないので一度は観てみたいと思う。さて発売された74年、このころの彼ら(というかF.フリッケ)はMoogは手放し、アコースティック路線を走り始めたころだろう。
しかしM1ではメロトロン?もしくは女性Voの多重録音によるコーラス、そして太い音のMoogの音も。これがとても劇的な効果を生んでいる。あぁますます映画を観たくなるじゃないか。どんなシーンで使われているのか気になる。そういう理由からもしかしたら音源としては1st(1970)〜フリッケがMoogでゲスト参加しているTDのZeitが発表された1972年の頃の音源も使われているのかもしれない。
もちろんアコースティックな面も実に美しい。
パンフルートそのままのM2、M3では甘いエレキギターと12弦ギターとおぼしきアンサンブルが胸を締め付ける。ファゴットかな?印象的なメロディで幕をあけるM5は、引きずるようなドラムにエレキギターが絡んで実に幻想的だ。
サウンドトラックという範疇を超えて彼らの二面性、アコースティックと電子楽器それぞれを味わえる作品。個人的には彼らの最高傑作と思っている。
LPはリリースを重ねるたびにB面の収録曲が変わったというマニア泣かせな一枚。もちろんおすすめ。
来日を熱望して止まないバンドの中に彼らSAGAは常に私の中にある。カナダのバンドとしては日本盤もリリースされながらも認知度は高いとは言えないのは何かの陰謀なのかもしれない。YouTubeでも確認できるがライブでのパフォーマンスは相当なもの。特に本国はもとより80年代から東欧での人気は絶大である(In Transitとしてリリース)。
さて、本作は3枚目。デビュー作からその楽曲の質の高さは知られていた。M.サドラーの力強くパワフルな喉はSAGAの看板だろうし、印象的なイントロと曲の半ばでギターとKeyがユニゾンソロを決めるM8、そしてM1は今日でもライブの定番曲である。
彼らの曲目にカッコ付きでchapter〜と記される楽曲は、若きアインシュタインの物語なのだそう。本作でも2曲chapterが付された楽曲があるがなぜか2章と7章。ほかの章は他のアルバムに収録されているのだろうが、なぜなんだろうね?
とにかく覚えやすいメロディ、ハードなフックが利いた楽曲はメタルファンにも受け入れられるものだ。もちろんプログレファンにも。おすすめです。
1983年発表。これを書いているのが2022年なので、発表されてから間もなく40年になる。フェアライトの鐘の音、加えてOBXaの腰の強いストリングス系の音。う〜ん、デジタルとアナログが混在した時代の音だな。QE2とかFive Miles Outあたりがロックバンド的アプローチとするならば本作はプロジェクト的アプローチか。基本的にはほとんどの楽器はマイク自身が演奏というのは変わらないのだがシンセサイザーがメイン。ジャケットの雰囲気と相まってひんやりとした感じが好き。
M2はいろんな人にカバーされまくった名曲。本作収録がオリジナル。Voにディレイかけすぎだろと思うが、まぁ許そう。歌詞はあんまりいい内容じゃないが、これはマザーグース的なレトリックなのかな?詳しい人、教えてください。
M3は不思議な曲調が印象的。Voは我らがJ.アンダーソン。M3で再びM.ライリー登場。彼女の透き通るような声質にメロメロの吾人も多いのではないか。M4は短いインストだがマイクのギターの魅力がふんだんに盛り込まれているフラメンコ調の楽曲。加えて超人的なリズムを叩くのはS.フィリップス(Judas Priest、GTR他、現TOTO)。ラストはFamilyのVo.、R.チャップマンのシャウトが光る。
人気がある作品だと思うが、電子楽器をふんだんに用いてもギターはどう聴いても彼だし、トラッドフォークを想わせるフレーズの豊かさは変わらない。やっぱり名作だと思う。
首都ブリュッセルからずっと南東、フランスのアルザス地方に近いアルロンという地方都市出身。両親がそもそも70sロックが好きだったというから家庭の中で「いい音」は常時鳴っていたんだろうな、という「英才教育」を受けたメンバー。
聴いてのとおり、VoはP.ライノットっぽい太さがあり、演奏はブルースやブギーの要素がたっぷり。
In Rock以前のDPやIron Butterflyっぽいサイケ色ほほうが色濃いように思える。
(バンド名がバンド名ですからねぇ)
また曲によってはフルート、チェンバロ(まさか本物ではないだろう…違う?)が入ったり、Vertigoレーベルの未発表音源?と思ってしまうようなひなびたオルガンや弦楽4重奏(ラストの曲)がいい味出していたりと、まぁ好きなもの、好きな要素を詰め込んだ作品。この作品が作られた当時はメンバー4人が25歳だというから、まさか70sからタイムスリップしてきたのではないか?と思ってしまうほど。
惜しいなと思うのはドラムの音作りは現代的。ちょっと高域がうるさい印象がある。まぁそれもすべての曲がそうではない。歌詞はフランス語をベースに英語が混じるのもちょっと面白い。
ベルギーの田舎町からこういう人たちが出てくるんだから、ロックの世界は広くて深いね。おすすめ。
Ohrの20番。アナログ盤だと結構いい値段ついているのをみかけるがCDでいいや。
TDを離れたK.Schulze、変態、もとい変幻自在ギタリストM.Gottsching、そしてジャンキーH.Enkeのヤバい3人による聴くドラッグ体験。
いつも思うがこのOhrからのエレクトロニクス系のドロドロさはライブだとどうだったのだろう。やっぱり何かキメないと楽しめないのだろうか。体験した人の話を是非聞いてみたいものだ。
ドラムはシュルツなんだけど、サンプルを聴いていて「あ、この人まともに(?)叩ける人なんだな」と。ジャズなんかも嗜んでいたんだろう。ゴッチングのギターはロックというよりもブルースだし。まぁロックの脱構築と再構築を同時にやっていた人たちなので、おクスリなしでも「ちゃんとしたロック」も演奏できる人たちなのだろう。
音的にはTDの1stや2ndのM1あたりを彷彿とさせる。時代が生んだクラウトサイケの古典であり、教典だ。捕まっちゃうからさすがにクスリはキメられないが、適量のアルコールと一緒にどうぞ。
個人的にはスコピの最高傑作アルバムかなと思う一枚。M1、M2、M3、M4、M6、M9と収録曲どれをとってもシングルカットできるクオリティ。彼らの持ち味であるキャッチーでフックの効いたハードな楽曲群は本作で洗練され完成されたと思う。Keyをがほとんど使われていないのが不思議なくらいだ。
個人的には海外で買った海賊版のカセットテープで聞いたのが最初で、帰国後にCDを買ったほどだ。なつかしい…それはさておき「アメリカンナイズされた云々」と評された作品でもあるが、いやいやいや、アメリカのバンドにはこんなメロディは作れないと思うよ。ブリティッシュとも違う陰りはドイツのバンドなんだなと思う。特にM4の前段の静かなパートはそんな印象がある。
当然K.マイネのVoは生き生きとしており、表現力はすばらしい。加えてR.シェンカーのギターが奏でるメロディはバンドの核となっているのは当然だ。
RCA時代よりもぐっとワールドワイドを意識したつくりになったが、そこからの1枚を選ぶなら文句なしに本作だ。
Manticoreレーベルからのリリース。ご存じの方も多いが、かのELPが所有した
レーベル。ELP自身のアルバムはもとよりPFMやBancoの英詩版アルバム、P.Sinfieldの[Still]などプログレの名作をリリースしたレーベルとして知られる。
ところがこのHansonなるバンドの音はプログレではない。ファンキーでハード。粘りのあるリズムと暑苦しいVoを核にして、よく泣きよく歌うギターは聞く度にクセになっていく。
さらにはベースがのちにWhite SnakeやVow Wowにも参加する若き村井さん、もといN.Murray。ワウワウなんかも効果的に使ってファンキーな演出は最高。こういう「黒い音」はスワンプロック好きにも訴求するのではないか。
ヒップホップ界でも本作の評価は高く、サンプリングネタとしても使われている。
「Love Yer, Need You」はリズムチェンジが激しい本作のハイライト。本作は2ndだが1stもおすすめ。
1981年というからプログレには酷な時期のリリース。彼ら初のデジタルミックスで録音された作品と記憶する。旧日本軍の小野田少尉の物語をモチーフにした作品として知られ、D.マッケイ(Key)が参加した唯一の作品もである(J.ウェットンプロデュースの彼のソロScoreはよい作品)。
この時期のCAMELはA.ラティーマーのソロプロジェクト化していた。よってA.ワードとC.ベースの3人体制+ゲストという形をとり、CAMEL名義でアルバムリリースしたようである。
他者による本作のレビューを読むと「フュージョン化」という言葉が目に付く。なるほど、C.ベースのベースがよく聞こえる印象がある。かのY.マルムスティーンは「フュージョンはベースが目立ってて嫌い」と言っていたのを思い出した。高い音階でうねるベースの音はフュージョンっぽいがこの評価は正しくない。むしろこのベースの音は本作では「あり」だ。実にかっこいいと思う。
A.ラティーマーのギターはこれまで以上に艷やかである。時には甘美に、時にはブルージーに決める。惚れてしまうやろ!
そしてD.マッケイ。彼のCP80とM.コリンズのフルートは相性が絶妙である。クリアな音色に徹したKeyは本作の核となっていると思う。
彼らは過去にSnow Gooseで観せてくれた映像美を本作でも観せてくれた。これは実に見事。おすすめ。
ホワイトヘッドのイラストレーションは本作(そして次作も)の目玉なんじゃないかなと思う。表の生首クリケットは英国プログレを象徴するジャケットだと思うし、また楽曲に合ったイラストは中ジャケで披露されている。こういう味わい深いアートワークはアナログレコードだと最大限楽しめるんだが、CDや昨今の配信スタイルになるとなかなか…。まぁアナログレコードを中古で探してもそれほど高くないはずなので是非入手されてはいかがかなと。ちなみに「巨大ブタクサの逆襲」のイラストはとてもかわいらしいのでお勧めだ。
さて、楽曲。M1、M3は言わずもがなの名曲中の名曲。プログレファンで聴いていないという人は皆無なので割愛する。ラップのような畳みかけと皮肉たっぷりの歌詞が楽しめるM5、壮大なラストM7、このあたりも絶妙だ。
T.バンクスのKeyはオルガン主体でなかなかヘヴィーかと思いきや、メロトロンをうまく導入して、しつこくなく利かせる。これはセンスがあるなと思う。本作からS.ハケットとP.コリンズが加入。前作と音作りに大きな変化はない。英国の「正しい」プログレ、というか欧米各国の後続のありとあらゆるバンドが影響を受けたであろうサウンド、やはりすばらしい教科書だと思う。
69年ですか。このバンド、いつか聴いてみたかったんだよね〜と思っていて実際聴きだしてはまったのは今世紀に入ってから。予備知識として「ジャズの要素があるブルースロック」というのだけがあった。なんかプログレっぽいミックス加減だなと思ったが、これがまんざら外れてもいなかった。M1からC.チャーチルのオルガンの陰りが英国臭くていい。M4ははA.リーとスキャットのユニゾン。これが実にカッコイイ。M5は彼らのと言えばの名曲だそうだ。
本作を聴くまでにKing CrimsonのIsland、Moody Blues、Trapezeなんかを聴いてきたけど、この回り道は大正解だったかもしれない。これらのブルース味や英国臭い陰りのようなものを経由して聴いた本作は何か共通点を感じるのだ。レーベルもDERAMだからプログレとのつながりも十分。ジャケットの雰囲気も最高だ。
プログレを通じてブルースロックに興味が出た方はぜひ。
小さな荷物をポストにお届けするヤマト運輸によるサービスです。全国翌日配達(一部地域をのぞく)、投函完了をメールにてお客様にお知らせします。
クロネコ宅急便の場合(3枚以上ご注文)、配達日・時間の指定可能
領収書の発行、ヤマト営業所留めも承っております。注文時に備考欄にてお知らせください。
VISA、Master、JCB、American Expressカードでの決済が可能です。
当店では、クレジットカード決済代行会社 株式会社ゼウスのサービスを利用しております。
お品物にお支払い用紙を同封いたします。ご注文日より2週間以内に、最寄りのコンビニにてお支払いください。
商品代金、送料の他に別途手数料210円をいただいております。
お品物に郵便振替用紙を同封いたします。ご注文日より2週間以内に、最寄りの郵便局にてお支払いください。
ゆうちょ銀行口座から電信でお振り込み可能です。
郵便局の口座をお持ちでなくても、お振り込みいただけます。振込み手数料はご負担いただいております。
お品物に振込先を記入した用紙を同封いたします。ご注文日より2週間以内に、お振込ください。
埼玉りそな、PayPay銀行にお振込いただけます。振込み手数料はご負担いただいております。
3枚以上ご注文の場合、ヤマトの代金引換サービス(宅急便コレクト)をご利用いただけます。
現金の他、クレジットカード、デビッドカードでのお支払いが可能です。
商品代金、送料の他に宅急便コレクト手数料330円(税抜300円)をいただいております。
中古CDを安心してお買い求めいただけるように、日々サービス面の向上を目指しております。