purebluesさんのレビュー
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ANATHEMA / WEATHER SYSTEMS
デス→ゴシック→シンフォへ（0 拍手）
イギリス出身のバンド、アナシマの2012年作。
感情に訴えかけるようなハートフルな男女ボーカル、力強いメロディーとオーケストラアレンジ。もはやこのバンドがかのPeacevilleからデビューしたデスメタルバンドだったことを忘れてしまいそうになる。
同輩であった「パラダイス・ロスト」や「マイ・ダイイング・ブライド」と比べ、陰鬱なゴシック・ドゥームからついに脱却、このアルバムで自身の美しい音世界を手に入れたと言える。
ギルモア期のフロイドのような爽やかさと英国叙情が見事に融和した傑作。おすすめ。
2023年現在、活動休止中などが残念。 -
RUSH / 2112
ラッシュというバンドそのもの（1 拍手）
カナダが誇るプレグレッシヴロックバンド、4th。言うまでもなく名盤である。
3rdまで音楽性を模索していた彼らがついに自らの音楽性を発見した作品であり、以後彼らはこのアルバムの世界観を継承した作品をしばらく作り続け、ライヴを行う。
ラッシュは長い歴史をもつバンドであるが、彼らがその歌詞等を通じて表現したいことは意外にシンプルである。すなわち「自由意志をもて！」である。
レコード会社からラジオ受けする短い楽曲を作るように強要されていた彼らの、「やりたい音楽をやる」という、いわば決意表明のようなアルバムであり、ラッシュというバンドそのものを象徴しているといえる。
旧A面に収められた素晴らしい完成度の組曲は必聴。B面の小曲群も捨て曲なし。
ラッシュに興味を持ったらまずここから入ろう。 -
BEGGARS OPERA / ACT ONE
やや強引に聞かせるクラシカルロック（0 拍手）
『三文オペラ』の名をもつスコットランド出身のプログレバンドの1枚目。1970年発表。
基本はキースエマーソンのNiceあたりに通じるオルガン・ロックなのだが、もちろん彼ほどの才能はないわけで、アイデアと勢いで多少強引にぐいぐいと聴き手を惹きつけるという、ちょっと奇妙なバンド。ジャケットの印象通りですね。
オルガンだけでなく、ヘヴィなギターも活躍し、コーラスワークも聞かせ、、とこのアルバムでは「とにかくやりたいこと詰め込みました！」という印象。
聴きどころは4曲目。トルコ行進曲などのクラシック曲を取り入れた長尺曲で彼らのアレンジ力を堪能できます。まさにヴァーティゴ！な1枚。 -
RUSH / A FAREWELL TO KINGS
静と動の名盤（0 拍手）
ラッシュの6th。彼らが最もプログレに接近していた時期の傑作アルバム。「2112」と並ぶ名盤である。
個人的な聴きどころはやはり「Xanadu」である。東洋的なリフ、メロディ、ゲディの特徴あるヴォーカル、そしてニール・パートのドラミングが導く疾走感。コーリッジの詩に基づく世界観。現代の「テクニカル・プログレ」にあるものがこの時すでに完成している。
そしてライヴでは大合唱が起こる「Closer to the Heart」。1曲目であり、アルバムタイトルの「A Farewell to Kings」と対をなすタイトルを持つこの名曲のメロディは本当に心にしみる。静と動、緩急の対比も素晴らしい。 -
エッグズ・オーヴァー・イージー / グッド・アンド・チープ
本当の意味で「叩き上げ」（1 拍手）
アメリカ生まれの元祖パブロックバンド。1972年作。
「ザ・バンドになりたい」バンドのひとつなんですが、それだけでは絶対に片付けられないバンドだと思います。レコーディングがお蔵入りになっても、母国に帰らず英国のパブで演奏を続けたなどという心意気が、もう好感しかもてないわけです。
で、サウンドも素晴らしい。そういう背景も関係しているかもしれませんが、どことなく哀愁を漂わせつつ、でもポジティブかつしっかりと大地に足がついたロックを展開してくれます。ザ・バンドよりもどことなくポップでユーモア感覚もあり、聞きやすいです。パブで揉まれた結果ですね。
彼らがいなければブリンズリーもいなかったかもしれない、と考えつつ、感謝しながら今日も「ヘンリー・モーガン」を聞いております。
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DEEP PURPLE / KNEBWORTH 85
注意！２曲足りません（1 拍手）
再結成パープル、１９８５年の「雨のネブワース公演」音源。
BBC放送音源なので（ミックスダウンなし？）、音質は並かな（ブートよりはいいです）。この年の英国はこの公演のみだったとのこと。
このころのメンバーはまだ人間関係も良好で、リッチーも機嫌よくソロを弾きまくってくれます。
聴きどころはDisc２の１曲目の「Difficult to Cure」のソロタイム。かのベートーヴェン「歓喜の歌」からの引用フレーズを混じえて大掛かりな見せ場を作ります、ってほとんどRainbowやん！
当時の新曲「Under The Gun」と「Woman From Tokyo」が未収録なので完全収録ではないのが惜しい。「Lazy」もテープを紛失したが、ブートから音源を拝借したとのこと。
パフォーマンスや音質の点でもこの時期はパリ公演の方が上かな。 -
デヴィッド・クロス / エグザイルズ
豪華ゲストで70年代クリムゾンの幻影を見せてくれる（0 拍手）
元クリムゾンのヴァイオリニスト、ソロ4作目。97年作。
このころクリムゾンはダブルトリオ編成が崩壊し、ProjeKct活動へとシフトしていた頃であり、かの「NightWatch」がリリースされたタイミングでのこのアルバム、であった。参加メンバーの豪華さもあって結構話題になったはず。
内容的にも「あのころのクリムゾン」の延長であり、ウェットンが歌う１や５（市フィールドとクロス作！）、非常に彼らしいヴォーカルを聞かせるハミル参加の２、７など、プログレ・ファンの溜飲を下げるアルバムとなった。
彼のソロの中では白眉の出来だろう。 -
グレイトフル・デッド / グレイトフル・デッド
入門してしまった（2 拍手）
デッドの1971年のライヴ盤。別名「Skull ＆ Roses」。
最近、またデッドにハマってしまっています。
変な話ですが、数ヶ月に1回ぐらい「デッドにハマる期間」というのが到来し、もうデッド以外は耳を受け付けなくなります。私だけでしょうか。
デッドのライヴはいろいろ聞きましたが、この盤は格別です。私もこれがデッドへの入門盤なので思い入れもあります。選曲もよく、緩急もよく考えられており一気に聞くことができます。いや、考えずにやってそうなってしまった、という方が彼ららしいかな。
1曲目の「Bertha」はこのアルバムで初出の新曲ですが疾走感と爽快感を伴う名曲です。「Me and My Uncle」もディランの疾走曲みたいで大好きです。1971年はこの疾走感が大きな特徴といえるかもしれません（このあと段々ゆるくなる）。 -
GRATEFUL DEAD / GRATEFUL DEAD (1971)
入門してしまった（0 拍手）
デッドの1971年のライヴ盤。別名「Skull ＆ Roses」。
最近、またデッドにハマってしまっています。
変な話ですが、数ヶ月に1回ぐらい「デッドにハマる期間」というのが到来し、もうデッド以外は耳を受け付けなくなります。私だけでしょうか。
デッドのライヴはいろいろ聞きましたが、この盤は格別です。私もこれがデッドへの入門盤なので思い入れもあります。選曲もよく、緩急もよく考えられており一気に聞くことができます。いや、考えずにやってそうなってしまった、という方が彼ららしいかな。
1曲目の「Bertha」はこのアルバムで初出の新曲ですが疾走感と爽快感を伴う名曲です。「Me and My Uncle」もディランの疾走曲みたいで大好きです。1971年はこの疾走感が大きな特徴といえるかもしれません（このあと段々ゆるくなる）。 -
GENTLE GIANT / POWER AND THE GLORY
複雑なのにわかりやすい傑作（0 拍手）
ジェントル・ジャイアント(以下GG)の6th。1975年作。
力作「In a Glass House」と最高傑作と言われる「Free Hand」の間に挟まれ、なかなか話題に上る機会のないアルバムだが、個人的には一番好きである。
後期GGはどれも傑作揃いだが、その中でも特にこのアルバムは複雑なのに妙にわかりやすい。1曲目などあんなに複雑なのについ口ずさんでいる（Hail！Hail！）。GGはどうも苦手、という方には入り口として強く勧めたい。
歌詞も「独裁者の盛衰」を皮肉を混じえながら聴かせるという、モンティ・パイソンにも通じる実に英国らしい内容。聴きやすさとひねくれ加減が見事に両立されている名盤である。 -
ベガーズ・オペラ / アクト・ワン
やや強引に聞かせるクラシカルロック（1 拍手）
『三文オペラ』の名をもつスコットランド出身のプログレバンドの1枚目。1970年発表。
基本はキースエマーソンのNiceあたりに通じるオルガン・ロックなのだが、もちろん彼ほどの才能はないわけで、アイデアと勢いで多少強引にぐいぐいと聴き手を惹きつけるという、ちょっと奇妙なバンド。ジャケットの印象通りですね。
オルガンだけでなく、ヘヴィなギターも活躍し、コーラスワークも聞かせ、、とこのアルバムでは「とにかくやりたいこと詰め込みました！」という印象。
聴きどころは4曲目。トルコ行進曲などのクラシック曲を取り入れた長尺曲で彼らのアレンジ力を堪能できます。まさにヴァーティゴ！な1枚。 -
BEGGARS OPERA / ACT ONE
やや強引に聞かせるクラシカルロック（0 拍手）
『三文オペラ』の名をもつスコットランド出身のプログレバンドの1枚目。1970年発表。
基本はキースエマーソンのNiceあたりに通じるオルガン・ロックなのだが、もちろん彼ほどの才能はないわけで、アイデアと勢いで多少強引にぐいぐいと聴き手を惹きつけるという、ちょっと奇妙なバンド。ジャケットの印象通りですね。
オルガンだけでなく、ヘヴィなギターも活躍し、コーラスワークも聞かせ、、とこのアルバムでは「とにかくやりたいこと詰め込みました！」という印象。
聴きどころは4曲目。トルコ行進曲などのクラシック曲を取り入れた長尺曲で彼らのアレンジ力を堪能できます。まさにヴァーティゴ！な1枚。 -
ベガーズ・オペラ / アクト・ワン
やや強引に聞かせるクラシカルロック（0 拍手）
『三文オペラ』の名をもつスコットランド出身のプログレバンドの1枚目。1970年発表。
基本はキースエマーソンのNiceあたりに通じるオルガン・ロックなのだが、もちろん彼ほどの才能はないわけで、アイデアと勢いで多少強引にぐいぐいと聴き手を惹きつけるという、ちょっと奇妙なバンド。ジャケットの印象通りですね。
オルガンだけでなく、ヘヴィなギターも活躍し、コーラスワークも聞かせ、、とこのアルバムでは「とにかくやりたいこと詰め込みました！」という印象。
聴きどころは4曲目。トルコ行進曲などのクラシック曲を取り入れた長尺曲で彼らのアレンジ力を堪能できます。まさにヴァーティゴ！な1枚。 -
FREE / HIGHWAY
円熟の4th（0 拍手）
タイトルで書いた通り、早くも円熟した4th。まだ20歳そこそこなのに円熟とは...
アコースティック色が強いのが特徴。
ただでさえ「地味」という印象に加えてアコースティックとなると敬遠してしまうかもしれないが、
アルバム全体に漂う哀愁、寂寥感は聞き手の感動を誘い、ロジャースのボーカルもより憂いを帯びて聞こえる。
さらに本作にはフリーを語る上で絶対に落とせない名曲がいくつも入っている。
2、4、6そして9である。
中でも9はあまり語られることがないが、2ndの「Mourning Sad Morning」に並ぶ最高の哀愁バラードである。
ここでもロジャースの歌いまわしが絶品。ぜひ味わってほしい。 -
エリック・クラプトン / ライヴ・イン・サン・ディエゴ with スペシャル・ゲスト J.J.ケイル
J.J.ケイル参加！だけじゃない（0 拍手）
クラプトン、2007年のライヴです。
タイトルにある通り、かのJ.J.ケイルが参加しており、本家といっしょに「アフター・ミッドナイト」などの何曲かで共演、、ですが、この盤の価値はそれだけじゃない。
まずは選曲、デレク＆ドミノス「いとしのレイラ」からの選曲が中心！
そして最大の注目はデレク・トラックスの全面参加！二人の「デレク」の共演が実現しているという結構な注目盤でもあります。
ただ、肝心のクラプトンの歌とプレイは並みかな、、、ということで星一つマイナスで。
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CLIFFORD BROWN / MAX ROACH / STUDY IN BROWN
最高のトランぺッター（2 拍手）
ジャズ界で最も影響力のあるトランぺッターは言うまでもなくマイルス・デイヴィスであるが、およそトランペットプレイヤーとして史上最高なのはクリフォード・ブラウンをおいて他にいない。
この人の音色はとにかく明瞭で「きれい」なのだ。よって追いかけやすく、飽きない。バリバリ吹くのでもなく、丁寧に奏でる感じ。曲作りも上手く、このアルバムでも彼の作曲した4曲がよい。
マックス・ローチのどっかんどっかんしたドラミングも以上によく合っており、ハードバップ会の名コンボと言われていたことがよくわかる。「ジャズ何から？」という人にはとりあえずおすすめ。
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JETHRO TULL / A PASSION PLAY
「複雑」なんて聞くが、、、（0 拍手）
ジェスロ・タルの6th。 1973作。「THICK AS A BRICK」に続くコンセプトアルバムであり、実に「プログレらしい」作品。
タルのアルバムの中でも「複雑」「難解」などと聞くが、ちゃんとストーリーを押さえておくと実はそうでもなく、ちゃんと場面に応じて曲が展開していく、実に「映像喚起的」な作品であることに気付く。ちなみにキリストは出てきません。
あとは内ジャケのメンバーそれぞれが変な紛争した写真見て笑ったり、劇中劇を見てメンバーがどの役をしているかをチェックしたり、「パッションプレイ＝受難劇」の意味を調べたりするとより深く楽しめます。 -
フラワー・キングス / バック・イン・ザ・ワールド・オヴ・アドヴェンチャーズ
シンフォへの堂々たる帰還（0 拍手）
The Flower Kingsのバンドとしての1st。1995年リリース。
フラキンっていいの？と聞く人は、大体このアルバム１曲目のイメージをバンド全体のイメージへと変換しているのではないだろうか。それはある意味正しいのだが、このバンドの魅力はもっと深いところにあると思う。
その１曲目だが、いきなり煌びやかなシンセ音から「Welcome back to the world」という天国的なコーラスから始まる。まるでロイネ・ストルトのシンフォニックロックへの本格的な帰還を祝うかのように、である。そしてロイネの印象的なリフとソロへ。後のMoon Safariへも影響を与えた、典型的なフラキン節である。
だが、私がこのバンドにたまらない魅力を感じるのは�△琉貪拂阿い燭藜�から離れないリフや�い痢�Red」的悲哀感、そして最終曲⓾の哀愁と見事な構成など、とにかく曲作りがうまいところである。
全シンフォファンは必聴であることは当然だが、Moon Safariで衝撃を受けた方もこれを機会にこのバンドを知ってほしい。絶対に損はしない。 -
スティーヴ・ハケット / TOKYOテープス
友だちみんな連れてきた！（0 拍手）
ケットがプログレ友だちをみんな連れてきた日本でのライブ盤。1996年発売。
なんとジョン・ウエットン、イアン・マクドナルドらの豪華布陣を連れて来日。
となるとエイジアやクリムゾンの曲も披露。完璧に期待に応えてくれる。
基本は『GENESIS REVISITED』収録曲だが、オープニングは「Watcher of The Sky」。あのイントロ。しかし、声はウェットン。妄想が現実になったような感覚。
イアン・マクドナルドも「宮殿」で存在感を示す。この後のソロ作の制作につながっていく。
歴史的な1枚であり、ジェネシス、クリムゾン、ウェットンファンならマスト。もちろんハケットファンもね。 -
スティーヴ・ハケット / ディフェクター
前作と合わせて（0 拍手）
GENESISの元ギタリストの4thソロ・アルバム。80年作。
前作「SPECTRAL MORNINGS」を踏襲した内容、というより明らかに対をなすアルバムであり、合わせて所有しておきたい。参加メンバーも前作と同じである。
ただ全体的にはややダークな雰囲気が漂い、前作のようなここ！という決め手には欠ける。特に1曲目はまるでZepの「Kashmir」やQeenの「Innuendo」を連想させ、前作の「Every Day」とは明らかに真逆の印象である。
しかしポップな2曲目を経て、再びダークな3曲目と進むころには、実はこのアルバムは意図的に明と暗を交互に繰り返していることに気付く。互いに引き立てあっている構造なのだ。
すべての曲に共通する「美」と繊細なギタープレイ、そして叙情という「ハケット・サウンド」はこのアルバムで一層磐石になった。明らかに彼の傑作の一枚である。 -
ゾンビーズ / アルティメイト・ベスト
至福！悶絶！（0 拍手）
ゾンビーズを初めて聞いたのはいつだったか、、、ちょっと定かではありませんが、車の中でシングル集をかけたのは覚えています。
とにかくもう次から次へとフックのある名曲が飛び出してくるので運転しながら悶絶したのを覚えています。
このCDはCMで「二人のシーズン」が使用されたのをきっかけに編まれたベストですが、彼らのコンピとしては選曲も素晴らしく、歌詞の対訳まで付いているところに大きな価値があります。
いや、それにしてもクールな中に熱さを感じるコリン・ブランストーンのヴォーカルやアージェント＆ホワイトのそれぞれのセンスの良さといったら、、、もうこれは聴いてもらうしかありません。未聴の方はぜひ。
