2016年2月25日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: ハード・ロック
「サイケ・ムーヴメントの中での表現欲の増大、演奏の長尺化」と「アンプやPAなど機材の進化」の2つが化学反応を起こして誕生したハード・ロック。
その旗手こそレッド・ツェッペリンであり、彼らの登場を契機に盛り上がった「ハード・ロック・ムーヴメント」の中で、数多くのブリティッシュ・ハード・ロック・バンドがデビューしました。
その波は、英国だけに収まらず、世界へと波及し、ユーロ各国、アメリカ、南米、アジアでも魅力的なハード・ロック作品が生まれています。
世界各国よりツェッペリン・ファンへオススメのニッチ盤をピックアップしてまいりましょう。
まずは本家、ツェッペリンをおさらい!
69年と言えば、この作品を抜きには語れません。
ジミー・ペイジがヤードバーズ時代から温めつづけたブルース・ロックのラウド化。ジェフ・ベックに先を越されながらも、最強の4人によって作り上げた英ハードの一つの完成形。
このスピード感こそハード・ロック!
ブリティッシュ・ハード・ロックの誕生と進化については、こちらの特集をチェック是非!
【関連記事】
ビート・ブーム、サイケデリック革命、シンプルなバンド演奏へと回帰したブルース・ロック・ブームを経て、テクノロジーの発達とともに60年代末にいよいよ花開いた「ブリティッシュ・ハード・ロック」!胎動の67年からメジャーシーンを席巻した70年まで、年代を追って英ハード・ロックの名作をピックアップしながら、英ハードの進化と深化を探ってまいります。
英国からニッチながらもハード・ロック名作をセレクト。
英国のバンドで、録音も英国ながら、なぜかアメリカのみでリリースされたため、ニッチな作品になってしまったものの内容は一級品!
バキっと歪んだスリリングなギター、ツェッペリンばりにタイトでヘヴィ級のリズム隊、熱くシャウトするヴォーカル。
バンド全体が塊となったソリッドなアンサンブルは、本格感ぷんぷん。
英ハードをディープに探求したい?
でしたら、こちらのジュークボックスを是非!
英米のミュージシャンによる混合によるニッチ・バンドをセレクトいたしましょう。
英米混声ハード・ロックと言ったら、カクタスだろうって?
おいおい、俺らも忘れちゃこまるぜ。
ハード&ソリッドな音はツェッペリンにも負けないぜ!
さぁ、お次はアメリカのハード・ロックからピックアップ!
タメの効いたブルージー&メロウなギターとエモーショナルなハイトーン・ヴォーカルがたまらない!
ツェッペリン・タイプの米ハードでは屈指と言える73年リリース名作。
ジャケもグッとくる~。
ハード・ロック・トリオによる71年の唯一作。
ブルースが根っこにあるアグレッシヴかつエモーショナルなギター、ブルージーにシャウトするヴォーカル、力強く疾走するドラム!
それにしても、このソリッド&ヘヴィに畳みかけるイントロのエネルギー!
ちょっとカッコ良すぎて笑っちゃいますよ。
ハードロック・ファンは悶絶必至!
ツイン・ギターをフィーチャーした米ハード・ロック。71年作。
鋭角に切り刻むスリリングなギター、ハイ・スピード&アグレッシヴな暴走ドラム、ハイ・トーンのシャウトを炸裂させるヴォーカル。
とにかくもの凄いテンションで、どんな楽曲でも変わらずに牙をむく凶暴性が持ち味。
初期ツェッペリンにカントリー・フレイヴァーを注入した感じ!?
米オハイオ出身のハード・ロック・トリオ。Electric Lady Studiosにて録音され、71年にデッカからリリースされた2ndアルバム。
アメリカのハード・ロックをもっとディープに探求したい?
でしたら、こちらのジュークボックスをチェック是非!
さぁ、ツェッペリンにも負けない痺れるハード・ロックを求めて、ユーロへと出発!
まずはドイツから!
ブルースをルーツとしたオーソドックスなハード・ロックで、ドイツ産でありながら、サイケ色は薄く洗練されているのが特徴。
ジミ・ヘンドリックスを彷彿させるブルージーかつタイム感抜群に切れ込むギター、男臭く荒々しいシャウト・ヴォーカル、タイト&アグレッシヴなリズム隊によるアンサンブルは、ギュッとソリッド。
ツェッペリンやジェフ・ベック・グループやスプーキー・トゥースなど、ブルースを起点にしたソリッドなハード・ロックが好きなら、このグループ、聴き逃したら損ですっ!
次はイタリア!
あまりハード・ロックのイメージはありませんが、このバンドは痺れますよ~。
イタリアはローマにて60年代末に結成されたハード・ロック・バンド。72年の唯一作。
ツェッペリンやサバスからの影響を軸に、イタリアならではの熱情を注入してエネルギッシュに暴走したユーロ・ハード屈指の名作。
これはずばりイタリアからのツェッペリンへの回答と言えそう!?
英ハード直系の重さとイタリアならではの性急さが一緒くたになったサウンドのテンションたるや!
続いては、スペイン!
スペイン・アンダーグラウンド・シーンを代表するグループ。70年作。
前のめりに疾走するリズム隊、鋭角に切り刻むようなアグレッシヴなギター・リフ、スピーディーに切れ込むギター・ソロのスピード感は圧巻。
スペインを感じさせない、本格派のハード・ロック名作!
もういっちょスペインから。
前のめりに畳みかけるエネルギッシュな演奏、サビのキャッチーなコーラス!
超絶にかっこいい・・・。
さぁ、次は北欧を巡って行きましょう。まずは、スウェーデンから!
スウェーデン屈指で、北欧を代表するハード・ロック・バンド。72年作3rd。
重量級リズムを土台に、鋭角かつヘヴィなギター・リフが炸裂するギュッとソリッドなヘヴィ・ロック。
「間」が絶妙で、フッと音が止まり、音の塊となって襲いかかる部分は痺れます!
【関連記事】
北欧スウェーデンを代表するハード・ロック・バンドNOVEMBERが70年にリリースしたデビュー作『En Ny Tid Ar Har…』をピックアップ!
なんとフィンランドにもハード・ロックが!
クリームやツェッペリンに影響を受け、60年代末に結成されたグループ。
フルートをフィーチャーした曲には、1st、2ndあたりのジェスロ・タルに近い雰囲気もあって、これは英ハード・ファンは要チェック!
ムーミンの国に、こんなサイケでジャジーなハード・ロックもあったとは・・・。
東欧へといざ出発!
70年代初期の旧ユーゴにもこんなにも痺れるハード・ロック・バンドが居たとは・・・。
サバスばりのヘヴィネスあり、ツェッペリンばりのスピード感あり、フロイドばりのメロウネスもあったり、良いバンドです。
えっ!? 旧ユーゴなの? このテンションと疾走感はなに?
ドラムとリフのリズムがズレまくってるんだけど、まったくおかまいなしに暴走。驚愕の轟音サイケ・ハード、73年作。
さぁ、深いところに潜ってイスラエル!
イギリスにも渡って活躍した本格派ですね。
イスラエルにもハード・ロックが!?
BUGIEを彷彿させる疾走感溢れる「ETHIOPIA」、華麗なストリングスとファズ・ギターが混ざり合うドラマティックな「JUSTIN AND NOVA」!
地球をぐるっと回り南米はアルゼンチンへ!
汗吹き飛びまくりな76年作1st。
レッド・ツェッペリンやディープ・パープルからの影響が色濃いスピード感いっぱいの正統派ハード・ロック!
アジアへと渡って、なんとインドネシア!
ツェッペリンからの影響を軸に、PATTO的なジャズやソウル・フレイヴァー、さらにパープル的な泣き、ヒープ的幻想性も織り交ぜた亜熱帯ゴッタ煮ハード・ロックが突っ走る、インドネシアの名作!
ラストは我らが日本!
内田裕也氏が手掛けた最高傑作と言えば、もうこれでしょう!《日本が世界に誇るハードロックの名作、70年作》
裕也さん、いまなお積極的に多方面で活動中ですけど、またカッコいい音盤を世に放ってください!!
日本のジミヘンと評される陳信輝、ザ・フーにも負けない轟音ベーシスト加部正義、そして、柳田ヒロと角田ヒロの4人で結成された日本が世界に誇るスーパー・バンド、フード・ブレインによる70年デビュー作。
我ら日本人が真っ先にこれを誇りとしないでどうする!?
いかがでしたか?
イギリス以外にもハード・エッジなギターが炸裂する悶絶ハード・ロック・グループがたくさん居ますね。
他にもカケレコの在庫棚には多くの魅力的な作品が眠っています。引き続き、こちらの「ハード・ロック」ページにて探求ください。
みなさまにとってピッタリの一枚が見つかれば幸いです。
ブルース・ロックからハード・ロックへの流れの中で、圧倒的な音圧で他のバンドをなぎ倒し、一気にシーンの先頭へと躍り出た怪物デビュー作。冴え渡るJimmy Pageのギター・リフ、Robert Plantの超絶シャウト・ヴォーカル、鋼のようなリズム隊。たった4人で生み出しているとは信じられない鋼鉄のサウンドで迫る傑作。
ペーパーケース仕様、69年の未発表ライヴ音源収録ディスクを含む2枚組、ジミー・ペイジ監修による14年デジタル・リマスター、外ビニール裏に曲目シール付仕様、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
英国出身グループのアメリカでのみリリースされた71年唯一作。(録音もイギリス)バキっと歪んだスリリングなギター、ツェッペリンばりにタイトでヘヴィ級のリズム隊、熱くシャウトするヴォーカル。バンド全体が塊となったソリッドなアンサンブルは、本格感ぷんぷん。各パートそれぞれを見ても、演奏の切れ味抜群。それにしてももの凄い強度と疾走感です。ハード・ロック・ファンは必聴の名作。
アメリカのハード・ロック・トリオ。リック・デリンジャーのプロデュースによる71年の唯一作。ブルースが根っこにあるアグレッシヴかつエモーショナルなギター、ブルージーにシャウトするヴォーカル、力強く疾走するドラムが印象的。哀愁溢れるメロディにも胸が熱くなります。ギタリストのフロイド・ラドフォードは後にジョニー・ウィンターのバンドで2ndギタリストとして活躍します。疾走感の中にも哀愁を忍ばせたブルース・ハードの名作。
JASON CRESTのTerry “Nobby” ClarkやKILLING FLOORの Mick Clarkeによってロンドンで結成されたハード・グループ。71年にアメリカで発売された唯一作。ツイン・リード・ギター体制でブルージー&スリリングなギターが左右チャンネルを暴れ回り、ヴォーカルが絞り出すようにシャウトを炸裂!引きずるようなヘヴィなリズムも文句なしの格好良さ。ZEPPELIN級のハード&ソリッドなサウンドが圧巻の名作。
アメリカのグループ。73年作。エモーショナルにシャウトするハイトーン・ヴォーカル、太くてコシのあるブルージーかつメロディアスなギター、タイトかつ躍動的なリズム隊によるアメリカン・ハード・ロック。安定したテクニックをベースにしたソリッドなアンサンブルはかなりの完成度。曲も良く練られており、哀愁溢れるアコースティックなパートを巧みに配置したスケールの大きな展開も聴き所。良いグループです。名作。
デジパック仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラックとして73年のラジオ放送用音源6曲を収録
イスラエル出身、60年代に後半に活躍したCHURCHILLSを前身に、JERICHO JONESと改名してイギリスに渡ってアルバムをリリースした後、さらにバンド名を短くJERICHOと改名。72年にリリースしたイスラエルが誇るヘヴィ・プログレ/ハードの逸品。エッジのたったトーンでスピーディーに畳みかけるギター・リフが引っ張るアグレッシヴなサウンドが持ち味。痺れるキメのリズム・チェンジなど、自由自在のアンサンブルはさすがイスラエル・ハードNo1グループ。炸裂するシャウト・ヴォーカルも素晴らしい。英国のハード・ロック名作にも一歩も引けを取らないハード・ロック史上に残る傑作。
日本が誇るハード・ロック・グループ。70年発表の傑作2nd。英ハード・ロックをベースに東洋的なエッセンスを加えた唯一無比なアンサンブル、そしてジョー山中の鬼気迫るヴォーカル。ホンモノの空気がプンプンと漂うソリッド&ヘヴィなアンサンブルは、同時代の海外グループと比べて全く遜色なし。ジャパニーズ・ロックが世界に誇る名作。
スペイン・アンダーグラウンド・シーンを代表するグループ。70年作。前のめりに疾走するリズム隊、鋭角に切り刻むようなアグレッシヴなギター・リフ、スピーディーに切れ込むギター・ソロのスピード感は圧巻。グルーヴィーかつアグレッシヴなハモンド・オルガンも炸裂し、音の塊を打ち砕くようなヴォーカルも痺れます。歌詞は英語。スペインを感じさせない、本格派のハード・ロック名作。
72年に結成された旧ユーゴは現セルビアのベオグラード出身のハード・ロック・トリオ。旧ユーゴ最初期のハード・ロック作品と言われる73年に国営レコード会社のPGP-RTSよりリリースされたデビュー作。左CHでエネルギッシュにかきむしられるリズムギター、右CHで爆音を轟かせてアグレッシヴに疾走するベース、中央でシャープなリズムを刻むドラム、そして気だるいヴォーカル。ソリッド&ハード・エッジなパートから一転、エコーに包まれサイケデリックなコーラスパートへと切り替わったと思うと、またもや突如ギターがキレのある早弾きで突っ走る!オープニング・ナンバーからこれは痺れます。ハードなナンバーだけでなく、アコギアルペジオに夢想的なヴォーカルが乗るピンク・フロイドばりに幻想的なナンバーも魅力的。サバスやツェッペリンのファンはもちろん、サイケ・ハードのファンにもオススメの好グループです。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!