【ユーロロック周遊日記】スウェーデン・プログレ・ハードTRETTIOARIGA KRIGETの名デビュー作『TRETTIOARIGA KRIGET』

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一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介していく「ユーロロック周遊日記」。

本日は、スウェーデンのプログレ・ハードの名グループTRETTIOARIGA KRIGETが、CBSより74年にリリースしたデビュー作『Trettioariga Kriget 』をピックアップいたしましょう。

ストックホルムにて高校時代に結成され、何年かの活動の後、CBSと契約しリリースされたのが本作。

74年というと、英国では、クリムゾンが『レッド』、ジェネシスが『幻惑のブロードウェイ』、イエスが『リレイヤー』をリリースした年で、前年にはピンク・フロイドが『狂気』、EL&Pが『恐怖の頭脳改革』をリリースするなど、70年代はじめに花開いたプログレ・ムーヴメントがいったん終焉を迎えた年。

それと同時に、キャメルがデビューしたり、ルネッサンスがプログレッシヴな『燃ゆる灰』をリリースしたり、スウェーデンでは、翌年にカイパがデビューするなど、5代プログレ・バンドのメロディアスな部分や構築的な部分や破壊的な部分などを織り交ぜた第二世代といえる魅力的なグループが登場しはじめた時期でもあります。

そんなまさにプログレ・ムーヴメントの第二章の幕が開けた74年にあって、個性的かつ破壊的な一枚が本作。

イタリアのオザンナばりに熱情的で手数の多いドラム、YESを彷彿させるゴリゴリとアグレッシヴなベースを中心に変拍子バリバリで疾走する「動」のパート。そして北欧の詩情豊かなメロディが彩る「静」のパート。

そんな「動」と「静」が鮮やかに対比されたダイナミックかつドラマティックなサウンドは、キング・クリムゾンやイエスの往年のサウンドを受け継ぎつつ、呪術的な感じは、サイケやハード・ロックのエッセンスも感じさせます。

90年代のアネクドテンへとつながる、北欧ならではの透明感あるヘヴィネスと叙情が堪能できる名作。

豪快に流れるメロトロンも特筆！

TRETTIOARIGA KRIGETのDNAを現在にも受け継がれています。一枚ご紹介！

スペインの新鋭ですが、ベースのゴリっとしか感じは、TRETTIOARIGA KRIGETを彷彿させますね。

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