2023年6月8日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
日頃は主にプログレ・ファンに向けてニッチ&ディープなプログレ盤をご紹介することが多いですが、今回はビートルズ・ファンに向けたオススメ作品をピックアップしたいと思います。
「ビートルズ・ファンが別ジャンルに入門するならこの作品!」というものを集めてきましたので、どうぞお楽しみください☆
テキサス州オースティン出身、USサイケデリック・ロックの代名詞的バンドが放った傑作2nd。
ビートルズ・ファンに本作をサイケ入門盤として推したいのが、新しいロックを創造しようとする「才気」、そして「柔軟さ」ゆえ。
20世紀初頭に日用品を楽器にした所謂「ジャグ・バンド」が発展しましたが、その名の由来となっているのがジャグ(水差し瓶)。息を吹き込むことで低音楽器として用いられました。
それを電化したのがエレクトリック・ジャグで、奇妙にトゥクトゥクと鳴り続けるそのサウンドは13TH FLOOR ELEVATORSの特徴であり、古きより新たな音楽表現を見出した彼らの才覚の表れと言えるでしょう。
ギトギトしておらず、ポップな聴きやすさがある点もビートルズ好きへのおすすめポイント☆
ジャズ・ロック入門盤は、分かりやすくビートルズ・カバー・アルバムでいかがでしょう。
スパニッシュ・ジャズ・ロックの名手たちが集結し、72年に制作したオールインストのビートルズ・カバー集。
インストのビートルズ・カバーと言うと、スーパーのBGMみたいなイージーリスニング風を想像されるかもしれませんが、本作は変拍子も織り込んたスリリングかつ躍動感みなぎるプレイがぶつかり合う、正真正銘「ジャズ・ロック」なのが素晴らしいところ。
ここまでカッコいいビートルズ・カバーの数々はそう聴けないと思いますし、こういうカバーの仕方があるのか!と膝を打つ抜群のアレンジメントにも注目です。
ビートルズからスワンプ・ロック。
一番手頃なのはジョージの大傑作『オール・シングス・マスト・パス』やそれに続く2作品ですが、それじゃあつまらないですよね。
というわけで、他のブリティッシュ・スワンプ・ロックからセレクトしましょう。
こちらは「ザ・ビートルズ meets ザ・バンド」と評されたグループの最終作。
ビートリッシュで牧歌的な英国ポップとペダルスティールが醸し出すスワンプ・フレイヴァーが手を取り合ったサウンドは、とにかく極上の心地よさ!
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ビートルズからクラウト・ロックはかなり難易度高め!?
でもいいグループがいるんですよね~。
サイケやブルースやジャズやらをごった煮してアクが浮いてきたようなサウンド、と表現されることもあるクラウト・ロックですが、このバンドはそれらの要素を余さず備えつつ、しっかり整理したうえで比較的キャッチーに聴かせているのが凄いところ。
この次に何が飛び出すのかワクワクするクリエイティヴな音作りは、中~後期ビートルズのジョンにも通じている気がします。
英語ヴォーカルなのも安心。
英米ヨーロッパを離れて、異国の地のロックにも挑戦してみたい!という好奇心旺盛なビートルズ・ファンの方にもおすすめできる作品がございます☆
なんとマレーシア出身の3人組が残した74年作!
ジャケットのレスラーのようなメンバー写真からは想像できない、ポップな美メロディと少年のようなヴォーカル&ハーモニーが溢れ出してきてびっくりします。
辺境ビートリッシュ・ポップの名盤でしょう!
続いても辺境ロックへの入門盤として、「ペルーのビートルズ」をご紹介。
この1曲目と2曲目の、とめどない美メロとリリカルなピアノを聴いてみてください!
まるでポール・マッカートニーとニッキー・ホプキンスがデュオを組んだみたいにマジカルですよね。
続くバッドフィンガーのカバーもグッとくる~。
いかがでしたか?
気になる作品がありましたら幸いです。
今後もビートルズ・ファンに聴いて欲しい「これは!」という作品があれば、こちらに追加していきたいと思います!
後にBARCELONA TRACTION〜MUSICA URBANAとスパニッシュ・ジャズ・ロックを代表するグループで活躍する名Key奏者Lucky Guriと70年代初期のスパニッシュ・ジャズ・ロック・シーンを代表するグループMAQUINA!のサックス奏者Peter Roarを中心に、言わずとしれたICEBERGの名ギタリストMax Sunyerや、MAQUINA!のリズム隊が参加したスーパー・グループ。72年作の全曲ビートルズ・カバー・アルバム。もう、このレビュー書きながら、興奮しています!2曲目の「Strawberry Fields Forever」で泣きそうです。イージーリスニングな感じは微塵もなく、サイケ・ポップのカラフル感を残しつつ、ロック的シャープさとオシャレな洗練とが同居した最高にカッコ良くワクワク感溢れるサウンドを聴かせています。シャープでタイトな音色と手数多いフレージングがカッコ良すぎるドラムを中心に、ピアノとサックスが時にどっしりと時に軽やかに躍動し、NUCLEUS時代のChris Speddingを彷彿とさせるセンス溢れるMax Sunyerが脇を固めます。このキラメキが伝わるでしょうか。カケレコが自信を持ってオススメする大傑作!ビートルズ・ファンもサイケ・ポップ・ファンもニッチ・ポップ・ファンもジャズ・ロック・ファンもカンタベリー・ファンも全員必聴!
マレーシアのグループ、74年リリースの唯一作。ライナーには、ペルーのWe All Togetherに似ていると書いてありますが、確かにその通り。ビートリッシュな美しくリリカルなメロディー、甘美なヴォーカル&ハーモニー、ストリングスが彩るドラマティックなアレンジは、その手のサウンドが好きな方は卒倒ものでしょう。全曲英語。ビートルズの遺伝子を受け継いだ偉大な一枚。
74年にリリースされた4作目にしてグループ最後の作品。プロデューサーに英国ロックの盟友、ビッグ・ジム・サリヴァンを迎え、彼らお得意の牧歌的英国ダウン・トゥ・アース・サウンドを追及。加えて、前作からの新メンバー、ルー・ストーンブリッジが生み出すドラマティックな展開の音楽エッセンスを注入するなど、新たなサウンド・センスが詰まった1枚。
ドイツのバンド、72年の唯一作。スリリングなギター・リフによるブルージーなハード・ロックをベースに、フルートやサックスによるジャジーなエッセンス、リリカルなアコギと哀愁のヴォーカルによるビートルズ的なエッセンス、ハモンド・オルガンによるブリティッシュ・ロック的なエッセンスを加えたアンサンブルは、オリジナリティに溢れていて、聴き応え抜群。安定感ある演奏、緩急自在の曲展開、印象的なメロディーなど、かなり完成度の高いグループです。
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