2023年6月8日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: サイケ
今日のMEET THE SONGSは、傑作ひしめくテキサス・サイケの特集第2弾!
テキサス・サイケ特集vol.1ではテキサス・サイケの最重要バンド、13TH FLOOR ELEVATORSが在籍したレーベル、INTERNATIONAL ARTISTSの注目作をピックアップいたしました。
【関連記事】
13TH FLOOR ELEVATORSを筆頭に、テキサス・サイケの傑作を多く送り出したレーベル、INTERNATIONAL ARTISTSの作品をピックアップ。
今日は、まだまだあるテキサス・サイケの傑作を一挙にご紹介いたします!
まずはZZトップのギタリスト、ビリー・ギボンズが在籍していたガレージ・バンド。
THE 13TH FLOOR ELEVATORSに影響を受け、テキサス州ヒューストンで結成されたMOVING SIDEWALKSが68年にリリースした唯一作が『FLASH』。
67年にリリースしたシングル「99th Floor」が地元のチャートで1位に輝き、ジミ・ヘンドリックスやドアーズの前座も務めるようになったMOVING SIDEWALKS。
ジミヘンに絶賛されたビリー・ギボンズのファズ・ギターとともに、テープの逆回転や音のコラージュなどサイケ感たっぷりのサウンドも魅力のテキサス・サイケ傑作です。
「Reclipse」
そして、後にビリー・ギボンズと合流してZZ TOPを結成する、ダスティ・ヒル(ベース)とフランク・ビアード(ドラムス)が在籍したガレージ・バンドがこちら。
テキサス州ダラス出身の4人組、AMERICAN BLUESの68年デビュー作『AMERICAN BLUES IS HERE』。
ドタバタのドラムにオルガンやエコーがかかったヴォーカルという、ガレージ好きにはたまらないサウンドで、後半の南部らしいカントリー調の曲やブルージーな曲も味わい深い作品です。
「All I Saw Was You」
テキサス・サイケの傑作と言えば、外せないのがこちら。
テキサス州サンアントニオ出身のバンドによる70年唯一作『GROWIN IN U.S.A.』。
哀愁たっぷりのメロディーにスティール・ギター、力強いヴォーカルとツインギターのハードな演奏。そしてさらに盛り上げるのがなんとメロトロン!
メロディアスな曲に流麗なメロトロンが絡み、CSN&Yばりのコーラスが聴けるドラマティックさにグッときます。
「Circles In The North」
こちらもサンアントニオ出身で、女性ヴォーカを擁するバンドCHILDRENの68年デビュー作『REBIRTH』。
オープニングのTHE 13TH FLOOR ELEVATORSのようなガレージ・サイケもいいですが、女性ヴォーカルを迎えた、ジェファーソン・エアプレインを彷彿とさせるキャッチーなサイケ・ナンバーも光ります。
『REBIRTH』
「Sitting On A Flower」
次はテキサス州ヒューストン出身のバンドをご紹介。68年デビュー作から「San Francisco Girls」がヒットしました。
70年リリースの『FOR SALE』が最終作。どろどろとしたサイケではなく、煌びやかなトーンのキーボードや柔らかい女性コーラス、アコギが使われ全体的に上品でメロウな印象です。オープニングのScreamin Jay Hawkins「I Put A Spell On You」のカヴァーもおどろおどろしい雰囲気ではなく、クラシカルなキーボードで静かに始まり、女性グループBLACKBERRIESのバック・コーラスも相まって教会でゴスペルを聴いているかのよう。そこにジム・モリソンを彷彿とさせるクールで時に昂るヴォーカルが絶妙なサイケ感を出しています!
最後にピックアップするのは、テキサス・サイケの中でも独特のサウンドを聴かせるCOLD SUNの70年作『DARK SHADOWS』。
この作品は正規にリリースされなかったため、ブートレグやCD-Rでしか出回っていなかった「幻のアルバム」。2008年にWORLD IN SOUNDからリリースされました。
ヴォーカルは、彼が憧れたというロッキー・エリクソンに似ていますが、ジャケのイメージそのままの神秘的で漂うようなサウンド。ヴェルベット・アンダーグラウンドのような、静かなる狂気を感じさせる傑作です。
「Here In The Year」
テキサス出身のサイケ・ハード・グループ。哀愁ほとばしるカントリー・タッチのスティール・ギター、ドラマティックと言えるほどに叙情溢れるメロディ、憂いを帯びたヴォーカル、心揺さぶるハーモニーが印象的。そして、このグループの一番の特徴は、なんとメロトロン!カントリー・タッチのサイケ・ハードのバックに、メロトロンが溢れ出します。カントリー・タッチのギターに絡むメロトロンは、聴いた記憶がありません。しっかし、メロディも歌い回しもアンサンブルも、この泣きっぷりはすごいです。カントリー・タッチの様式美サイケ・ハード?強烈にメロディアスです。1曲目「Circles In The North」なんてドラマティック過ぎて涙出ます。
テキサス州サンアントニオ出身、女性ヴォーカルを含む5人組サイケデリック・ロック・バンドの68年作1st。LSD臭に充ち満ちたガレージ/ソフト・サイケ調の楽曲をメインに、切ないストリングと女性ヴォーカルをフィーチャーしたフラワーなM13、乱痴気なM15、サタニックな印象すら抱くヘヴィ・サイケM16など、バラエティに富んだというか支離滅裂というか、なにしろカオティックで、正気ではない様があらわになった作風です。
テキサスのグループ、70年の唯一作。霧に包まれたような「こもった」音色のリズム隊、向こう側の世界から鳴らされるようなメロウでゆる〜いギター、歌心に溢れた幻想的なオートハープ、ドリーミーなヴォーカル&メロディ。かゆい所をピンポイントで掻いてくれているような何たる心地よさ。メロディアスに傾くパートでは、全員が一級のメロディ・センスを聴かせています。VELVET UNDERGROUND×ITHACAのような奇跡的な傑作。
テキサス出身で、同郷の13th Floor Elevatorsに影響を受けて結成されたサイケデリック・ガレージ・ロック・バンド、69年デビュー作。後にZZ TOPのリズム隊となるDustyHill(B)とFrank Beard(Dr)の2人が在籍していることでも知られているバンドです。オープニングを飾るTim Hardin「If I Were A Carpenter」のカヴァー曲からアクセル全開!手数多くドタバタと疾走するドラムをバックに、左右チャンネルに配置された二本のギターがからみあうアンサンブルのカッコいいこと!左チャンネルでは、まるで90年代のインディーオルタナバンドのように粗野にかきむしられるファズ・ギターがリズムを刻み、右チャンネルでは、ペラペラでヘロヘロな単音リードが歌メロに終始からみついてたまりません。長尺のソロパートに突入すると、左チャンネルのギターも縦横無尽に単音リードを奏で、左右チャンネルのリードが奔放にからみあって、バッファロー・スプリングフィールドをサイケでまぶしたような感じで痺れます。うめくような荒々しいヴォーカルと地を這うベースも印象的です。これはリアルタイムでライブで聴きたかった!早回しのようにご機嫌に疾走するガレージ・ナンバーあり、アニマルズを沼に沈めたようなダウナーなナンバーあり、GRATEFUL DEAD『American Beauty』に入っていそうな陽気でサイケなカントリー・ロック・ナンバーあり、69年の時代の空気を感じさせる快作です。
テキサス出身の5人組サイケ・ロック・バンド、4作目にしてラスト・アルバムとなった70年リリース作。どろどろとしたサイケではなく、煌びやかなトーンのキーボードや柔らかい女性コーラス、アコギが使われ全体的に上品でメロウな印象です。オープニングのScreamin Jay Hawkins「I Put A Spell On You」のカヴァーもおどろおどろしい雰囲気ではなく、クラシカルなキーボードで静かに始まり、女性グループBLACKBERRIESのバック・コーラスも相まって教会でゴスペルを聴いているかのよう。そこにジム・モリソンを彷彿とさせるクールで時に昂るヴォーカルが絶妙なサイケ感を出しています。13分に及ぶ「Hey Joe」のカヴァーも聴きどころ!米サイケ・ファンはもちろんソフト・ロック好きにもおすすめです。
世界のニッチなロックにフォーカスした膨大なディスク・レビュー、マニアック過ぎる特集、濃密なコラム。質・量ともに過去最大の読み応えとなった「不思議音楽館 ORANGE POWER」第6弾!!
不思議音楽館/不思議音楽館 ORANGE POWER VOL.6
ORANGEPOWER6(–)
2700円 (税込2970円)
在庫あり
パープルとツェッペリンが合体してサイケに接近したみたいなグループがなんとアラバマに!? そんでジャケットはまるでキーフみたいだって!?
GEM11(FLAWED GEMS)
2520円 (税込2772円)
在庫あり
RDI33001(RETRO DISC)
1700円 (税込1870円)
テキサスのサイケ・ハード・グループなんですが、一番の特徴はなんとメロトロン!カントリー・タッチのギターのバックで溢れ出るメロトロン・・・この泣きっぷりはすごい!
GF260(GEAR FAB)
2290円 (税込2519円)
売り切れ
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!