2023年6月1日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
カケハシ・レコードです。
2023年5月のカケレコ・ベストセラーTOP10をご紹介いたします!
ポーランドからの新譜がいずれもクオリティが高く、4タイトルがランクインしています。
そしてKARFAGEN、SAMURAI OF PROGという現プログレを牽引する2大バンドの新作も、さすがの人気ぶりでした。
その他にも耳の肥えたカケレコ・ユーザーの皆様が今どんな作品に注目しているのか、ぜひチェックしてみてください☆
メタル畑出身のポーランドの異才が、フロイドへのリスペクトたっぷりに作り上げた23年作。
フロイドっぽいダークかつ浮遊感あるメロディを歌いながら、叩きつけるようなリズム&ギターでヘヴィに攻める、独自のフロイド・リスペクトはかなり完成度高し!
5月30日からの販売でなんと2位につけた大人気盤が、SAMURAI OF PROGの最新作!
元LATTE E MIELEのkey奏者Oliviero Lacagninaがすべての作曲を担当し、前作のSF的世界観から典雅で壮麗なクラシカル・シンフォへと堂々回帰しています。
LOST WORLD+LITTLE TRAGEDIES+SOLARISと言える聴き応えのサウンドには、プログレ・ファンなら歓喜の声を上げること請け合い!
LOONYPARKのリーダーにしてソロでも傑作を放つkey奏者/コンポーザーKrzysztof Lepiarczyk在籍のバンド。
ならシンフォ系なのかと思いきや、PORCUPINE TREE彷彿のインテリジェンスも漂わせたポスト・ロック/オルタナ調サウンドが飛び出してきて、こいつがまたカッコいい!
エキセントリックさ控えめのケイト・ブッシュといった趣の妖艶な美声ヴォーカル、ヴィンテージ度100%の古式ゆかしきオルガンワーク。
その両方を務めるこの女性ミュージシャン、何という逸材!
このイタリア新鋭は要チェックですよ~☆
従来にはなかったYES的な疾走感・飛翔感が加わり、これまで以上にメリハリの効いたシンフォニック・サウンドを完成させた23年作。Antony Kaluginというミュージシャンの底知れぬ才覚には脱帽するしかありません。
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最近のポーランド・プログレと言ったらスタイリッシュなサウンドが多いけど、80年代のPENDRAGONやIQを思い出させる、こんな愛すべきグループもいるんですねぇ。
アナログ・シンセかと思う、垢ぬけないけど色彩感あるシンセもいいんだな~。
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今回取り上げるのは、70年代プログレ&ロックへの憧れと敬意を感じさせるヴィンテージなサウンドを鳴らすバンドたち。厳選してピックアップ!
ジャジーなバッキング、アンニュイな魅惑を宿した双子姉妹のヴォーカル、ファジーでダウナーでストレンジなアレンジは狂気的な雰囲気も見え隠れします。
これは名実ともにソフト・ロック・カルト盤ですね。
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レーベルからはMARILLIONや同郷のQUIDAMを継承するスタイルと紹介されましたが、なるほどその通り。でも決してファンタスティックにはならない、うっすらダークな色調が支配するサウンドは、やはり現代ポーランドらしさ満点です。厳かな女性voも印象的!
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ジャジーなブラスにメロウなアコースティック・サウンド、そこにシタールが加わると?
ジャズ・ロックというカテゴライズを超えて聴いて欲しい英ロックの名盤!
伊ロック史上の名グループによる22年オーケストラ共演作。
メロトロンを中心とした神秘的ながら牧歌的温かさも宿したシンフォニック・サウンドに、オーケストラが加わり一層色彩豊かに輝きを放つような演奏は、一曲目から感動がこみ上げて来ること間違いなし!
いかがでしたか?
気になる作品が見つかりましたら幸いです♬
メロトロン溢れる76年の名作で知られ、2019年にリリースされた2ndアルバム以降、精力的に活動を続けるイタリアン・ロックの人気グループ、初となるオーケストラとの共演で制作された22年作!オーケストラは本作のため編成された、ヴァイオリン/ヴィオラ/チェロ/オーボエ/クラリネット/ファゴット/トロンボーンなど総勢10名以上からなるCELESTIAL SYMPHONY ORCHESTRAです。デビュー時から変わらぬメロトロンを中心とした神秘的ながら牧歌的温かさも感じさせるシンフォニック・サウンドに、オーケストラが加わって一層色彩豊かに輝きを放つような演奏は、CELESTEファンなら一曲目から感動がこみ上げて来ること間違いなし。オケとの共演作と言えばとかくスケールが大きくなりがちですが、本作ではあくまでバンド・アンサンブルの一員としてCELESTE本来のリリカルなサウンドをメロトロンやピアノと一緒に作り上げていっており、そのバンドとオケの一体感がとにかく素晴らしい。もちろん最大の聴きモノはメロトロンで、1stそのままの繊細で浮遊感溢れるあまりに優美なメロトロンのプレイは、やはり唯一無二の魅力を感じさせてくれます。零れ落ちるような情緒を宿すアコースティック・ギター、気品あるクラシカルな佇まいのピアノ、数曲で歌う男女のイタリア語ヴォーカルもいつもながら絶品です。CELESTEがオーケストラと一緒にやる、という事の魅力が最大限に引き出された傑作と言っていいでしょう!カケレコメンド!
70年にDERAMレーベルよりリリースされた2ndアルバム。基本的には前作の延長線上にあるサウンドですが、ブラス・ロック的な楽曲ではよりタイトに、アコースティックな楽曲ではよりメロウに、各楽曲毎の色が明確になった印象です。シタール、フルート、アコーディオンなどの使用で、アレンジも多彩になっています。シタールとフルートがメロウな旋律を奏でる2曲目は、英国フォーク・ロック・ファン必聴の名曲!
ウクライナ出身の鬼才コンポーザー/key奏者Antony Kalugin率いる人気シンフォ・グループ、14作目となる23年作がリリース!別働プロジェクトSUNCHILDやソロとしても並行して活動するKaluginですが、そんな中で制作された本作も、分かってはいましたが現行シンフォニック・ロック・シーンの最高峰に位置する素晴らしい出来栄え。ここ最近はCAMELとTHE FLOWER KINGSを融合させたようなスケール大きくメロディアスな作風を追求していましたが、本作ではかつてなくテクニックを駆使したスリリングなバンド・アンサンブルが随所で聴けるのが印象的で、旧来のデリケートなCAMEL的ファンタジーとの間に絶妙な緩急を生み出しています。そのスタイルはさながら「CAMEL+YES」と言うべきもの。温かい響きのアコギが彩るAnthony Phillips彷彿の序曲を経て、どこかYES「Awaken」を思わせる浮遊感と緊張感が拮抗する2-3曲目の組曲へ。天上へ誘なうかのように高らかに鳴るシンセととめどなく美旋律を紡ぐギターのコンビに感動していると、急転直下、リズム隊が疾走し始め、ギターはヘヴィさを増し、シンセは荘厳に鳴り響く、KARFAGEN史上最もスリリングなサウンドに突入!この落差にはきっと旧来のKARFAGENファンも驚かされることでしょう。合間に挟まるA.Phillips的なアコギメインの小曲も、途方もないスケールを誇る大曲との間に良い流れを作り出しています。これまでの作品ではさほど感じられなかったYES的な疾走感・飛翔感が加わり、これまで以上にメリハリの効いたシンフォニック・サウンドを完成させた一枚となっています!
デジパック仕様、2枚組、Disc2には19年作「BIRDS OF PASSAGE」の新アレンジ・インストVer.を収録、ボーナス・トラック3曲
レーベル管理上、デジパックに小さい角つぶれがある場合がございます。ご了承ください。
女性ヴォーカル兼key奏者とギタリストを中心に09年に結成され12年にデビューしたイタリアのプログレ・バンド、2023年作。ヴィンテージ・トーンでワイルドに唸るオルガン、ジャジーで洒脱なタッチのピアノ、ハード・ロック気質の骨太なギターらが絡み合いながら疾走する、バンド名通りの70年代テイスト満点のアンサンブルからして最高なのですが、やはり一番の特徴はケイト・ブッシュばりに妖艶な女性ヴォーカルの存在。と言ってもケイトほどエキセントリックではなく、少しミステリアスな空気を漂わせながらもしっとりと歌い上げるタイプで、美声女性ヴォーカル好きの方にもアピールする声質です。ピアノがリードするジャジーなパートでのお洒落な歌いぶりも堪りません。それにしても、この素晴らしいヴォーカル・パフォーマンスとヴィンテージ度100%のオルガンのプレイを同一人物が務めているとは、何という逸材でしょう。女性ヴォーカル&70年代憧憬サウンドという2つの人気要素を余すことなく楽しませてくれる快作!
Neuoberschlesien、Oberschlesienなどのハード・ロック/インダストリアル系バンドでの活動歴を持つポーランドのギタリスト/マルチ・プレイヤー、23年作。タイトル通りピンク・フロイドへのリスペクトをテーマに制作された作品で、あのメランコリックで深遠な音響空間を再現しつつ、持ち味の重く硬質なギター・サウンドも遠慮なく鳴らされるヘヴィ・プログレは、フロイド・タイプのバンドがひしめくポーランドにあってもかなりの完成度。水の滴るSEをバックにうつむき加減のピアノ&ギルモア・ライクなタッチのギターが繊細かつドラマティックに交差する1曲目は、『ECHOES』の一部を切り取ったようで雰囲気抜群。かなりフロイドに忠実なスタイルで行くのかと思いきや、2曲目ではフロイドで歌われそうなダークかつ浮遊感あるヴォーカル・メロディをフィーチャーしながら、叩きつけるようなリズム&ギターでヘヴィに攻める、彼ならではのフロイド・リスペクトが聴けて「おお!」となります。随所で聴けるリック・ライト彷彿の物悲しいトーンで広がるシンセの海も素晴らしい出来栄えだし、硬質なギターリフの波状攻撃を浴びせたと思うとギルモア・リスペクトのエモーションたっぷりのブルージーで劇的なソロを聴かせたりと、フロイドをヘヴィ・プログレに仕立て上げたようなスタイルで全編を見事に聴かせきります。フロイド好きにはきっと響くだろう力作です。
プログレ・ファンにはお馴染みの存在となった、フィンランド/イタリア/アメリカ出身のミュージシャン3人を中心とする多国籍シンフォ・グループ、23年作!従来作にも参加していた元LATTE E MIELEのキーボーディストOliviero Lacagninaとのコラボレーションとして制作されており、全作曲を彼が担当。今回は17世紀フランスに実在した正体不明の囚人「鉄仮面」およびそれを題材にした文学作品に着想を得たコンセプト・アルバムとなります。前作は異色のSF的世界観を持つ作品でしたが、本作では従来のSOPスタイルを踏襲した典雅で壮麗なクラシカル・シンフォニック・ロックを展開。息をのむほどに表現力豊かなヴァイオリンがリードするクラシカルなパートはロシアのLOST WORLD BANDやLITTLE TRAGEDIESを、ギターとシンセ&オルガンが劇的に交差するスケール大きくも物悲しい哀愁を帯びたパートはハンガリーのSOLARISを彷彿。やがて両者が交わり一体となって迫りくるサウンドは、プログレ・ファンなら歓喜がこみ上げてくることでしょう。物語をシアトリカルな歌唱で表現するヴォーカル陣の好演も、聴き手を作品世界に引き込む役割を担います。プログレ名曲のカバー企画からスタートして、それらの名曲にも肩を並べるほどのクオリティを持つサウンドを作り上げた彼らを称賛せずにはいられません。上記したグループのファンのみならず、あらゆるプログレ・ファンに体験して欲しい音世界です!
結成は15年以上前に遡るポーランドのメロディック・ロック・バンド、23年1stアルバム。LOONYPARKを率いソロでも傑作を連発する天才キーボーディスト/コンポーザーKrzysztof Lepiarczykが在籍していますが、LOONYPARKや彼のソロとは打って変わって、シンフォニック要素は最小限に抑えられており、ポスト・ロック/オルタナ調のサウンドでスタイリッシュかつメロディアスに聴かせます。ザクザクと疾走感あるプレイから淡く揺らめくようなプレイまで硬軟自在なギター、そのギターのバックで無駄なく鳴らされる流石のセンスを感じるピアノやオルガン、そして雄々しくも哀愁ほとばしるポーランド語ヴォーカルらが、ドラマティックなロック・サウンドを構築。エレクトロニックな要素はほぼ登場しないのですが、どこかPORCUPINE TREEにも通じるインテリジェンスを漂わせている点も魅力的な好盤です。
女性ヴォーカルを擁するポーランドの新鋭プログレ/アート・ロック・バンドによる23年デビュー・アルバム。レーベルインフォではMARILLIONや同郷のQUIDAMを継承するスタイルと紹介されていますが、なるほどその通り。Steve RothelyまたはQUIDAMのMaciek Mellerばりに繊細なエモーションを湛えた見事な表現力のギター、ソロではネオ・プログレ色を感じる派手目なトーンで疾走するキーボードが織りなすサウンドは、確かにFISH期MARILLIONや初期のQUIDAMを思わせます。彼らと異なるテイストを生み出しているのが、低めの声で厳かに歌う女性ヴォーカル、そして上記のような特徴を持ちつつも全体としてはどこかダークな色調が支配する突き抜けないアンサンブル。ここはさすがポーランドと言える部分でしょう。近年のポーランドに多いエレクトロニックな要素を一切含んでいないのも特徴で、テクニカルとは言えないながら生楽器だけで描き出す情感のこもったサウンドが好印象です。80〜90年代初頭のプログレのスタイルを意識的に目指したという言葉どおりの、荘厳さと懐かしさを含んだ音世界を楽しませてくれる一枚!
15年にデビューしたポーランドの新鋭バンド、2023年作。フロイド系統のメランコリックなサウンドが主流のポーランド・プログレにおいて、英ネオ・プログレ直系のファンタジックなシンフォニック・ロックを奏でるのがこのグループです。ひたすら叙情的なフレーズを紡ぐギターと、しっとり流麗なピアノ、そしてアナログ・シンセのように色彩豊かに広がるシンセサイザーらが織り上げるハートフルな演奏に思わずグッと来ます。実直に歌い上げる英語ヴォーカルも演奏のテイストと見事にマッチ。80年代のPENDRAGONやIQを思い出させる、これぞ正統派メロディアス・シンフォニック・ロックといった趣を持つ好作品です。
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