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ピンク・フロイドのDNAを受け継ぐ00年代の新鋭プログレ・バンド選

『狂気』や『ウォール』が持つ、時代を超越したスタイリッシュなサウンド・プロダクションと普遍的なメッセージ性。

そんなピンク・フロイドのDNAを受け継いだグループが、00年代に入って続々と登場してきています。

ポスト・ロックを通過し、PCでのデジタル・レコーディングに慣れた00年代デビューのミュージシャンにとって、ピンク・フロイドのサウンドは、変わらぬ輝きとともに、今まで以上に身近なものなのかもしれません。

世界各国から芽吹くフロイドのDNA、どうぞお楽しみください!

【ポーランド】MILLENIUM/PUZZLES

ほぼすべての作曲を担い、コンセプト・メイキングも行うKey奏者/コンポーザーは、現代のロジャー・ウォーターズと言っても過言ではないかも!?

ポーランド屈指のプログレ新鋭バンドによる2枚組の11年作で、ジャケットからも分かる通り、彼らが敬愛するピンク・フロイド『ウォール』へのオマージュであり、挑戦でもある力作。

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現ポーランド・プログレ・シーンをリードするグループMILLENIUMを大特集!

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ポーランドのみならず、現代のプログレ・シーン屈指と言えるグループMILLENIUMの2017年作『44 MUNITES』がリリースされましたので、彼らのこれまでの作品をピックアップしながら、ストーリーを追ってまいります!

【ポーランド】RYSZARD KRAMARSKI PROJECT/LITTLE PRINCE

ポーランド産シンフォ・バンドMILLENNIUMのkey奏者による17年ソロ作。

「星の王子さま」をコンセプトに展開されるのは、『狂気』フロイドへの憧憬に満ちた深遠でドラマチックなシンフォニック・ロック。
これはフロイドファンなら必ずや目を細めるだろう逸品!

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【ポーランド】AMAROK/HUNT

M.オールドフィールドやフロイド影響下のサウンド聴かせたポーランドのシンフォ・ユニットですが、実に13年ぶりとなる17年作をリリース!

フロイド色、キャメル色をポーランドらしい仄暗く耽美な音像が包み込む力作です♪

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【ポーランド】WAVE/ME AND REALITY

「狂気」~「ウォール」期フロイドをポーランド特有の深い陰影とモダンな質感で蘇らせたような新鋭バンド。

エフェクトを効かせ淡く幻想的なトーンを鳴らす2本のギターと、ひんやりと冷たい質感を持つシンセが浮遊感あるダークな色調の音世界を構築します。深遠かつ静謐な幻想性に溢れたサウンドは、フロイドに肉薄!

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【ポーランド】LEBOWSKI/PLAYS LEBOWSKI

2010年のデビュー作で完成度の高いシンフォニック・ロックを聴かせた注目グループによる、待望の2作目となるライヴ・アルバム!

拍手がなければライヴとは思わない緻密で静謐な音世界が素晴らしすぎです!この世界観、フロイドファンにもきっと響くことでしょう。

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【ノルウェー】AIRBAG/GREATEST SHOW ON EARTH

09年にデビューしたノルウェーの新鋭プログレ・バンド、13年作3rd。

ゆったりと夢想的につむがれるキーボードとギターが描くメランコリックな音世界。

幾重にも重なった音が心地良すぎる名作。

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ノルウェーの新鋭プログレAIRBAG特集 - ユーロロック周遊日記 -

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ピンク・フロイドに通じるメランコリックなノルウェーのプログレ新鋭グループAIRBAGをピックアップ!

【ノルウェー】BJORN RIIS/FOREVER COMES TO AN END

そのAIRBAGに在籍するギタリストが放った17年ソロ作がこちら。自身の幻想的でエモーショナルなギタープレイを軸とする、雪深い北欧の自然世界が眼前に映し出されるかのような、映像喚起的な魅力を持つ名品です。もちろんギルモアばりのエモーショナルなギタープレイも楽しめます。

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【ノルウェー】SHAMBLEMATHS/SHAMBLEMATHS

『ウォール』期のピンク・フロイド、キング・クリムゾン、マグマ、ゴング、までをぶちこんだこのサウンド、ただただ強靭。このノルウェーの新鋭、ずばり大注目!

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【オーストラリア】ANUBIS/HITCHHIKING TO BYZANTIUM

04年に結成されたオーストラリア注目の新鋭による2014年3rd。

ピンク・フロイドに影響を受けた、というか、ネオ・プログレとともにポスト・ロックに影響を受けた結果として、フロイドに近づいた、というような印象。

卓越したメロディ・センス、美麗な歌声、そして、ヘヴィでいて透明感ある広がりも聴かせる幻想的なアンサンブルが素晴らしい快作。

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第4回 ANUBIS / Hitchhiking To Byzantium (Australia / 2014)

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「ミュージシャンの視点からプログレッシブ・ロック作品を捉える」ことをコンセプトに、同じ時代を生きる世界中の素晴らしいプログレッシブ・ロックアーティストたちの作品を幅広く紹介するコラム。担当は、MUSEAからデビューした日本のアーティストnetherland dwarf!

【スウェーデン】A SECRET RIVER/COLOURS OF SOLITUDE

ずばり「ピンク・フロイドのメランコリーと音響感覚 meets ジェネシスの幻想美」。

モダンな音響センスを持ったSSWのバックを、ヴィンテージなプログレ新鋭バンドがサポートして幻想美を加えた、というようなスウェーデン新鋭、2014年デビュー作!

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【ルーマニア】ECHO/COMING HOME

『おせっかい』が好き?そんなサイケ&メロウなフロイドが好きなら、このルーマニアから登場したバンドはオススメですよ~。

ルーマニアはブカレスト出身、80年代末に学生バンドとして活動していたバンドが時を経て00年代に入り活動再開。2010年の1stに続く2013年作2nd。

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【イギリス】GIFT/WHY THE SEA IS SALT

ハケット、A.フィリップス、Tiger Moth Talesのピート・ジョーンズ参加の英新鋭。音はジェネシス系と思いきやフロイド色も濃厚で、メランコリックで内省的なシンセが包み込むサウンドにジェネシス的叙情美を加えた感じ。ドラマチックです。

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【フランス】JUKE/CHIMERA’S TALE

ピンク・フロイドを筆頭に、ドアーズ、キング・クリムゾン、ゴング、そして、レディオヘッドに影響を受けているようですが、なるほど納得。

ピンク・フロイド的なクール&メロウなメロディ、ほの暗さとアーティスティックな感じがちょっぴりジム・モリソンを思わせるヴォーカル、そして、浮遊感あるギターのアルペジオとユラユラとたゆたうキーボードを中心とするサイケデリック&スペーシーな感覚を持ったアンサンブルが印象的です。

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【カナダ】BLURRED VISION/ORGANIZED INSANITY

イラン生まれのカナダ人なんですが、エキゾチックな顔立ちからは想像できない美声で、ピンク・フロイドを敬愛する空間的なサウンドとメッセージ性は特筆もの。

彼らが憧れるロジャー・ウォーターズからもお墨付きをもらったらしい注目のバンド!

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【イタリア】STEEO/FOUR EYES IN THE SILENCE

イタリアにもフロイドの遺伝子を受け継いだグループが居ました!

『狂気』~『ウォール』をよりメロディアスにしたような2010年デビュー作。

ARTI E MESTIERIのリーダー&キーボード奏者Beppe Crovellaがプロデュースしていて、彼の弾くメロトロンやハモンド・オルガンも聴き所です。

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【イタリア】FLUIDO ROSA/LE VIE DEI SOGNI

「FLUIDO(流体)」「ROSA=ピンク」というバンド名がまんまですが、やはりフロイド・トリビュート・バンドとしての活動歴を持ち、フロイド影響下のスケール溢れる中にも柔らかな陰影を秘めたメロディアスさが持ち味。

そこに乗る伊ヴォーカルの「歌」もさすが絶品です。

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【イタリア】MALUS ANTLER/OSIMANDIA

ピンク・フロイドとキャメルが合わさったような浮遊感とまろやかな優美さが同居するサウンドをベースに、ひらひらと舞うような優雅なクラリネットが活躍するアンサンブルはイタリア新鋭の中で一際異彩を放ちます。

ずばり一筋縄ではいかないナイスバンド!

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【ルクセンブルク】LIGHT DAMAGE/LIGHT DAMAGE

ジェネシスやピンク・フロイドのカヴァー・バンドとして05年に結成されたルクセンブルグの新鋭プログレ・バンド。2015年デビュー作。

感情を包み込むように歌い上げる伸びやかなヴォーカルと夢想的にたゆたうような流麗なメロディが特筆で、フロイドにヨーロッパ的な美意識を加えた感じ。

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ピンク・フロイドのDNAを受け継ぐ00年代の新鋭プログレ・バンド選

  • A SECRET RIVER / COLOURS OF SOLITUDE

    「ピンク・フロイドのメランコリーと音響感覚 meets ジェネシスの幻想美」といった感じのスウェーデンの新鋭、2014年デビュー作

    スウェーデン出身、Key奏者を含む4人組バンド、2014年のデビュー作。ゆったりとメランコリックに奏でられるギターのアルペジオと北欧らしい透明感のあるリリカルなピアノ、そして、包み込むように歌う翳りあるヴォーカルとハーモニー。そんなピンク・フロイドに通じる映像喚起的なサウンド・プロダクションと叙情美が印象的なヴォーカル・パートから、インスト・パートでは一気にジェネシス的なヴィンテージな幻想美が溢れ出すのが持ち味で、繊細なタッチでまるでさえずるようなギターのリードと、そこにユニゾンであわせるハモンド・オルガンやムーグ・シンセがハートフルな音像を描きます。美しくクリアなヴォーカルとメロディも特筆で、モダンな音響センスを持ったSSWのバックを、ヴィンテージなプログレ新鋭バンドがサポートして幻想美を加えた、というような感じ。派手さはありませんが、たしかな歌心とアンサンブルのセンスを持った実力派。好盤です。

  • MILLENIUM / PUZZLES

    現代ポーランドを代表するシンフォ・グループ、11年発表の2枚組コンセプト・アルバム傑作

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。前作から3年ぶりとなった2011年作の8thアルバムで初の2枚組。憂いあるメロディと空間的で映像喚起的なアレンジとが完璧に融合したスタイリッシュなプログレを前作で極めた彼らが挑んだのが、アルバム2枚に渡って描く壮大なるストーリー。アダムとイブを主人公に、男女間の複雑な関係性をパズルのピースに見立てて描いたコンセプト・アルバムに仕上がっています。ジャケット・イメージからも分かる通り、彼らが敬愛するピンク・フロイド『ウォール』へのオマージュであり、挑戦でもある力作。これは傑作です。

  • WAVE / ME AND REALITY

    「狂気」〜「ウォール」期フロイドをポーランド特有の深い陰影とモダンな質感で蘇らせたようなサウンドを持ち味とする好バンド、17年デビュー作

    2人のギタリストを擁する5人編成によるポーランドの新鋭プログレ・バンド、17年リリースのデビューアルバム。エフェクトを効かせ淡く幻想的なトーンを鳴らす2本のギターと、ひんやりと冷たい質感を持つシンセが浮遊感あるダークな色調の音世界を構築する、「狂気」〜「ウォール」あたりのピンク・フロイドから大きく影響を受けたサウンドを鳴らします。交錯する2本のギターに深遠に響くピアノも交えて織り上げられる静謐な幻想性に溢れたサウンドは、フロイドに肉薄すると言っていいほどのメランコリックな美しさを湛えます。そんなサウンドと鮮やかな対比をなすように浮かび上がるタイトなリズム・セクション、スタイリッシュに歌い上げる英詞ヴォーカルもいいです。往年のフロイドをポーランド特有の深い陰影とモダンな質感で蘇らせたようなサウンドを持ち味とする好バンド!

  • SHAMBLEMATHS / SHAMBLEMATHS

    奔放さと強靭さ、ただただ凄まじいテンション、このノルウェーの新鋭による16年デビュー作、ずばり70年代プログレ・ファンは必聴!

    ノルウェー出身、ギター/サックス/VoのSimen A. EllingsenとベースのEirik M. Husumの2人によるデュオ。2016年のデビュー作。キング・クリムゾンの「Great Deceiver」を鋭角&ヘヴィにしたようなパートを軸に、不穏なピアノや男女混声コーラスをフィーチャーしたマグマやユニヴェル・ゼロ的アヴァンギャルド&ジャズ・ロックを散りばめつつ、アコースティックに「歌」を聴かせるパートでは、『アニマルズ』『ウォール』あたりのピンク・フロイドを彷彿させたり、ハモンド・オルガンが疾駆するパートはイタリアのヘヴィ・シンフォみたいだし、三部作期のゴングばりのスペーシー&テクニカルに唐突に展開したり、いやはや恐るべしなテクニックとアイデア。奔放に展開する予測不能っぷりとアンサンブルの強度は特筆ものだし、時にBIG BIG TRAINを彷彿させるようなメロディはフックあるし、ヴォーカルの表現力も見事。70年代プログレのファンはニンマリする瞬間がこれでもかと続くはず。メロトロンもたっぷり。これはずばり傑作です。

  • RYSZARD KRAMARSKI PROJECT / LITTLE PRINCE

    ポーランド、MILLENNIUMのキーボード奏者によるソロ・プロジェクト、「星の王子さま」をコンセプトに据えフロイド直系のドラマチックなシンフォを聴かせる秀作!

    現ポーランドを代表するシンフォ・グループMILLENNIUMのキーボード奏者Ryszard Kramarskiによるソロ・プロジェクト17年作。タイトルが示すとおり『星の王子さま』をコンセプトに据えた作品となっており、そのサウンドはMILLENNIUMと同様ピンク・フロイド、特に『DARK SIDE OF THE MOON』を強く意識したメロディアスかつ劇的なシンフォニック・ロック。リック・ライトのプレイを思い出さずにはおれないセンシティヴな美しさと微かな陰鬱さが漂うシンセから、壮麗に流れゆくキーボード・ストリングスまで、音作りの要を担う自身のキーボードワークはさすがの素晴らしさ。ただ決して前には出過ぎずアンサンブルの中で有機的に音を紡いでいる姿勢がまた好印象です。一方メインでソロを取るMOONRISEのギタリストMarcin Kruczekによるギターも特筆で、ギルモアのプレイを忠実に再現したブルージーな泣きをたっぷり含んだ極上のソロを聴かせていて感動を禁じえません。女性ヴォーカルは清楚さよりは艶があってややアヴァンギャルドな表情も滲ませる実力派。フロイド憧憬のサウンドに深遠な奥深さを与えています。往年のフロイド憧憬を見せつつもそこに違和感なくエレクトロニクスを挿入してくるモダンなセンスも冴え渡ります。フロイド好きならこれはたまらないメロディアス・シンフォの好盤!

  • AMAROK / HUNT

    ポーランド出身シンフォニック・ロック・ユニット、13年ぶりの17年作4th、フロイド&キャメルを宿すサウンドをポーランドらしい仄暗く耽美な音像が包み込む力作

    ポーランド出身シンフォニック・ロック・ユニット、17年作4th。デビュー時よりユニット名に象徴されるマイク・オールドフィールド色とフロイド憧憬を合わせ持ったグループとして存在感を放っていましたが、前作から13年ぶりのリリースとなった今作でも、メランコリックな浮遊感を持つ内省的なサウンドにエレクトロニクスも散りばめた幻想的ながらも厳粛さのあるサウンドを聴かせています。そこに以前からの持ち味と言えるギルモアのプレイを見事に再現したエモーショナルなギターが入ってくると、初期と変わらぬフロイドへの憧憬が溢れてきて、その変わらぬスタイルが嬉しいところです。ポーランドらしい薄暗く深遠に広がる音響もフロイドタイプの音像に絶妙に溶け込んでいて素晴らしい。最終曲は17分に及ぶ大作で、2作目にも参加したCAMELのコリン・バースが作曲とヴォーカルで再参加。ここでのギターは前曲までのギルモア調とは打って変わって柔らかなトーンで滑るようにフレーズを紡ぎ出すラティマーのタッチを聴かせていてその再現性にまたもや驚きます。エレクトロニクスが全編を覆いますが、ラティマー調のドラマティックなギターがヒューマンな温かみをもたらしているのが実に見事です。フロイド色、キャメル色をポーランドらしい仄暗く耽美な音像が包み込む力作です。

  • ANUBIS / HITCHHIKING TO BYZANTIUM

    オーストラリア出身のプログレ・グループ、美麗なメロディとアンサンブルに溢れた2014年作3rd、これは注目!

    2004年に結成されたオーストラリアのプログレ・グループ、2014年作の3rd。透明感あるトーンでリリカルに紡がれるエレキのアルペジオ、柔らかく幻想的にたなびくキーボード、伸びやかなハイトーンでしっとりと歌い上げるヴォーカル。オープニング・ナンバーの映像喚起的なイントロから期待が高まります。ヘヴィなギターが入ってモダンな音像になっても透明感あるメランコリーを失わないところは、北欧プログレ新鋭勢にも通じていますが、エモーショナルで叙情美に溢れたヴォーカル&メロディは英国に近い印象。ギターがゆったりとメロディアスなリードを奏でるところは、やはり同郷のセバスチャン・ハーディーが頭に浮かびます。それにしても、「歌心」は特筆もの。アルバムのどこを切り取っても心揺さぶるメロディと切々とした歌声とクリアでドラマティックなアンサンブルが溢れてきます。これは注目の名盤!

  • AIRBAG / GREATEST SHOW ON EARTH

    ノルウェーの新鋭ロックバンド、ゆったりと夢想的につむがれるキーボードとギターが描くメランコリックな音世界が心地よい13年作3rd

    90年代に結成され、09年にデビューしたノルウェーの新鋭プログレ・バンド、13年作3rd。デビュー作からピンク・フロイドやポーキュパイン・ツリーに通ずる映像喚起的かつメランコリックなサウンドが持ち味でしたが、本作でも広がり豊かで幻想的なサウンドが際立っています。エッジが立ったトーンながら残像のように揺れるギター、空間をダイナミックに広げるキーボード。たゆたうギターとキーボードと対照的に、重心を低くたもつタイトなリズム隊。そして、エモーショナルかつ陰影たっぷりのヴォーカル。音が現れては虚空へと消えていくような儚さとともに、ロック的ダイナミズムももったアンサンブルは、『狂気』以降のピンク・フロイドのファンにはたまらないでしょう。幾重にも重なった音が心地良すぎる名作。

  • ECHO / COMING HOME

    『おせっかい』あたりのピンク・フロイドへの憧憬に満ちたルーマニアのプログレ・バンド、2013年作2nd

    ルーマニアはブカレスト出身、80年代末に学生バンドとして活動していたバンドが時を経て00年代に入り活動再開。2010年の1stに続く2013年作2nd。サウンドは、ピンク・フロイドへの憧憬が滲むサイケデリック&スペーシーなプログレ。繊細なタッチでたゆたうように紡がれるオブリガード、歌うように伸びやかに奏でられるデイヴ・ギルモアばりのリード、沈殿していくようなファズたっぷりのバッキングともに魅力的なエレキ・ギター、スペーシーに鳴り響くオルガンやシンセ、そして、辺境っぽいエキゾチズムのあるヴォーカル&メロディ。神秘性のあるアコースティック・ギターのアルペジオ、ジャジーなタッチのアコースティック・ピアノなど、アコースティックな味付けも印象的です。

  • GIFT / WHY THE SEA IS SALT

    03年結成の英新鋭シンフォ・バンド16年作、ピンク・フロイド影響下のメランコリックで叙情的なシンフォニック・ロック、S.ハケット、A.フィリップス、TIGER MOTH TALESのピート・ジョーンズらがゲスト参加

    03年結成、英国のシンフォニック・ロック新鋭による16年作。うっすらと霧がかかるように広がるシンセ、格調高く鳴らされるピアノ、ギルモア調のメロウに歌うギターによる美しくもメランコリックな陰影が包み込むサウンドは、主にピンク・フロイドからの影響が強く感じられます。一声一声に情感を込めて丁寧に歌う叙情的なヴォーカルも特筆。ギターが表情を変えヘヴィなリフを弾き始めると、ヴォーカルもやや尖った力強い歌唱で応じ、モダンなヘヴィネスをまとったメロディック・ロックで疾走したりと、硬軟自在な展開が見事です。一方でいかにも英国的な瑞々しくも哀愁のあるアコースティックギターをバックにヴォーカルが歌い上げるハートウォーミングなナンバーも味わい深く素晴らしい。ゲストでスティーヴ・ハケット、アンソニー・フィリップス、Tiger Moth Talesのピート・ジョーンズが参加しており、特にハケットは一聴で彼とわかるプレイで作品を盛り上げています。

  • LEBOWSKI / PLAYS LEBOWSKI

    ポーランド出身、2010年のデビュー作で完成度の高いシンフォニック・ロックを聴かせた注目グループによる、待望の2作目となるライヴ・アルバム!

    ポーランド出身、2010年のデビュー作で完成度の高いシンフォニック・ロックを聴かせた注目グループによる待望の2作目となるライヴ・アルバム。前作「CINEMATIC」から2曲+新曲8曲を演奏。無駄なく鳴らされるタイトなリズム・セクションを土台に、東欧らしいうっすらと翳りのあるシンセサイザーと気品あるクリアなピアノ、クリーントーンによる浮遊感あるプレイとザクッとリフを刻むヘヴィなプレイを弾き分けるギターらがメランコリックかつスタイリッシュに紡ぐ哀感溢れるシンフォニック・ロックは、間違いなく前作と変わらぬ感動をもたらしてくれます。スペイシーな感覚も含む浮遊感ある音像は系統で言えばピンク・フロイドに近いですが、ギターが随所でオリエンタルなフレーズを織り交ぜていたり、曲によってモノローグ調のヴォーカルが入ったりと、〜タイプと一言では言えないオリジナリティが光ります。ゲストミュージシャンによる哀愁たっぷりのフリューゲルホルンも、彼らの音楽性に最高にマッチしていてただただ絶品です。曲の終わりに拍手が入ることで初めてライヴ録音と意識しますが、演奏の緻密さや静謐な空気感はスタジオ録音とも遜色ない完成度の高さ。7年ぶりの作品であることを感じさせない、前作での感動を変わらず味わわせてくれるライヴ名品となっています。オススメ!

  • JUKE / CHIMERA’S TALE

    ピンク・フロイドやドアーズに影響を受けたフランスのプログレ新鋭、芸術度とサイケ/スペーシー度の高い充実の2014年デビュー作

    フランス中部はトゥールで2011年に結成されたプログレ・バンド。2014年のデビュー作。バンド・インフォによると、ピンク・フロイドを筆頭に、ドアーズ、キング・クリムゾン、ゴング、そして、レディオヘッドに影響を受けているようですが、なるほど納得。ピンク・フロイド的なクール&メロウなメロディ、ほの暗さとアーティスティックな感じがちょっぴりジム・モリソンを思わせるヴォーカル、そして、浮遊感あるギターのアルペジオとユラユラとたゆたうキーボードを中心とするサイケデリック&スペーシーな感覚を持ったアンサンブルが印象的です。デイヴ・ギルモアばりのロング・トーンの伸びやかなギター・ソロも特筆。英詩なので、フランスっぽさはあまり感じませんが、静謐に奏でられるピアノにあわせて、ヴォーカルがしっとりと歌い上げるパートはフランスらしい芸術性が感じられます。これは名作です。

  • FLUIDO ROSA / LE VIE DEI SOGNI

    GOBLIN REBIRTHのkey奏者Danilo Cherniと男性シンガーGabriele Marcianoを中心とするグループの16年デビュー作、フロイド影響下のメロディアスなプログレ

    イタリア出身、GOBLIN REBIRTHのkey奏者Danilo Cherniと男性シンガーGabriele Marcianoを中心とするグループの16年デビュー作。FLOYDにかけた「FLUIDO(流体)」と「ROSA=ピンク」というバンド名が示す通り、デビュー以前のフロイド・トリビュート・バンドとしての活動歴が反映された、フロイドの影響下にあるスケール溢れる中にも柔らかな陰影を秘めたメロディアスなプログレ。ギルモア調のブルージーなギターソロがフィーチャーされたり『狂気』を思わせる女性スキャットが出てきたり影響は濃厚ですが、イタリア語による叙情的なヴォーカルが歌うメロディには外に向かって広がっていくような開放的な響きがあり、爽やかな聴き心地が印象的です。楽曲的にもプログレらしい複雑な構築性よりはサビでドラマティックに盛り上がる正統派の楽曲が中心で、イタリアらしく熱く叙情的に歌い上げるヴォーカルにはやはりグッと来ずにはいられません。フロイド愛に溢れたサウンドの中にもイタリアン・ロックの魅力である「歌」をしっかりと堪能させてくれる力作です。

  • BJORN RIIS / FOREVER COMES TO AN END

    ノルウェー、AIRBAGのギタリストによる17年ソロ作、北欧の雪深い自然風景がありありと広がるかのような、息を飲むほどの繊細な音世界が繰り広げられる傑作

    ノルウェーの新鋭プログレ・グループAIRBAGのギタリストによる17年ソロ作。自身による幻想的に織り重なるギタープレイと切なく鳴らされるピアノ、淡く静謐に広がるシンセサイザーを軸に描き出されるこのあまりに繊細な音世界。これぞ北欧シンフォニック・ロックと言える透明感と哀感に溢れる音像はただただ溜息が出る美しさに満ちています。粛々と胸を打つ、フロイド憧憬の仄暗くメランコリックなメロディラインがこれ以上無いというほどサウンドにマッチ。そして持ち味と言っていいギルモア譲りのブルージーなタッチを交えエモーショナルに高まっていくギターソロも、寂寥感溢れるサウンドにドラマチックさを加えていて素晴らしい。一語一語を大切に情感を込めて歌うヴォーカルも実に感動的。雪深い北欧の自然世界が眼前に映し出されるかのような、映像喚起的な魅力を持つ作品です。これは傑作。

  • MALUS ANTLER / OSIMANDIA

    イタリア新鋭17年デビュー作、フロイド、キャメル、ジャズ・ロックからスペース・ロックまでを散りばめた個性派シンフォ、クラリネットの音色が印象的

    イタリアの新鋭シンフォ・バンド、17年デビュー作。冒頭ピンク・フロイドとキャメルが合わさったような浮遊感とまろやかな優美さが同居するサウンドに、それほどイタリア色を感じずにいると、一転タイトでエネルギッシュなアンサンブルが切れ込んできて、徐々にイタリアらしさが出てきます。ヴィンテージトーンのオルガン、切れ味鋭いヴァイオリン、ひらひら舞うクラリネットらが渦を巻くようにフレーズを重ね合い音の密度が増していくと、満を持しての唾吹きフルートと激しいイタリア語ヴォーカルが飛び込んできて、ああイタリアのバンドだと納得。リリカルな表情に戻ったフルートと湧き上がるメロトロンをバックにエモーショナルに歌うヴォーカル。この1曲目-2曲目がとにかく見事で引き込まれます。その後も特に印象的なのがクラリネットで、ヘヴィに突き進むサウンドの中でも舞い踊るような優雅さが活きていて、その対比がバンドの持ち味として非常に効いています。随所で見せるスペイシーな浮遊感ある音像も特徴的。ヴォーカルはやや線が細めですが、その淡い歌声がいい意味でイタリア的な濃厚さを和らげていて、聴きやすさをもたらしているようにも思えます。これは一筋縄ではいかない面白いバンド!

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文・市川哲史

文・深民淳

文・舩曳将仁

文・netherland dwarf

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