2021年2月10日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
先月の、サー・ロード・バルチモアの高音質CDによる紙ジャケ化は嬉しかったですよね。
ヘヴィ・メタルの源流の一つと評されるのも納得の重量感で聴き手に迫ってくるハード・ロックが圧巻です。
ハード・ロック・ファンで未聴の方がいらっしゃったら、是非ぜひ聴いて欲しいおすすめアーティストとなっております!
そんなサー・ロード・バルチモアの他にも、ヘヴィ・メタルの礎を築いたとしてリスペクトされている作品がいくつかありますよね。
NWOBHM勢や米スラッシュ・メタルへと受け継がれていく抜群の疾走感と破壊力を備えたハード・ロック名盤たちをピックアップしてまいりましょう。
まずは、改めてサー・ロード・バルチモアの轟音ハード・ロックをご堪能ください!
サバスをも凌駕しかねないヘヴィネスとガレージ・サイケ由来の初期衝動。
なんという音圧・・・。
ずばり元祖ヘヴィ・メタル!
「史上初のハード・ロック」として伝説となった稀代の名曲『You Really Got Me』収録のデビュー作!
そもそもハード・ロックがなければヘヴィ・メタルも存在しなかった事を考えると非常に重要な1曲ですね。
ヴァン・ヘイレンやメタリカらHR/HMの代表格たちがリスペクトたっぷりにカバーしていることからも、影響の大きさがうかがえます。
こちらは「史上初のヘヴィ・メタル」とも評されるナンバー「ヘルター・スケルター」が入ったアルバムですね!
それにしても「メタルの原型」とかではなく、もろにメタルしてるのが改めて凄い…。
エッジ立ちまくりのヘヴィなギター、リンゴの凄みあるドラミング、ゾクゾク来るポールのヴォーカル!
68年当時にこの曲を書いてしまったポールの頭の中を覗いてみたくなります。
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ジミー・ペイジがヤードバーズ時代から温め続けたブルースロックのラウド化。ジェフ・ベックに先を越されながらも最強の4人によって作り上げた新たなロックの形。
このズシリとした重みとキレのあるスピード感の融合こそハード・ロックの起爆点と言えるでしょう。
「ヘヴィ・メタル」という言葉の発祥は諸説あるようですが、ツェッペリンのサウンドを形容する際に初めて用いられたとも云われてますね!
ツェッペリンを出したならこちらを挙げないわけにはいきません。
その影響はドゥーム・メタル/ストーナーロックという一ジャンルをも誕生させてしまうほどに巨大なものです。
ブルース/ジャズを基調としたヘヴィで暗鬱なサウンド、そしてジャケットからもうかがえる黒魔術的なバンド・コンセプト。
それらを掛け合わるということが当時としては革命的であり、のちに勃興するヘヴィメタルの元祖と称される所以でしょう!
4曲中3曲は、ブルースやフォークを下地とする、時代らしい味のあるブリティッシュ・ロックなのですが、1曲目「In Circles」がとんでもないナンバー。
冒頭、ややルーズなハード・ロックが始まるかと思いきや、猛烈なフィルインを合図に一気にスピードアップ!
ここでリフを弾くギターの重みとキレはもう完全にヘヴィ・メタルのそれ。ここだけならNWOBHMバンドの曲と言われてもまったく違和感を持ちません。
中間の長尺ソロはブルースを基調とする即興風のプレイが主体で70年作らしさが戻りますが、それにしてもキース・クロスは間違いなく天才でしょう。
知る限り、英国において最も早くプレ・メタルを体現した曲ではないかと思います!
こちらはNWOBHMの元祖と言われるバンド!
それにしてもメタリカもカヴァーした「Breadfan」のカッコ良いこと!
サバスばりの重量感 meets 後のNWOBHM勢がこぞって手本にしたキレとスピード。
英国的なメランコリーもあって、70s英ハード屈指の名曲ですね!
パープル加入以前の若きグレン・ヒューズが率いた名グループ!
サイケデリック&プログレッシヴな1stから、ハード&ブルージーなブリティッシュ・ハード・ロックへと舵を切ったのがこの2ndです。
ヘヴィ・メタル誕生にとって重要な一枚とされている作品だけあって、のちにホワイトスネイクでも活躍するメル・ギャレーによる恐るべき切れ味のギターワーク、全盛期ジューダス・プリーストを支えるデイヴ・ホーランドによる重厚なドラミングが圧巻。
もちろん、グレンによるソウルフルかつ強靭なシャウト・ヴォーカルも迫力満点です!
アメリカにも時代を超越した凄いバンドがいましたね。
HR/HMの源流の一つともされる、轟音渦巻くヘヴィ・サイケ大名盤。
野太いベースにドラムがズシズシ響き、ファズ・ギターがうねる。デビュー作とも、68年とも、3人だけとも思えないものすごい音圧!
こちらも、ヘヴィ・メタルの雛形を生み出したことで高い評価を受ける名バンド、72年のデビュー作。
サイケデリック&ブルージーなサウンドを土台としつつも、マネージャーのサンディ・パールマンが書くオカルティックな詞とヘヴィな轟音ギター・サウンドが強烈なインパクトを残す個性的なハード・ロック・サウンドを創出。
元祖ヘヴィ・メタルという名声に相応しい傑作ですね!
60年代のアトコ・レーベルで唯一100万枚を売った大ヒット68年2nd作。
強烈に耳に絡みつくヘヴィかつ奇妙なギターリフ、呪術的なヴォーカル、地を這うように重苦しいベース・ライン、そしてバロック調のオルガン・リフレイン。
表題曲「In-A-Gadda-Da-Vida」を筆頭に圧巻のヘヴィネスが渦巻くサウンドには、間違いなくメタルの萌芽が感じられます。
マイナーな一枚ですが、このサウンドは無視できません。
LED ZEPPELINのスピード感のみを抽出したようなスピーディー&アグレッシヴ&切れ味抜群のアンサンブル。
こりゃ元祖HR/HMの有力候補!
いかがだったでしょうか。
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スタッフが日替わりのテーマでオススメ作品をご紹介する「日々是ロック」。本日はサバスばりのヘヴィなギター炸裂する重厚ハード・ロックをセレクト。
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新鋭プログレ・シーンより、メタルの要素を巧みに配してスケール感あふれる音世界を作り上げている作品をピックアップしてまいりたいと思います。メタリックな重量感を取り入れることで生まれる、息を呑むようなダイナミズムとドラマ性をお楽しみください☆
AARDVARKなどと同じDERAMレーベルよりリリースされた、元GUNのPeter Duntonを中心に結成されたブリティッシュ・へヴィー・ロックグループの70年作。その内容はギタリストKeith Crossのパワフルなプレイを中心に、サイケデリックな質感を残したサウンドとブルース・ロックに根ざした渋みを持ったバンド・アンサンブルで聴かせる作風ですが、一方でピアノやメロトロンなどのキーボードやブラス・セクションなどが登用され英国然としたクラシカル・ロック・アンサンブルを提示するなど、シンフォニックな旨みも持ち合わせており、叙情を堪能できる作品です。
デジパック仕様、3枚組、disc2にアルバム用に制作された70年録音の未発表作品7曲、disc3に71-72年の音源9曲を収録、21年デジタル・リマスター
レーベル管理上、デジパック若干の圧痕や軽微な角潰れがある場合がございます。予めご了承ください。
EDISON旧規格、伊藤政則監修『ザ・グローリー・オブ・ブリティッシュ・ロック』シリーズ、定価3066
盤質:傷あり
状態:並
帯有
盤に若干曇りあり、若干カビあり、帯にケースツメ跡あり
ブルース・ロックからハード・ロックへの流れの中で、圧倒的な音圧で他のバンドをなぎ倒し、一気にシーンの先頭へと躍り出た怪物デビュー作。冴え渡るJimmy Pageのギター・リフ、Robert Plantの超絶シャウト・ヴォーカル、鋼のようなリズム隊。たった4人で生み出しているとは信じられない鋼鉄のサウンドで迫る傑作。
ペーパーケース仕様、69年の未発表ライヴ音源収録ディスクを含む2枚組、ジミー・ペイジ監修による14年デジタル・リマスター、外ビニール裏に曲目シール付仕様、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
ジェファーソン・エアプレインらが鳴らしたいわゆる「シスコ・サウンド」とは一線を画す、ヘヴィでワイルドなシスコ産サイケ・ロックを提示した超重要トリオの記念すべき68年デビュー作!ガレージ、サイケデリック・ロックの大名盤としても、ハード・ロック、メタル・ロック確立以前のDNAを併せ持った、プレ・ハード・ロックの名盤としても力強いサウンドを聴かせています。ジャンルや理屈を超えて迫ってくる音のカタマリが当時のサイケデリック・シーンの物凄さを伝えているように感じられますね。Eddie Cochran「Summertime Blues」の強烈カヴァーで幕開ける冒頭の段階で完全にノックアウト!圧倒的にヘヴィでエネルギッシュな音像に頭から呑み込まれてください。
紙ジャケット仕様、USリマスター採用、内袋付仕様、定価2571+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無、内袋付いていません
68年作。ロック、ポップス、ブルース、フォーク、クラシック、前衛音楽、インド音楽、これらすべてを呑み込み、彼ら一流の音楽センスで咀嚼し、異なるジャンルがぶつかり合う化学反応そのままに一気にぶちまけた、才気みなぎる大傑作。洗練された前作「Sgt.Pepper’s 〜」の反動からか、音を整理することなく、それぞれのメンバーのアンテナが向かうままに、剥き出しの音が鳴らされています。アルバム全体の統一感こそ薄いですが、1曲1曲はかなり尖っています。あのビートルズの、あのメンバー達の「アンテナ」が閉じこめられてるんですから、そりゃ、半端ではなくエネルギッシュ。
紙ジャケット仕様、2枚組、SHM-CD、09年デジタル・リマスター(ステレオ盤)、英語・日本語ブックレット付仕様、オリジナルポスター・メンバーポートレート付き仕様、定価3752+税、ステッカーなし(初回盤かアンコール盤か不明)
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯ミシン目に沿って切れ目あり、ジャケット若干経年変化によるヤケあり
カリフォルニアのハード・ロック・グループ、ツイン・ギター編成の4人組。70年のデビュー作。リフ&リードともにスピード感いっぱいのギター、手数多く前のめりなリズム隊、ハイ・トーンのシャウト・ヴォーカルが一体となり、アグレッシヴに疾走するハード・ロック。LED ZEPPELINのスピード感のみを抽出したようなスピーディー&アグレッシヴ&切れ味抜群のアンサンブルは元祖HR/HM!
エッジの立ったギター・リフが炸裂する名曲「You Really Got Me」収録の記念すべきデビュー作。64年10月リリース。当時のロンドンのクラブ・シーンの熱気を真空パックした熱気溢れる名演ぞろい。
後にDEEP PURPLEで活躍するGlenn Hughesの在籍で知られるグループ。70年作の2nd。1stからメンバーが抜け、トリオ編成に。サイケデリック&プログレッシヴな1stと比べ、ハード&ブルージーなブリティッシュ・ロックを聴かせています。アーシーでふくよかなドラム、メロディアスかつグルーヴ感いっぱいのベース、そして叙情的なアコギからコシのあるトーンのハード・エッジなエレキまで表情豊かなギター。極めつけは、ソウルフルなGlenn Hughesのヴォーカル!英国的な陰影とアメリカン・ロック的な土臭さやヌケの良さが絶妙にブレンドしたスケールの大きなサウンドはかなり完成度高いです。それにしても圧巻のグルーヴ!これを聴いて体が揺れないロック・ファンは居ないでしょう。
デジパック仕様、ボーナス・トラック2曲+70年ラジオセッション音源+71年ライヴ音源を収録した3枚組エディション
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