2019年1月29日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ増田です。
KAIPA、FLOWER KINGS、MOON SAFARI…現代におけるシンフォニック・ロックの最重要シーンといえば北欧。雪景色や幻想的な森を思わせるファンタジックなサウンドはやっぱりこの地域ならではですよね。
しかしそれと正反対の南半球、ブラジルやアルゼンチンといった南米地域も実はシンフォの名産地。70年代から現代に至るまで優美で爽やかなメロディ溢れるシンフォニック・ロックの名作を多数生んできました。
という訳で、今回は世界でも随一の旋律美を誇る!?北と南の二つの地域が生んだシンフォの名作を勝手に対決させてみたいと思います!
最初は往年の王道シンフォ名盤対決。まずは北欧【北組】からどうぞ!
白夜に奏でられるシンフォ・プログレ。アルバムのどこを切っても歌心が溢れ出す、ジャケのイメージ通りのファンタスティックな北欧プログレ名品。
いかにも北欧らしい幻想性たっぷりの作品ですね~。それに対する南米【南組】は…?
天上からひらひらと降りてくるような奇跡のメロディ、センチメンタルなヴォーカル、フュージョン・タッチのテクニカルかつ流麗なバンド演奏。ずばりアルゼンチン・ロック最高峰!
うーん、こちらも美しい…。続いては90年代のグループをピックアップしてみましょう。
なんてファンタジックなんだっ!明るくロマン溢れるメロディに輝きを放つシンセ、天空を舞うかのように鮮やかなヴァイオリン。彼らの最高傑作と称されるだけある、至上のシンフォ・サウンド!
南米からは鬼才ヴァイオリニストMARCUS VIANA率いるブラジルのグループ。という事で北欧からも同じくヴァイオリン活躍する一枚を!
スウェーデンの人気プログレ・グループ。美しいヴァイオリンとピアノによる壮麗さ溢れるクラシカル・シンフォと、ギターを主役とする緊張感溢れるヘヴィ・シンフォをダイナミズムたっぷりに行き来する展開が迫力満点!80分以上に渡って繰り広げられる至高のロック・オペラ作!
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次は00年代以降のシンフォ名盤!北欧からはこの10年リリースの大傑作をドン!
レビュー長すぎだよね? いや、でも、すげぇ、感動しちゃって、これでも途中で止めたんだ・・・。メロディの神が降臨した10年に1枚と言えるレベルの北欧シンフォ大傑作!
め、めちゃめちゃ泣ける~。ちょっと強敵すぎますが、南米からも美メロ溢れる実力派グループをご紹介!
アルバムのどこを切り取っても、ともどなく溢れる優美なメロディ・・・90年代以降の南米シンフォ・シーンを代表するブラジルのグループによる美メロ満載の傑作!
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続きましてはこんなテーマで作品をセレクト。南米からはこの傑作をどうぞ!
YESばりのテクニカルさと明るい叙情性を兼ね備えつつ、透明感溢れる女性ヴォーカルやリリシズム溢れるフルートも取り入れちゃって、もう胸が詰まりそうなくらいにファンタスティック!文句なしに南米屈指のシンフォ傑作!
対して北欧からはこちらのグループ!
しなやかな超絶技巧を惜しげもなく披露しつつ、ファンタジックな叙情性も備えたシンフォ・サウンドはYESにも匹敵。
これはどちらも負けていないんじゃないでしょうか!?続きましてはこんなテーマ。
無骨に暴れまわるリズムとメランコリックなギター、そして溢れ出す狂気のメロトロン。とんでもないものを聴いてしまった、という衝撃を受けた方は少なくないはず。 by 0321PROGさん
ここで出てくるは北欧の雄・ANEKDOTEN!またしても強敵ですが、対するは・・・?
時代は違いますが、南米のクリムゾン・フォロワーと言ったらこちらを紹介しない訳にはいきません!強靭なヘヴィネスと叙情性の融合をベースに、時にクラシカル、時にジャジー、時にアヴァンギャルドなフルートやサックス、ヴァイオリンが絡み合うアンサンブルが強烈!
さて、いよいよ大トリとなりました!最後は両地域を代表するベテラン・グループの対決!
イマジネーション溢れるままに美麗フレーズを紡ぎ出すギター、魔法のようにファンタジックで色彩に満ちたキーボード、F.マーキュリーを宿す野性味あるヴォーカル…。輝かしい気品に満ちた幻想世界に思わず息をのむ、北欧シンフォニック・ロックの到達点!
南米からはメキシコのこちらのグループ、同じく17年作をどうぞ。
今やメキシコのみならず中南米シーンを代表するグループとなった彼らの17年作はもう聴いた?この圧倒的スケール、スウェーデンのTFKとブラジルのSAGRADOを合体させたかのような凄まじさと言ってしまおう!傑作!
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90年代以降のプログレ・バンドではフラワー・キングスと双璧と言っても過言ではないバンドへと成長した、プログレ辺境の地メキシコの雄、CASTを大特集!
う~む、やはり現代北欧シンフォはビッグネーム揃い。しかし70年代から地道に積み上げてきた南米の名作群もやはり捨てがたい・・・。
という訳で、今回の勝負は引き分けですっ!
まだまだ北欧&南米シンフォの在庫ございます!こちらからどうぞ♪
70年代末結成、90年代初頭にデビューして以降コンスタントに高品質な作品をリリースし続け、今やメキシコのみならず中南米シーンを代表するグループとなった彼らの17年作!ピアノ、オルガン、シンセを縦横に駆使してアンサンブルを形作るクラシックの素養みなぎるキーボード、天を駆けるように格調高い音色から深みある芳醇な音色までを操る表現力抜群のヴァイオリン、そしてゴリッと硬質なリフワークとエネルギッシュな速弾きでCASTのヘヴィネスを一手に担うギター。安定感抜群のリズム・セクションの上を、三者が複雑に絡み合いながら織り上げていくスケールの大きなシンフォニック・ロック・サウンドは、もはや興奮を通り越して感動すら覚える素晴らしさ。全編にわたり瑞々しくファンタジックな躍動感に満ちながらも、同時に一音一音には確かな重量感のあるという、一分の隙なく構築されたサウンドはもはや貫禄と言う以外にはない威風堂々な出で立ちです。特に素晴らしいのが前作より正式メンバーとして活躍するヴァイオリニストRoberto Izzoのプレイ。ソロもたっぷりフィーチャーされており、清廉なクラシカル・シンフォの色合いが強まっているのが特徴です。これは、スウェーデンのTHE FLOWER KINGSとブラジルのSAGRADO CORACAO DA TERRAを合体させたかのような凄まじさと言ってしまおう!傑作!
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