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【ユーロロック周遊日記】現代のポーランドを牽引する重鎮グループMILLENIUMの13年作『EGO』

毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、現代のポーランド・プログレ・シーンの中心的バンドMILLENIUMによる13年作『EGO』をピックアップいたしましょう。

MILLENIUMは、FRAMAUROとして98年に1枚を残したグループを前身とするポーランドのシンフォニック・ロック・グループ。デビュー時は専任ベーシスト不在の4人編成でしたが、現在はリズム隊、ヴォーカル、キーボード、ギターというオーソドックスな5人編成で活動しています。

PINK FLOYDやGENESISなど70年代英プログレ~MARILLIONなどのポンプ/ネオプログレまで、プログレッシヴ・ロックの本流とも言える流れを濃厚に受け継いだ叙情性豊かでドラマティックに展開していくサウンドに、現代のバンドらしいモダンなエレクトロニクスを散りばめた、古きと新しきを見事に折衷した音楽性を持ち味としています。

中でもサウンド面で最も影響を感じさせるのがPINK FLOYDで、シンセによる空間的な音作りやギターのエモーショナルなタッチなどフロイド的なエッセンスを随所で聴くことができ、さながら「シンフォニック・ロック版PINK FLOYD」と言えるような切々と綴られる内省感とシンフォ由来の壮大なドラマ性を兼ね備えた力強いサウンドによって、新鋭バンドの中でも高い人気を得てきました。

13年にリリースされた『EGO』は、従来のフロイド系シンフォに更に磨きをかけつつも、東欧プログレらしい情感豊かなメランコリーが全体を包み込んだ新たな傑作。ジャケットにあるような東欧の霧がかった森林を思わせる幻想性を湛えた静謐なパートから、一気に視界が開けるようにキレの良い明快なアンサンブルへと鮮やかな対比を聴かせる演奏がこれまでになく素晴らしい作品に仕上がっています。

では、その辺がよく現れたナンバーを本作よりお聴きいただきましょう♪

1.EGO

試聴 Click!

デジタリィに刻まれるリズムとフロイド的な内省感を違和感なく同居させる音楽性は彼らの真骨頂。そこに現代屈指の名ヴォーカリストGALLがスタイリッシュに歌い込んでいきます。現代的なアグレッションとうっすらと垂れ込めるメランコリックな空気が融け合って、このバンドならではの世界観を作り上げていますよね。

3.DARK SECRETS

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GENESISも感じ取れるロマンティックでリリシズム溢れるメロディが見事な前半。そしてテンポアップしてからの流麗に駆け抜けていくインストパートの素晴らしさと言ったありませんよね!往年の英国プログレに由来する格調高いファンタジーを理想的に現代に持ち込んだと言える本作のハイライト的ナンバーです。

ここまで英国プログレならではのエッセンスを損なわずに自分たちの血肉としている現代のグループはおそらく数える程度なはず。それがポーランドにいるというのがすごいですよね。古き良き英国プログレへの憧憬を独自のサウンドへと昇華した名グループがこのMILLENIUMなんです。

これからも新鋭プログレの重鎮バンドとしてポーランドシーンを引っ張っていくであろうMILLENIUMにどうぞご注目ください☆

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2013年リリースの新鋭シンフォ傑作選!

MILLENIUMの在庫

  • MILLENIUM / PUZZLES

    現代ポーランドを代表するシンフォ・グループ、11年発表の2枚組コンセプト・アルバム傑作

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。前作から3年ぶりとなった2011年作の8thアルバムで初の2枚組。憂いあるメロディと空間的で映像喚起的なアレンジとが完璧に融合したスタイリッシュなプログレを前作で極めた彼らが挑んだのが、アルバム2枚に渡って描く壮大なるストーリー。アダムとイブを主人公に、男女間の複雑な関係性をパズルのピースに見立てて描いたコンセプト・アルバムに仕上がっています。ジャケット・イメージからも分かる通り、彼らが敬愛するピンク・フロイド『ウォール』へのオマージュであり、挑戦でもある力作。これは傑作です。

  • MILLENIUM / 44 MINUTES

    現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担うグループによる17年作、サックスを大きくフィーチャーし、アーバンな香り漂うメロディアス・プログレを聴かせる意欲作!

    現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担うグループによる17年作。今作よりゲストプレイヤーだったサックス奏者が正式メンバーとして参加。ピンク・フロイド憧憬のメランコリックかつ劇的なサウンドにジェネシス的な叙情溢れるキーボードプレイを加えた音楽性を持っていた彼らですが、今作ではアーバンな香り漂うサックスのプレイも大きくフィーチャーし、従来作に比べ格段に洗練されたメロディアス・プログレを聴かせてくれます。全体的に見るとキーボードが担っていたシンフォ色は後退したものの、ここぞという場面ではシンセがスケール大きくうねり、存在感を発揮。サックスに活躍に加え、ギルモアのブルース色を抑えたようなエモーション溢れるギターや映画のワンシーンを思わせる話し声のSE、一部楽曲での女性ヴォーカルの起用など、『狂気』のフロイドを現代的な音像で再構成したような印象も強く受けます。さらに特筆なのがメロディの素晴らしさ。従来に増してシンプルゆえの力強さを宿す選び抜かれた美しいメロディが、聴き手の胸を強く揺さぶってきます。そのメロディを歌い上げる少し憂いのある男性ヴォーカルも相変わらずいい声です。シンフォニック・ロックという従来の立ち位置から大きく前進し、独自のサウンドを練り上げた意欲作!

  • MILLENIUM / VOCANDA (VOCAND 2000 + VOCANDA 2013)

    00年代以降のポーランドを代表するシンフォニック・ロック・バンド、00年作2nd『VOCANDA』と同作を再録した『VOCANDA 2013 LIVE IN STUDIO』を収録

    現ポーランド・プログレの中核を成す人気グループ、00年リリースの2nd『VOCANDA』と、同作を13年にスタジオ・ライヴで再録した『VOCANDA 2013 LIVE IN STUDIO』を収録した2枚組。オリジナル・アルバムは、デビュー作で印象的だった、ネオ・プログレの叙情性とともにピンク・フロイドのDNAを継ぎ、メランコリックかつ映像喚起的なサウンドの延長線上に、「静」と「動」の対比鮮やかに、よりスケールを増した力作。『アニマルス』『ウォール』あたりのフロイドを彷彿させるアコースティックなオープニング・ナンバーからはじまり、無機的な音色のストリングス・シンセをバックにヘヴィなギターが炸裂し、ジェネシスばりのドラマティックなリズムのアクセントとともに、サックスが乱入して荘厳に盛り上がる展開にノックアウト。前作以上にエモーショナルに泣きのフレーズを奏でるギターも素晴らしいし、気品あるタッチのピアノやワルツ曲などポーランド生まれのショパンのエッセンスを感じるし、前作以上にメロディアスさが際立った一枚です。一方13年の再録は、オリジナル・ヴァージョンでのドラマティックさはそのままに、よりダイナミックでスケール感に満ちた演奏に生まれ変わっています。中でもギターとキーボードの演奏技術/表現力は大きくレベルアップしているのがわかり、作品本来の魅力を引き出すような素晴らしいパフォーマンスに思わず感動。ヴォーカルのLUKASZ GALLの切々としたハイトーン・ヴォーカルもやはり絶品です。LYNXレーベルの15周年を記念した企画アルバムですが、力の入った充実の演奏を披露してくれていて素晴らしいです。

  • MILLENIUM / BEST OF…SOMETHING ENDS SOMETHING BEGINS

    ポーランド・シンフォ・シーンの人気グループ、22年のベスト・アルバム

    現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担う人気グループ、00年作2nd『Vocanda』から20年作『The Sin』までの20年間から選ばれた全20曲を収めた22年編集ベスト・アルバム。ピンク・フロイド、ジェネシス、キャメルから影響をスタイリッシュに練り上げた独自のスタイルで00年代ポーランド・プログレを牽引してきた、彼らの歴史を俯瞰するのにこれ以上ない決定版ベストです!

  • MILLENIUM / TALES FROM IMAGINARY MOVIES

    ポーランド・シンフォ・シーンの人気グループ、22年作、80s〜キャメルやフロイドを受け継ぐこれでもかとドラマティックなサウンドが溢れ出す会心作!

    現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担う人気グループ、スタジオ・アルバム15作目となる2022年作。本作より新ヴォーカルにキーボーディストRyszard KramarskiのバンドTRKPROJECTのDawid Lewandowskiが加入。80年代以降のキャメルを想起させる、どこか物悲しくもエモーションいっぱいに広がる雄大かつ重厚なインスト・パートと、従来のピンク・フロイドからの影響をモダンに昇華させたスタイリッシュでメロディアスなヴォーカル・パートがこれでもかとドラマチックに対比されるスタイルは、これぞMILLENIUM節としてさらに極まっています。タイトに刻む安定感抜群のリズム・セクションを土台に、まさにラティマーばりに泣きまくる哀愁ほとばしるギターと、シンセを軸にフロイド譲りの深遠な音空間を作り上げるキーボードによる、激情とメランコリーを揺れ動くアンサンブルはかつてない素晴らしさ。そんな演奏に渾身の歌を乗せる新ヴォーカルも特筆で、ハートフルな温かみも滲む、歴代ヴォーカルでも屈指の情緒に富んだ歌唱がMILLENIUMサウンドの説得力を引き上げます。どこを切り取ってもグッと来てしまうドラマ性に満ち満ちた、15作目にしてキャリア屈指の会心作!

  • MILLENIUM / HOPE DIES LAST

    24年作16th、新たにサックス/フルート奏者を迎え、徹頭徹尾ドラマティックでメロディアスなシンフォニック・ロックを聴かせる入魂の一作!

    現ポーランド・シンフォ・シーンの中心に位置する人気グループ、前作から2年ぶりに届けられた16枚目のスタジオ・アルバム、24年作!フルート/テナーサックス奏者が新たに加入し、バンドとしての表現の幅がグッと広がった印象。従来のCAMELやPINK FLOYDからの影響は見事に彼らの音として消化され、本作ではMARILLIONにも匹敵するメロディックで劇的なナンバーが並ぶ、シンフォニック・ロックとしてはこれ以上ないまでに洗練を極めた内容となっています。安定感抜群に刻まれるリズムを土台にして、荘厳さとスタイリッシュさが調和したシンセやオルガンが立体的に広がり、ギターが泣きのフレーズも満載のメロディアスなプレイを重ね、ハイトーンながら落ち着いたクセのない声質の英語ヴォーカルが切々と歌います。そんなMILLENIUM印のアンサンブルに、アーバンな空気感をもたらすテナーサックスが素晴らしくマッチ。叙情的なナンバーでメランコリックに奏でられるフルートも演奏に神秘性を付与していて見事です。ギター、サックス、オルガンがそれぞれの持ち味を生かしたソロプレイを披露し、満を持して哀切極まるヴォーカルへとバトンが渡る、2曲目の展開には思わずグッと来ました。エレクトロ音響もスタイリッシュに纏わせながら、徹頭徹尾ドラマティックでメロディアスなシンフォニック・ロックを堪能させてくれる入魂の一作!

  • MILLENIUM / SOUVENIR FROM HOLLAND(BLURAY)

    現代ポーランド・プログレ・シーンをリードする人気シンフォ・グループによる23年4月のライヴ映像を収録!

    名実ともに現代ポーランド・プログレ・シーンをリードする人気シンフォ・グループによる、24年リリースのライヴ映像作品。23年4月、KARFAGEN & SUNCHILD/RANESTRANE/SOLSTICEなど各国の実力派も名を連ねたオランダでのプログ・フェス「Progdreams X Boerder」に出演した際の映像を収録しています。最新作である22年作『TALES FROM IMAGINARY MOVIES』からのナンバーを中心に、初期・中期からのナンバーも散りばめた全12曲を披露。PINK FLOYD影響下の空間を感じさせるメランコリックな音作りを土台に、シンフォニックな荘厳さやスタイリッシュなメロディ・センスを加味したMILLENIUMならではのスタイルは、ライヴにおいてもその魅力を損なうことはありません。プログラミングを巧みに絡めて聴かせる洗練されたリズム・セクション、シンセ/オルガン/ピアノを操りアンサンブルに重厚な聴き応えをもたらすキーボード、ギルモアのブルージーなエモーションとスティーヴ・ロザリーの歌心を併せ持ったような見事なギター。四半世紀をかけて磨き抜かれたアンサンブルに、22年作から加入した新ヴォーカルが温かみと切なさを帯びた歌声を乗せます。傑作と呼ぶべき出来栄えだった22年作からのナンバーの素晴らしさは言わずもがなですが、現在の高度な演奏力で披露される初〜中期ナンバーもまた新鮮で聴き所です。さすがの貫禄溢れるパフォーマンス!

  • MILLENIUM / SOUVENIR FROM HOLLAND(CD)

    現代ポーランド・プログレ・シーンをリードする人気シンフォ・グループによる23年4月のライヴ音源を収録!

    名実ともに現代ポーランド・プログレ・シーンをリードする人気シンフォ・グループによる、24年リリースのライヴ・アルバム。23年4月、KARFAGEN & SUNCHILD/RANESTRANE/SOLSTICEなど各国の実力派も名を連ねたオランダでのプログ・フェス「Progdreams X Boerder」に出演した際の音源を収録しています。最新作である22年作『TALES FROM IMAGINARY MOVIES』からのナンバーを中心に、初期・中期からのナンバーも散りばめた全12曲を披露。PINK FLOYD影響下の空間を感じさせるメランコリックな音作りを土台に、シンフォニックな荘厳さやスタイリッシュなメロディ・センスを加味したMILLENIUMならではのスタイルは、ライヴにおいてもその魅力を損なうことはありません。プログラミングを巧みに絡めて聴かせる洗練されたリズム・セクション、シンセ/オルガン/ピアノを操りアンサンブルに重厚な聴き応えをもたらすキーボード、ギルモアのブルージーなエモーションとスティーヴ・ロザリーの歌心を併せ持ったような見事なギター。四半世紀をかけて磨き抜かれたアンサンブルに、22年作から加入した新ヴォーカルが温かみと切なさを帯びた歌声を乗せます。傑作と呼ぶべき出来栄えだった22年作からのナンバーの素晴らしさは言わずもがなですが、現在の高度な演奏力で披露される初〜中期ナンバーもまた新鮮で聴き所です。さすがの貫禄溢れるパフォーマンス!

  • MILLENIUM / EGO

    ポーランド・プログレ・シーンを代表するシンフォ・バンド、ずばり最高傑作と言える13年作9th

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。ネオ・プログレとピンク・フロイドの影響の元に、メランコリックで映像喚起的なサウンドでデビューし、徐々に洗練させながら、前々作、前作で到達した、「プログレ」の枠を超えた、ピンク・フロイド『ウォール』ばりのスタイリッシュな「ロック」サウンド。2013年作9thである本作では、スタイリッシュさはそのままに、叙情性を増し、シンフォニック・ロックとして孤高のサウンドを聴かせています。映像喚起的なSEから入り、中欧の森を思わせるアコギのリードが静かに鳴るイントロ。その静寂を打ち破って轟くヘヴィなギターとキーボードによる音の壁とギルモアばりに伸びやかに泣くリード・ギター。そして、何より素晴らしいのがメロディーとヴォーカル。ピンク・フロイドの内省感とネオ・プログレの叙情美とが出会ったような美旋律、そして伸びやかさの中に翳りを感じさせるハイトーンが魅力のヴォーカルは、もう絶品の一言。99年のデビュー作での「空間的な音響センスに溢れたシンフォニック・ロック」を、これまでの作品で培ったテクニックとサウンド・メイキングのセンスにより圧倒的な強度で聴かせた一大傑作。熱くも透徹としたロマンティシズム。これはずばり最高傑作!

  • MILLENIUM / EXIST

    ポーランド屈指のプログレ新鋭バンド、一気に洗練され、ピンク・フロイドばりのスタイリッシュなサウンドを聴かせる08年作の傑作7th

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。前作6thの後、ベスト盤、シングル盤をリリースしてからの08年作7th。これまでも『ウォール』期のフロイドを彷彿させる映像喚起的なサウンドを聴かせてきましたが、本作のオープニング・トラックの曲目はなんと「EMBRYO」で、大地の脈動のように雄大なリズムをバックに、ギターがギルモアばりに伸びやかなリードを奏で、ヴォーカルが憂いたっぷりなメロディをエモーショナルに歌い上げるフロイドのDNAを正統的に受け継いだサウンドを聴かせています。かなり洗練された印象で、「ヴォーカル&メロディ」とそれを彩る「空間的なアレンジ」という彼らの2つの大きな魅力にサウンドを凝縮させた感じ。ピンク・フロイドと同じく、「プログレ」という枠を超えて、ワールド・ワイドに評価されるべきスタイリッシュでスケールの大きな「ロック」を聴かせる大傑作です。

  • MILLENIUM / IN SEARCH OF THE PERFECT MELODY

    ポーランド屈指のプログレ新鋭バンド、前作に負けず劣らずの傑作に仕上がった2014年作10th

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。最高傑作と言える圧倒的な強度のシンフォニック・ロックを聴かせた前作からわずか1年でリリースされた2014年作10thアルバム。「完璧なメロディを探して」というタイトル通り、アルバム冒頭から伸びやかなハイ・トーンのヴォーカルがアカペラで高らかに歌い上げ、鳥肌もの。間髪いれず、彼らの持ち味である、ピンク・フロイドゆずりのディレイ音による空間的なアンサンブルの中、ギター、続いてサックスがリードを取る展開もスケール大きいです。このタイトル・トラックは、ベートーヴェンやバッハやワーグナーなど偉大なる作曲家へのオマージュであるとともに、偉大なるプログレ大曲、ジェネシス「サパーズ・レディ」やピンク・フロイド「エコーズ」やイエス「危機」へのオマージュとして作られた19分を超える大曲。メランコリックでいてスタイリッシュな彼らならではのプログレッシヴ・ロックを極めた名曲です。ロング・トーンでまるで歌うように優美に奏でられるギターと夢想的なサックスが柔らかにメロディを紡ぎ合うインストあり、ストリングスが艶やかに彩る、愛とともに裏切りを描いた渾身のバラードあり、ピンク・フロイドゆずりの洗練を極めたアンサンブルとともに突き抜けたメロディ・センスで聴き手を壮大な音のストーリーへと導き感動を誘うサウンドは彼らの真骨頂。前作に負けず劣らずの傑作です。

    • LM90CDDGLYNX

      デジパック仕様 ※1曲目00:15にブツッという雑音、2曲目05:03以降に一部の音が奥に引っ込んだような感じになります。制作段階での問題と思われますので、何卒ご了承ください

  • MILLENIUM / SIN

    現ポーランド・シンフォ・シーンの中核を成すバンド、2020年作14thアルバム!

    現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担うグループ、14作目となる2020年作。タイトルが示すとおり、現代社会における「七つの大罪」を描く7曲によって構成されたコンセプト・アルバムとなっています。重厚なテーマですが、本作でもPINK FLOYDと90s以降のMARILLIONから影響を受けた深淵かつエモーショナルなシンフォニック・ロックは健在。ビシッビシッと重くタイトに刻むリズムに乗って、オルガンが叙情的にたなびき、リック・ライト彷彿のシンセがダークに広がり、そしてギルモアの泣きとS.ロザリーのメロディアスな音運びを兼ね備えたギターが飛翔するサウンドは、「ドラマチック」という言葉をそのまま音にしたような素晴らしさ!英語で歌う、スタイリッシュな歌い回しの中に切ない哀愁を秘めた男性ヴォーカルも、劇的なサウンドを一層盛り立てます。エレクトロニクスやSEを効果的に用いた演出力の高さにも注目。今回も貫禄のMILLENIUMサウンドを繰り広げる力作です。

  • MILLENIUM / SOUVENIR FROM HOLLAND(CD+DVD)

    現代ポーランド・プログレ・シーンをリードする人気シンフォ・グループによる23年4月のライヴを収録したCD+DVD、24年リリース

    名実ともに現代ポーランド・プログレ・シーンをリードする人気シンフォ・グループによる、24年リリースのライヴCD+DVD。23年4月、KARFAGEN & SUNCHILD/RANESTRANE/SOLSTICEなど各国の実力派も名を連ねたオランダでのプログ・フェス「Progdreams X Boerder」に出演した際の映像を収録しています。最新作である22年作『TALES FROM IMAGINARY MOVIES』からのナンバーを中心に、初期・中期からのナンバーも散りばめた全12曲を披露。PINK FLOYD影響下の空間を感じさせるメランコリックな音作りを土台に、シンフォニックな荘厳さやスタイリッシュなメロディ・センスを加味したMILLENIUMならではのスタイルは、ライヴにおいてもその魅力を損なうことはありません。プログラミングを巧みに絡めて聴かせる洗練されたリズム・セクション、シンセ/オルガン/ピアノを操りアンサンブルに重厚な聴き応えをもたらすキーボード、ギルモアのブルージーなエモーションとスティーヴ・ロザリーの歌心を併せ持ったような見事なギター。四半世紀をかけて磨き抜かれたアンサンブルに、22年作から加入した新ヴォーカルが温かみと切なさを帯びた歌声を乗せます。傑作と呼ぶべき出来栄えだった22年作からのナンバーの素晴らしさは言わずもがなですが、現在の高度な演奏力で披露される初〜中期ナンバーもまた新鮮で聴き所です。さすがの貫禄溢れるパフォーマンス!

  • MILLENIUM / WEB

    ポーランド・シンフォ・シーンの中核を担うグループによる19年作、オリジナル・ヴォーカリストが復帰した13th!

    現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担うグループ、13作目となる2019年作。オリジナル・メンバーのヴォーカリストLukasz Gallが復帰して制作された本作。その内容は、PINK FLOYDやGENESIS〜MALLIRIONへのリスペクトに溢れたシンフォニック・ロックに、ポーランドらしい深いリリシズムと翳りある叙情美を加えた、揺るぎなきMILLENIUMサウンド。虚空に切なく響くようなピアノ、アンサンブルに奥行きをもたらす深遠なシンセ、ギルモアとS.ロザリーをミックスしたようなエモーションたっぷりに泣くギター、そしてスタイリッシュな中に哀愁を秘めた変わらぬ素晴らしい歌声…。シリアスでメランコリックに紡がれる演奏が、サビに向けて気高く飛翔していくあまりにドラマチックな展開は毎度ながら見事の一言です。始動から20年目となる彼らですが、ただただ実直に自らの音楽を深化させ続けていく姿勢に胸打たれる一枚です。

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