2014年2月24日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: 日々是ロック
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
入荷したCD、売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
試聴用の動画とともに、関連する特集記事やジュークボックス・コンテンツをご紹介してまいります。
ここ埼玉では、本格的な冬の寒さはいったん終わり、明日からは少し温かくなるようです。
でも、あの忌まわしき大雪からは10日しか経っていませんし、まだまだ気持ちまで温かくなることは先になりそうです。
ということで、一枚目は、そんなちょっぴり憂鬱な心持ちをアカデミックな感性で刺激してくれる作品をピックアップいたしましょう。
後にスペインを代表する音楽家となるJoan Albert Amargosが若い日に結成したジャズ・ロック/アヴァン・ロック・グループ。アレアやSHESHETとも呼応した地中海プログレの傑作!
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スペインはバルセロナのジャズ・ロック・シーンの名グループ、MUSICA URBANAがZELESTEレーベルよりリリースした76年作1st『MUSICA URBANA』をピックアップ!
バルセロナ産ならこの作品も芳醇ですよ~。カンタベリー(特にハットフィールド!)のファンには本当にオススメです。
女性ヴォーカルのスキャットもフィーチャーし、「RETURN TO FOREVERへのスペインからの回答」と言えるたおやかなアンサンブルから、ベルギーのCOSあたりに通じる暗黒カンタベリー的アンサンブルまで、とにかく演奏が芳醇なこと!ユーロ・ジャズ・ロック屈指の名作。
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スペインはバルセロナの名Key奏者/コンポーザーのJordi Sabatesが75年にリリースした2nd『OCELLS DEL MES ENLLA』をピックアップ!
長くイスラム圏内にあった南のアンダルシア地方とは異なり、北東部の地中海沿岸に位置するバルセロナは洗練されたジャズ/フュージョン/アヴァンギャルドなロックを聴かせるバンドが多いのが特徴。
力を入れて特集しておりますので、是非、チェックください!
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70年代にスペインでおこったロック・ムーヴメント「Musica Laietana ライエターナ・ミュージック」を特集!
地中海的ジャズ・ロックならイタリアのベテランによる新譜も注目!
70年代にジャズ・ロックの名作2枚を残したイタリアの名グループによる2014年の復活作。チェロやサックスがたおやかなエキゾチズムを加える芳醇な地中海ミュージック逸品!
イタリアと言えば、最近リイシューされたこのカンタウトーレ作、良いですよ~。イ・プーばりに溢れ出る美メロ。絶品です。
HUNKA MUNKAの名作への参加でも知られるカンタウトーレ/コンポーザーのソロ作は聴きました?これがイ・プーばりにセンチメタルな美メロ満載で、HUNKA MUNKAもオルガンで参加してるし、ただただ感動!
先ほど入荷したてのベストセラー新譜をピックアップいたしましょう!
スウェーデンのカイパに対するノルウェーからの回答と言える名グループによる渾身の13年作。キャメル直系の叙情と北欧シンフォならではの手工芸品のような温かみが融合に涙。
ノルウェーでファンタスティックなシンフォニック・ロックと言えば、往年のこの作品もオススメ!
このオープニング・ナンバーを聴いて心躍らないプログレ・ファンはいないと断言!クリムゾン、ジェネシス、ジェスロ・タルからの影響が色濃いファンタスティックなノルウェー産プログレ!
ファンタスティックなプログレなら、英国のこのバンド、最高ですよね~。
イアン・マクドナルドのプロデュースで、バンドの持つ幻想性とメロディ・センスをこれでもかと引き出してるんですよね~。これぞイギリスならではのファンタジーだなぁ。
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イエス『危機』を出発点に、テンションいっぱいのアンサンブルとファンタスティックなメロディ&コーラスが素晴らしいプログレを世界中からピックアップ!
イアン・マクドナルドのプロデュース作なら、これもトップセラー!
クリムゾンのイアン・マクドナルドのプロデュースでデビューした米シンフォの隠れた名盤。ジャケからして秘宝臭ぷんぷんですが、音もイエス&ジェネシス直系のファンタスティック・プログレでたまりません!
ニッチ&ディープなハード・ロックをピックアップいたしましょう!
ハード・ロックといえばイギリスですが、ユーロ各国にも素晴らしいハード・ロック作品がございますよ~。
イスラエルにもハード・ロックが!? BUGIEを彷彿させる疾走感溢れる曲や華麗なストリングスとファズ・ギターが混ざり合うドラマティックな曲や、もうハードロック史上に残る傑作!
ファズ・ギターとエネルギッシュなシャウト・ヴォーカルが渦巻くアングラ・ハードが軸ですが、メロトロンが溢れたり、アコースティック・ブルースがあったり、一筋縄ではいきません!
韓国BIG PINKレーベルのルーツ・ロック作品も相変わらず人気!
DボウイやディランやJレノンやPサイモンやTラングレンなど数多くのトップ・アーティストを支えた名セッション・マン達によるバンド!グルーヴィーかつメロウで艶やかなスワンプ・ロックはさすがのスケール・・・。
1月&2月の断トツのベストセラーがこちら!待ちに待ったリイシューですね!
リーダーは、ウィングスで「My Love」の名ソロを残した名ギタリストで、バックは、グリース・バンド + フランキー・ミラー・バンド!そりゃ、英スワンプ屈指の大傑作になるにきまってるでしょ!
メロウな英スワンプ・ロックならこのバンドも最高!
ニール・ヤングやCSN&Yへの溢れる憧憬と、そこかしこから滲み出る英国的メロウネス。枯れた哀愁いっぱいの英パブ・ロックのいぶし銀名作~。
いぶし銀ブリティッシュ・フォーク・ロックをもう一枚!
グレイトフル・デッドの「アメリカン・ビューティー」が好き?メロディが美しく、リラックスしたフォークロックをお探し?でも、英国ものはどの辺から聴いたらいいかわからない?そんな方におすすめなのが、こちら☆
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数多くの英SSWの名作を支えた、目立たないながらも愛すべき「いぶし銀バック・バンド」達にスポットを当てます。ちょっと渋いセレクションですが、この周辺に英ロックならではの旨味がたくさんつまっているんですよね。
最後に、虚ろでいって英国らしい牧歌性もたまらないアシッド・フォークをピックアップ。
ヘタヘタ・リコーダーがたまらないんですよね。虚ろさの中に繊細さとリリシズムがあるヴォーカル&メロディ。木漏れ日アシッド・フォークですね!
いかがでしたか?
みなさまにぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
アイルランドのプログレバンド、75年4th。キーボーディストが交代し、Ian McDonaldをプロデューサーに迎え制作された本作ですが、その内容は前作のポップ志向をさらに強め、彼らのディスコグラフィー中で最も洗練されたシンフォニックプログレへと落とし込んだ名盤。ハード路線にいきがちな彼らの演奏をストリングスで上手く中和するなど、やはりIan McDonaldの手腕が幅を利かせている点がポイントですが、新加入のキーボーディストのバンドへの貢献も顕著であり、シンセサイザーやメロトロンに加えてエレピなども効果的に導入し、今までには見られなかったジャジーなテイストも散りばめられ、楽曲により多様性と深みを与えています。シンフォニックロックの華やかさ、ファンタジックさ、そして前作の延長上にある明快なメロディーを持ち合わせた必聴作であり、彼らの集大成と言うにふさわしい1枚となっています。
スペインはバルセロナ出身、60年代にPIC-NICというポップ・バンドで活躍し、70年代にはギタリストのToti Solerとともにスペインのジャズ・ロック・シーンの祖を築いたとも言われる名グループOMを結成したことで知られるピアニスト。Edigsa/Zelesteレーベルより75年にリリースされた2ndソロ。ピアノとエレピを基本にした前作とは異なり、バンド編成で録音。OMで一緒だった名ギタリストToti SolerとベースのManolo Eliasをはじめ、元JARCAのギタリスト、後にORQUESTRA MIRASOLで活躍するドラマーなどがサポート。女性ヴォーカルのスキャットもフィーチャーし、「RETURN TO FOREVERへのスペインからの回答」と言えるたおやかなアンサンブルから、ベルギーのCOSあたりに通じる暗黒カンタベリー的アンサンブルまで、とにかく演奏が芳醇なこと!ピアノやエレピはもちろんのこと、フィル・ミラー的な滑らかに緊張感あるフレーズからゴリゴリとアグレッシヴに弾き倒すフレーズまで縦横無尽なエレキも特筆。パーカッシヴなフラメンコ・ギターとの対比も見事です。15分を越えるオープニングの組曲はユーロ・ジャズ・ロック屈指と言える名曲。
イスラエル出身、60年代に後半に活躍したCHURCHILLSを前身に、JERICHO JONESと改名してイギリスに渡ってアルバムをリリースした後、さらにバンド名を短くJERICHOと改名。72年にリリースしたイスラエルが誇るヘヴィ・プログレ/ハードの逸品。エッジのたったトーンでスピーディーに畳みかけるギター・リフが引っ張るアグレッシヴなサウンドが持ち味。痺れるキメのリズム・チェンジなど、自由自在のアンサンブルはさすがイスラエル・ハードNo1グループ。炸裂するシャウト・ヴォーカルも素晴らしい。英国のハード・ロック名作にも一歩も引けを取らないハード・ロック史上に残る傑作。
スペインはバルセロナ出身、チェンバー/ジャズ・ロックの名グループ。76年にZELESTEレーベルよりリリースされた1st。後にクラシックから映画/演劇音楽でも名を残し現代スペインを代表する音楽家となるJoan Albert Amargosを中心に、60年代末から活躍するブラス・ロック・バンドMAQUINA!のメンバー、BARCELONA TRACTIONのKey奏者により結成。英米ロックから解放されたスパニッシュ・ロックの確立を目指していたようで、地中海音楽やアンダルシア音楽をはじめ、スペインのオペラであるサルスエラ(Zarzuela)も取り込んだチェンバー・ロックが特徴です。緻密かつ地中海の香り漂う芳醇なサウンドは、HATFIELD & THE NORTHのファンをはじめ、イスラエルのSHESHETやイタリアのAREAやPICCHIO DAL POZZOのファンにはたまらないはず。若きJoan Albert Amargosの才気ほとばしるイマジネーション豊かな名品です。
72年に結成され、80年にデビューしたノルウェーを代表するキャメル系シンフォ・グループ。2002年作以来、11年振りとなる2013年6thアルバム。オープニングから、アンディ・ラティマー直系の太くマイルドなトーンのギターが炸裂!これでもかと伸びやかに美しい旋律を奏でます。優しいアコーディオンの響きや、ツンツンと尖った躍動感あるリズムには、北欧トラッド/舞踏音楽の幻想性がにじみ、北欧シンフォならではの手工芸品のようなサウンドに心温まります。伸びやかで力強い歌声を聴かせるのは、元MAGIC PIEで、近年のケン・ヘンズレーのバンドにも参加するヴォーカリストEirikur Hauksson。彼のエモーショナルなヴォーカルが映像喚起的なサウンドをより劇的に演出しています。とにもかくにも、キャメルばりのとめどなく歌心溢れるシンフォニックなパートと、北欧フレイヴァーいっぱいのキレのあるプログレ・ハード的パートとの鮮やかな対比が見事。モダンで明瞭なサウンドにより、一音一音が際立ち、バンドの持つ構築美とそこからこぼれ落ちる叙情とがくっきりと捉えられていることも特筆。スウェーデンのカイパに対するノルウェーからの回答と言える名グループによる、新鋭バンドにも負けないエネルギーのつまった傑作。これはシンフォ・ファン必聴ですよ〜。
69年にISLANDレーベルよりリリースされた1stアルバム。サウンドはジャケットの印象通りで、アシッド臭と幻想性が絶妙にブレンドされたまどろみ英国フォーク。1曲目イントロから必殺のヘタヘタ・リコーダーで心奪われます。男女ヴォーカルによる不安定なハーモニーもなんだか美しいですね。サウンドの雰囲気はISBに近いですが、ISBよりはかなりメロディアスで聴きやすいサウンドです。傑作。
後にPOPOL ACEと改名するノルウェーのグループ(ドイツのグループとは同名異)、72年作のデビュー作。KING CRIMSONやP.F.M.に通じる引き締まったドラム、GENESISの通じるファンタスティックなキーボード、溢れ出るメロトロン、JETHRO TULLに通じるフルート、グレッグ・レイクとイアン・アンダーソンを足して二で割ったようなヴォーカルが印象的。オープニング・ナンバーを聴いて心躍らないプログレ・ファンはいないと断言できます!溢れ出るメロディ、美しいアンサンブル&展開、変拍子に心躍りまくり。北欧シンフォ屈指の傑作!
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